風雲児  烈風伝
・撃沈のままでは終われない! 
           2008年新春ダメ祭り IN 久通

2008年 1月13〜14日  高知県久通
延々と続く細い山道を右に左に旋回しながら降りてきて、ようやく辿り着く小集落。
あの撃沈から9日。海を渡り山を越えて、またこの地へとやってきました。
早朝5時30分。高知県須崎市久通漁港。
今回も日本列島は寒気に襲われ、この港も空気がキンキンと音を立てるように冷え切っています。
そんな中、車を降りてルアーを投げたりしながら時間を潰していると、次々と連なるように車のライトが山を下ってきて、港は30分ほどの間に思い思いに準備を整える釣り人たちで充たされました。
そんな中にあって最も賑やかで大きな人の輪は、高知・愛媛・香川の各地から集結したおなじみの面々。
ご存知宴会集団、ダメ親会の人々です。

そう。この日は恒例の「新春ダメ祭りin久通」
いつもの港での大騒ぎと違ってここでの宴会は釣りの後。港の近くの「コミュニティセンター凪の里」を借り切って行われるので釣りに集中することが出来ますし、その疲れを布団で眠って回復させてから帰ることも出来ます。(寝られる保証は無いけれど)
これなら一応病んでいる心臓にもあまり負担を掛けずに行けますし、仕事で酷使した腕や指や腰も完全には音を上げてはいなかったので私も急遽参加を表明!

さて、輪の中に加わって談笑しているうちに船長がやってきました
ダメ親メンバーからはフォースさんと、この日初対面だった808おんちゃん、いっちゃんの3名が一番船でクイバエへ。
残りのメンバーは暫く待って2番船へ。

船外機と格闘中ののびたさん。漂流しないだろうか。
スルスルと岸壁を離れた渡船は10mほどでストップ。係留してあった小船を引き寄せて船釣り用の竿を手挟んだのびたさんが乗り移っていきました。
この日は船からのハゲ釣りをされるそうです。お互い頑張りましょうぞ〜〜!宴会の食材確保、お願いしましたぞ〜〜!!
しかしどうも様子が変。のびたさん、小船の船外機のスターターを引っ張っても引っ張ってもエンジンが掛かりません。
見かねた渡船の船長が船を寄せて、ごんたさんが助太刀に走りますがやはりどうやっても掛かりません。
ところが船長が小船に飛び移ってスターターを引っ張るとあら不思議、一発でエンジンスタートです。さすが!
「そのエンジン、絶対に止めるなよ〜」「止まったら漂流するぞ〜」野次を飛ばしつつ我々も沖へ。

この日の早渕渡船の担当は西磯です。
沖の観音。わきの黒。マウラバエ。気心の知れた客に飛ばす船長の毒舌を伴奏に南西に針路を取る早渕丸はバンドバエへ。ヤッシーさんに続いて「姫路の人も行って!」と私もここへ上礁。

バンドバエは地寄りは低く、小さいが険しい高場を経て、最も沖向きは潮の高い今はまだ水中の浅い棚として2つのシモリとの間の水道に張り出しています。
ヤッシーさんは地寄り北向きの船着きに陣取り、私は高場南向きに陣取ってスタートです。

完全にベタ凪ぎだった前回と違って今度は少しうねりがあり、棚を越えてきた波が磯際に小さなサラシを形作っています。
そのサラシが小さくなった時に撒き餌とG5に段シズの仕掛けを投入して様子を見るように数投していきなり小さなキツを釣った後、竿2本半ほど沖にも探りを入れてみました。
待つことしばし。スルスルと海中に消えていく朱色!元気一杯の小気味よい突っ込みを受け止める竿!
やがて青い魚が水面直下に姿を現しました。波間から自分の胸に向けて一気に飛ばしたその魚こそ尾長グレ。34cm。
締めてクーラーに入れようと背後の切り立った岩の上まで上がった時、船着きのヤッシーさんがタモを使っているのが見えました。口太グレ40cmとのことです。

いきなり時合い!と釣り座に降りてドンドン攻めていきますが後が全く続きません。
ウキ下を浅くしても深くしても、ゼロスルスルにしてみてもダメで、そのうち20cmクラスのフグが大挙して押し寄せてきてサシエどころか針さえほとんど戻ってこない惨状。
そのうちさらに潮位が上がってバッカンが危険になってきたのでヒラバエ方向に移動して、斜め沖のシモリとの間を釣ろうとするのですが、当て潮に押されて全く釣りになりません。
船着きのヤッシーさんの元に様子を聞きに行ってみても、最初の40cmの後に立て続けに30cmの尾長を4尾仕留めた後はフグでフグでお手上げの様子でした。

再び高場南向きに戻り、見回り船が回ってきても我慢の釣りを続けてました。
下げ潮に入って間もなく露出するであろう沖向きの棚を越えて、シモリとの間にBのウキを遠投。
しばらく流すとスパッ!と気持ちよくウキが消しこみました。
張り出した棚の向こう側なのでヒヤヒヤしながらやり取りして、久々の30ちょいの尾長をゲット。

何投後かに2ヒロ半だったウキ下を2ヒロ固定に縮めて同じく水道を流していくと見事な勢いでウキが引き込まれ、ほぼ同時に立て気味の竿までも一気に絞り込まれました。
竿は満月。これはいい型です。ハリス2.5号に物を言わせて真っ向勝負!
ですが魚と私の間には張り出した棚。フットワークでかわそうにも釣り座は足場が悪くて移動もままなりません。
あっ、竿が曲がったまま動かなくなった!どうやら根に張り付かれた様子です。
しかしこれを幸いとして釣り座を降り、ラインを緩めている時間を利用してザブザブと棚を渡って先端へ移動。
そして軽くテンションをかけると幸いにも魚の動きが再び竿に伝わってきました。
こちらの体勢は万全。ハリスの傷が酷くないことを信じて一気に浮かせた45cm。
タモは遥か後方でしたが、切れてもいいやとハリスを掴んで足元にずり上げました。
尾長ならこうはしなかったでしょうけどね。これ、サンノジでしたから(笑)

水面直下でゆっくり餌を引っ張って遊ぶと一撃。
太平洋でも本ボラはよく引きます。
この日の潮の引き方は早く、先ほどまでの水中の棚はあっという間に絶好の足場へと変貌しましたので道具を持って前進。
ヤッシーさんもこちらに移動してきて並んで竿を出すことになりました。
私は引き続きウキ下を弄りながらのシモリとの水道の真ん中の潮目や駆け上がり狙い。
ウキの頭に撒き餌を被せて流すといい感じの間隔でウキが入り、10cm台、20cm台の口太、ササノハベラも混じりますが、30cm前半の尾長の小気味よい引きが心から楽しめます。
ヤッシーさんが狙うヒラバエとシモリとバンドバエの三角地帯も潮が変わって以来当て潮から解放されて実に釣りやすくなっていますが、こちらはなぜか小型ばかり。
ヤッシーさんが竿を畳んだので私もそちらを攻めてみましたが、撒き餌に群がるのはボラの群れ。
チヌや厳寒期のスズキはボラ群れの下が最高のポイントですが、このサイズのグレにとってはやはり厳しいようですね。
結局元のポイントに戻って釣り続け、27cm〜34cm6枚で2時半、後ろ髪を引かれつつ迎えの渡船に乗り込みました。
40cmは出ませんでしたが後半の充実した時間には大満足。もっともっと釣りたかったなあ〜〜。
バンドバエ沖向きの水道。もっと釣っていたかった。 40cmを頭に5枚のヤッシーさん。隣はヒラバエ。画像中央奥は
私が前回撃沈したマウラバエ。

港に戻り、コミュニティセンターに移動して、少し魚を捌く手伝いをして一っ風呂浴びると、いよいよ宴会が幕を開けました。
初めはテーブルに並んだグレ&カワハギの刺身や鍋、808おんちゃんからの差し入れの果物などを囲んでの釣り談義。
並み居る酒豪たちによってビールの缶や焼酎のビンがドンドン空にされていきます。そしてついにあの男が動く!
クレヨンの束を抱えたミスターダメ親・ごんた画伯。その手によって狂乱の宴会はついにピークを迎えたのであります。
さすがの酒豪たちもやがて一人倒れ二人倒れ、次々に眠りの渕に落ちていく中、生き残りの人たちによる深夜のカラオケ大会が始まりました。皆さん上手い!
私も途中まで聞いていたのですがもう限界。寝袋に包まって一旦は眠りに落ちたのですが、更に熱を帯びるカラオケと、たんちゃんが騒音と評した(笑)のびたさんの笑い声の前に宴会場の片隅から逃亡。
安眠の地を探して彷徨った末、洗濯機や掃除道具が置いてある小部屋に潜り込んで横になり、かすかに聞こえてくるフォースさんの歌声を子守唄に夢の世界へ。

翌朝は7時半ごろ起床。香川の秋ちゃんが持ってきてくださった絶品のうどんの朝食を平らげ、9時過ぎに再会を約して解散となりました。
翌日の仕事のためにさっさと帰ろうなんて思っても、私が高知から真っ直ぐ帰れる訳も無く、宇佐の港に早速寄り道。
ルアーでも振ろうかと思っていたのですが、その港の魚巣ブロックのような壁や水中の石積みなどを目にするや、これは探り釣りだ!と釣具屋に餌を買いに走りました。

とりあえずサシエ用オキアミを一パック・・・。
あれっ?パッケージは300円なのに店の値札は315円、隣の500円のやつは525円、その隣も・・・
全品+5%やないか!ひょっとして宴会をしている間に消費税が10%に上がったのかな?
そんなはずはありません。すぐ近くの他の釣具屋に行くと当然普通の値段で買えました。
さっきの店、ボッタクリやないかいな!!

そうやって手に入れたオキアミでしたが、港の魚たちは無反応でした。
中通しオモリとサルカンに短ハリスというシンプルな仕掛けを上げ下げしながら壁際を探っていく探り釣り、この釣りは何故か高知の波止ではなぜかほとんど通用しません。
今回も完膚なきまでの撃沈。
その後、仁淀川の河口でのルアー釣りでももちろん撃沈。
宇佐の港の内側でハリスウキを使ってクロサギ(高知名:アマギ)を2尾を追加したのみで、南国インターから瀬戸大橋を渡って退散しました。
これなら寄り道せずに帰ったらよかった・・・。


帰り道、頭の中を巡るのは次の連休のこと。
しばらく磯から離れていた時にはそう強くは思わなかったけど、一度二度再び磯に立ってしまうと体が再認識してしまいます。
やっぱり磯釣りは面白い。
今、磯に行きたくて行きたくて仕方がありません。


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