風雲児  烈風伝
GWホームグラウンド釣行。3日連続のいい磯、いい凪ぎ、いい天気。

2013年5月2〜4日 高知県小才角&柏島
・五島列島か、四国か
 ゴールデンウイークは地元でサツキマスやチヌを狙い、釣果が上向いて人が減る「連休後の週末」に四国の磯に立つというのが、私の行動パターンでした。
 しかし、河川改修による清流・千種川の死とともに、あれほど熱中していたサツキマスへの興味を失い、チヌの方も、今年は連休前の釣りで何となく満腹。GW前半に出勤した関係で後半が6連休になったことだし、天候も物凄くいいようだし、この後の週末は仕事の関係で動けそうにないし・・・ということで、5月1日の勤務終了後に、初めてのGW磯釣行に出発です。

 折角の機会なので未踏の地・長崎県へ行こうか。以前、雪によって釣行を阻まれ、道具だけが宅急便で往復してきた五島列島に単騎アタックしてやろうか!とかなり悩みましたが、GW前半の疲労度を考慮し九州に付き物の「瀬泊まり」を回避。行先は四国南西部までに留めておきました。
 
・5月2日 小才角 西磯
 5月だというのに北の方の山沿いでは雪。四国の山越えも暖房を入れなきゃ運転してられないという異様な寒さの中、今やホームグラウンド同然になっている小才角新港に到着です。

 この日の1番船の出港は5:40。私は2番船で「ウスバエ」に渡礁。
 ウスバエは言わずと知れた底物の名礁ですが、西磯にありながら良形尾長のチャンスもあるという磯でもあります。最近は人気に翳りが見えるという話も聞きますが、この磯を予約できていなかったら、おそらく無茶な五島遠征を強行していたことでしょう。
 
 速い潮が東へと駆け抜けています。これぞバクチ釣り場・小才角で必須の上り潮。やったぞ!今日は釣れそうだ!!

ウスバエ南西向き。この日は黄砂もPM2.5もなく、
大浦の磯、柏島の沖磯、沖の島が一望のもとに!
 潮が高く、多少うねりがあるので、ウスバエの上の段からの竿出しです。
 道糸は2.5号、ハリスは2〜2.5号。0のウキではしっくりこなかったので、G5のウキをメインに、ジンタン7号を付けたり外したりして攻めていきました。ロッドは2回目の登板となる「ゼロサム磯 弾X4タイプ3」。1.75号強〜2号弱相当の設定なので西磯ではオーバースペックのような気がしますが、とにかくこの竿を曲げ込んでみるというのが今回の目標でもあります。ネットで横行しているように、使ったこともない竿を人に勧めたり、散々にけなしたりするような真似はできませんからねえ。

 上の段の中間付近から船着きのサラシへ撒き餌を流してみると、磯際にチョウチョウウオ(本蝶)、サラシの沖にコッパグレが見え、20〜30m沖の水面では波紋がパチャパチャと上がっていました。
 サラシ沖から波紋に向かって流し込んでいくと、23cmくらいの尾長グレがパラパラとヒット。しかしながら見た目よりも低い活性に違和感を感じていると、南沖のシモリの向こうに伸びていた潮目周辺でシイラやハマチ(ヤズ)クラスの青物がボイル!ボイル!ボイル!!
 しかし、今の私にとってはこれらの魚は外道。ルアーも持っていないし、手ごろなエサ取りも釣れないので、横目に見ながら40cmオーバーの尾長グレだけを狙っていきます。
 どちらにせよ、青物のボイルはほんの数分間しか続きませんでしたが。

 9時5分、竿が大きく引き絞られました。
 腰ダメしているとすぐに浮上してきた魚は、トゲウオ目に属するフィッシュイーター、1mクラスのアオヤガラです。しかもハリはなぜか、尾鰭の近くにがっちりと食い込んでいるではありませんか!この魚でもスレ掛かりだと走りますねえ。

 そのアオヤガラの崇りというわけではないでしょうが、直後からみるみる潮が緩みはじめました。
 そして、転流。今度は西向き、大浦向きにそこそこの速さで流れ始めたのです。

西磯に上がったのは、フタゴのイガミ釣りのおっちゃんと、
ウスバエの私の2人のみ。
 状況の急激な悪化が懸念されたものの、グレの方は相変わらず25cmまでの尾長がポツポツと釣れ、同サイズの口太も時折混ざっていました。
 撒き餌にはキツが群がり、35〜40cmくらいまでのものが時々食ってきます。また、45cmくらいのこげ茶色の魚が撒き餌にアタックしてくるのですが、この段階ではまだハリに掛けることはできていません。

 西への潮なので、磯の南西方向を攻めてみても面白かったかもしれません。しかしこの日は下の段に降りられなかったため元の位置から移動せず、船着きの沖から南方向のシモリとの水道までの間を、当て気味の潮に乗せて重点的に探る戦略を取っていました。
 11時13分には、シモリにもたれかかるようにして流れていたウキが引き込まれて、今回初のキープ魚となった30cmの尾長をゲット。
 
 12時ごろになると、またまた潮が転流し、朝と同じ東向きに流れ始めました。
 魚の活性上昇も顕著になって、25cmちょっとぐらいまでのグレはもちろん、35〜40cmキツもしんどくなるほどに掛ってきました。
 ここにきて、撒き餌を拾っていたこげ茶色の魚もヒット。それは見立て通り、サンノジではありましたが・・・。

 魚種はともかく、「ゼロサム磯 弾X4タイプV」を曲げてみたいという願望は存分に叶えられています。
 普段は張りが強くて操作性のよい先調子ロッドが一転、魚のパワーに応じて曲がる部分をスムーズに移動させ、美しいカーブでやり取りを盛り上げてくれます。私は曲げるたびに快楽を感じてしまってました。
 ただ、胴にかかってくるこの手の竿に不慣れなせいもあるのかもしれませんが、浮いてきた魚に「思ったよりも小さい」という印象を受けることが多かったし、サンノジや幾匹かのキツとの磯際でのやり取りの中で、リールシートの直上から大きく曲がり込み、恐怖を覚える場面があったのも事実。サンノジの体は相当分厚く、パワーも有り余る感じだったとはいえ、サイズは43cmですからねえ。このタイプの竿はそういう物なのかもしれませんが、さらに上のサイズを掛けたらどうなってしまうのだろう・・・。一応「60cmクラスの尾長にも溜めきることのできるポテンシャル」とはなっているのですが・・・。
(その後、感じたことですが、この竿は、今流行の守りを固めて魚の体力を奪う使い方よりも、むしろこちらから引きずり回すというか、ドンドン攻めていくような使い方をする方がいいのかな。)

 ついでに言うと、この竿には、撒き餌がこびりつきやすいベタ付き防止加工の塗装部分や、意味を成していないクランク構造の水抜き穴、ゴムの内部に水が溜まる大問題の尻栓、使用中いちばん目に留まる部分にエンブレムではなく、品番コードと公正シール、感電注意マークが鎮座しているといった残念な部分が多いんです。まあそれでもスペック表には表れない軽快さと、愉しさという魅力があるので、しばらくはこの竿ばっかり使うことになりそうな予感がします。

 ちなみに、元々持ち重りが少ない竿なので、バランサー下栓(50g)を使用してもメリットは少なく、かえって重みばかりが腕にのしかかります。(30gならまだまし)そのバランサー下栓の水抜き穴はまっすぐ、まともだというのがまた残念・・・。
(情報の少ない竿ということもあり、柄にもなく長々とインプレなんぞしてしまった・・・。)

この日のキツは、尾長グレと混同されることがある
「ノトイスズミ」という種がメインでした。
 初日の迎えは午後4時でお願いしていましたが、他のお客さんとの兼ね合いで今回も3時に急遽納竿。その時のクーラーの中身は30cmジャストの尾長グレ1枚のみでした。
 実は、キツ・サンノジの乱舞の中から40手前の尾長を1枚釣っていたんですけどねえ・・・。相次ぐノトイスズミのヒットでやり取りがぞんざいになっていた私は、同じような色に条件反射。タモを用いず、ハリスを掴んで引き上げようとしてしまいました。それで一応磯に上げることはできたけど、ハリが外れてズルズルポチャン。後悔先に立たず。

 この日の小才角は全体的に不調で、どの磯も大苦戦だったようです。
 船長曰く、「いい潮が入ってきた初日ですからねえ。本格的に食うのは3日目でしょうね。」
 これが釣果の可能性が潮ひとつで決まってしまうバクチ釣り場の恐ろしさ。私は「釣り」というもの以外にバクチはやりませんが、またまた絶妙に外してしまったようです。連休前半は54.5cmの尾長とか、二桁釣果とかいうような凄い日があったようなんですけどねえ・・・。

 ● 小 才 角 kosaitsuno
利用渡船 柏原渡船 出港地 高知県大月町・小才角新港
時間(当日) 5:40〜15:00
料金 3000円
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 無し システム 磯予約制
磯替わり あり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)
 といっても、穏やかな海と、気持ちのいいそよ風、沖の島や柏島がすぐ近くに見えるほどの澄み切った日本晴れと、柔らかな光で網膜を染める山々の新緑・・・。これほどの爽やかな環境で、のびのびと魚と向き合えたことだけでも大当たりなんですけどね。

 6月か7月にまた来ます。
 そう船長に告げて港を離れた私は、ベルリーフ大月の立ち寄り湯を経由して、久しぶりに利用することができるお気に入りの渡船・井上渡船の宿に入りました。
 明日からは、もう一つのホームグラウンドでの2日釣りです。

・5月3日 柏島 赤バエ(グンカン)廻り
 憲法記念日の早朝、渡し場という地名の渡船乗り場は、人、人、人でごった返していました。
 当然ながら渡船は大盛況で、特に黒潮渡船など、船が沈むほど人が乗っておりました。
 それなのに、私が乗船している井上 漁船 渡船は、わずか4組という空き具合。いったいなぜ?混み合いそうな磯割が避けられた?ともかく、現時点ではラッキーというほかありません。

  東の沖から見た、赤バエ(グンカン)と蒲葵島。
 本日の井上渡船が担当する磯割は、今シーズンも頻繁に50cmオーバーの尾長が仕留められている「赤バエ(グンカン)」。
 しかも、私が上げてもらえたのは「東の高場」という、今の柏島で最も熱い尾長ポイントです!

 私と赤バエとの関係は、阪神タイガースとナゴヤドームとの関係のようなもの。要するに鬼門というやつです。それも、グレ釣りでこれまでに6回渡礁して6連敗中、未だ1枚のコッパグレすら釣り上げたことがないという戦績ですから、それでも年に1〜2回は勝っている阪神と同じなんて言ったら怒られてしまいますね。
 でもまあ、今回こそは攻略してやりますけどね!

 まず、船着きに散乱していた先客の撒き餌の残骸を洗い流してから準備開始です。
 この日はマイナスの潮(吸い込みの激しい潮)だったので、0号やG5のウキではオモリなしでも沈みすぎて釣りにならず、G2のウキにオモリなし、−0のパラソルストッパーを1個付けた仕掛けでスタート。その後色々と試す中で一番しっくりきたのは、BのウキにG2オモリ1個の組み合わせでした。
 ロッドの方は、東の高場というスーパーステージでの釣りなので、少しでも不安を感じた竿は使えないなということで、BB-X(緑)3号を選択しましたが、操作性のよさが癖になりつつあるゼロサムX4に僅かな時間で持ち替えることになるほど潮が動かず、魚の気配もしませんでした。

 赤バエはイサギの名所。ここでグレを釣ったことのない私といえども、イサギだけはほぼ毎回、2〜3匹ですが確保することができています。
 この日も6時15分に30cmが登場。船着きの正面のシモリと、左手のサラシとの間で食いました。
 ここ東の高場のイサギというのは、潮がフラッと一瞬だけ、よろめくように流れを変えた時に食うのでしょうか?この時もこの1投だけウキの流れ方が違ったのですが・・・。

 柏島の弁当船はやたら早い。今日も井上渡船はメインディッシュは大盛りのご飯、おかずは基本的にご飯の友という弁当を8時前に届けてくれました。そして、その弁当と一緒に一名の人物が磯にやってきました。この磯で夜釣りをする予定の常連カゴ釣り師です。

 「何があっても、3時までは絶対に竿を出したらいかん!」と、渡船がマイクで念押しして去っていきます。

 この柏島では半夜釣り&夜釣りは年中午後3時スタートですが、それ以前に磯上がりして時間まで待つことが可能です。(料金は2回分かかりますが、朝釣り・半夜釣りor夜釣りの通しで同じ磯に居続けることもできます。)
 ちなみに、朝釣りについては、「泊り客優先」というルールがありますし、夜釣り→朝釣りの通し釣りをする場合でも必ず磯替わりする必要があります。なので、九州東部のように、例えば「日曜の釣りのために金曜から磯で場所取り」なんてことは起こらないんじゃないかな。(そこまでするほど飛び抜けた磯もありませんしねえ)

 上がってきた常連さんに、「時間まで釣りを見ておくだけというのもしんどいんじゃないですか?」と声をかけると、「こうすれば確実にいい磯に上がれるので、特に人の多いときには助かる。」とのこと。「いい磯」なんです。この磯は。「我慢して釣っていれば、いつか必ず尾長が当たってくる」磯なんです。この「東の高場」という磯は。
 それなのに、ウキは沈黙の中を漂うだけ。「シモリの沖に投入して、潮に乗せて流していけば、左のサラシの前で尾長が、その先ではイサギが食ってくる」というアドバイスを頂いたけど、潮が動かないんじゃ話になりませぬ。

 11時前、突然ウキの馴染み方に変化がありました。これまでのマイナスの潮が、突如プラスの潮に置き換わったのです。そして、止まっていた潮が右方向に流れ始めました。
 ウキを交換し、オモリを効かせて対応させると本日2度目のアタリ!右側の棚の際で、竿がいきなり引っ手繰られました。
 しかし、次の瞬間には竿はすでに跳ね上がっており、ハリスはチモトでスッパリと切断されていたのです。

東の高場から、グンカンの東を望む。
バトンタッチした常連さんは釣れたのだろうか?
この日は柏島全体で120名もの釣り師が、
半夜釣り・夜釣りに挑んだそうです。
 以後、アタリはありませんでした。終盤には左へ走る本命の潮も流れたのですが、活性が高まったのは沖を漂う無数の海亀のみ。尾長?そんな魚、本当に見えるんですか?
 
 負けた、負けた。小イサギのヒット1本のみのシャットアウト負けですわ〜。さながら山本昌inナゴヤドームのような試合でした。
 釣り座の背後の高みに上って、私の釣りを見ながらくつろいでいた常連さんもさぞや暇だったことでしょう。いや、釣り師の心がヤキモキウズウズすることなく、のんびり過ごせてよかったのかな?

 午後3時、「きっとあれのせいですよ。そういうことにしておきます。」と、背鰭を出して沖を往く3頭のイルカを指さし、「夜釣り、気を付けて釣ってくださいね。」と常連さんとバトンタッチして、私は港へ戻っていきます。

 いよまくり(魚捲り)、と呼ぶそうです。
 釣りに行けば周辺から魚が消える人のことを、土佐清水では。 
 本日、赤バエはどこもサッパリ。昨日は小才角、今日は赤バエの魚を消してしまった私は、やはり「いよまくり」なのでしょう。

 その日の夕刻、宿での食事は船長から裏話や苦労話を聞きながら。
 その際に、磯が配分されていく様子を見たのですが、それは闇雲に人数割りするのではなく、「前回貧果だった人は優先的にいい磯に上げてやらないと」という、お客さんの顔を思い浮かべながらの場所決めでした。
 「私は?」と聞いてみると、「数日前にイサギの大釣りがあった面白いハエがあるから、そこに上がったらええ。」とのこと。船長の思いに応えるためにも、明日は釣らなきゃいけないなあ。

・5月4日 柏島 ムロハエ廻り
 みどりの日の今日も渡船乗り場は、移動販売のうどん屋のうどんが売り切れるくらい混雑していました。(ラーメンが残っていたので食べてみたけど、そりゃ、うどんの方から無くなりますわな。)最終日もベタ凪。これなら人が多くても大丈夫。今日の磯割「ムロハエ」だって、どこへでも上がることができます。

 夕方の時点で20人の予約が入っていた井上渡船。その先頭を切って渡礁したのは私でした。

アンパンと長ハエの水道にある「潜水艦」。
2年半前、沖の長ハエに上がった時の画像を加工。
 上がった磯はムロハエ群礁の真っただ中、「アンパン」「三角」「沖の長ハエ」「地の長ハエ」という4つの磯の真ん中にあるシモリ風の磯・・・というか、アンパンの背後にある胸壁のような磯から伸びたハエ根の先端です。
 そこは前が頂点の三角形の磯で、バッカン・ロッドケース・クーラーを置けば残された安全な足場は残り僅か。さらに、足場は前上がりの傾斜なので足が痛くなりますし、道具も配置を考えないと滑り落ちてしまいます。滅多に上がれないからか、荷物を掛ける鉄柱もありません。

 その磯の名は「潜水艦」。
 高知版・愛媛版の2冊の空撮写真ではポイントとしてすら扱われていませんが、このエリアの磯に精通したカルロス・ガ〜ンさんが、「自分達が『潜水艦』と呼んでいる磯」と教えてくれました。その後、大黒渡船の釣果情報でも「ムロハエの潜水艦」という名称を確認することができました。

 道具をまたぎ越しながら準備をして、5時半過ぎに第1投。
 投入地点のすぐ近くで潜行していた0ウキにジンタン7号の仕掛けにいきなり反応があり、一投目から35cmくらいの魚が姿を現しました。
 釣った本人のみならず、近隣の磯の釣り師にまで衝撃を走らせたその魚の名は、ミギマキ(タカノハダイ科)。うわぁ、一投目からこれかぁ・・・。
 アンパンと地・沖の両長ハエ間の潮流が足元を駆け抜けるはずの抜群の立地にも関わらず、潮がまだ動いてませんからねえ。

 渡礁から1時間少々の6時40分、スピードを上げて流れ始めた潮をかき分けて、驚くほど早い弁当船が現れました。
 弁当を受け取るために伸ばしたタモ網の向こうには、沖の長ハエとの間に国境を描いたかのような潮目が続いています。
 それは、単純な一本流れではありません。細かい蛇行を何度も繰り返す千鳥足のような潮が、適度な速さで南へ向かって流れているのです。

 私は、その流れにG2のウキにジンタン4号+3号、ウキ下1本の仕掛けを投じ、150mの道糸が尽きようとするまで流し込んでいきます。仕掛けが潮に乗ったら張らず緩めず、竿で道糸を追いかけては糸を送り、追いかけては糸を送りという、「釣り人館ますだ」の店長直伝の方法で。

 2投ほどしてしっくりこないと感じたため、ジンタン4号をもう一つ追加し、同じように流してみると、100mちょっと沖でラインが一気に走りました。
素早く竿を立ててベールを返すと、魚の自重と潮流の抵抗で竿が弧を描き、根掛かりのような重量感が伝わってきました。
 ゼロサムX4がグイグイと魚を寄せてきます。抵抗らしい抵抗も許さずに、ごり巻きで取り込んだのは38cmの白子で腹パンパンのイサギ!そりゃもちろんキープです♪こんなのをリリースする人なんてめったに居ないでしょう^^

「潜水艦」は狭い磯。水道の向こうの磯は、
左から「地の長ハエ」、「沖の長ハエ」「一のハエ」
 その数投後に、それほど遠くない位置で鋭いアタリ!
 今度の魚も、ごり巻きですんなりと寄ってきていました。ところが次の瞬間、突如火が付いたかのように強烈に引き始めたのです。しかし、その激しい突進も腰ダメで竿の角度を保つとすぐに止まりました。
 おおっ、沖で竿を立ててのやり取りでは頼りになるではないか!前述のインプレ?にも補足を入れておかなきゃ!
 でも、余計な色気を出したのがまずかった。突進を凌いだ所から再びごり巻きに持ち込めばいいのに、竿でのやり取りをしたいという欲望に身を任せてしまったのです。遠すぎる位置で不必要なことをするものだから、高切れしてウキまでも無くしてしまいました。どうやらシモリがあったようです。

 仕掛けを作り直して再投入すると、今度はかなり近い位置でアタリが出ました。
 しかしながら一瞬でバラシ。「残念!ハリに乗らなかったか・・・」あまりの早さにそう思って回収すると、3号のハリスがザラザラになって切れているではありませんか。きっとシモリにあまりに近い場所で食ったのでしょう。こればっかりはどうにもなりませんな。

 周りの磯でも連発です。一のハエではとりわけ頻繁に竿が曲がっています。三角とカモのどちらかでは60cm近いイシダイと、さらにでっかいタマメ(ハマフエフキ)も仕留められています。この時のムロハエ群礁は活気の中に浮かんでいたのです。

 残念なことに絶好の潮はそう長くは続きませんでした。潮はみるみるスピードを落としていきました。
 そしてサンノジのヒットが北方向への転流を告げました。

 足元を見ると、海底近くに魚影が見えるようになっていました。それはキツ、サンノジ。そして35cmくらいのグレの姿も確認できます。特に足元左側、潮下のシモリの斜面には多数のグレが!
 竿一本ほどの水深から海面近くまで駆け上がっているこの斜面を、サシエが舐めるように流すことができたなら・・・。
 フカセの仕掛けでは攻略しきれない状況。でも私は、こういうポイントを日常的に攻める釣りを知っています。
 ウキを外し、道糸に蛍光色の毛糸の目印を括り付け、ガン玉はハリスに一点打ち。それを潮上に投入して仕掛けを操り、竿いっぱいまで流し込めばいいだけの話です。
 突如始まった渓流釣りに、向かいの磯から笑い声が聞こえてきます。笑わば笑え、これが異類異形(いるいいぎょう)、固定観念に捉われない播磨の悪党の釣り。
 ・・・って、今回は不発でしたけど。

背後の風景。左から「アンパン」、「カブト(エビスの岡)」、「三角」。中央は管理人お気に入りの井上渡船。
 北向きの潮は癖のある潮でした。
 中層は比較的素直に流れていくのに対して、表層は大きく上滑りし、地の長ハエの際をかすめる大きなカーブを描いてから沖へ出ていくのです。
 しかし、地の長ハエの釣り師は磯の反対側に狙いを変えていて、ライン操作に失敗しても迷惑はかからないので、フカセに戻しても気楽に狙っていけます。
 
 10時43分、50mほど沖でラインが急速に張り詰めました。
 転流前のバラシの反省を踏まえて、情け容赦なくごり巻きです。未だ腹いっぱいに真子を抱えた37cmの口太グレは、抵抗をほとんど許されずにクーラーの中へ一直線。

 その後しばらく、周辺からアタリが消えてしまいました。潮は相変わらず流れているのですが・・・。

 12時ごろになると、この3日間で初めて、風が強く吹きはじめました。
 釣りづらくなるとか、道具が飛ばされるような風ではないのですが、風が渡ってくる北側の宿毛湾には白波が立ち始め、『潜水艦』に打ち寄せる波も、徐々に高さを増しつつありました。
 波気が出たことによって魚の活性が急上昇、周辺の磯の竿が盛んに曲がりはじめます。対岸の沖の長ハエではグレが入ったタモ網が引き上げられていきます。
 そんな中、私だけは気が気ではありませんでした。背後からいつ波が駆け上がってくるのだろうかと。

                  釣りの帰りに寄る価値あり!観音岩付近の展望台からの風景。
 ムロハエに近づきつつある井上渡船の姿を見たとき、私は「乗れ」と言われているような気がしました。実はまだまだ余裕があったのかもしれませんが、何せスロープ状の狭い磯。道具を流されてしまうのも嫌なので、素早く片付けてこの『潜水艦』から退艦することにしました。

・大堂海岸 キヨジの奥
 船は幸島を経由して、大堂(おおどう)海岸の景勝地・観音岩の近くにやってきました。
 まずは、同じムロハエのカブトから替ってきた、フカセとルアー掛け持ちの夫婦?が「キヨジ」に渡礁。私はその隣の「キヨジの奥(キヨジの丘)」に上がることになりました。

 時刻はすでに13時。3日釣りも、残すところ2時間弱です。見るからに口太釣り場ですが、とにかくお土産を確保しなければ。
 私は大急ぎで準備を整え、ゼロスルスルの仕掛けを投入。
 
 バンバン打ち込んだ撒き餌に集まってきたのは、本蝶の群れと、小さなギンユゴイ。少し遅れてキツが登場し、40cm超のものが1枚、竿をリールシート上から曲げ、リリースされていきましたが、それらの魚の食い気は総じて低く、沖の方にも走り出る気配はありませんでした。
 なぜだろう?と不思議に思っていると、隣のキヨジで竿を出している男性が理由を教えてくれました。

隣の釣り師のファーストヒットはシイラでした。
 その方はこの磯に渡って早々にウキを流したため、磯竿をルアーロッドに持ち替えて、大型ミノーかペンシルベイトをキャストしていました。
 すると、わずか数投でハードロッドが曲がり、シイラが磯の上に跳ねたのです。
 それをリリースした次の一投、さらに強烈なファイトが繰り広げられているではありませんか。やがて固唾を飲んで見守っていた女性が歓声を上げ、その声に迎えられるようにして、磯の裏側から70〜80cmはある青物をぶら下げた男性が姿を現しました。
 まるでカワセミがするように頭を磯に叩き付けて息の根を止め、クーラーに収められたその魚はヒラマサとのことでした!
 その後も当たる当たる!すぐに同サイズのヒラマサを追加し、バラシも4発。

 凄まじい連続ヒットを私に見せつけたキヨジの夫婦は、1時間も経たない間に、夕釣りの時間待ちのために去っていきました。
 残された私は、ラスト1時間、ギリギリまで頑張ったのですが・・・。

 午後3時半、井上渡船が迎えにやってきました。

 「釣れたか?」
 「釣れるか〜!!」

 あのサイズの回遊魚がウヨウヨしている状況で、中小型のグレがバンバン食ってくるはずありませんがな〜。釣れたのはキツ1枚とダツ1本。グレはコッパの1枚すら見当たりませんでした。そんな時は回遊魚を狙えばいいといっても、初日と同じ理由で打つ手無し。

 結局最終日は前日、前々日の倍、合計2枚の魚をキープして磯を後にすることになりました。

・エビローグ
 港に戻った私は、3日間もいい磯に上がり続けたとは思えない軽いクーラーやらロッドケースやらを渡船屋の軽トラに積み込み、自らは歩いて宿へと戻りました。
 宿の駐車場で車のバックドアを開けたら、なぜか荷室が水浸し。オキアミのキープ用としてしか用をなさなかったイグローの予備クーラーが壊れて、氷の解けたのが染み出しているようです。
 水は幸いブルーシートの上に留まっていたので実害はなかったけど、中に魚がいっぱい詰まっていたらどうなっていたことか。そう考えると、釣れなくてよかったのかもしれません(汗)

 ブルーシートの水を排水していると、渡船屋の軽トラが帰ってきました。
 積んでいたクーラーとバッカン、サブバッカンを手早く降ろして・・・。あれ、ロッドケースが見当たらないぞ??
 すると、一台の車がクラクションを鳴らしながら軽トラを追いかけてきました。その運転手の方が「落し物〜!荷台から転げ落ちたぞ!」と、手に持ったロッドケースを大きく振っています。あ、それ私のだ・・・。
 とりあえずロッドは破損していないようですが、あまりの出来事に唖然とするばかりで、運転手の方にお礼を言うことすら忘れていました。この場で改めてお礼申し上げます。

 こんな3日間だったけど、帰宅した翌日から熱を出すほど集中した釣りを思う存分やりきることができたし、個人的にはなかなか充実したGW釣行だったと思います。

 ● 柏 島 kashiwajima
利用渡船 井上渡船(弟) 出港地 高知県大月町・柏島
時間(当日) 5:10〜15:00
料金 5000円
駐車場 港:500円 弁当 700円
宿/仮眠所 民宿を経営 システム 磯割り制(5交替)
泊まり優先
磯替わり 数回
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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