風雲児  烈風伝
    ・四国の果てへ日帰り釣行。
           磯に居たのは●時間・・・。

2012年1月21日 高知県安満地
珍しく地元・相生湾の波止でのチヌ狙い、釣果はヒガンフグ1匹という初釣りでスタートした平成24年の一発目の四国釣行は日帰りでした。
何といっても硫黄島遠征の後ですから・・・。

場所選定においての最重要事項も「渡船料金」です。
当然ながら釣りは一日しかできませんから比較的近い所がいいな。そして出来るだけ長時間竿を出せるところがいいな。
さらにはグレの釣果が全体的に好調に推移している今だからこそ、まだ行ったことの無いマイナーな釣り場でやってみたいな。

そんなこんなで候補には「鈴」や「布」といった釣り場が挙がっていたのですが、当日の土佐湾は紀州沖の低気圧の影響で4mの波ですからあの辺りは絶対に無理。
ならば宿毛湾奥「藻津(むくづ)」はどうだ?とも思いましたが、あまりにもマイナーすぎて渡船の状況が分からなかったので今回は見送りです。

では「安満地」はいかに?と、吉田渡船に電話を入れてみると、「明日は北東の風ですから大丈夫ですよ。6時半出船、3時回収です」という話だったので、道のりは遠いけどここに決定しました。
ここは磯の予約ができますが、マワリ、チョボ、双子といった所はすでに埋まってたので「船長にお任せ」でお願いしておきました。

高知県大月町の「安満地(あまじ)」は柏島へと続く半島の北西側にある、南うねりとか東系の風に強い釣り場。(ちなみに、長宗我部元親関連の本に載っていた元禄期の地図・土佐全国ノ図では「安満地」は「天地」と書かれていました)
一昨年、一度行ったことがありますし、「近場」の予定が四国でも最遠エリア、往復約800kmの夜行日帰り単独行というムチャクチャなことになってしまいましたが、つまりは40〜45cmが連日のように5〜6枚釣れているという情報に負けたんですな。

出発は金曜日の仕事後午後8時に出発、出船が遅いので寄り道しながらのんびり走って午前3時前に安満地到着です。
吉田渡船には休憩所があるので、そこのコタツで先着の常連さんと一緒にしばらく仮眠。
6時前に眼を覚まして岸壁で排水作業をしていると、船長の奥さんが巨大な手網で海の中を掬いながらやってきました。
「今夜はキビナゴが100kgほど獲れた」というのにも驚かされましたが、一度しか来たことが無い私のことを覚えていてくれたのにはさらにビックリ。

ゆったりとした朝でした。
休憩所で船長を交えてコーヒーを飲み、奥さんが作ってくれたキビナゴの活け造り(旨すぎる〜!)を突きながら談笑してから、予定通り6時半に出船です。
船は5人の乗客を、松島、観音崎、マワリ、双子の西、タテバエの順に降ろしていきました。

タテバエから南方向。沖には姫島と二並島が
見えます。
私が上がったタテバエは、北西に隣接する泊浦との境界近くにある、足場の良い磯です。
ただ、かなり浅くて底は丸見え。
足元にマキエを入れてみると、出るわ出るわ!磯際から現れた大量の赤ジャコ(ネンブツダイ&クロホシイシモチ)で海はたちまち真っ赤っ赤です。

まあ、こんな状況だと迷うことはありませんね。
磯際にマキエをバンバンと大盤振る舞いした上で、ゼロの仕掛けとマキエ1杯を沖に投入。
すると一投目でいきなりウキが沈んで、35cmほどのキツが上がってきました。
むむっ、これは・・・と、キツに苦しむ一日になるかもしれないなあ・・・。

が、キツは予想に反してパラパラ食ってくる程度で、それに時折コッパグレが混じってくるという状況が1時間ほど続いていました。
合羽のフードがいらない程度の小雨が降る中、試行錯誤を繰り返す時間帯。
そんな折、私の足元から「バタバタッ!」という大きな音が上がり、激しく尾鰭を震わせながら水中に戻っていく魚の姿と、その突撃を食らった赤ジャコの群れが大混乱に陥る光景が眼に飛び込んできたのです!

少し前から50cm程の黒っぽい魚が近距離をうろつき、時折赤ジャコにちょっかいを出しているのには気付いていましたが、私の目は沖に居るであろうグレと、ウキの姿ばかりを追い続けていたのです。
ですが、さすがに足元でここまで好き勝手に暴れ回られて黙っていられる釣り人なんてまあそんなには居ないでしょう。
しかも相手は「勝負になるサイズ」です。

この時点で、私は1,7号のハリスに5号のグレ針をセットしていたのですが、その針の4〜5cm上に速攻グレX8号を追加し、確保しておいた赤ジャコの腹ビレと尻ビレの付け根にセットして固め打ちの撒き餌とともに放り込みます。
仕掛けを引っ張ったり持ち上げたりと、積極的に誘っていっても食ってきませんでしたので、スルスル仕掛けのラインを緩めてしばらく放置してみると、シモっていったウキが力強く底走りを始めました。

よし!掛かったぞ!
満を持してDXR1.65号を一閃すると、それは右へ左へ下へ、そして空中へシルバーメタリックの魚体を舞い上げての大暴れ!
幸いにも1.7号のハリスはヤスリのような歯や飛翔のショックで擦り切れるようなことも無く、精悍な顔付きの美しい魚がやがてタモ網へと収められました。
標準和名ヒラスズキ。全長53cm。
ヒラスズキなんて動きが派手なだけで大して引かない魚だったはずですが、抱卵していてもなおパワーの有り余る個体だったのか、止めたいところで止まらないこの竿の特性なのか、使いこなせない使用者の特性なのか、本スズキで言うところの「ハネ」サイズながら申し分ないファイトを体感させてくれた1尾でした。

ともかく嬉しいお土産が手に入れましたし、これでまたグレ釣りに打ち込めます。
そして13分後、8時33分、20mほど沖を流していた0号のウキがゆっくりと消し込んで、お待ちかねのキープサイズ35cmの口太グレをゲット。

やはり天に「与える!」と言われているかのようなチャンスは素直に拾っていくべきですね。
ヒラスズキが居なくなったことで状況は一気に好転し、40分ほどの間に33cm、25cm、26cm、34cmがコッパサイズを交えて矢継ぎ早に上がってきます。
0だったり00だったりG2だったりと仕掛けもバラバラ、投点もバラバラですが、実にいい感じです。
この調子なら27cmキープで大丈夫だな!と25cmと26cmはリリースし、目標の40cmオーバーを求めていきます。

しかしここで、泊浦方向へ緩やかに流れていた潮がきつめの当て潮に変じて、この浅い磯ではなかなか辛い釣りを強いられることになってしまいました。
困ったなあ・・・。
そんな時、またしても磯際の赤ジャコの群れの下に黒っぽい魚影が見えたのです。

今度も同じようなサイズのヒラスズキのようですから、再びハリスに針を追加して、水汲みバケツにキープしたままだった赤ジャコを投入。
今度は最初からほっとけメソッド、フリーのスプールに指だけ当てて投げっぱなしで勝負です。

3〜4回ほど投げ直した時でしょうか、海面から完全に目を離してバッカンの中のマキエをゴソゴソとかき混ぜていると、突然竿が強く引っ張られ、スプールに掛けた指が弾かれて道糸がバラバラと出て行きました。

魚とは思えない異様な引きに振り返ると、でっかいトンビが赤ジャコと仕掛けを文字通りの「鷲づかみ」にして急上昇していっているではありませんか!
まあ、すぐに赤ジャコは仕掛けからむしり取られ、何も付いていない糸とグレ針が波の上に降ってきたのですが・・・。

どうやら餌の赤ジャコが瀕死となって海面に浮いてしまっていたようです。
スボラな釣り方が招いた椿事でしたが、バラシたのは嬉しいと言うか、ホッと一安心ですね。
怒りに燃えて咬んでくるカモメから針を外すのでも嫌だのに、あんな猛禽類・・・血を見ずにはいられませんわな。
伝説は作り損ねたけど(爆)

まあ気を取り直してヒラスズキ狙い・・・と思ったら、黒い魚影は既にどこかへ行った後でした。
仕方ないので針を1本に戻し、G2のウキを00に交換してみるとコッパ尾長が2枚立て続けにヒットです。

ただ、この時には風が斜め前から吹いてくるようになっており、それまで使っていた「オキアミ生9kg・グレジャンボ・イッキ浮かせグレ各1袋」という拡散重視の配合では、あまりにも軽くてコントロール困難に陥ってしまいました。
赤ジャコ対策のためハイペースでマキエを消耗してもいましたので、予備にと取っておいたグレパワーV9を1袋追加。これでマキエが締まり、思い通りに投げられるようになりました。けど、終了までマキエが持つかな?

時計を見ると間もなく10時半という所、おっと、左沖から渡船がこちらへ向かってきているではありませんか。
さては弁当だな!と、私は竿を竿立に預け、マキエ杓を手に水面下を凝視しながら、ゆっくりと近付いてくる船を待っていたところ、まだまだ沖にいる船から「お〜〜〜い!!」という船長の叫び声が聞こえてきました。

視線を船に移すと、そこには俄かには信じがたい物が・・・。
船長が腕を大きく交差させ×印を作り出しているではないですか!!

久しぶりにやらかしてしまいました。
北東のはずだった風を北西風に変えてしまったのです。
私のいたタテバエではそよ風程度でしたが、この安満地はとにかく北西風に弱い場所ですし、渡船が小さくてパワーも無いため、船長は早めの撤収を決断してくれたのです。

私は大慌てで片づけを行って船に飛び乗ったのですが、他の4人も撤収の知らせにビックリして、泡を食って片付けをしておりました。
そんなこんなで回収には結構時間を要しましたが事故も何も無く、松島に至って強くなった雨の中、釣り人同士和気藹々と談笑しながらの引き上げとなりました。
このお客さんや船長の夫婦の穏やかな雰囲気も、安満地の魅力の中で大きな割合を占めていると感じます。

私たちは雨の港で片付けをして、休憩所でゆっくり弁当を食べてから安満地を後にしました。
船長の奥さんがお土産にくれたキビナゴをそれぞれのクーラーに入れて。

タテバエから、泊浦エリアの
小島と、雨に煙る宿毛の山々。

この時点でまだ正午にもなっていません。
日帰り釣行をこれで終えてしまうのはちょっと寂しいですし、撤収寸前に混ぜたばかりのマキエが大量に残っています。
とりあえずどこかの港へ魚を釣りに・・・いや、餌を撒きに行こう。

「磯から上がったころに安満地の港を覗きに行きますよ〜」と言ってくださっていた宿毛の「だいきち」さんのアドバイスで大浦港に行ってみますが、4mの予報だった太平洋の波は伊達ではなく、波止の先端付近も5分に1度は洗われている状態だったのでパス。

結局、下川口の波止に移動して1時ごろから釣りを開始、右へ左へ不規則に渦を巻いて暴れまわる潮に翻弄されながら、底を這わすイメージでやっていきます。
するとサンノジ系の引きで為す術なく2号ハリスを2度切られ、3号ハリスを結び直した頃に、だいきちさんが遊びに来てくださいました。
お土産です!と、袋一杯の新鮮なキビナゴを持って^^

しばらくすると近くで仕事をされていたカルロス・ガ〜ンさんも来て下さって、波止の一角はガヤガヤと賑やかなことになりました♪
すると、その笑い声に誘われるかのようにウキがジワジワと沈んでいって、やがて40cmの銀色の魚が姿を見せたのです。
「ほら〜!僕が来たら釣れたやろ〜!」とガ〜ンさんもニッコリ。

雨もすっかり止んだ波止でしばらく楽しく過ごし、お二人は帰っていかれたのですが、私は4時半頃までここで釣りを続けて2枚のヘダイを追加しました。
1枚はとんでもなく元気な47cm、もう1枚は産卵後なのかガリガリで、まるで死骸が餌を食ったかのように身動き一つせずにタモに収まった50cmでした。即刻リリースしたのは当然50cmの方。
そして午後5時、片付けを終えた私は下川口を離れ、その日のうちに自宅へ帰りついたのでした。

さすがに軽四単独行日帰りにはちょっと遠かったですし、移動時間13時間以上、磯の上に居た時間3時間半未満という一見悲しい釣行でした。
しかし、それは実に濃密な時間でしたし、今回も初めての顔、よく知った顔を取り混ぜて、ワイワイと賑やかに過ごすことができました。

さらにはクーラーの中身も結構ギッシリです!
ヒラスズキは刺身と真子の煮付けに。グレとヘダイとオヤビッチャ、それにヒラスズキのアラは干物にして職場にもおすそわけ。
そして大量のキビナゴは、バター焼き、から揚げ、生姜を入れた煮付け、そして余ったから揚げを卵とじにしたキビナゴ丼と、我が家は2日間キビナゴ三昧でしたが「キビナゴってこんなに旨かったのか〜」と感嘆の声が止まりませんでした。
いや〜、満足満足、満腹じゃ〜〜!

 ● 安満地 amaji
利用渡船 吉田渡船 出港地 高知県大月町・安満地
時間(当日) 6:30〜15:00の予定
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 宿泊・仮眠所あり。 システム 磯予約可
磯替わり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)



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