風雲児  烈風伝
  ・春の柏島 大グレ一発勝負!

2011年 3月19日〜20日 高知県柏島、宿毛湾
3月11日に発生してしまった東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
また、救助や輸送、そして自らの命も顧みず原発での作業にあたっておられる方々に感謝いたしますと共に、一日も早い復興が成し遂げられることをお祈りいたします。

実は11日の金曜日、私は仕事終了後に柏島へと向かうはずでした。
翌12日、13日はこれ以上無いベタ凪の予報になっており、「どこの磯でも上がり放題だ!」と思いつつも、心をよぎる一抹の不安。「おかしい!これで済むとは思えない!」
そんな私の帰宅を待っていたのは、破壊の限りを尽くした巨大地震と、町や家を圧倒的な力で押し流す巨大津波・・・
震災と呼ばれるものを経験済みであるはずの、私たち兵庫県民にすら信じられないような映像の数々だったのです。

高知県にも津波警報、やがて大津波警報が発令されました。
しかもそれは翌日になっても収まることはなく、通行止めの区間も数箇所。須崎や中村で被害が出たり、竜串の遊覧船が流されるという事態になっていたそうで、釣行ももちろん中止となりました。渡船も当然停船です。

それから一週間、春分の日を含む3連休がやってきました。
私はこの間に仕事を抱えていたのですが、地震の影響で皮肉にも連休が復活。
さらに不整脈等が発現し、拡張型心筋症発症以来初めて下降気味となっていた調子も落ち着きを見せたこともあり、こんな折にどうかとも思ったのですが、釣行のやり直しをすることになったのです。

・19日、蒲葵島(びろうじま) カジヤノキリの裏
地震後、釣り人は少ない少ないとは聞いていたのですが、船着場はやはり、この時期の三連休とは思えない状態。
井上渡船に乗り込んだのは常連の高知釣吉クラブの方などたった7名で、しかも私たちが地震以来始めての客なんだとか。

蒲葵島との水道。正面のコシカケの方、
お見苦しい物をお目に掛け、申し訳
ありませんでした(汗)
この日、私が渡礁したのは柏島屈指の人気磯・カジヤノキリ・・・ から10m程度の水道を挟んだ、高い垂直の壁を背負った磯でした。「カジヤノキリの裏」とか、「カジヤノキリ2番」とかいう感じの名前が付いているのでしょうか?

前上がりになっている船着きにバッカンを置いてタックルの準備ですが、今回の狙いは一発大物の尾長グレ!
柏島周辺では桜の花も開き、一発大物の期待が高まり始める時期ですので、私は迷うことなく3号のロッドを選択し、道糸とハリスは常に4号で通すことになりました。この海域の尾長のパワーと私の腕を考えると、この程度の細さでは少々不安ではありますが・・・。
あと、針は「サイト尾長ヘビー」7〜8号を使用しました。(地元・兵庫県の青少年のための活動に貢献されている「ささめ針」の製品♪)

蒲葵島との水道には大きなシモリが点在し、いかにもグレが潜んでいそうな雰囲気です。
開始直後には潮自体はあまり動いていませんでしたが、カジヤノキリとの溝からの払い出しを利用してG5のウキを流し込み、左手のシモリ周辺を探っていきました。

微調整しながら攻めること30分、水流にジワジワ引き込まれていくウキが突如急加速!
剛竿に立ち向かってくる魚を有無を言わせず浮かせてみると、何と36cmの尾長グレでした。

その5分後に再び、同じ場所でアタリです。
こんな仕掛けなので余裕ですが、それでも尾長の引きは違いますなあ〜♪
練習も兼ねてタモに納め、クーラーの蓋のメジャーに押し当ててみると38cm。
四国でこんなサイズの尾長を釣ったの、一体何年ぶりだろう!
狙いのロクマルはともかく、悲願・四国で3匹目の40cmオーバーはついに今日、達成されるのか!?

ブンッ!
そんな勢いでウキが引きずり込まれるまでに、時間はそうかかりませんでした。
BBX3号をバットから曲がります。
左手の大きなシモリへ、そして足元へと何度も突っ込んでいく魚のパワーを真っ向から受け止め、腰矯めで強引に浮かせたところにタモを一閃!
網の中に納まったのは48cmの茶色い魚体です。
おちょぼ口の尾長グレ??いえいえ、これはサンノジであります(涙)

種類は違いましたが、最高の時合であることは疑いありません。
しかし、そのような時合に私が戦っていた相手は魚ではなく、あろうことか激しい腹痛だったのです。
しかもその苦しみが何とか収まったとき、魚の気配は既にいずこへか消え失せてしまっていたのでした。
潮がしっかりと流れ始め、ヨレや壁など、惚れ惚れするようなポイントが形成されているというのに反応無し。
自家製の撒き餌が魚を完全に追い散らしてしまったのでしょうか?

名礁・カジヤノキリ。今回は
デジカメを忘れたため、携帯で撮影。
カジヤノキリの釣り座を経由して沖の島方向に出て行く潮は9時を過ぎるとスピードを上げ、カジヤノキリでほぼ沈黙を続けていた釣吉クラブの2人が次から次へと火を吹き始めました。
二人の竿が交互に曲がり、タモが伸びます。
竿一本ほどの棚、本流の中から釣れてくるグレのサイズは40cmくらい。大型によるぶち切られもあり、イサギも数出ていたようです。
私はそんな入れ食いを指を咥えて見ているだけ。仕掛けが馴染んだころにはもう、カジヤノキリの釣り座ですからねえ・・・。
隠れる所のない磯で見苦しい物を見せてしまった上、さらなる迷惑をかけるわけにはいきませんし。

気分を替えて鵜来島向きに場所換えして、隣接する磯や、カジヤノキリの壁際狙いに徹してみますが、ここで当ったのは17cmもあるBIGなシラコダイのみ。(キープして塩焼きにしたけど、煮付けのほうがよかったかも。)

結局元の船着きに戻って、潮の緩んだ1時ごろ、34cmの脂ノリノリのイサギを一枚追加しただけでこの日の釣りは終了。
47cmが出た磯があったり、高バエの横ではでっかいグレが乱舞していたりする中、期待の一発も出ず、悲願の40cmも釣れているのを見ただけに留まってしまいました。

でもまだ、明日があります。
明日は赤バエ(グンカン)だ!

・20日、グンカンの水道
3連休というのに泊まりは私一人だけ。
港に下りてみると、大会組が大勢居ることは居るのですが、井上渡船には今日も6〜7人しか乗り込んでいませんでした。
これには地震のみならず、曇りのち雨、波高1,5mのち3mという天気予報も影響しているのでしょうが・・・。
そのメンバーの中には、1月の柏島釣行の際にも乗り合わせていた常連のMさんの姿がありました。

このMさん、地震の翌日の12日の朝にもここに来られていたそうなのですが、閑散とした港と、目まぐるしく、しかもあっという間に70cm近くも出入りする港内の潮の様子にビックリ仰天。
その後、5隻の渡船の船長の話し合いによって停船が決定し、帰路に就くも、その時には国道56号線が通行止めになっており、山中を迂回して散々な目に遭いながら帰宅したとの事でした。
話を聞いているだけで、津波の距離をものともしないエネルギーと、影響の大きさが身につまされます。

甲板で波に揺られながら、Mさんと、常連の底物師のKさん、そして操縦席の船長と話していると、いつの間にか渡船は赤バエに到着していました。
うねりは前線を待つことなく磯を駆け上がっていて、一度は上がってみたい東の方のポイントは一見して無理な状況。

「Mさんと一緒に上がって!」
そう言って船が着けられたのはグンカンの水道。もうすっかり見慣れてしまった場所。
うわ〜、ここではまだ一匹のグレも釣った事が無いぞ・・・。反対側のグンカンの船着きから歩いてきた時を含めて。
とは言え、ロクマルの実績のある場所です。
タックルは当然3号竿、4号通し。
今日このハリスは太くすることはあっても細くすることは無いでしょう。なす術なく切られるような仕掛けで幾ら数掛けても、何の意味も価値もない!10年に1000尾掛けるより、10年に1尾を掛けて確実に獲りたい!
今回は狙いが大きためか、必要以上に気も大きくなってます(笑)

このポイントにも精通しているMさんに攻め方を色々教えていただきながら準備を整え、Mさんは船着きの釣り座、私はその右側の釣り座でスタートしました。
足元からはサラシが払い出し、沖に出ると、潮に乗って左へと流れていきます。

開始間もなく、Mさんの竿が弧を描きました。
程なく海面に浮かび上がったのは35cmくらいの尾長グレ!
さらに時間を置かずに、同サイズの口太グレも追加です!
どちらもサラシの切れ目と潮の境目付近で食ってきたようで、聞いてみるとウキ下は2ヒロ強。
ただ食いは渋いようで、ほとんど向こう合わせだったそうです。

吹き上がる潮を頭から被りながらも、しっかり安定したサラシを攻めているMさんに対して、私は目まぐるしく姿を変えるサラシに翻弄されっぱなしで、コッパキツを何とか一つ釣るのがやっとの状態。
それでも、8時ごろには足元のかなり浅い所で乱舞する魚影が見えるようになり、テンションはグングン高まっていきました。
良型のキツのようにも見えますが、なにせサラシの中なので断言はできません。グレの可能性も充分にあるぞ!
が、食わない。
Mさんはイサギを追加したというのに・・・。

先端から、「グンカンの船着き」を見る。
底物師Kさんは、折角本命を掛けたのですが
針外れを食らってしまったとか。
弁当船で船長は開口一番、「潮を見て釣らな。先端でやらんと!」
どうにかして足元の魚を掛けたかったのですが、仕掛けを替えても攻め方を替えても一向に掛かりませんし、そういわれれば先端も気になる・・・という事で、グンカンの水道の先端に当る高い岩に移動して、大きなサラシを狙ってみます。
すると、皮肉にも潮が逆方向に。

この時の仕掛けはウキ3Bウキ下2ヒロ半の遊動でしたが、操作性が悪すぎると感じたので「遊動固定」に変更し、ウキ下も3ヒロに替えてみることにしました。
これは、ウキ、ウキゴム、仕掛けヨウジの穴の順にパーツを通し、仕掛けヨウジをウキゴム越しにウキに刺す → 普段は竿1本以上の固定仕掛けだが、魚が掛かればヨウジが外れて取り込み可能になるという、昔、地元の釣り仲間の間で流行した懐かしい仕掛け。
これが効果覿面で、変えた途端にサラシの切れ目で35cmのイサギがヒットです♪
ふぅ、グンカンで初めていい魚を釣ったぞ〜〜。

雲が厚くなったり、時には薄日が差したりしながらどうにか持っていた天候は、11時を過ぎたころから本格的に悪化し始めました。
南西からの風が強まって、沖の島方向は白波が騒ぎ始め、四国本土は迫り来る雨の分厚いカーテンに隠れてしまいました。
先端の釣り座では問題なく釣りができる程度の状況でしたが、イサギ以来アタリもないし、私の元居たポイントにハッキリとした潮目が迫り、ヨダレの出そうな状況に変わっていましたので、船着き横への出戻りを即決。

その移動中にMさんの竿が大きく曲がりました!これはデカそう!!
私はうねりを警戒して後方に避難させていたMさんのタモを持って駆け寄りましたが残念にも、張り出したシモリに突っ込まれてハリス切れでした。

  「釣りに行こう」って言うと、
      「海上では風強く」って言う。

  「オキアミ解かそう」って言うと、
      「波3m」って言う。

  「行くのやめた」って言うと、
      「穏やかな一日になる」って言う。

  そして、あとで行きたくなって

  「今日は釣れるぞ」って言うと、
      「撤収」って言う。

  こだまでしょうか?
      いいえ、いつでも。
さて、Mさんの右に戻った私の方は、30cmくらいのキツがサラシの中で連発です。
磯際を激しく駆け上がり駆け下る白波の塊。相当にきつくなったうねりの中、激しく揉まれる魚を抜き上げようとしてもタイミングがなかなかつかめません。
ここでグレが食ったらどうしようかな・・・そんなことを考えながら投入を繰り返していると、グンカンの東の方に停泊していた井上渡船が動き出し、目の前を通り過ぎていきました。

「終わりです!!終わり!!」スピーカーから轟く、船長の声。
朝から覚悟していましたが、撤収が決定した瞬間でした。
大急ぎで道具を片付ける私たちの耳に、磯の反対側に回り込んだ渡船の叫び声が聞こえてきます。
「沖の島の方が白うなってきた!早うせんと、帰れんようになる!」

すっかり片づけを終えた私たちの元へ、裏側の「グンカンの船着き」で釣られていた底物師・Kさんがやってきました。
北に面して比較的安全なこちら側から船に乗り込むのです。

やがて他のお客さんを無事収容した渡船も戻ってきて、私たちも全員の連係プレーに助けられながら船内に飛び込みました。

・20日後半戦 宿毛湾の岸壁
柏島本島の北側を迂回し、2本の橋の下をくぐって港に戻ってきた時、時計の針はまだ正午の位置にありました。
餌もたっぷりあるし、このまま帰るのももったいない・・・。
よし、チヌ釣りに行こう!

その前にG−AREXさんに電話。
「もしもし、お疲れ様です〜。今回もやってしまいました。撤収です!」
期待を裏切らない風雲児クオリティーに大爆笑されてしまいました。
そのGさんに、チヌ釣りをしてから帰ることを告げると、「宿毛湾に行けば?最近物凄く釣れている所がありますよ。分かりにくい所なので「しろー」さんに聞いてみるといいですよ!」という耳寄り情報をくださいました。
しかも、しろーさんに電話をしてみると、黒潮町から宿毛まで出てこられて、直接案内してくださるとのこと!
宿毛湾のチヌ釣りに関して、この方ほど精通しておられる方は無いでしょう!何しろガイド本まで出されている方です。
これは本当に嬉しい展開♪

しろーさんとの数年ぶりの再開の挨拶もそこそこに、入り組んだ細い道を抜け、とある岸壁に到着しました。
先導が無ければきっと辿り着けてませんし、竿を出そうなんて絶対考えもしなかったでしょう。
案内されたのはそれほどまでに地味なポイントなんですが、ここ数日の間チヌが大当たりをしていて、60cmが出ていたり、50cmオーバーを含めて15枚の釣果があったりというフィーバーぶり。
その上、近くのポイントでは、未確認ながら70cmというバケモノチヌが上がったという情報まであるそうです。事実だったらえらいことですぜ!(釣行日現在、チヌの日本記録は2002年6月福岡県で、スズキ狙いの泳がせ釣りに食ってきた70.2cmだそうです)

そんなポイントの攻め方など、細かいデータを教えていただいて、色々と楽しく会話しながら第一投。これが2時ごろの事。
撒き餌を打つたび、期待がふえるね。
1尾でも掛かればその後は「大きな仲間がぽぽぽぽーん♪」と食ってきそうな、そんな予感に身をゆだねながら竿を振り続ける私。

柏島を離れる頃から激しく降り始めた雨は、宿毛に着いてしばらくの間は上がっていました。
しかし、しろーさんが帰路につかれた3時ごろから再び降り始め、徐々に雨脚を強めながらずっと降り続き、外海の波気もドンドン激しいものになっていきました。
そんな雨に耐えながら、今か今かと待ち続けたチヌからの便りは遂に一度として届かず、僅かにガシラを一つだけ手にしただけで、5時半に納竿。
潮はいい感じで動いてたんですけどねえ・・・。

次回もできれば大物にこだわりたいと思っていますが、今のところ予定は全く決まっておりません。

 ● 柏 島 kashiwajima
利用渡船 井上渡船(弟) 出港地 高知県大月町・柏島
時間 6時前後〜15:00
(3月)
料金 5000円
駐車場 港:500円 弁当 700円
宿/仮眠所 民宿を経営 システム 磯割り制(5交替)
泊まり優先
磯替わり 数回
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)
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