風雲児  烈風伝
・始まりの地と、終着点?を股にかけて
          四万十市 海川釣り三昧

2006年 9月28〜29日 高知県四万十市・四万十川河口域、名鹿の磯

・四万十川、憧れの魚への旅路の集大成?

夢にまで見た憧れの魚、アカメをこの手にする幸いに恵まれてから一年、そのアカメを取り巻く状況は大きく変化しました。

アカメの2大主要産地の一つ、宮崎県では条例によりアカメの捕獲は今年4月から全面的に禁止され、もう一方の高知県でも7月より当該生物の捕獲・殺傷・損傷の禁止を明記した希少動植物保護条例が施行、それにリストアップされた時点で高知でもアカメ釣りは事実上消滅すると思われます。
多くの問題を抱えつつ高知県絶滅危惧IA類に指定されたアカメ(産地においては決して珍しくはないと言っても、地球規模で分布などを見た場合は・・・。 とは言えアカメそのものより、それらを育む汽水の環境や藻場を保護するのがどう考えても先決だと思いますが)ですが、この時点ではまだ指定は受けていないため、もしかしたらこれが最後になるかもしれないと思いながら再挑戦を企てました。

去年と同じ場所、同じタックル。制覇1.5号、LBリール、道糸2.5号、棒ウキ2B、ハリス2号40cm、速攻グレ5号。釣り開始は7時ごろ。
今回は開始数投でウキに反応があり15cm程度のキビレ(キチヌ)が竿を曲げてくれました。そして程なくエバ(メッキ)も。
しかしポツリポツリです。川底の様子が去年とは変わってしまっているのが原因なのかどうもアタリが遠い・・・。

それでも我慢しながらウキを打ち返していきますが・・・、おっと、投げた直後にライントラブル発生、ガイドの間の道糸が絡んで輪になってしまっています。これはどうにか解きはしたのですが、今度は道糸がクルクルと竿に巻きついてしまいました。
その状態からの回復を図っている最中、竿が思い切り引ったくられました。かなりのパワーと体の持ち主がヒットしたようです!
しかしラインは竿の穂先から胴に何重にも巻きついたまま。2号ハリスがはち切れるまでに何秒もかからず。
ア・・・・カ・メ・・・。かなりの確率でアカメ・・・かスズキですね。悔やんでも悔やみきれません。
しかもあんなアタリは後にも先にもこの一回きりでした。

ポツポツと続いていた小物のアタリも潮止まりとともに途絶え、移動を繰り返しますがどこも芳しくありません。
半ば干潟のようなポイントではキビレとチヌが面白いように入れ食いになりはしましたが、サイズは全て10〜15cm。
結局最初のポイントに戻って粘るも、25cmを超える魚はただの1尾も出ませんでした。
ちなみに今回の種類数はキチヌ・クロダイ・ギンガメアジ・ロウニンアジ・スズキ・タイリクスズキ・コトヒキ・シマイサキの8種でした。


・名鹿、荒磯への旅路の出発点で勝負。

平野海岸にある宿で目を覚まし、テレビを点けると天気予報の「土佐湾では1,5mと波がやや高いでしょう」という声が聞こえてきました。
「瀬戸内海は2mとやや高いでしょう」と台風の時にのたまう番組ですのでツッコミは入れませんが、もちろん土佐湾ではベタ凪そのものです。これなら本日の目的地、四万十川の河口から西へすぐの所にある名鹿(なしし)の低い磯でも大丈夫でしょう。

以前にも書いたように中学校の頃の家族旅行の際に少しだけこの港に立ち寄って竿を出し、手のひらサイズですがその頃はテレビなどで名前だけしか聞いたことがなかったグレという魚を初めてこの手にし、感激した場所、僕にとって言わばグレ釣りの始まりの地です。(ちなみにその時の本命はグレじゃなくチョウチョウウオでした)

ほんのりと東天が白みはじめた港は、イセエビの水揚げで大盛況でした。
私はその片隅で出船時間である5時45分を静かに待っていたのですが、他には誰も現れません。本日は名鹿の磯ぜ〜んぶ一人で貸し切りのようです^^
しかしお客さんはともかく船長の姿もないなあ・・・と思っていたら、6時を少し過ぎた頃になってボサボサ頭で登場。
挨拶がてら状況を聞くと、大きなうねりがずっと続いていたのと、時期が時期だけにしばらくの間全く出船していなかったとの事。
さてはそれで油断してたな(笑)


磯の予約もしていませんし、というより初めての場所でよく分かりませんし、船長に万事お任せしていると、フタツバエという丸みを帯びてよく滑る磯に船を着けてくれました。
ほんの少しうねっているような気がしますが、それでもやっぱり穏やかです。
だた天気予報では晴れマーク一つだったはずが、なぜか空の殆どは雲に覆われているのですが。

さすがに人が入っていないためか撒き餌を打っても餌取りも見えません。当然サシエも齧られません。
それでも一時間以上続けるとチョウチョウウオが数匹と、巨大なキツが2〜3匹見え始め、28cmの尾長と15cmの口太がようやく食ってきてくれました。
しかしそれも一瞬でした。反応はすぐに無くなり、磯の周囲あちこちを狙ってみますがサシエも取られません。
さらに潮も異常に軽くなって、オモリを普段以上に打ってもなかなかウキが馴染まなくなってしまいました。

そんな状態のまま小浦崎向きに釣り座を移してサラシ狙い。ウキ下を竿一本取って、サラシの潜り込みからドンドン入るだけ入れ込んで待っていると、これでようやく答えが出ました。
バチバチ!!と指先を、竿を駆け抜ける衝撃!
間髪入れず竿を立てベールを返すと、竿は胴まで一気に絞り込まれます。
底へ底へと重々しい引き。必死で耐え忍ぶものの磯際に突っ込まれ、ザラザラになったハリスだけが返ってきました。
それから数投後に全く同じパターンでヒット&ブレイク。挫けかけていた闘志に一気に点火!!

ハリスを2,5号に上げてドンドン攻めていこう!と、ワクワクしながら仕掛けを組みなおしていた所に、弁当船が近づいてきていました。
おっともうこんな時間だったのかと舳先に飛び移り、操縦席に駆け寄れば「何か流したか?」と尋ねてくる船長。
私は意外な言葉に戸惑いながら、「弁当は?」と聞き返すと、船長は「えっ??」という返事。
数日前に予約した時に弁当もしっかり頼んだのに・・・(汗) 前日、出船の確認をするときに頼んでいてくれたらと言われても(涙)

仕方がないので磯に戻り、気を取り直して再開です。
しばらく経ってまた素晴らしいアタリ。
力いっぱいに走り回り、磯際に突っ込む魚に対して竿をできうる限り前に突き出し、力でねじ伏せます。
獲物は観念したか、水面直下でヒラを打ち始めました。 しかし青白い・・・。
無事に取り込み、ハリスを張り替えて数投。ゴン!!
再び胴で受け止めて底から引き剥がします。しかし体型が違う・・・。

相変わらず餌もなかなか取られないものの、深く探れば40〜45cmの力自慢たちが次々と相手になってくれました。
もっとも、魚種はキツとサンノジだったのですが、3時間ほどの間にそのサイズが10数尾。ラインブレイクも4発。
さすがに腕が痛いです。狙いとは違いましたが瀬戸内では味わえない快感♪
それに時折グレも混じってきました。しかし残念ながら20〜28cmというサイズでした。

昼を過ぎると沖から長大な潮目が近づいてきました。チャンス到来!とばかりに直撃しますが、アタリも魚の姿もな〜んにも無し。
それどころか潮目と磯の接触以来、深い釣りでのアタリも全く無くなり、30cmの銀ピカのへダイを一枚上げるのが精一杯。

3時の迎えでしたが早めに納竿して磯の上で転んでいました。
一時は雲を押しのけて焼け付くかのように照りつけた太陽も再び黒雲に隠れ、風やうねりが出てきて釣り辛くなったから・・・というより、一個だけ持って上がっていたパンもすでに食べてしまって、体力が切れたのが理由なんですね。

今回はこんな風な釣りでしたが、また本格的なグレのシーズンに改めて挑戦してみたい釣り場です。
弁当は前日にしっかり念押しした上で^^
手前に小浦崎、奥に在崎。沖の大きな磯はコデン。 この日上がったフタツバエ。左側が釣り座です。












久しぶりに魚を食べたかったもので・・・^^
釣行記TOPへ