風雲児  烈風伝
  ・2009年納竿釣行 in 興津

2009年 12月28日  高知県興津(浦分)
心まで 息白く見え クリスマス
20年以上変わらぬ、いつもどおりの寂しいクリスマスも過ぎ、時はやがて年末年始の休暇に突入。
いざ、納竿へ!今回は珍しく友人と二人での釣行の予定でした。
GOサインが出れば15分以内に出撃できるほどに準備を整えて待つこと10日、不定休の友人からは「行けない」という返答が返ってきてしまいました。残念、寂しいなあ。
されどこんな時期の単独行は翼を得たと同じことです。まさに進退自在。週間天気予報と相談の上、その日のうちに高知へ出撃です!

瀬戸大橋を渡り、四国山脈を越えると、土佐路の雨はもう上がろうとしていました。
四万十町(旧・窪川町)仁井田で左折し、1.5車線の長い坂道を下ったところにある目的地・「興津」へは4時間半ほどで到着です。初めて来ましたが、今回は近かったなあ〜
集落内の細い道を迷い彷徨い、ようやく見つけた浜崎渡船の船の前に車を停めた時には、すでに恐ろしいほどの北西風が吹き荒れていました。車が今にも浮き上がってひっくり返ってしまいそうなほどの吹きっぷり!
しかしながら、ここ興津、特に浜崎渡船が渡す「浦分」は北西の風にはめっぽう強いのです(興津エリアの磯は西磯や一礁(いっし)に渡す「小室」と、東磯に渡す「浦分」に分けられています)

外気温1〜2度の中、寝袋で1時間半ほど仮眠を取りました。
5時45分、そろそろ準備をしようかと起き上がると、辺りには車が一台もありません。こんな年末にこれはおかしい!
対岸を見ていると、一つ、また一つと細長い浦分港の出口の辺りに向かっている車の灯り・・・渡船は置き場と乗り場は別でした。
結局車は計8台。船は6時過ぎにやってきて、いよいよ磯へ出発。
ここの所40cmクラスのグレやハマチ、シマアジなんかがよく食っているということですので、寒さとともに期待にも震えながらの船出でした♪
興津峠からの風景。
中央が興津岬で、
その左付け根が
浦分漁港。
峠を降りてからが
一苦労。

港を出るとやはり風はほとんどありません。さすが興津!
港の少し東のマドカに一組を降ろし、私はその次に名前を呼ばれました。押上り鼻の内側、どうやら「スベリ」という磯のようです。
ロッドケースとクーラー、バッカンを持って、一足に磯へと飛び移りました。私が振り返るまでもなく船は次の磯へ。

まったく「スベリ」という磯の名前は伊達ではありません。
急斜面がそのまま海へと滑り落ちていて、船着き付近には安定した足場が全く無く、ましてや荷物を置いて無事な所なんて・・・。
私は渡船から飛び移った姿のまま身動き一つ取れませんでした。
ですがこのままの姿で3時まで過ごすわけにもいけませんので、バッカンを強引に斜面に放り上げて押し付け、どうにか北側の平らな所に荷物を置くことができたのですが、それはバッカンと一日分の餌が海へ滑り落ちていても何ら不思議ではない、一か八かの賭けだったのです。

    スベリからオシアガリ方向を見る
このスベリ、両側には平らな場所が広がってはいるのですが、やはり惹かれたのは斜面のポイントでした。
僅かな足場を十二分に広げてくれるいつものピトン竿立てを打ち込んで、未だ薄明るいだけの中で準備を進めていきました。

足元に撒き餌を打ちますが、エサトリは全く見えません。
ウキ下2ヒロ半のG5の仕掛けを横のサラシの切れ目へと流し込んでみると、3投目にコッパキツが食いましたが針外れ。
その数投後に少し大きなキツが食ったものの、今度は飲まれてしまって噛み切られ。
ウキ下を微調整して再チャレンジ。すると今回はバッチリ掛かりました。30cm弱のキツが・・・。

そのキツはサイズ以上の激しさで竿を叩きながら暴れていました。
それでもようやく観念したか、水面へと浮上するキツ・・・ん?な、何だあれは!?
キツを追うようにサラシの中からゆっくりと浮かび上がってくる巨大な黒い影。ヒラスズキか!?
この時掛けていたキツは少々大き過ぎたのか、体高のせいか、結局ヤツは追うのを断念して再びサラシの中へ姿を消しました。
よし、今日はエサトリが釣れたら泳がせてやる!!

しかしエサトリと言うものは、狙った時には不思議と釣れない、いや、居ないものです。
キツでさえ全然釣れず、やっと1枚掛かってくれても皮肉なことに42cmとサイズアップ。
さらに困ったことには、本命のグレの姿がどこにも見あたらなかったのです。

頭を抱えながら沈らせていたウキに変化が出たのは8時半を回った頃だったでしょうか。
竿を叩かないストレートな気持ちのいい引き。ただし重量感もパワーも物足りません。尾長グレとは言え27cmですから。
そして、グレの後ろには再び黒い影が!
開始直後の時には光量が不足していてよく見えなかったその姿、今回はハッキリと目に映りました。大きさは70〜80cm!ずんぐりとしたシルエット!
これはヒラスズキなんかじゃない!クエだっ!!

クエはやはりゆっくりと後を追うだけでグレには食いつこうとはしませんでした。
奇妙な動きをするグレを興味深そうに眺めているだけと言うか、じゃれ付いているだけと言うか・・・。
どちらにせよ、今のタックルではどうすることもできません。あぁ、モリか、水汲みバケツのロープに結べるような針があれば・・・。いや、それ以前にクエの食欲を刺激するような小物が釣れてくれていれば・・・。

朝から全く潮の動かないこの磯。見たところ沖にシモリも見えませんし、狙うとすれば小さなサラシか磯際くらいのように思えるのですが、肝心の場所にあんなのが居たらそりゃエサトリも食いませんわなあ。
そんな撃沈の理由が思い浮かびましたが、実際にはクエはその後居なくなったような感じでした。
にも関わらず10時の弁当船までの間に手を尽くしてようやく釣れたものといえば、20cm程の尾長2枚に25cm程のキツ一枚。
こりゃダメだ。弁当船で迷わず磯替わり。
断崖の続く興津の風景。
北西風に強いのも
これで納得でしょう!
後半戦の舞台は押上がり鼻を東に回った所にあるタテバエと、さらに東のマツバエとの間にある独立磯でした。(手元にある「高知の磯」の航空写真には載っていないので磯名は分かりません)
ここもまた足場のなかなか悪い磯ですがな〜!終いには足に疲れが回ってしまって、渡船に飛び移ると同時に転倒してしまったのも無理はないなあ(涙)
ですが、この磯は磯際も周辺も海底も地形は複雑で、潮も結構通していたのです!私は期待を込めて2.5号のハリスで勝負!

オキゴンベ。小骨が多く
身はやや柔らかめですが、
特にクセはありませんでした。
しかし潮の中で食ってきたのは22cmの尾長グレが1枚、それだけでした。
釣り座を替え、仕掛けを替えながら探っていきますが、磯際で38cmの赤ブダイとガシラが一枚、後はベラが2〜3匹と電光石火のウキ入れで15cmのオキゴンベが掛かったのみ。他はサシエもろくに取られませんでした。

断崖絶壁がそのまま海に落ち込む興津の磯。
この磯も背後に高い高い絶壁を背負っているのですが、奥まった場所にあるスベリとは違って北西風をビュンビュンと受けてしまいます。
海は静かで飛沫が飛んでくるなんてことは無いのですが、この日の風の冷たいことといったら、まさに身をズバズバと切られているかのよう。
しかもこの高い高い壁が辛さを倍増させました。
午後一時、あぁ、太陽が沈む・・・ それから磯は暗い影の中、温度も一気に急降下です。 さ、寒い、寒すぎるぅ〜〜

この日の、そして2009年の納竿は3時でしたが、これほどまでに磯の上で長く釣りをしたことは今までにあったでしょうか。
そう感じてしまうほどに辛く寂しい一日でした。
他の磯もどうやら酷い釣果ばかりだったようです。

と、まあ納竿釣行が一年間のワースト1、2を争うような釣りになってしまいました。
悪天候をもたらす者としての活躍は絶好調を安定してキープしているんですけどね(汗)
                後半に上がっていた磯。名前は?? とにかく寒かった・・・。
皆様、今年も一年、お読みくださいまして本当にありがとうございました。
2010年も引き続き宜しくお願いいたします。
来年も健康と釣果と笑顔に恵まれますように!

 ● 興津 (浦分) okitsu (urabun)
利用渡船 浜崎渡船 出港地 高知県四万十町・浦分漁港
時間(当日) 6:15〜15:00
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 600円
宿/仮眠所 無し システム 不明
磯替わり あり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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