7魔王(10魔王?)揃い踏み
         ただでは済まぬ御五神・・・。   

2005年7月17日 愛媛県御五神島・北灘湾の岸壁

毎年楽しみにしている御五神でのイサギ釣り。
今回はヤッシーさんと醤油屋さんの待つ松山まで久々に電車を利用しての釣行でした。
本当は車を利用して海を渡りたかったのですがそこは心臓に病を抱える身。周辺の承認を得られず、行くならゆっくりできる電車でということで許可をもらったのですが・・・。


ほとんどの道具は前もって醤油屋さんのところに送り、16日はロッドケースとかばん一つを持って2時過ぎに相生駅を出発。
松山往復の格安の切符は岡山駅でしか買えないので、一時間近い乗り換えの待ち時間を利用して一旦下車します。

改札を出たところでその切符について案内所の駅員に聞いてみると、「ここでは売れないのであれで買ってください」と言われ、
券売機まで歩きます。が、そんな切符のボタンはありません。
駅員の所に戻って聞いてみると「あれはみどりの窓口でしか扱っていませんよ!」ブチブチブチーン!!

こんな駅員に食ってかかっても時間の無駄なので指差すとおりに窓口を探しに行くのですが、どこにも見当たりません。案内の看板もどこにもありません。酷暑の中をあっちへウロウロこっちへウロウロ。思わず駅の柱にストレートパンチ!一秒後には後悔していましたが・・・。


それでもどうにか切符を手に入れ、50度近い感じのホームで車内掃除の終わるのを待って特急しおかぜに乗車。瀬戸大橋を渡って目的地を目指します。右に揺られ左に揺られ、とても寝られる状態ではありません。醤油屋さんと合流できたときはもう疲れ果てていました。


一旦醤油屋さんの自宅に立ち寄った後、松山市内でヤッシーさんと合流。あとは三代目魔王船、菊池渡船の仮眠所へ一直線。
今回はもともと3人での釣行の予定だったのですが、類は友を呼ぶというか魔王が魔王を呼ぶというか、南海上の台風の影響もあって次々と人が増えていきました。

まずは今回、須下へ行く予定の「はぐれがま」さんとそのお友達が立ち寄ってくれました。
色々な話で盛り上がっているところに次は名誉会長&GUREKOさんが登場。
磯釣り師がこれだけ集まると当然話が弾んで寝られるわけがありません(笑)


出船の時間の少し前になると港に移動して紫さん&へたくそOさんと合流です。渡船こそ違うものの同じ御五神で釣ることになっています。

あとは底物のあさちゃんとカルロス・ガ〜ンさんだけですが、目覚ましの時間を間違えてセットしたしまわれたうえ、急ぎの道中で女の子を助けていたので出船時間に間に合わず、夜釣りのお客さんを港まで送った後の船に乗ってこられるということになりました。


とりあえず船は出発したのですが、問題は台湾付近を西へ移動している台風からのうねりです。
紫さんによると前日の南国市の海は穏やかだったというし、御五神もベタ凪ぎだったようです。
それにその時点で御五神に居る夜釣りのお客さんからの緊急連絡もないから大丈夫でしょう。
現に道中の竹が島を過ぎてもベタ凪ぎ。安心しきってみんな眠りに落ちていました。
そして寝床島で船がスローダウン。ゴソゴソと起きだしはじめた所へ船長から「今日は無理です。帰ります。」という宣告が。

なぜ!?と一瞬思いましたが、外を見て納得でした。
辺りには信じられないような光景が広がっています。

磯の周りが真っ白です。とんでもないうねりが何度も何度も押し寄せ、寝床の1番も2番も3番も高いところにかろうじて釣り人がしがみつき、まさに孤立しています。

魔王船で上がっていた3番のお客さんは無事に収容できたのですが、問題は1番と2番の人たちです。これは難航が予想されますが、全てのお客さんを回収するまで引き上げるわけにはいかないので、引き続き御五神全体を一周しながら流された荷物の捜索に移ります。
醤油屋さんが船首に立ち船を誘導、僕が鉤棒を持って荷物の回収にあたりました。
本島を回りサステを回る間にクーラーを3個、ロッドケースを1個、バッグを2個引き上げて本島の波止に並べておきました。
お客さんを回収し終わった船が接岸して自分たちの荷物を持って帰るという寸法です。

しかし、島を一周している間に見た光景は忘れられません。高い磯を楽々と乗り越えて砕け散る白い牙。ハワイのダイヤモンドヘッドの映像で見かけるようなとてつもない波が次々と押し寄せる姿は時化男の僕でも、この島に26年も通い続けるヤッシーさんも未だ見たことのないものでした。
他の渡船ではそのうねりに弾き飛ばされ、船から海に叩き落されたお客さんまで出てしまったそうです。

予想通り1番と2番での救助作業は難航していました。船を着けようにも着けられない状況であわやヘリの出動になるかとも思われたのですが、最後は荷物をドンドン海に投げ込ませた上で人だけになって、一瞬の隙を突いて船に飛び乗ることに成功し事なきを得ました。
これでようやく全船、帰港できます。




港に着くと一足先に帰り着いていた紫さんとへたくそOさん、それにガ〜ンさんとあさちゃんが出迎えてくれました。

磯は無理だけどこれで帰るわけにもいかないのでみんなで相談した結果、ヤッシーさんが得意とする北灘湾のチヌ釣り場に案内してもらってみんなで釣ることになりました。ただ、紫さんご一行はその釣り場の隣の筏へ行かれてマダイを狙われるようです。

しばらく走って釣り場に着くとワイワイ談笑しながら思い思いの釣りを始めました。チヌ狙い、雑魚狙い、エギング・・・
ヤッシーさんは筏に陣取って風景に溶け込んでいます。あさちゃんはコッパグレが釣れるたびに手早く開いて海水に漬け、ドンドン干物を作っていきます。僕は虹色に輝くハナハゼや毒々しいトラギスを仕留めて喜んでいます。
醤油屋さんは大活躍。まずはエギングでいい型のカミナリイカ(紋甲いか)を仕留め、続いて元気いっぱいのチヌまで釣ってしまいました。最後にもう一度大きなチヌを掛けたのですが筏のロープに絡まって痛恨のバラシ。
こんな風に賑やかに岸壁で過ごして、あまりにも暑くなった昼ごろに解散となりました。


その日は醤油屋さんのところに泊めていただき、翌日ゆっくり帰ることにしました。
すると、醤油屋さんのご家族にビアガーデン風のところに誘われて行ってみると、なんと地元のバンドの方々が「乾杯」を演奏して醤油屋さんのご結婚を祝ってくれるという趣向が用意されていたのです。
これにはさすがに感動してしまいました。末永いお幸せをお祈りいたします!!


翌日は醤油屋さんとその奥さんに北条市の鹿島を案内していただいてみんなでグレを狙ってきました。が、結果は聞かないでください(涙)
そして松山の駅まで送っていただいて3時過ぎの特急に乗り込みました。

自由席に乗ったせいなのか、全くクーラーの効いていない蒸し風呂のような車内に閉口しながらもあとは寝て帰るだけなので安心・・・と思っていたらガタガタガターン!!物凄い衝撃と音とともに電車が止まってしまいました。
なんと直径50cmの倒木が運転席に激突。ガラスを割り、パンタグラフに絡み付いてしまったようです。

当然作業が終わるまで電車は動きません。隣の駅で別の特急列車に乗り換えさせられたのですがそれもなかなか動かず、松山を出て今治に着くまでになんと3時間もの時間が過ぎてしまっていました。

しかも乗り換えてから座席には座れず、結局終点の岡山まで車内に持ち込んだクーラーに座って帰りました。
魔王が釣って魔王が作ったグレの開きが入った魔王ワッペン付きのクーラー。
もしかしてこれがこんな事態を招き寄せてしまったのでしょうか?

とにかく電車釣行は疲れました。これからは誰がなんと言おうと車での釣行にします。

今回の旅、踏んだり蹴ったりでとんでもないものになってしまったけど、なかなか体験できないようなことが満載で、意外と良い旅だったのかも知れないなぁ・・・。

魔王船仮眠所に集う魔王たち 今回大活躍の醤油屋さんとGUREKOさん
        風雲児まじっくにより破壊された特急しおかぜの運転席
   トラギスとハナハゼ。当然、持って帰って試食です!
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