風雲児  烈風伝
  ・酷暑14時間。 夏磯はエサトリで攻めろ!?

2008年 7月20〜21日  愛媛県 御荘の磯、 高知県 四万十川など
今回の連休も御荘です。
台風が北上していて外海が絶望的でも、ここなら湾内で釣れるので安心です。
連敗も連敗、コッパグレの姿すらも目視しておらず、交通事故のように30cmが一枚だけ釣れただけの今シーズンのこの釣り場。
御荘とは「何が何でも釣果を上げるんだ!」じゃなくて、「別に釣れなくてもいいから貴重な休みをゆったりと、気ままに、十二分に海と共に過ごしてやろう」という時に訪れる場所。(ん?諦めた?)
ま、どこに行こうがあんまり大物の釣れる時期ではないですしね、今回の目標サイズは30cm、うねりには前回懲りているし、最初から湾内でやるつもりだったのですが・・・。


20日午前5時、八栄丸はフカセでチヌを狙う福山からの二人組と、この船からガシラを狙う二人組、それに私の5名を乗せて静かに御荘湾へと滑り出ました。
しばらくの乗船のあと、御荘湾の出口・銚子の口を出てすぐの「小貝バエ」に上礁です。
結局台風は中国大陸から朝鮮に進んだためにこの地は直接の影響は受けず、うねりも無いけど、期待していた雲も強風も無し。
しかし、この磯には灯台とその台座が設けられています。ですので足場は最高。(実質、波止ですからね)何よりも半日の間は灯台の影の中に隠れて釣りができるという素晴らしさ!左から右へと吹き抜けていくそよ風も心地よく、この日の午前中の私はもしかすると日本一快適な夏磯に立っていたのかもしれません。

磯の周りを見渡し終えたら、釣りを始める前にまずは水分補給。多少涼しくても、喉が渇く前に定期的に水を飲んでおくのが夏磯で熱中症にならずに生き残る鉄則ですからね。それから道具の準備。

3日間連続で日の出から日没までこの御荘湾を攻め続けるという猛者、湾内の磯に降りられた福山のお二人(釣行記読んで下さってありがとうございます。)は、この日が二日目で、昨日はマブネ灯台付近でのグレ釣りだったそうなのですが、マシなサイズのグレは居ない、頑張って釣っても手のひらがやっとという話でしたので、不安いっぱいでマキエをパラリ。
ミニコッパの大群、豆アジ、ネンブツダイ、オヤビッチャ、ベラ類、ソラスズメダイなどなど一気に大集合です。やっぱり・・・。
マキエ入れる前に仕掛けだけを数投してみても反応は無かったんですけどねえ。
ま、このエサトリの集団の中からキープサイズのグレをどうにかして引きずり出すのがこの時期の醍醐味ですから、あの手この手で攻撃開始です。

オキアミ12キロ、グレパンが2袋、チヌパワーG2が2袋と長丁場とは言えマキエはたっぷり。エサトリども、さあ喰え〜〜!と足元にバンバン打ってから仕掛けを沖へ。やつらが沖へ出だしたら更に沖へ。また潮上や潮下へ。
さらにようやく練習を始めたばかりの同時打ちでマキエと仕掛けを同じ所に入れてたと思えば、同時に全く違うところに入れてみたり(それはただの失敗ですがな)、タイミングを思い切り遅らせたり、コラーゲンを試してみたり・・・。

しかしこういう戦術って、エサトリの中から良型を拾うために使うんですよね。
そんな良型がどこにも居らず、辺りはエサトリばかりという時には何の意味があると言うのでしょう。
釣り開始から7時間ほど経ったころに約30m沖から25cmの口太を引き寄せたのがやっと。

午後になっても相変わらずマキエを打つと間髪いれずにミニコッパと豆アジで海が盛り上がります。
その群れが、時折パッと瞬間的に散るようになりました。もしや、お待ちかねの良型が喰いあがってきた!?
その随分沖を流していた仕掛けに豆アジが食いついたので、回収しようとして足元のマキエ付近を通過させた途端、突発的な引きと共に針に掛かっていたアジが消えてしまったのです。

すぐさま狙いをアジに切り替えて、10cmほどの青アジ(マルアジ)確保。スルスル仕掛けはそのままに針を鼻へと刺しなおし、竿下にマキエを集中的に打ち込んで、その中に投入。
待ってましたとばかりに集合したエサトリが一斉にパッと動いた瞬間、エサのアジの引きが何倍にもなりました。
しばらく竿先を送り込んで、飲み込ませてから・・・アワセ!
おお〜、乗った乗った!右に左に心地よい走り!
31cmと、糸もタモも出すことなくヒョイと抜き上げられるあたりが少々残念ですが、それでも嬉しいカンパチの子、シオ。
少しくらい小さくても養殖物とは全く別物の刺身が味わえますからねえ〜♪

まだ居るかな?とマキエの集中砲火。飛び寄り飛び退くエサトリの黒い塊。よしよし、まだ居る♪
豆アジ1匹=シオ1匹の世界が目の前に広がっています。さあ来い!シオへと変わる豆アジたちよ!
しかし何ででしょうね、こういうときのアジほど釣りづらい魚もそうありません。
いっぱい泳いでいるのに青アジも赤アジ(マアジ)も一向に掛かってくれません。掛かるといえば体高がありすぎてこの日のシオたちの口の中にも、それでいて小さくてクーラーの中にも収まらないコッパグレどもばかりなり。
今日に限らず普段からたっぷりと餌を食べさせてやっているじゃないか!いつもなら頼みもしないのに食いついてくれるじゃないか!こんな時くらい掛かってくれよ!!と叫んでも更なるマキエを要求するばかり。

仕方が無いので足元を狙ってネンブツダイを釣り、同じように鼻掛けにして投入。
待つほども無く仕掛けの動きが変わりました。初めからこっちを狙っていれば・・・(汗)頃合を見計らってアワセ!
今度の獲物は走ると言うよりえらく重量感があります。竿を大きく曲げながら足元の根をグイグイと回り込んでいくのを強引に止めると、まるでアカメを思わせるような、体高のある魚体がヒラを打ち、真夏の太陽の強烈な光を浴びてコバルト色の海中から銀色の閃光を鋭く放ちました。そして次の瞬間、海面に登って大きくジャンプ!
それから暫くの抵抗の後、42cmながら、惚れ惚れするようなカッコいいヒラスズキの若魚がタモに収まったのです。

さあ、バンバン行きましょう!と士気はこの日最高潮。
されど残念、フィッシュイータータイム一旦終了に付き、ごく普通のフカセに逆戻り。
シマアジが連発したり(でも20cmなんですね・・・)沖の潮目でシイラがヒットしたり(でも12cmなんですね・・・。親とはかなり雰囲気違いますなあ。色は一緒ですけど)して楽しませてくれましたが、この頃には午前中の快適さを演出してくれていた灯台の影はポイントの裏側へと移動してしまい、最早ここは日本一居心地のいい夏磯とは程遠い場所になってしまっていたのでした。

同じ愛媛の大洲市では38度を記録したという日の2時頃です。炎天下では海と青空と魚以外のものが見えました。
それは釣行前の激務の中で何度も覗き見た、あちら側の世界・・・。
こういうときは休むにしかず。灯台の影を追いかけ、横になって1時間ほど目を閉じて休養。
そして水分と、クーラーの中の冷やしうどんで塩分と涼を補給。今日は拡張型心筋症による塩分制限も水分制限も全く気にしなくても大丈夫ですな(笑)

時計は3時半を指しています。夕マズメに向けてそろそろ再開しますかな、と一念発起して竿を握り、再び沖向きのポイントに立てば、そこはさらに厳しい灼熱地獄と化していたのです。
正面からガンガンと照りつける太陽の勢いはなぜか傾くほどに強烈になり、また4時を過ぎるとそれまで吹いてくれていたそよ風も完全に停止。もうこれは「暑い」ではありません「痛い」。

その痛さに耐えながら釣った夕マズメも結局良型グレが姿を見せてくれることはありませんでしたが、潮下にアオリイカが行列を作ったイカタイム(掛け針を持っていたらきっと居なかっただろうに・・・)に続いて再びのシオタイム。
でもそのシオ君、青アジなら百発百中でも、少しサイズの大きい赤アジも、喰いごろサイズのネンブツダイも見向きもしないんですよね。好き嫌いはアカンよ〜。とまあ、夕方は青アジ2匹=シオ2匹でおしまい。
午後7時、迎えにやってきた八栄丸に乗り移り、14時間にわたる釣りを終えました。
大量のマキエと大量の飲料水の消えた二つのクーラーの軽さが今日の長さと暑さを物語っています。 って5年生存率5割と言われた病人がやる釣りか?これ。(爆)


その日は宿で死んだように眠り、翌日はルアーを片手に寄り道しながら帰るだけ。
さすがにこの時期に磯で2日釣りをする力は無くなってしまいましたからねえ(汗)
トラウトロッドにメバル用のジグヘッド、パワーしらすというタックルで先ずは朝飯前に山本屋の前の岸壁でヤマトカマスのミニサイズやら10cmほどのマダイ(チャリコやがな!)と戯れ、四万十川ではなかなかのサイズのスズキをバラシ。
最後は黒潮町に移動して、こちらでもパワーしらすでギンガメアジを4尾ヒットさせることができました。サイズは4尾とも50mmクラスと、まったく、よくぞヒットしたものですわ〜(苦笑)

夏磯も発想を変えると楽しみ方は色々と膨らみますね。
けどやっぱり過酷この上ない世界、秋風が吹き出す頃が待たれます。
今期は私、不安が多いですが、酷暑と季節の変わり目を無事に乗り切ることができたら次こそは、もう随分と釣っていない納得のいくようなサイズのグレを手にしたいものです。
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