突然訪れた再挑戦。
           今度こそはのムロ2番!

2005年11月25〜26日 高知県沖の島

・初日。姫島、穴の口前。

前々から予定してあったネット仲間との太刀魚釣行が、あまりにも酷い釣況のため延期になり、さてどうしようかと思っていたところに親戚から「四国に行くか?」とのお誘い。
急ではあったものの連日連夜巨グレの便りが届いているこんな時期のチャンスを逃すわけにはいかないと大急ぎで道具を調え、旅路につきました。

目的地は大好きな沖の島です。本当に久しぶりの挑戦に心が弾みます。
ただ大尾長絶好調のノコ廻りはさすがに予約でいっぱいでどうにもならず、それならとお気に入りの島一渡船にお邪魔することになりました。
磯割りは姫島・ムロバエ。天気予報を見ても安定した晴れのマークが並んでおり、これなら風に弱いムロ廻りでも期待が持てそうです。


観光に行くという親戚夫婦と片島の港で別れ、船に乗り込みましたが、なにやらえらく揺れています。
定刻どおり出航し、柏島の影から出ようかという頃には横揺れがかなり酷くなり、船室内のトイレに行っていた僕はその中で右へ左へ転げ廻り、磯に着く前に何か疲れてしまいました。

やはりベタ凪の天気予報など時化男と風の島の前には無意味なようで、姫島に着いてみても強烈な西風がビュウビュウ吹き荒れておりました。とはいえ、冷静に考えてみるといつものこの島の風に比べればそれほどでもないような・・・。

風表は全く釣りにならないようでしたが、船長が穴の口前に上げてくれたので余裕でした。


さて、時間は6時過ぎ。回りはまだまだ薄暗い中、準備開始です。
今回は3号の竿はお休み。竿2号、道糸4号、G2のウキをメインにやってみることにしました。朝一なのでハリスは5号から。
しかし間もなく道糸は3号、ハリスは3,5号に落ちることになってしまいました(笑)

ボイル単品の撒き餌を水切り杓を使ってポロポロ撒いていると、ヒメジやキタマクラ、シラコダイなどが集まってきました。しばらくすると団扇のような尾鰭の巨大ソウシハギも登場です。が、肝心のグレの姿がありません。
弁当船の頃までには不安定なサラシに苦労しながら色々と攻めてみましたが、沖合いで時折竿をひったくるダツくらいしか釣れませんでした。

日が昇るにつれてぐんぐん気温が上がりましたが、それと引き換えに嫌なものもみるみる増えていきました。蚊の猛攻です。
時期が時期なので厚着の体がやられることは無いのですが、動きを止めようものならたちまち顔などに何匹も止まり、血を吸いはじめます。
うっとおしいことこの上なく、払っても払っても襲ってくるので頬やら耳やら何箇所も噛まれ、顔中ボコボコです(涙)
これでは一休みというわけにもいきません。それでもヤブカ天国、家島に比べれば可愛いものですけどね。



9時半ごろになるとサラシの中にグレのような体型の魚たち(ほとんど全部尻尾が黒かったようですが)が見え始めたので磯替わりはパス。ここで最後まで粘ることにしました。

潮が高くなってサラシの白泡が大きくなってきました。グレやらキツはその中で撒き餌をひらっています。
そこで、サラシの動きを見ながらタイミングを見計らってエサトリ用とは別に撒き餌を投入。ウキから竿先までの距離を短くして波に合わせて竿先を動かしながら釣っていきます。程なくウキと穂先がキュン!!
狙い通りグレが水面を割ってくれました。28cmですが・・・。

なるほど!今日のパターンはこれか!ってことでそれから払い出しが大きくなった瞬間ごとにバタバタと連続ヒット。とは言ってもキツばかり。

また大きな波が来ました。寄せて返して・・・今だっ!と撒き餌をパラリ。仕掛けをポイッ!波に揉まれないように竿先でコントロール・・・ギュン!!

今度のはかなりの大型です!竿とハリスを信じて強引に勝負。蚊しかいない磯の上で一人「むぅん!!」と大声を上げながら根の張り出しを引き回し、何度もの突っ込みに耐えてタモ入れ成功!丸々肥えて体長も50cmを超えています。
にも関わらずいつもと違って物凄く落ち着いたやり取りができました。理由は途中で悟ったから。
磯に上げてから逆さまにしたり斜めから見たりと何度も何度も見直しては見ましたが、どこをどう見ても尾長グレではなく、目付きが悪いキツ(イスズミ)でした。残念。


さらに潮が上がってくるとその釣り座での釣りはだんだんきつくなってきたので船着きに移動。

その頃になると沖の撒き餌にもキツが物凄い勢いでアタックをかけるようになっていました。
もしかしたらグレも混じっているのかもと淡い期待を持ちながら流していくのですがやはり当たってくるのは25〜35cmのキツばかり。まさにオンパレードですわぁ。アタリと掛かってからのスピード感だけは気持ちいいんですけどね〜。
で、本日はこれにて終了です。

穴の口前から北方向。
もう12月だというのに蚊が凄かったです。


・二日目。因縁のムロバエ2番。

宿に戻って美味しいご飯を食べ、姫路から来られていた2人組とローカルな話題で盛り上がった後、熟睡合計10時間半。
朝の天気予報では北のち西の風という予報です。昨日のことがあるので皆風裏に逃げようかと弱気です。
しかし港から出てみるとほんの微風。信じられないほどのベタ凪!

まずは3泊4日の最終日という底物の2人が大バエに。姫路の2人がムロバエ北に。僕は昨年春の大失敗のリベンジを胸に誓いつつムロバエ2番に上礁しました。


この磯は大型こそあまり期待できないもののグレの巣と言われるほど魚影の濃い名礁ということです。
最初こそ何も居ませんでしたが、撒き餌を打つうちに徐々に賑やかになってきました。
足元にシラコダイ、チョウチョウウオ、モンガラカワハギ、ウツボ。沖にソウシハギ・・・。
足元に撒き餌を入れて沖のこぼれエサを釣っていくとグン!と大きくアタリが出ます。竿を立てて反撃に転じると80cmオーバーがピョン!あちゃぁ〜、今日もダツかぁ・・・。


こんな感じで弁当船。今日は土曜日で人も多いし、この前の失敗もあるから替わる気なんかありません。
弁当と宿に忘れてきていたデジカメを受け取って風景や渡船を撮影してから海を覗くと海の様子が明らかに変わっていました。

まるでアフリカンシクリッドのような特大アオブダイや他のエサトリたちに混じって大きなキツが乱舞を始めました。いい型のイサギのような魚も見えます。そして大きくはないもののグレの姿も足元から伸びた棚の下にちらほらと踊っています。
サラシの中を通過し、棚のオーバーハングの中を攻めるために仕掛けを変更です。

松山ピエル・・・によく似た500円のBのウキを固定にし、Bのガン玉に加えてハリスに3Bを追加。ラインの張りを調整しながらタナをキープします。
いつもの強風の中で磨かれた(?)得意の強制沈め釣り。サスペンド釣法です。

ラインがピン!竿先がコンコン!、あるいはいきなりバットまでズン!!

狙い過たず順調にヒットです。キツ、サンノジ、そして待望の尾長グレ!
しかしサイズは25〜29cmと寂しい限り。ただ、これをリリースすればいよいよ持って帰るものが無くなると思い、特に小さい2尾を除いて4尾をキープしました。

一際大きく竿を曲げてくれたのはまたしても50cm近いキツ。何か嬉しかったのは25cmの美しいトゲチョウチョウウオ。こちらは写真を撮ってからクーラーの中へ。


潮は払い出しによって多少左右するくらいでほとんど動いていなかったのですが、正午を回った頃から南西向きに勢いよく流れ始めました。よく見るとその流れに不自然な波が立っています。
見ている間にそれがドンドン数を増していって・・・。

これは浮きグレです。しかも唖然とするほどの数。まさにムロバエ群礁が浮きグレの中に浮かんでいるような状況になっています。凄い!!

この浮きグレ、水面に浮かぶプランクトンを飽食しているとも磯から磯へと分散するための移動の旅とも言われますが、まだまだ謎の行動です。
オキアミにも反応してウハウハな目に合うことも多いと聞きますが、どうやらこの群れは反応しない群れの様子。

どうすることもできないままタイムアップ。その大群の中を掻き分けてきた渡船に乗り込んで沖の島を後にしました。


今回もほとんど釣れなかったものの、二日間精一杯やりきっての結果なので充実感は抜群です。
やはり沖の島はいいですね。これからもまた来たいものです。
そして次こそはいい釣果をあげますぞ〜!(って、もう書き飽きたような・・・)

ムロバエと、お世話になった島一渡船。 ムロ2番からの弘瀬港。珍しいベタ凪画像(笑)
←トゲチョウチョウウオ。脂が多く、特にヒレの
付け根は絶品。刺身ではコリコリと歯ごたえが
あり、煮つけではトロリと甘いです!


↓辺り一面こんな感じ。
これが食ってくれていたら・・・。
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