・問題は出られるかどうかということ
500人規模のハイキングイベント運営の仕事が無事終わり、次は自分自身のためのイベントだ!と高知県南西部へ向かいました。溜まった疲れが重いですが、雪やらインフルエンザやらで2月の釣行チャンスを流しているだけに気力は充分。
安定の柏島に行くかギャンブルの小才角に行くかで散々迷いましたが、素晴らしい潮が入っていて40cm超の尾長が当たっていると聞けば小才角を選択するしかないでしょう。代休を利用した平日釣行ですしねえ♪
ただし海は釣行前日の日中に土佐沖を通っていった低気圧によって荒らされており、関東はるか沖には台風もいるので、「当日は船を出す予定だが出られない可能性も高い。」という状況です。低気圧が呼び込んだ強い寒気と北西の強風が頼りであり、また怖くもありました。
3月6日(木)。冬の寒さに逆戻りした小才角新港では8人の上物師が柏原渡船を今か今かと待ち構えていました。
船は予定通り6時20分に私たちの前に姿を現しましたが、新港を素通りして沖へ偵察に出ていきました。果たして磯の波はどうなのか?この高い波止の向こう側の海はどうなっているのか?そして船長が下す決断は??
全員が固唾を飲んで船の帰りを待っているのですがじっくりと観察しているのでしょう、なかなか帰ってきませんでした。
やはり今日は無理なのか・・・。さあどうする?竜串か?周防形か?いっそ藻津で日の入り前まで釣るか?と本気で転進先に悩み始めた頃、ようやく渡船が戻ってきました。出航できるという嬉しい答えを乗せて。
まずはカワグチに2人、名礁ツナカケに4人が渡礁。一がハエには磯予約無しの私ともう一人の常連さんが上がるつもりでしたが、南東のうねりが太く、一がハエやカゴバエは使い物になりませんでした。
とりあえず9時ごろの満潮が過ぎるまでは常連さんはセリツケ、私はマツリバエで様子を見ることにしました。セリツケは時折波が足元を洗っているので危険そうですが、渡船が沖に居続けてくれるのが心強いですね。
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マツリバエの南向き。釣り座の前方に大きなシモリがあります。右側の出っ張りポイントは時折洗われてました。 |
・マツリバエ
私が上がったマツリバエは、カワグチとセリツケの背後にある大きな磯で、風波に強く足場も抜群。でも大きいのは釣れそうにないなあ・・・。よし、今日は1.35号相当の竿でいいや!(この磯も時折尾長が食うこともある穴場らしいのですが・・・)
小才角の生命線である上り潮はこの日も流れており、マツリバエとセリツケ・カワグチの間の水道の潮もゆっくりではありますが常に東へと流れています。よしよし!
狙いは南向き前方に見える大きなシモリかな。右側の出っ張りとの間のワンドに出ているサラシを利用してG2の仕掛けを流し込んでいくことにしましょうか。
第1投は7時10分ごろだったかな?すぐに反応が出て尾長グレをゲット。ワッペンサイズですが・・・。
序盤は次々と尾長グレが上がってきました。サイズアップにも成功です。大きいもので23cmくらいですが・・・。
しばらくするとコッパのアタリが遠のき、サシエが皮しか残らなくなってしまいました。仕掛けの抵抗を無くすように調整しても効果がなかったので円錐ウキを棒ウキにチェンジ。
タナを深くし、シモリの向こう側を流しているとトップが小さく抑え込まれました。間髪を容れずに電撃フッキングするとロッドが大きく弧を描き、10時48分、やっとのことでクーラー行きの魚が釣れてくれました。40cmほどのアイゴです。強烈だけど切られる気のしない引きで確信した通りでした。
右前のセリツケでも竿が曲がっています。そして口太グレがタモの中へ・・・。
羨ましいなあ・・・と思っていると、次にセリツケにやってきたのは一発波でした。危ないと思った常連さんもバッカンも無事でしたが、すぐに渡船が飛んできて収容し、一がハエへと運んでいきました。
・だらだらと居残り
さて、相変わらず釣れないマツリバエ。私の戦意も相当低くなり、グレよりも疲れ・眠気と戦っているというような有様でした。
そんな折に弁当船がやってきたので私はさっさと道具を片付けて飛び乗ろうとしたのですが、船長に「まだそこに居らんといかんよ!」と制されてしまいました。う〜ん、10人以上上がれる大きな一がハエも今やれるのは船着きの一か所だけということか・・・。
仕方がないので一旦片付けた道具を再設置。熱々の弁当をのんびり味わってからボチボチと再開するとしますかな。
せっかく潮が引いてきたのに西風が強烈になって風波も出てきた12時過ぎ。相変わらず忘れたころにコッパが食ってくるだけのマツリバエ。
船長がやってきて「替わるか?」声をかけてくれたんですけどねえ。まだまだうねりが太いという言葉に昨年の柏島赤バエ高場での恐怖体験がフラッシュバック。ヒヤヒヤしながら無理して釣っても仕方ないと思って磯替わりはパス。私自身も今日の釣況とここのところの疲れで戦意喪失してすっかりだらけてしまっていましたしねえ。
まあ磯替わりの代わりにとこれまで攻めていなかった西向きに移動し、向かい風と戦いながら釣ってみることにしました。
沖のシモリから2段に切れ落ちた磯際へ、見た感じドン深の水道を経由でBの円錐ウキを流し込みます。するといい感じの重量感を持った魚が2度ほどヒットしたのですが、どちらもハリ外れで上がってきませんでした。結局西向きでも数枚のコッパグレをキャッチ&リリースしただけ。
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午前中には行けなかったポイント。
ここで一日やれていたら面白かったかも。 |
春の潮は迅速に大きく引いていきます。
おかげでセリツケとの水道に突き出したポイントの安全が確保されたので再移動し、強風にタモが飛ばされないように注意して釣り座を設営。
この出っ張りの立地は素晴らしく、さっきまで釣っていた西向きから流れてきた潮が南側へと回り込み、セリツケの水道からの潮と一つになって午前中に攻めていた大きなシモリに流れ込んでいきます。
私はまず回り込む潮に乗せて磯際を舐めるように探っていき、それではコッパグレやチョウチョウウオの攻撃から逃れられないことを確認すると仕掛けだけをセリツケの方に投入、水道を攻めつつ撒き餌の効いているシモリの手前で完全に馴染ませる策を取りました。
それでようやく35cmの口太グレをゲットすることができたのが午後1時45分。
直後にも同じような重量感の魚がヒットして、これで掴んだと思いましたが、毎度毎度のハリ外れで全てがパー。本命1枚だけで3時の納竿を迎えることになってしまいました。そして港で落ち込みました。
さすがは上り潮走る小才角、みなさん釣れておりました。目の前のカワグチでは口太中心の数釣り。ツナカケでは42cmまでの尾長グレが結構出てましたし、セリツケでは1枚だった常連さんなんて、一がハエに替わるや1投目から尾長のアタリがあり、44cmを筆頭に良型を7枚という釣果を短時間で叩き出していたのです。
私は常連さんから仕掛けやら釣り方やらを教えてもらった上で船長に翌日の一がハエの予約を入れました。柏島にも行きたかったのですが、今の悔しさ・歯がゆさには勝てません。
まあ、明日もここで釣りができるのかどうかは「夕方の波を見るまで保留」ということでしたけど・・・。
その夜はいつも通り、定宿の幡多郷へ。クマザサハナムロの握りなどを楽しんで早々と布団の中に入りました。気を失う直前に小才角の船長から「明日は出航。」という知らせを受け取っていたので安心して眠ることができました。
・いつものところで
3月7日(金)、この日のお客さんは11人。南東のうねりは昨日とは比べ物にならないほど落ち着いてきているので、マツリバエ1人、カワグチ2人、ツナカケ2人、カゴバエ2人、一がハエ4人という布陣になりました。
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いつもの場所・コンヤ側の水道の付け根。
なお、最先端には終日出られませんでした。 |
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本命ポイントの船着きとその周辺は好調続行! |
一がハエのベストポイントである船着きは今回も、フォースヘッドに荷物を構え、出船時も他の磯への渡礁時もずっと居座っていた人が確保してしまいました。ポーター役を趣味にしているような私にはこのポイントは多分一生縁のない場所ですな。
磯の南半分はうねりで厳しそうだし、他の2人は船着きの北側とその裏側に入るようですから、私はいつもの場所・水道の付け根のポイントに荷物を運びこみました。ここは不人気ポイントですから争いが無くていいですわぁ。足場は悪いけど安全だし、今や過去のポイントとはいえ、やり続けていればいつかは釣れるでしょう。それに実はちゃっかりと後々のことを見据えた陣取りだったりします。
昨日と違って期待の持てる磯ですので、迷わずゼロサム磯弾X4のタイプV(1.85号相当)を取り出して2.5号の道糸とハリス、00号のウキをセットし、G5のオモリを打って沈め釣りの準備完了!・・・と思いきや、道糸を誘導ガイドに挟み込んで傷を入れてしまうという不手際に気付いてやり直し。
そんなことをしてる間にも船着きの釣り師の竿はすでに胴から曲がり込んでいるではありませんか。
復旧作業の完了した私の竿も開始早々に曲がり、尾長グレが水面を割りました。が、サイズは25cmくらいまでです。昨日のコッパよりは大きいのですが・・・。
波を被って出られない先端部分とコンヤとの間を上り潮が走っています。足元のワンドの潮は左へ逆流し本流にぶつかる引かれ潮ではなく、数個のサラシを作りながら右に流れ、デベソというポイントに向かう分岐流でした。
コッパは釣れてくるのですが、想定と違うこの潮の中、G5を打った沈め釣りではそれ以上は望めそうにありません。少し重い仕掛けにして強めに張って流しても状況は全く改善されません。
しばらく試行錯誤して00ウキのスルスル、ふかせウキゴムを潮受ウキゴムMに変更し、オモリではなくこの潮受けを潮に噛みこませていく釣りに辿り着きました。
そして7時45分、サラシと沖の本流にできた鏡との間で36cmの尾長グレがヒット!
それからしばらく、最大で25cm程度のグレ以外が時々掛かる以外は比較的静かな時間が続きました。開始直後は引っ切り無しに竿が曲がっていた船着き付近もいつの間にか沈黙しているようです。
・ビッグワン!
撒き餌の周囲を大きなキツがうろつき、底の方にはそう大きくはないがキープするには充分のサイズのグレも少し見えている。そんな状況の10時ごろ、分岐流に噛みこませて右沖へ流していた仕掛けを回収しようとすると竿は大きく曲がり、ずっしりとした重量感が伝わってきました。
入れ込み過ぎて根掛かりしたかな?と様子を見ていると、グン!グン!という生命反応が腕に伝わってくるではありませんか。
ロッドに力を掛けると大して暴れずにジワジワ寄ってきた魚。水中から姿を現したそれは50cmクラスの口太グレでした。
「嘘やろ!?」
小才角ではほとんど聞いたことの無い魚を目にして驚きに染まった心が、喜びにその色を変え、すぐに緊張感へと塗り直されます。
さあここからが勝負だ!気持ちを引き締めた瞬間・・・水中で反転した口太グレの唇からハリが抜け落ち、ロッドは大きく跳ね上がってしまいました。
またやられてしまいました。肝心なところで必ず外れます。
ロッドを替えてからハリス切れのバラシは激減しましたが、ハリ外れのバラシは相変わらず。ハリ先や耳のチェックは怠っていないのですが・・・。飛んでも飛んでも不可解な減点を受けてしまう浅田真央選手のジャンプみたいに不思議と外れてしまうのです。もしやどこかから圧力が?
(そんなこと言う前に、文句の一つも言わずに己を磨き上げ、さらなる高みに挑戦し続けた浅田選手を見習わんかいっ!)
・リベンジ50
弁当船がやってきた11時半ごろまで、キープサイズも釣れず特筆することも無いような釣りが続いていました。
気分転換を兼ねて、というよりは純粋に腹が減っていたので今日も温かい弁当をゆっくりと平らげ、その間完全に休ませておいたワンドに00のウキを投じてその頭に撒き餌を3発4発。
仕掛けが馴染み、ウキがゆっくりと波の下へといざなわれていきます。
次の瞬間、そのウキを掴むようにして強引に引きずり込んでいく者が現れました。こちらも負けじと引き戻すと、33cmの口太グレが水面を割りました。
今度はしっかりハリが立っているようですが、落としたら悔しいので念のためタモ入れ。悪い足場を移動して、強風に飛ばされないように岩の割れ目とクーラーを利用して厳重に設置していたタモ網を取りに行くより、さっさと抜き上げておいた方がよっぽど楽で安全でしたけどね。
ウキはその10分後にまた、海底へ引きずり込まれていきました。今度は先ほどよりもさらに強引に。
ロッドがまたバットから曲がり込んで苛烈な引きに対抗しています。私も隙を見て反撃開始。本流の中のシモリや磯際に逃げ込もうとする魚を引きずり回して体力を奪っていきます。愛竿に合ったやり取りを楽しんでタモに収めたその魚。サイズはちょうど50cm。引き上げるタモが重かった!
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イスズミ類で最も美味とされるノトイスズミ。
写真ではあまり茶色く見えませんが・・・。 |
これが尾長グレだったら欣喜雀躍、口太グレだったら胸のすく思いだったでしょうが、この魚はどこからどう見ても50cmのキツ。それでも私は嬉しかった。
四国でキツと呼ばれるイスズミ類は、「臭くて食べられない」と敬遠される事が多く、私も実際、小型のイスズミでひどい目に遭ったことがあります。
しかし土佐清水など、この魚に目の無い地域や人が存在するのもまた事実。「寒い時期の50cmオーバー、それも青白いのじゃなくて茶色いやつは臭わず、断然旨い!」という話もよく聞きます。
今は3月、釣れたのは50cmの茶色いやつ・・・つまりイスズミ類で最も美味だとされているノトイスズミです。やっと条件が揃ったのですからこれは食べてみるしかないでしょう!と、しっかり血抜きをしてクーラーに収納しました。
・風の中で
昼前から吹き始めた西風は午後になって強さを増し、風速10mを超えるようになっていました。船着きなど、西向きの釣り座はほとんど釣りにならないような状態ですが、これを見越して釣り座を選んだ私には、体感温度の低下くらいしか苦しいことはありませんでした。まあ所詮は10mの風ですからね。
見えているのになかなか掛らなかったキツのヒット率が上がってきましたが、青白いボディーに黄褐色のラインが目立つ標準和名イスズミですし、45cmくらいまでですし、キツは1枚で充分足りているのでオールリリース。潮下のサラシの根元で食わせたサンノジもリリース。やっぱりグレが釣りたいなあ・・・。
1時16分。尾鰭の黒いキツの群れよりも下層でチラチラしている尾鰭の白い魚にサシエを届けるため、ハリ上10cmにジンタン5号を打って投入すると31cmの口太グレが一発でヒットしました。
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ツナカケ向き。両日とも午後からは強風。 |
小才角に来始めて6、7年になるのに30cm以上のグレが一日に3枚というのは屈指の釣果というのだからほんま釣ってないよなあ・・・。
まあパターンも見つけたし、今日はその分取り返しますか〜。と気合を入れた私ですが、作戦が通用したのはこの一回きり。やむなくガン玉を外し、00ウキに潮受ウキゴムで探っていく釣りにUターン。
「2時まで?3時まで?」と問いかける船に指を3本迷わずにかざし、脇目も振らずに打ち込みました。竿はかなりの回数曲がりました。ですが獲物はキツが中心で、グレも掛かるもののキープサイズの追加はできずにいました。
午後2時40分ごろ。ウキがスルスルと海中に没してなかなかの大物がヒット。しかしここにきて初めてのラインブレイク。しかも高切れでウキが流失してしまったので、納竿としました。
この日も尾長は釣れていました。一がハエ船着きでも、カゴバエでも40オーバーが出、ツナカケはやや小さいけど2ケタ釣果でした。私はいつものように36cmが最長。あの50cm級の口太のハリ外れが悔やまれてなりません。
・私はハマりました。
さて、外れなかった方の50cm、ノトイスズミ料理の感想です。
この魚、鱗を落として腹を開けた時には「失敗したか・・・」というほどの臭いが広がりましたが、身自体は大丈夫そう。
刺身にしてみるとすっきりとした旨みが舌を捉えました。甘みの強いグレの刺身とは全くの別物の味わいです。
クセは少しありますね。それほど強烈ではありませんが、磯の香りというか青臭いような香りが鼻腔を抜け、後口に残ります。ただそれが閉口するようなものかといえばそうでもなく、私にはいいアクセントとして味わいをプラスしているように感じました。
グレのように万人受けするような味ではありませんが、好きな人にはたまらない味。地方によって熱狂的に好まれているのも納得です。私はハマりましたね〜♪
もっと旨かったのが焼き切り(タタキ)です。
ネギをたっぷり、一味とおろしニンニクを少し振りかけて醤油で食べると、皮目のクセがなければこの旨さは無い!それが強すぎてもこの旨さは無い!と言える絶妙な調和を見せてくれました。
しかしその焼き切りも味噌漬けには及びません。クセはより深い旨みと化し、刺身ではそれほど目立たなかった脂がそれを見事に引き立てています。少し癖のある魚には最高の調理法ですな。また食べたいな!これは!
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尾長グレ36〜26cm
口太グレ35〜31cm3尾
ノトイスズミ50cm |
キープしたグレももちろん味わいましたよ。
やはり文句なく旨いですね〜!クセのある魚と交互に食べることで、そのストレートな旨さが一段と強調され、思わず顔がほころんでしまいました。
そしてさらに嬉しいことに、この時期の口太グレには至福の美味、白子が!・・・白子が・・・無い・・・。
今回も釣れた口太グレは全てがメスでした。ホモサピエンスのメスに全く相手にされない反動か、グレと蚊のメスには相変わらずモテモテです。
どなたか、オスのグレの釣り方を教えてくれませんでしょうか?
● 小 才 角 kosaitsuno |
利用渡船 |
柏原渡船 |
出港地 |
高知県大月町・小才角新港 |
時間(当日) |
6:20〜15:00
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料金 |
3000円
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駐車場 |
無料 |
弁当 |
500円 |
宿/仮眠所 |
無し |
システム |
磯予約制 |
磯替わり |
あり |
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*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
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