風雲児  烈風伝
  ・緊急出撃 キビナゴ&ルアーで巨魚に挑戦! 

2009年 7月19日  高知県鵜来島
前回の竜串・小才角釣行のあと、私の目は琵琶湖に注がれていました。
琵琶湖水系固有種にして、日本産純淡水魚最大種、ビワコオオナマズを狙ってルアーを投げていたのでしたがアタリもなく、途方に暮れるばかりの朝を2週連続で迎えていたのです。

私が2度目の撃沈を演じた日、従弟も一心不乱にルアーを投げ続けていました。
従弟の舞台は高知県姫島北の独立磯・トウフ、狙いは今期続々とヒットの報が届いているロウニンアジ(GT−ジャイアントトレバリー)でした。
その日は結局GTの回遊はなかったそうですが、ポッパーで70cm弱のカンパチやハマチを仕留め、私も絶品の刺身のご相伴に預かりました。
従弟はフカセ釣りがメインなのですが、今年のGWの男女群島遠征にルアータックルを持ち込んで80cm近いキハダを獲ってきて以来、すっかり磯からのルアーにはまっているのです。

海の日がらみの3連休、撃沈に疲れた私は家でゆっくりすることを決めていました。
レンタルしてきた大河ドラマ「独眼竜政宗」(今やっている失笑ドラマが同じ看板とは嘆かわしいですなあ・・・)を家族一緒に夢中になって鑑賞していた土曜日夕刻、その従弟からの「いまから水島群礁へ行こう!」という電話。
いつものグレ狙いとはまた違った魚達が待ち受ける鵜来の海に私の心は一瞬にして飛びました。
「GT、カンパチを討つ!押し出せ〜〜!!」

従弟はもちろんルアー釣りですが、私はそんな大物に耐えうるルアーロッドも大型ルアーも持ち合わせていません。
最強のタックルは硫黄島で使用した遠投竿4号+ナイロン10号を巻いた1万番のリール。ということで、かねてからの考えどおりキビナゴを使ったフカセ釣りで挑むことにしました。
しかしこの釣り、今となってはマイナーな釣りですので情報もほとんど無く、やり方も仕掛けもよく分かりません。
前に立ち読みした雑誌に書いてあったけど詳細まで覚えてないし、どうすればいいものやら・・・
そういえばDVDで虎哉和尚が仰せでござった。「自燈明。自分を信じ、自らを灯りとして進みなされ。」

道中、電話すること二軒目で確保することのできた冷凍キビナゴブロックを受け取ります。
小魚を撒いての釣りに長じた九州の「かまちゃん」の電話によるアドバイスを得て、半解凍のキビナゴをスコップで荒く刻んでバッカンへ。
1ブロック10kg、3150円。この量で多いのか少ないのかは取り扱っている店員にすら分かりませんでした。

さて、宿毛片島港が近付いてきました。
未だ梅雨は明けずと言えど暑い暑い季節ですし、渡船屋のHPを見ても人はほとんど居ないはず。3連休の中日とは言っても港はきっとガラガラだろうと高をくくっていたのですが、予想を裏切る満員御礼。
冬場と全く変わらないような車の群れに、思いもよらなかった有料駐車場行き。
もしやルアーブーム到来でごった返しているのか??と思いきや、人気の磯割りに渡す渡船にもそれなりの人数しか乗り込んでいないようです。
いったいこれはどういうことなのだろうか?
その謎は納竿後に解けました。どうやら渡船屋がこの時期力を入れているダイビングのお客さんの車だったようです。

午前4時過ぎ、私たち2人と、神戸からの底物&ルアーの二人組の4名を乗せた宮本渡船は磯へと出港しました。
まず神戸の二人組をオヤユビに、次いで私たちを仏バエ(ほとバエ)に降ろしました。
「なぜ仏バエ?確か水島群礁に行くんじゃなかったのか?」と思われる読者の方もおられることでしょう。
種を明かせばこれは従弟の磯割り見誤り。本人も悔やみきれない痛恨のミスでした。


ホトバエ船着きでルアーを引く従弟。右沖の水島群礁でやりたかったなあ。
本日の合戦場・仏バエは、干潮時にはロープを伝って上がる足場の高い大きな磯。
それでもこの日はいつもの釣行日のようにうねりが付いており、結構上まで飛沫がかかってきています。
磯の沖向きには多くのシモリと海溝が、地方向きには何個ものサラシが配置されていて、色々な魚が潜んでいそうです。

私は釣り座を船着きに選択し、パラパラとキビナゴのぶつ切りを撒きながら水島群礁を想定して持ってきた現在の最強タックルをセットして、3Bのウキに、ハリスはとりあえずの6号、プロ真鯛の10号という仕掛けを投入してみました。あぁ、重い・・・(笑)
最初はオモリ無し、ウキ止め無しで広く探っていこうとしたのですが、うねりと返し波に太い太い道糸が弄ばれるばかりでしたので、普通に棚を取る仕掛けに替えて、常に上下に誘いをかけるように作戦変更。
どちらにせよ沈んでいく撒き餌のキビナゴに反応する魚は見えず、サシエへの反応も言わずもがなでしたが。

そんな状況のまま1時間半ほどが過ぎたでしょうか。
釣りを始めた5時ごろには右沖へ流れていた潮はすぐに止まり、今は反転して足元へと押し付けてきます。
この磯なら際狙いも期待できそう。モンツキイサギ(クロホシフエダイ)でも来ないかな。でもウツボは嫌だな・・・なんて考えながら探っていると、足元左の小さいサラシに差し掛かったウキがスーッと海中に消えて行きました。この日初の、待ちに待ったアタリです。
魚は結構締め込むけど、このタックルの前では敵ではない!と思ったのですが、取り回しの悪さが裏目に出てしまいました。
魚はこちらが後手に回ったのを見逃さず、シモリの角を回り込まれて6号のハリスがブレイク・・・、いや、違う、噛み切られている!何が掛かってたんだ??

それから同じようにサラシ際を集中攻撃しましたが、二匹目のドジョウどころかウツボも掛からず、再び退屈な時間が流れていきました。

磯の裏側、バカスケ・カメ方向はこんな状況。
次に生命反応を捉えたのは、朝から四方八方にルアーを投げ続けていた従弟のロッドでした。
大型ミノーのフックが貫いた魚は・・・デカイ! もとい、長い!
残念な事にそれはカンパチではなく、棍棒のような太さの1m近いダツでした。

一方、キビナゴフカセのこちらは相変わらず。
ウキ止めの位置を竿2本まで上げて、糸を抜いたり落としたりして誘っていましたがサシエも触られない状況が続いていました。
そんな8時前、ほとんど止まっていた潮が俄かに真っ直ぐ沖へと流れ始めました。

磯際狙いから沖狙いに切り替えた一投目、オープンベールにしていたリールから道糸が一気に吹っ飛んでいきました。
慌ててベールを返し、両手で竿を握り締めて防戦に努めますが、凄まじいパワーにどうしても竿が起きません。
ファイト開始時の体勢が悪かったことも災いし、始終のされっぱなしでハリス切れ。
サシエがキビナゴだけに何が食っていたのかサッパリ分かりません。何となくカンパチだったような気がするのですが・・・

イトヒキアジ47cm。
あっ、糸状のヒレの先端までで計っていれば
もっと大きくなってたな(笑)
興奮の中でハリスを結びなおし、気を取り直して同じ所にキャスト。今度は不意を討たれないよう細心の注意を払って身構えながら。
その5投目くらいに結構浅い位置でウキが一気に消しこみました!
万全の体勢で構えていたので主導権はこちらにありますし、魚は激しく抵抗しますが、その力は先ほどの獲物とは比べるべくもありません。
沖のシモリ、次いで磯際へと竿を激しく叩きながら締め込んでいく引きはイスズミか?と思わされてしまいましたが、海中から青く煌きながら浮かび上がってきた魚体はヒラアジ・・・おっ、イトヒキアジだ!
磯に一気にブリ上げた白銀の飾り羽に汗が滴り落ちます。

その数投目、またまた同じ場所で同じようなアタリでイトヒキアジ連発です。どうやら群れで回ってきているようです。
針を外しハリスを結び替えている間に従弟を呼び、私のポイントからルアーを投げさせてみますが、ミノーにもジグにも反応しない様子。
そこで再びキビナゴを投入してみたら着水と同時にヒット。しかしながら今度の魚はダツでした。
縦横無尽に水面を切り裂きながらも、難なく足元まで引き寄せられたダツ。4号竿だし一気に抜き上げ!と力を込めるも、重すぎてタモの力を借りずして上げてくる事はできませんでした。磯の上で暴れる99cm、凶器です。

ヒラスズキが連発したワンド。
潮が真っ直ぐ沖へ流れたのはほんの一瞬でした。そして魚達が食い盛ったのはその潮の時だけでした。
止まったのではなく左沖には流れるのですが、今までが夢だったかのように何もかもいなくなってしまいました。
一度ササノハベラがキビナゴに食いついてきた以外は。

そのうち、従弟も気分転換にとルアーロッドにテキサスリグをセット。バッカンからキビナゴをつまみ上げて針に刺し、ブッコミ釣りを始めました。
するとすぐに小さなアタリ。半信半疑でアワセを入れた従弟は、「何か掛かったけど引きがない」と、首を傾げながらリールを巻いていました。そして、海面に鮮やかな花が咲きました。
ミノカサゴ。ご存知・刺毒魚3枚看板の中の一つです。私にしてみれば久々の「おさかな拾い食い」のネタゲット!
しかし従弟が針を外す直前にポロリと外れてそのまま海へ。従弟、ホッと一息。私、ガックリため息。

うねりはこの頃ますます力を得、ビシャゴとのワンドや磯の裏側はことごとく真っ白な泡に包まれています。
ルアーの従弟にとってはこの巨大なサラシは天からの贈り物。
白泡に丹念にルアーを通しては何度もヒラスズキのアタックを得ておりました。
ただ惜しむらくはあまりにも強靭なロッドのパワー。折角のヒットをその力がことごとく弾いてしまっていました。
一度は(本スズキでいうところの)ハネクラスをタモ入れ寸前まで持っていったのですが・・・

キビナゴフカセの方はヘロヘロです。
夜討ち朝駆けの寝不足の体に重量級のタックルがずっしりと応えてきました。
さらに厳しいのが何ともならないこの暑さ。時折海水を舐めて塩分を補給しながら頑張りますが、納竿まで2時間強を残して2.5リットルの飲料水も終わりが見えてきています。
撒き餌を追う魚でも見えれば気晴らしになるんですが、ただキビナゴが沈んでいくだけでは・・・。

モンツキイサギ(クロホシフエダイ)45cm
ルアーの好ターゲットです。
それでも一瞬だけ、暑さを忘れることができた時がありました。
船着き正面のシモリの際で微妙な動きをするウキを見て、竿で聞いてみるとグーンと重みが乗っていきました。
やった!久しぶりに食ったぞ!この動きとシルエットは何だ、タマミ?
なかなかの引きを見せてタモに収まったのは、裏の目標だったモンツキイサギでした。サイズは45cm。
またしても連発モードに突入かとも思いましたが、キビナゴフカセではこれ一尾だけ。
代わりに従弟がパワーの強さに驚きながらミノーでサイズアップをさせてくれました。同じくモンツキイサギ、48cmです。

この後は夥しい数のイルカの群れの襲来や、巨大な海亀の接近などが相次ぎ、二人ともアタリはありませんでした。
私などは暑さと疲れにも負けて戦意を喪失。
そして1時半、他の渡船より随分早く、迎えの宮本渡船がやってきました。
実は前半戦の最中、「体力と撒き餌を温存しておいて、夕釣りでマルサゲ廻りに行こうか」という協議がなされていたのですが、渡船に聞いてみるとこの日は夕釣りの予定無し。残念ですが、こればかりは仕方がありません。
でも水島でこの釣りをやってみたかったなあ。

サボっていたこともあって、バッカンの中身は残量充分。まあ、次回からの撒き餌の量はこれでOKということですな。
ただし午後からはキビナゴがえらいことになるので、午後の分のサシエは別に買っておくほうがいいのかも。
あと、バッカンや周辺の道具の掃除・消臭が予想通り大変ですなあ(笑)

初めてのキビナゴフカセでしたが、この釣りにはまた挑戦せずにはおれないようです。対象魚満載のルアーフィッシングもまた素晴らしきかな!
この季節の磯はグレ釣りには厳しいですが、別の魅力を漲らせた多くの魚たちが釣り人の挑戦を待ち受けています。
楽しまずんば、これ如何!

 ● 鵜来島 ugurujima
利用渡船 宮本渡船 出港地 高知県宿毛市・片島港
時間(当日) 4:00片島発〜14:00
料金 初日:8000円
以降:5000円
駐車場 無料&有料 弁当 600円くらい
宿/仮眠所 鵜来島:民宿を経営
システム 磯割り制(5交替)
1に大会、2に泊まり優先
残りは船内で争奪戦
磯替わり あり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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