風雲児  烈風伝
 ・夕闇迫る竜串 あの呪縛から遂に解き放たれ・・・る!?

2010年 7月26日
各地に土砂災害をもたらした雨ばかりの梅雨は、卒倒するほどの暑さに覆われた真夏に取って代わられました。
兵庫県の瀬戸内側にある地元でも連日34度、日本海側など36〜7度が当たり前の状態。
これでは瀬戸内・日本海じゃとても釣りなどできません。
太平洋!?こんな時期なのにグレ釣りなんて終わってるでしょう・・・と思ってましたが、何故か今年は土佐清水方面で好釣果が出ていました。
松尾や清水口で40cm前後までの口太が2桁食っていたり、小才角でも40cm前半までの尾長がクーラー満タン釣れてたりとか。
加えて高知南西部は30〜31度位で推移する気温も非常に魅力的!ということで夏休み真っ盛りの代休(夏休み期間は土日の出勤が多くて・・・)は避暑を兼ねてグレ釣りをすることに決定です。
今回はギャンブル要素の多すぎる尾長釣り+小才角はパス。7時半過ぎまで釣らせてくれるという竜串の夕釣りで着実に口太を狙います。(清水口にも行きたかったけど船長の都合がつかず・・・)

通いなれた道を6時間かけて土佐清水市へ。
「真っ昼間は潮が低くて食わないから、夕マズメのチャンスのために涼しい所で体力を温存しておく方がいい」という船長のアドバイスにより、まずは足摺黒潮市場横の公園で昼寝をし、昼食の後は竜串の港の屋根の下に移動して昼寝の続き。
そして午後2時、いつもの西本渡船でようやく沖へと漕ぎ出したのです。

こんな時期の月曜日、竜串の磯は私一人の貸し切りです。
嬉しい事に風があります♪しかし海は凪模様。
ただ、この日は大潮で納竿直前が満潮になるため、沖のオムロ群礁ではなく、ナカオレという地磯に上がることとなりました。

このエリアの地名の由来のお約束、弘法大師(空海)。
四国全土をくまなく歩き回ったとされる彼が、この風景だけは見残してしまったということになっているのが「見残し海岸」。
竜串港とはグラスボートで結ばれたここは、様々な奇岩・奇勝の立ち並ぶ「地質の博物館」と称される場所。
この観光名所に整備された遊歩道の終着点に位置する広い地磯が「ナカオレ」と呼ばれているのです。

短時間勝負ですので渡礁すると大急ぎで船着きから竿出し。
磯際に撒き餌を打って、ゼロスルスルで狙っていると10分ほどもしてようやくエサトリが現れました。
種類は本チョウにトゲチョウのチョウチョウウオコンビ、小さなオヤビッチャ、ハゲなどですが、数もそう多くなく動きも比較的のんびりしている感じです。
さらに撒き餌を入れていくとグレの群れも動き始めましたが、見えるサイズは揃って20cmくらい。
しばらくやって00の仕掛けに見切りを付けて、G2での竿一本前後のタナ狙いに変更し、船着きのワンドの中央に投入しました。
磯際にバンバンと投入した撒き餌がゆっくり流れていき、沖の中層に滑り落ちているサシエと合わさった時、朱色のウキがスルスルと水中へと消えていって30cmの口太をゲット!

狙い的中とばかりに同じ方法で釣っていきますが相変わらず魚の動きは鈍く、アタリがあってもなかなか針掛かりに持ち込めません。
2時間ほどもかけて25cm前後を数枚追加したところでポイント移動を決断しました。

実はこのナカオレという広大な磯の本命ポイントは、船着きから延々と歩いた南側先端付近。
この離れ磯や干出岩の点在する複雑なポイントを狙うにあたり、タックルを一回りパワーアップ。問題のボウズロッド1.65号に道糸2.5号、ハリス2号で挑むこととしました。(持ち替えてかえって不安が募りますが・・・)

いかにも釣れそうなこのポイントは尾長グレの巣窟でした。
尾長とは言ってみたもののサイズは23cmにまでも届かないものばかり。これはいかんなあ・・・

結局5時を迎えた時点で私が立っていたのは始めの船着きのポイント。
なにせこの時期に30cmというサイズも出てますしね〜。
で、最初と同じように磯際に撒き餌を入れて、沖の潮下を狙い撃ちしていきます。
この時の仕掛けは5号と7号のガン玉を打ったG5のウキが、竿一本付近に設けたウキ止めに達すると後はジワジワとシモっていく設定で、糸を張り、リールのスプールに軽く人差し指を添えてアタリを待ちます。

ウキが波の下で揺らめき始めてしばらくする頃、パチパチパチ!と指先が叩かれ、30cm手前の口太がヒット。
やっぱり今日はこの場所が釣れる!
時計を見ると5時半、まさにゴールデンタイムの始まりです!

ヒットゾーンに入るまでに少しだけ時間を要しますが、入ってしまえばこっちのもの、面白いようにアタリが出ます。
リリースサイズから30cmオーバーまで、口太、尾長、時にはニセカンランハギなども入り混じって穂先を押さえ込み、糸を弾き出していきます。
パチパチパチ・・・だけで乗ってこなかったり、サシエが残ったりということも多少あるにせよ、呪われた?ロッドを使っていることを忘れさせるように上がってくる魚たち。

おっと、馴染んでシモっていったウキがまた加速!
しっかり糸を送って食い込ませて・・・アワセ!
今度のはパワフルに左右に突っ込んでいきます。
ただしパワフルと言ってもこの竿では少々役不足。慌てず空気を吸わせて、タモ入れ! おっ、ナイスサイズ。
クーラーの蓋の目盛りに押し当てると、この日最長寸の35cm。こんな真夏にこの型は嬉しいですね♪

船着きから南方向。この先端が本命ポイントだが・・・
実に珍しい忙しい時間は6時過ぎまで続きました。
これからは他の場所の夕釣りではなかなか味わえない、船長一押しの更なるチャンスタイムです!
船着きでは何かアタリも遠のいてしまったし、南側先端の本命ポイントが気になりますので、汗をかきながら早足でせっせと場所移動。

先端は潮も満ちていい感じになっていましたが結局コッパ尾長が数枚と、何かに道糸を噛まれていたのか、あっけない高切れが一つだけ。
イサギなども全く当らず、辺りがすっかり薄暗くなった7時半過ぎ、迎えの渡船に私は乗り込みました。

客の少ないこの時期の久々の釣果ということで、港では渡船のサーチライトとキャップライトを頼りに写真撮影。
磯釣り歴15年で渡船屋HPの写真デビューですけど、残念ながらハッキリとは写ってませんでした^^

そして多少とも涼しい高知から、夜通し走って瀬戸内へとんぼ返り。 やはり暑い・・・。
で、夏バテと多忙とPCの不調に見舞われ、この釣行記の随分と遅くなってしまいました。

高知へ避暑に行きたいなあ〜〜(笑)

 ● 竜 串 tatsukushi 
利用渡船 西本渡船 出港地 高知県土佐清水市・竜串港
時間(当日) 14:00〜19:30
(融通ききます)
料金 3000円
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 無し システム 船長にお任せ
磯替わり あり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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