うねり、猛暑、湿気にモンガラ・・・
          三ノ瀬スクモは敵ばかり

2004年6月29日 高知県沖の島
少し前、近所の釣具屋を覗いてみると、沖の島遠征の計画が話し合われていた。
日にちを聞いてみると29日。ちょうど僕も休みの日ではありませんか!
これは紛れ込ませてもらうしかありますまい!ということで早速仲間に加えさせてもらった。
 
そして遠征当日。弘瀬の港で前の日から先行していた仲間を合わせ、渡船は目指す三ノ瀬へ。
何度見たことだろう、この景色。はるか沖の台風2つから大きなうねりが押し寄せ、三ノ瀬の2番は完全にてっぺんまで波の中。
辛うじて上がれるというものの、いかにも危うそうな1番に1人を降ろし、ノコ、トンギリと回って、僕は2人でスクモに上陸。
容赦なく襲ってくるうねりに怯えながら準備し、第1投・・・。反応なし。
シラコダイやハコフグ、オジサンにヒブダイなど、カラフルな餌取りはわんさと居るのだがサシエすらなぜか取られない。
沖向きに陣取った青○さんは頭から飛沫を被りながらも早速イサギを釣り上げている。
「イサギが沸いてるなぁ」とため息をつきながら調子よく次々とイサギを次々上げていく青○さんに対し、僕にはどうしてもアタリがない。
う〜ん、これが名○会と魔王会の違いなのか??
見るからに素晴らしいサラシが払い出している沖向きに対し、こっちのポイントはうねりの影響をまともにくらって釣りにならないとはいうものの・・・
 
「あれ何や!サメか!?」
不意に声を上げた青○さんの指差す沖の方を見ると、何やら巨大な魚の群れが背中を水面から出して泳ぎ回っている。
これが噂に聞く三ノ瀬名物、フランスパンで釣れる巨大浮きタマミらしい。
たしかクーラーの中に自分の餌用のパンが入っていたけど、こんな巨大なやつ掛けたところで結果は見えているので、オキアミを刺したままの仕掛けを大遠投!(やっぱり投げるんかい!)
すると、ドバーン!!水面を割って飛び出してきましたがな。大きな、ダツが・・・(涙)
 
ちょっと早めの弁当船までにイサギ1枚と30cmちょいの口太1枚いう貧果。
一方、「イサギクーラー1杯よりそのグレ1枚のほうがええ」と言う青○さん、「もう飽きた」と言ってイサギをいっぱいクーラーに詰めて船に乗り移っていかれました。羨ましい・・・
1番もトンギリもノコも撤収になったようで、入れ替わりにノコに上がっていた観音寺の方がスクモに上がってこられました。
流されてしまったバッカンのかわりに水汲みバケツに撒き餌を詰めて。
 
青○さんの爆釣ポイントに移動し、後半戦の開始。
しかし潮は止まり、気温はドンドン上がり、気力はドンドン下がり、釣りをしにきたのかお茶を飲みに来たのか分らないような時間がずいぶん流れたあと、待望のアタリ!
小気味よい突っ込みをかわして40cmを少し切るような口太。
久々の獲物だけに慎重に6mのタモの中へ・・・入った瞬間、
ドーン!!
横から特大のうねりをまともに食らってタモと魚は磯際に強かに叩きつけられ、あまりにもあっけなくタモの柄は真っ二つ、魚ももちろん白泡の中に消えて行った。
 
ショックは大きいが、気を取り直して再投入。
しばらくしてこんな魚が釣れた。
 
南方系のカワハギの仲間、ツマジロモンガラ。
どこかの骨を使ってギュッ、ギュッと音を出し、強力な歯を打ち合わせてパチーンと大きな音を出している。
ロッドケースからカメラを出して写真を撮っていると、ジャンプ一発、手のひらに飛び掛ってきてガブリ!痛っ!!
噂どおりの気の荒い魚のようで、皮を食いちぎられて流血してしまった。
 
それから潮が再び動き出したようで、それからしばらくアタリが連発。
やはりポイントの差は大きかったようで、尾長らしき魚にハリスをスッパリやられたりというのもあり、イサギ・グレを短時間に追加。
いい感じなのだが、ますますうねりがひどくなり、沖向きでの釣りは危険になってきた。
仕方なく安全な岩陰で二人肩を寄せ合うように釣ったがオヤピッチャ以外は釣れることもなく、納竿となった。
 
結局グレは2枚、イサギは4枚。
しかしこの時期のイサギである。刺身に塩焼き、脂の乗り切ったイサギ料理に心を躍らせながら帰路についたが、なぜか魚に脂はなく、期待はずれの味でしかなかった。
イサギにサギにあわされたような・・・。
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