風雲児  烈風伝
    ・Opal-eye × Platina-silver
              
コラボ遠征! in 柏島


2012年 4月14日  高知県 柏島
・コラボ遠征、ふたたび
最近は磯釣りばかりなので意外に思われる方もおられるかもしれませんが、私、実はシーバスクラブの会員でもあり、姫路を拠点に活動する「イエローソルトウォータークラブ」という、その分野では老舗のクラブにお世話になっているのです。
とはいえ、近年ではルアーを投げるとすればサツキマスとメッキくらいで、それすらもこの頃は遠ざかってしまっていますが・・・。

今年1月、そのクラブの新年会に参加した折、会長の吉田実寛さん(ZipBaitsフィールドテスター、私の高校・大学の大先輩)から、「Shioさん」という一人の釣り師を紹介されました。

Shioさんは元々、キスを求めて各地のサーフを走り回り、シマノジャパンカップ等の地区大会にも何度も挑戦されているキャスターなのですが、いつの頃からかスズキにはまり、イエローソルトウォータークラブの準会員のようにもなってしまった方です。
私とは住んでいる場所もごく近所、働いている場所もまたごく近所。そんなShioさんと色々と話しているうちに一気に膨らんでいった一つの計画。それこそが、ジャンルの異なる釣り師が同じ車に乗り合わせて遥かな釣り場に向かう、「コラボ遠征」というやつでした。

2年前に実施したコラボ遠征は、尺ギスを追い求めるキャスター・竹さんとの釣行ということで、宿毛湾・中村周辺と沖の島に分かれての釣行となりましたが、今回は憧れのヒラスズキを追うShioさんとの釣行ですので、目的地は二人とも同じ荒磯の上。
ただし、熟練のキャスターであり、瀬戸内では本スズキ80cmオーバーを仕留めた実績のあるShioさんですが、ヒラスズキ狙いも外海での磯渡しも初めての経験とのこと。

行くのならば、ヒラスズキの聖地的存在、かつ尾長の一発が狙える場所。
そして、初心者には酷過ぎる、暴力的で危険な磯取り合戦や、殺気立つ渡礁とは無縁の場所。
さらには磯で一日しか釣りができない日程でも心行くまで楽しめて、夕マズメのチャンスも狙える場所。
となると、あそこですな!

そして金曜夜、フカセの道具を積み込み済のワゴンRは、借り物の外海仕様のルアータックルを抱えて期待と不安の入り混じった表情のShioさんを乗せて、ホームグラウンド「柏島」へと出発したのです!

・いきなりのヒット!
単独行には無い楽しい道中。それは黒潮町に差し掛かるまでのことでした。
「うわぁぁぁぁ〜〜!」
突然絶叫したShioさんの声から一瞬遅れて、急な右カーブに被さる大きな右のピラーの端から茶色い物体が出現し、運転席の私の目に飛び込んできたのです。
私の絶叫とほぼ同時に、車体へ鈍い衝撃!

茶色い物体はイノシシでした。それがカーブの先の道路の真ん中に、ボ〜っと突っ立っていたんです。
衝突した愛車のパンパーは大きく凹んで割れ、運転手と乗客の心はさらに、大きく大きく凹んでしまったのは言うまでもありません。

でも、非常な幸運!車は問題なく走れます。
もう少しだけでも当たった位置がずれていたら・・・。立っていたのがイノシシでなく鹿だったら・・・。
間違いなく、今回の釣行はここで終わっていたことでしょう。いや、それだけでは済んでいなかったでしょう。不幸中の幸いでした。

とにもかくにも柏島には予定通り、休憩・釣具屋込みの6時間半の走行で到着です。

駐車場で一眠りした私たちは、柏島名物「みっちゃん」のうどんを食べに行きました。
さて、タヌキは居るかな〜?と探すまでもなく、2頭のタヌキが港に降りていく坂道でうどんをねだっていました。
それも3週間ほどの間にすっかり慣れてしまって、全く逃げなくなっておりますがな。
俗に「釣行の際にタヌキを見るとボウズになる」なんて事を言いますが、ここで験を担ぐのは不可能に近いという事。
もしかして鵜来・沖の島・西海で釣れ盛っている尾長が、柏島では不発傾向にあるのはこのタヌキのせいだったりして・・・。
これで言い訳が一つできたな^^
まあ、前回も丸ボウズということはありませんでしたし、心配することはないでしょう。

・蒲葵島の水道(スベリ)へ
S海さんが入っていた水道東端のポイント。
初体験の柏島の強風にはさすがに閉口した模様。
前回とは比べるべくもありませんが、柏島の岸壁には結構な風が吹きつけていました。
高知海上保安部のテレホンサービスを聞いてみると、「時刻4時55分。土佐沖の島灯台では、北の風14m・・・」とのことで、最近の雨上がりにしてはまあまあ普通な感じですな。

渡船は結構な人数のグレ釣り師を乗せて5時30分ごろに港を離れ、蒲葵島(びろうじま)に向かいます。道中はそこそこのローリングで、車にも船にも弱いというShioさんは青い顔。

この日の渡礁はコウロウの丘から始まり、カジヤノキリ、タカバエ、奥、池田バエ、水道西の順に釣り人たちを下ろしていって、最後の方で私たちの名が呼ばれました。

「風が当たるけど、スベリ(蒲葵島の水道)に行くか?」
ルアー釣りはフットワークを活かせる釣り場が断然有利。蒲葵島でそんな場所は「水道」か「ミタライ」だな。ここに行きたいですね!と航空写真を示しながらShioさんと話していたポイントです。
もちろん「行きます!」と即答。

渡礁の折に「風に気をつけて!」と船長に何度も念を押されましたが、風は意外と吹いておりません。
タモ網なんてどこにでも置けば一発で飛ばされるでしょうし、人間も何度もよろめかされる程度ではありました。Shioさんは恐怖を覚えっぱなしだったようです。
が、そこには今日はそこそこ穏やかだ、釣りをするにも楽チンだ!とホッとしている私がいるのです。つまり、前回の風はそれほどまでに凄まじかったということですな。

飛ばされないように道具を岩陰に隠してから、私は船着き付近でウキを入れ、Shioさんは東端でショアラインシャイナー・ランカーハンター15cmをフルキャストしてファーストリトリーブ!
磯の周辺はルアーマンならよだれが出そうなサラシが散りばめられています。
Shioさんが選択した東端の海面にももちろん、風と波が生み出した白く分厚いカーテンが広がり、本命が今にも飛び出してきそうな雰囲気がムンムンと!
そのポイントでの2投目でした。姫路のソルトルアーショップ「シーマン」の店長から借りてきたという、シマノの14フィートロッドに衝撃が走ったのは!

S海さんの声に私が振り向いた時にはもう、磯際に押し寄せる波の中で激しい水しぶきが散っています。
「青物や!」
紡錘形の魚体は目測60cm、緑色の強い体色から推測すると、おそらく(近畿で言うところの)ハマチでしょう。よかった、釣ってもらえて・・・と、私はこの時点で、ホッと胸を撫で下ろしていました。

魚に向かって、Shioさんのタモ網、・・・ルアーマンが言うところのランディングシャフトが伸びていきます。
しかし、それは魚が収まるのを待つこともなく、大きく撓んでしまっています。
初めての外海、大きく上下する海面、バランスを崩されそうな風、斜めに没していく磯際・・・
「これは危ない!玉助に行かねば!」
が、間に合いませんでした。
Shioさんの網は磯際のフジツボに食い付かれ、外そうともがく中で、ハマチは無念のフックアウト。Shioさん、消沈、そして興奮。

一方、ゆっくりと左へ流れる潮に乗せて、磯際近くのシモリを攻めていた私のG2のウキも、開始早々に水中へ引き込まれていきました。両手をいっぱいに伸ばし、海中へ続く斜面のエッジをかわして海面に浮かせたのは、オパール色の眼の口太グレ36cm。
これを無事にクーラーに収め、幸先よいスタートにニンマリしていると、再びShioさんが動いた!

ルアーマンたちが「プラチナシルバー」と称える華麗な魚が、サラシの中に放たれたShioさんのサイレントアサシン140Sに飛びついてきたのです!
水面を切り裂いて激しく抵抗するのは、60cmクラスのヒラスズキ!

ルアーマンにとってのそれは、フカセ釣り師には考えられないほどの憧れと価値を持って語られている魚。
Shioさんにとっても、海のルアーを始めた頃から憧れ続け、しかし遠い夢だと半ば諦めていたというターゲット。
思いもかけず実現した今回の釣行で、いきなりその夢がヒットしてきたのです。
が、次の瞬間にはエラ洗いによってミノーは虚空に弾き飛ばされ、一瞬の歓喜は風に乗って四散してしまいました。

クーラーに収まるかどうかはともかく、異なるジャンルの二人が揃って、ヒット、ヒットという最高の序盤戦。こんな展開をいったい誰が想像したでしょうか。

・納得サイズが登場!
私の方は最初の口太以降、白泡の下にチラチラと見え始めたチョウチョウウオや、ミニ尾長グレを指標に用いて、微調整を繰り返していました。
そのウキが鋭く引っ手繰られたのは、ファーストヒットから40分が経過した、7時13分。
フッキングした魚の抵抗はなかなか強烈でしたが、昔の2号のロッドと3号のハリスに物を言わせて強引にねじ伏せていきました。
そして波立つ磯際に姿を現した魚は40cmを超えています!色も・・・チョコレートブラウン!!
「・・・ついにやったのか?」
興奮を抑えつつタモを取り、波に揉まれてのたうつ魚をそこに収め、ロッドを股に挟み込みます。タモを縮めるたびに夢が一節ずつ近づいてきます。あと少しだ、頼むぞ〜!
ついにタモの柄は全て元竿に収められました。期待を込めて網の中を凝視する私。
むむっ、尾柄が高い・・・。おおっ鰓蓋後縁が黒くない・・・。
期待したんですけどね〜。正体は白子パンパンのGirella punctata、口太グレ42cmでした。
ちょっと残念、でも相当嬉しいこの一尾♪

口太が食ってきたのは投入直後、ということは狙うべき棚は相当浅いな!と思って仕掛けを変更してみても、23cmの尾長が一つ食っただけで後が続きません。
それならばと、ウキ止めの位置を少しずつ深くしてみてもオキアミの殻だけが戻ってくるばかり。アタリを出そうと固定ウキにしたり、棒ウキを投入してもどうにもならず、私の心も戦略も、折からの風に突っ伏す波頭のように千々に乱れていきました。

潮が右流れに変わってからは、グレどころかエサトリの活性も右肩下がり。
それは当然ルアーにも影響し、何を投げても反応しない状況に疲労の色を濃くしていったShioさんはやがて、磯の割れ目でスヤスヤと眠りについてしまいました。

・ヒット!ヒット!ヒット!!
時刻はすでに12時。
そのとき私は、一本半近くのところにウキ止めを設定した3Bのウキを、左手のサラシまで流し込んで、その引き込みから沈めていっておりました。
衝撃が伝わったのは突然のことで、3号ハリスがあっという間にチモト切れ。

しまった、油断していた!
しかし、この一撃で半ば眠っていた体が覚醒し、直後に出た次のアタリにはしっかり対処してくれました。
意に反してラインを吐き出すドラグに足を引っ張られながらも、どうにか水中に伸びた棚をかわしていきます。魚の姿が徐々に見えはじめます。
そのサイズは50cm近い!と思った瞬間に、竿が跳ね返ってしまいました。ハリ外れです。
でも惜しくはないさ・・・。水面下に見えた黒っぽい魚の尻ビレの後縁は、きらめくブルーに輝いていましたから。

この大サンノジのハリ外れの直後にも、大きなアタリがあり、ファイト開始直後にハリ外れ。
さらにもう一発、ハリ外れをやらかしてしまい、茫然自失です。

サイト尾長でも、速攻Xでも合わないとなれば・・・あれを使ってみるか。
やたらハリ外れの多い私が、今回の釣りに最終兵器として持ち込んでいたのは、アワセ不要で口元に掛けられるという「あわせちゃダメジナ8号」。周辺の仲間からはいい評判をほとんど聞いたことがないし、私自身もあまりいいイメージを持っていなかった、この特殊なハリを投入してみました。

今までの苦戦が何だったのか?そう思えるほど、この時間帯は簡単にアタリが出ました。
スプールから弾き出されるラインを押さえて軽く竿を立てると今度は見事にフッキングしましたが、これがまたとんでもない引き。
「あかん!これはあかん!」
何度もリールを逆転させて竿の角度を保とうとするも、終始主導権を奪えずに、3.5号に上げていたハリスがブレイク。

当たっていた魚種はともかく、凄まじいラッシュでした。
にもかかわらず、何度ものバラシの果てに取り込むことができたのは47cmのキツ(イスズミ)だけという、余りにも情けない結果に終わってしまうとは。
まったく、進歩のなさに嫌気が差してきます。

       赤バエ(グンカン)とShioさん。
       ファーストリトリーブで攻めます!
上物でこれだけアタリが出るということは、ルアーの方もさぞや・・・と思われるでしょうが、Shioさんは朝の二発以降、ヒットに恵まれていませんでした。
一度、朝と同じようなサイズのハマチが、背ビレを出しながら小魚を追って水道を駆け抜けていきましたが、Shioさんは拍子の悪いことにルアー交換中で手を出すことは叶いませんでしたし、それ以外にフィッシュイーターの姿を見かけることはありませんでした。

魚じゃなくて、でっかい海亀なら、ポイントの沖で息継ぎをしながら、入れ替わり立ち代り泳いでいたんですけどね。
Shioさんは初めて見る野生の海亀に大興奮ですが、ここは釣行時に海亀を見ないほうが困難という海域ですので、私は珍しくもないと、この時はまだ大して気にも留めることなく、釣りをしていました。

午後2時前になると、港の方から良栄渡船が姿を現しました。
納竿は3時のはずですが、今日はちょっと前倒しかな?と急いで周辺を片付けたのは磯替わりに備えるため。
柏島の朝夕通しでは別に磯を替わる必要はありませんが、これ以上この磯でルアーを投げても発展はなさそう。
私もカジヤノキリにでも乗れたらいいな・・・なんて期待しながら、渡船の接岸を待ちました。


・夕釣りは夢舞台で!
渡船は釣りでもしているのか、赤バエの沖で待機しています。
結局私たちが乗り込んだのは、渡船の姿が見えてから40〜50分後、これなら竿を畳まずに釣っていればよかった・・・(笑)

一年中、午後3時から夕方7時、もしくは夜9時まで楽しめる柏島の半夜釣り(夕釣り)は、天候等のこともあって本当にやれるのかどうかこの時まで分かりませんでしたが、船長に聞いてみると、とりあえずOKだそうです。
ただし、夕方には春のド干潮で港に入れなくなる可能性があり、船長から「夕方7時までは無理だろう。引き上げの際には電話をするから携帯番号を教えるように」と言われました。

「碆(はえ)を替わるにも、今日は赤バエ(グンカン)くらいしかせられんで!水道でするか?東の方でするか?」
なにっ!東の方!?どこに上がっても尾長の可能性のあるこの界隈でも、最近特に実績が高いというあの「東の高場」ですと!?
「東!東!!」
こうして興奮の私と、不安気なS海さんを「東の高場」に渡した渡船は、他全員の釣り師を乗せて港へと帰っていきました。

憧れだった「東の高場」、いや、この赤バエはこの日、大きな大きなサラシの中にありました。特に赤バエ東端のポイントのサラシなど、青白いラインが遥か沖まで連なる長大さに、思わず息を呑むほどです。
しかも、このヒラスズキハンターならば誰もが雄たけびを上げそうな磯に、釣り人はたったの3人だけ。Shioさんと私、そして歩いて行き着くことは無理であろう「高場」のポイントで竿を振るカゴ釣り師の方の3人だけなのです。

ちょっとビックリの画像!
(実はしぶきが上がっているのは釣り座の結構向こうなんですけどね)
周囲はヒラスズキハンター垂涎のシチュエーション!
私は唯一サラシのない船着きのポイントに入り、Shioさんは当然ながら、この「東の高場」から「東」への行ける範囲の全てサラシに、虱潰しにルアーを投入していきます。
そして、誰もが抱いた「ヒラスズキが出ないはずがない!」という予感は、わずか3投にして現実のものになりました。14cmミノーと60cm超のプラチナシルバーが、純白と青の入り混じった海面に躍り上がったのです。

今度こそは!と取り込み体勢に入ったShioさん。
そのとき、押し寄せるうねりが一際高く海面を持ち上げ、一際大きい飛沫がShioさんの視界を遮ったそうです。
次の瞬間、足元にあったのは14cmミノーのみ・・・。三度痛恨のフックアウト!
海面の上下動によって魚にかかるテンションがゼロになった瞬間、サラシに生き、サラシを知り尽くしたヒラスズキは、その一瞬のチャンスを逃すことなく死神の手を振り払って、元の住処へと戻っていったのでした。

・東の高場、船着きにて
最高の場所、最高の時間帯なのに、いつまでここに居られるのか分からない。時間が無い!
船着きには、辺りに撒き餌が散乱するのも厭わず、せわしなくと杓を振り回す私がいました。
先ほどの醜態を繰り返すわけにはいかぬ!掛けたら取る!とばかりに、竿は3号、道糸もハリスも4号、ハリもサイト尾長ヘビー8号を使用し、G2の仕掛けで2ヒロ狙いに徹しています。

開始からしばらくすると、足元から伸びる棚の切れ目で、ウキがズボッと入りました。
それ来た!と力ずくで浮かしにかかると、すぐに40cmほどの魚影が見えてきましたが、水面で水しぶきを上げさせるよりも早くハリ外れ。
まあ、外れてくれてラッキーとしておきましょう。明らかにキツだったし。

・乱舞!乱舞!
尾長を意識した原型のオキアミと、軽い集魚剤の撒き餌を打ち続ける私の眼前では、驚愕の光景が繰り広げられていました。
打ち込んだ撒き餌に、とんでもないサイズのモンスターが群がっているのです!
ロクマル?ナナマル?
とてもそんなサイズではありません!ことごとく1mを軽く超えています。

撒き餌に群がっているのは海亀です。
この巨大な爬虫類が3頭、時には4頭足元に居つき、撒き餌の煙幕の中に容赦なく突入してきます。
海亀を見慣れた私にも信じがたいこんな光景の中では、魚が食ってこようなど考えることもできません。
これは道中のイノシシの敵討ちなのか!?
さらに悪いことには期待していた潮も全く動いておらず、時間ばかりが空しく過ぎていきます。

5時頃にもなるとようやく海亀もポイントから出て行ってくれ、状況は時折サシエが取られるような状態にまでは改善されていました。
ほんの一瞬だけ潮が左に流れたのは、そんな折でした。

潮を掴んで流れていくウキが、海中へ一気に突き刺さります!
私は思い切りアワセを入れ、全力でリールのハンドルを回します。
スピード勝負を制せねば、敵は一気に足元のシモリに突入してくるはず!と、私が柏島に入り浸るきっかけとなった、H-DAさんの『瀬戸内釣り日記「名人への道」』の釣行記は警告しています。

だがそれは杞憂でした。敵の抵抗はごく短時間だけで、あっという間にパワーを減衰させてしまいましたから。
水面に姿を現したのは想像通りイサギでした。ただ、37cmある実に旨そうな獲物ですから、慎重にタモ入れしてクーラーに収めたのは言わずもがな。

さあ、チャンスだ!と思いきや、潮はすでに止まっています。
さてどうしたものか。
残り時間は1時間半、いや、1時間無いかもしれない。
このままどうにも反応の無い尾長を狙い続けるか、相変わらず大爆釣中の美味しいイサギを狙うのか。
・・・やっぱり尾長でしょう。イサギならどこででも狙えるし!
で、撃沈。
まあ、あまりにも反応が無かったので、6時前には結局ウキ下を深めて、33cmのイサギを一枚追加しておきましたけどね。
赤バエ挑戦7度目でも、未だコッパグレ一枚よぉ釣りません(汗)

 夕刻には一気に穏やかになった高場にはカゴ釣り師の方。
 これから柏島全域でたった一人、夜釣りに挑むようです。
午後6時10分ごろ、赤バエ沖に渡船がやってきました。
私は大急ぎで道具を片付け、撒き餌を散らかし放題の足場をせっせと洗い流し、体力を使い果たして5時半前には納竿済みのShioさんと一緒に船を待ちます。
(Shioさんの方は、3投目のバラシ以外にはどこのサラシでも反応すら無かったそうです。)

が、船は沖に留まったまま一向に近づいてきません。
それどころかドンドン沖に流されていって、ついには芥子粒のように小さく小さくなってしまいました。船長から電話もかかってこないし・・・。
結局渡船が戻ってくるまでには30〜40分待たねばなりませんでした。
しまった、これならイサギの1〜2匹も追加できてたかもしれないなあ・・・。今日は釣り時間を相当無駄にしてるなあ。

とはいえ、朝から晩まで13時間以上、とことんやりきりました。
釣果は伴わなかったけど、思い切り遊ぶことができた、この一日。さすがに一気の帰宅は不可能ですので、その夜は大月町の定宿、幡多郷(はたご)で一泊。
安くて美味しい夕食に、イノシシの串焼きと猪汁があったのには苦笑してしまいましたが・・・。

満腹満腹の私たちはそれから翌朝8時までひたすら眠り、翌日は土佐清水市内のとある港で、残った撒き餌の処分を兼ねて1時間くらい竿を出し、ブッコミ釣りで35cmのキビレを仕留めてから、帰路につきました。


今回の柏島での釣果。
口太グレ 42&36cm
イサギ 37&33cm

アワセとやり取りをいい加減
見直せという声が
聞こえるなあ・・・。
今回も楽しく終わったコラボ遠征ですが、よく考えたら二人とも夢を掴むことはできておりません。Shioさんなんて、あと一歩のところまでいっていたのに。
そして悔しさ募るShioさんは、ロッドとタモの購入、再戦を決意していました。四国の磯の魔力に、また一人取り憑かれてしまったようですね。

次は10月ごろにやりましょう!
磯では様々な種類のフィッシュイーターと、必ず居るはずの尾長グレ、下船後の港では秋の元気者・メッキたちの群れがきっと、私たちの挑戦を待っているはずだ!
 ● 柏 島 kashiwajima
利用渡船 良栄渡船 出港地 高知県大月町・柏島
時間 5:30〜14:45
14:45〜18:45回収
料金 5000円×2回分
駐車場 港:500円 弁当 700円
宿/仮眠所 民宿を経営
(朝食無し)
システム 磯割り制(5交替)
泊まり優先?
磯替わり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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