風雲児  烈風伝
 ・天国と地獄? 月とスッポン? あまりにも対照的な2日釣り

2014年 9月12〜14日 高知県 四万十川水系、伊田、名鹿
・異常な夏の置き土産
 恐ろしく多忙になる秋の入り口に、いつも以上に貴重な遠征のチャンスがやってきました!
 でもその時期、9月半ばといえば、一般的にはグレを釣るには早すぎる季節。実際に疎らな釣り情報やネット仲間からの現地情報を集めてみても、高知南西部の最先端の磯はほぼ全滅といっていい状況のようでした。

 しかしながら今年の夏は猛暑日ゼロ、ほとんど晴天無し、尋常ではない集中豪雨が各地で頻発するというあまりにも異常な夏だったので水温が上がらず、宇和海の須下のようにひと夏の間、良型のグレが釣れ続いた地区もあったようです。
 高知県では足摺岬北東部の津呂、窪津といった四万十川の水の影響を受けるエリアがそうだった。今回の戦略を確定させたのはこの、カルロス・ガーンさんのとっておき情報だったのです。
ブルーギルの川、四万十川に架かる三里沈下橋。
自然を満喫するなら佐田よりもこちら!

・前哨戦は手掛かり無し
 ここのところの四国遠征、疲労が原因で釣りをやり切っていないパターンで占められていますので、今回は日程の余裕を生かして「往路→宿泊→磯釣り→宿泊→磯釣り→復路」という行程で、黒潮町の素泊まり3000円の宿を2日分予約しています。

 初日にあたる代休の金曜日は、ベッドで転んでいるのに2時間しか眠れていないという、毎度おなじみの釣行前不眠症候群の発作をかかえながら、朝8時に兵庫県を出発。午後2時ごろから四万十川水系に入り、汽水〜中流域に生息するというユゴイを探索。
 
 最初にやってきたのは四万十川の支流、後川につながった農業用水みたいな場所。
 車を停めて覗き込んでみるとカワムツ類と一緒に少し体高のある銀色の魚が泳いでいるのが見えます!なんと、いきなり発見か!?と色めき立ったものの、勘が狂っていたのか正体はヤリタナゴ。で、ここではタモロコ少々を釣って逃がして移動です。

 それから後川のポイントを何か所か回り、そして四万十川本流に移って三里沈下橋までやってきました。
 向こう岸では若者たちが派手な音を立てて楽しそうに飛び込んでいますが、それでも完全に観光地化された佐田沈下橋と違って静かで環境も抜群です。さらに私に河畔の石組みが抜群に魅力的!
 早速竿を出してみますが、四万十川のブルーギルの多さはとにかく酷い。ひたすらブルーギルを釣りまくってようやくヤリタナゴ1匹。さすがに根負けして黒潮町の宿まで撤収です。

 常連さんは「沖八」に渡礁。
・伊田の三角に再挑戦
 土曜日はいよいよ磯釣り!本日の渡船は「灘」「伊田」の掛川渡船です。
 「伊田のセイダバエではコウロウ(イシダイ)やイサギが釣れているが、ずっと予約が入っている。グレは灘の一がハエで釣れていて、ちょっと前まで40cmくらいのが出ていたが、最近は少しサイズダウンし、昨日は全く食わなかった。」とのことですが、本日はうねりがあって灘の磯は不可能で、伊田からのチャレンジなのが少し残念。

 それにわざわざ前日泊したのにも関わらず、寝不足で最悪のコンディションというのも残念です。
 前々日に2時間しか寝ていないというのに、布団に転ぶやたちまち眠れなくなるのはなぜなのか・・・。悩んでいても午前1時にはさすがにうつらうつらとはしてきます。そんな時に隣の客室の携帯の大音量着信音にビックリして引き戻され、壁をどつくのも気にせずに2〜3時間続いた電話の声に阻まれて結局一睡もできませんでした。(まあずっと寝転んではいたので、体力はそれなりに回復してますが・・・)

 さらに残念なのは「土日は安定した晴天に恵まれるでしょう!」という出発前の天気予報はどこへやら、前日夜半からの雨が出船時間になっても降り続いていることです。
 船長は「間もなく止むだろう」と予測していて、一応はその通りになったのですが、後に我々を恐怖に陥れる事態が発生することを予測できた人なんて、この場に居るはずありませんでした。

 伊田の渡船は一度に5人くらいしか乗れませんので、総勢6人でもピストン輸送です。
 まずは3人組が一番船に乗り込んでセイダバエへ。私たちは二番船で井ノ岬方面に向かい、同乗の常連さん2人は「沖八(おきはち)」という磯、私は前回と同じ「三角」へ。

 沖八の前から見た井の岬方向。私はまたまた三角に渡礁です
 三角の釣り座は一人でやるにはいい感じの広さで、釣り座は平らでいい感じなんですが、磯のあちこちに海苔だかコケだかが生えていて雨の日はよく滑るので要注意。慎重に荷物を置いて、ロッドケースから竿を取り出しました。

・5号じゃ止められん!
 取り出したのはBBX(緑)3号、道糸4号、ハリス5号、プロマダイ12号。
 もちろんこのタックルで30cm程度のグレを狙のではありません。この磯は昼間にフエダイ(シブダイ、アカイサギ)の実績があるので、キビナゴで狙ってみるのです。

 仕掛けはBの中通しウキを使ったスルスル釣り。ブッコミ釣りでもいいのですが、浅いし、青物が回っている可能性もあるので上下も広く探ってみようという魂胆です。
 この仕掛けを沖のシモリの周辺に投入し、ある程度送り込んでから糸を抜き、また再び落とし込むということを何回かやったところで、いきなりロッドが絞り込まれました。
 尋常じゃないパワーとスピードで横へ横へと爆走する魚に対し、私は強すぎる!止まらん!!と唸っていただけ。そして点在するシモリに道糸を擦られてジエンドです。
 青物のデカいやつだったのでしょう。こりゃどうしようもありませんわ。

 気を取り直して仕掛けを作り直し、遠近あちこち探っていると6時53分、今度は足元近くでヒットです。小気味よく走りますがこれは小さい。しばらく遊んで引き上げたのは、28cmのカンパチの子、ネイゴとかネリゴとかシオとかと呼ばれている魚でした。

・フカセ釣り、そして恐怖の時間
 その後アタリは無く、7時半前にキビナゴスルスル釣法を終了。BBX3号竿を片付けて、DXRメガチューン1.65号を手にします。この竿、私にとっては相性最悪の「ボウズロッド」なんですが、号数の都合上目をつぶることにします。
 これに00号のウキを通し、ハリス1.7号にガン玉7号を一つ打って、目の前の大きなシモリと磯際の間の溝に投入。本日初めての撒き餌をパラリ。
 すると一投目からグレがヒットしてきました!20cmの尾長が・・・。

 磯の周りは6月と同じ状況です。沖はチョウチョウウオ、手前は20cm足らずのコッパグレの群れ。厄介なのはどこまででも走っていくチョウチョウウオですな。一方コッパグレはそれほど活発ではないので、手前を攻めれば勝機がありそうに見えますが、肝心のキープサイズが見当たらなきゃ話になりませんな。

 「安定した晴天」のはずだったのですが・・・
 恐ろしい黒雲の下には豪雨のカーテンが!
 何と竜巻まで発生!こっちに来たら確実に死んでました。
 9時20分ごろ、雨が上がって一旦明るくなっていた空がまた掻き曇り、妙に冷たい風が吹きはじめました。
 振り返ると、井ノ岬の沖の低い空が見たこともないような暗黒の雲に覆われ、その雲と海の間には雨粒まで目視できそうに思えるほどの激しい雨のカーテンが幾重にも折り重なっているではありませんか。

 これはヤバいぞ!ちょっとした災害レベルの豪雨が来るぞ!
 私は脱いで片付けてあったカッパの上着を着込み、偏光グラスやハリなど濡らしたくないものを避難させて、雷が鳴ればすぐに竿を畳めるように身構えて、豪雨の襲来を待っていました。

 地獄のような黒い雲はゆっくりと西へ進んでいきます。そしてまず足摺岬が、続いて中村の名鹿辺りの山々が豪雨のカーテンの中に姿を消しました。
 それと前後して、黒雲の中から一筋の細長いものが海に向かって下りてきて、海上を彷徨い始めたのです。
 私は目を疑いました。沖八にいる2人組も沖を指さして驚愕しています。

 竜巻だ!!
 この時、私の顔は青ざめていたことでしょう。予測不能の動きをするというあの破壊神がもしこちらに向かってきたら、身を隠す場所もないこの小さな磯をかすめでもしたら、私は命を差し出すしかなかったことでしょう。

 幸いなことに竜巻は海上を中村方向に進み、こちらに来ることも、陸地に上がって大被害をもたらすこともなく、数分間で消滅してくれました。さらに恐ろしい黒雲も、豪雨のカーテンも、磯の上空に差し掛かることなく南西の空に去ってくれたのです。

・こんなに変わるか!?
 10時過ぎ、伊田の磯に平穏が戻ってきました。
 しかしそれから3時間、午後1時の時点でもコッパがパラパラ、最大22cmという惨状。気分転換を兼ねて再度試みたキビナゴスルスルで、バラシというよりフックアップしなかったアタリが一度あった以外に特筆することもないという状況でした。

 たまかねた私はボウズXRメガチューン1.65号を降板させて、オーバースペックではありますが相性抜群のゼロサム磯弾X4タイプV(1.85号)をリリーフに出すことにしました。
 するとどうでしょう。交替前後には姿も見えなくなっていたグレ達が再起動、潮の流れまでも変わって沖に出るグレがチョウチョウウオに勝つようになり、26cmの尾長と、25cmのイトフエフキ(カドメ)2枚をキープ。他に25cmの尾長やら、1m近いハマダツやらキバンドウのヒットなどが相次ぎ、これまでの7時間が何だったのかという状況になってしまいました。
 リール、道糸、ハリスの号数、仕掛け、ポイントなど、竿以外のものは何一つ変えていないというのにここまで変わってしまうとは・・・。ボウズロッド、恐るべし。

・渡船と御馳走
 午後2時40分、道具を片付け終わった私がふと後ろを見ると掛川渡船がいました。船外機の船なのでエンジン音では気付かないし、まさか背後から現れるとは・・・。これには私だけでなく、竜巻に巻き込まれなかったことを喜び合った「沖八」の二人もビックリしていました。

 理由を聞いてみると、「灘の方の船でメジカを釣りながら来た」とのこと。
 メジカというのはマルソウダのことで、血合いが多くてヒスタミン中毒を起こす危険があるとされ、通常は生では食べられないそうです。しかし、この時期の僅か一か月ほど限定で獲れる「新子」に限っては絶品の刺身になるそうで、船長曰く「これを食べだしたらカンパチの刺身なんか食えなくなる」んだそうです。
 ● 伊田 ida
利用渡船 掛川渡船 出港地 高知県黒潮町・伊田漁港
時間(当日) 6:00〜14:40(回収)
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 無し
宿/仮眠所 無し システム 磯予約可
磯替わり 基本的に無し
特記事項 灘エリアと同一業者
詳細 高知県黒潮町 井ノ岬周辺(灘・伊田)の磯
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)
 しかしこの刺身は「午前中に釣ったものは夕方にはもう食べられないので午後に釣るしかない」というシロモノなので、私のような遠征組が持って帰ったところで食べることはできません。
 何匹かずつ持って帰れと言われて船上で目の色を変える常連さんの姿を、ただ指をくわえて見ているのはなかなか辛いものでした。

 港に戻って、セイダバエで半夜釣りをするために待機していたグループと交替です。
 この日は私の三角や沖八のフカセは不発でしたが、セイダバエではカゴ釣りで40cmクラスのイサギやグレが釣れているので、半夜釣りも期待できそうですなあ。

 さあ、私も明日こそは釣らねばならんぞ!その前に今夜は何としてでも寝なきゃいかんぞ・・・。

・花火大怪
 その夜の宿は家族客が多く、廊下や部屋ではテンションの上がった子どもたちの運動会が絶賛開催中。さらに上川口の港の方では謎の花火大会が絶賛開催中でした。
 この花火大会、大がかりな打ち上げ花火や仕掛け花火が相当数上がっていたにも関わらず、黒潮町のHPや観光情報を見ても記載がありません。その日は「婚活」以外のイベント情報が一切見当たらないんです。果たして婚活イベントのサプライズでここまでのことをやるでしょうかね?まあ何だったにせよついついベランダに出て花火を鑑賞してしまいましたが。
 でも終了後にはストンと眠りに落ち、4時まで久しぶりにグッスリと眠ることができたので一安心です。

 美しい日の出に向かって出船!
・名鹿のカメがリニューアル!
 最終日、14日の日曜日は今回の本命ポイント名鹿(なしし)にやってきました。
 ここは四万十川の河口のすぐ近くにあるため、ただでさえ秋の釣れ始めが早い場所なのですが、今回は特にいいようで、「時化であんまり出られていないが、出られればみんな釣ってくる。」という船長のお墨付きがあるので心強いです。前日と違って自分自身の体調もバッチリなのも実に心強いですし。

 5時50分ごろ、藍色の水平線から、気持ちの良い日本晴れの空に姿を現した太陽に導かれるようにして港を出発。3組4人のグレ釣り師がカメ、ゴデン、ハナレ(弁当船でフタツバエ)の3か所に渡礁しました。

 私が上がったのはカメ。5年前に面白い釣りをしたことのある磯なので楽しみです。
 しかも今回は、5年前には無かった鉄柱(渡船に備え付けのチャラン棒)用の杭が磯に設置されているではありませんか!満潮時にはメインの釣り座がかなり狭くなり、後方の広いスペースへの移動も不能になることから、一人でも狭苦しい感じだったこの磯も快適性が大幅アップ!こりゃほんま助かるわぁ〜♪

・ヒントはどこだ?
 本日のロッドは最初からゼロサムX4タイプVです。名鹿はグレのビッグワンの出る場所ではありませんが、40〜45cmのサンノジやキツがやたら多いので弱い竿ではしんどいだけです。それに貧果の最終日にあんなボウズロッドを出せるほどの勇気も持ち合わせてもいませんし・・・。

 カメからの高バエ(中央)とフタツバエ(右端)。うねりはありますが、
 前日とは打って変わって青い海!沖の潮目がいい感じです!
 道糸2.5号、ハリスは一日を通して2号、00のウキにガン玉7号を打ったスルスル仕掛けを投入して万全の態勢で落として行くと、前回のような一投目からのビッグヒットはありませんでしたが、2投目で35cmほどのキツがヒット。

 右側には大きなサラシ、左側の磯の角には小さなサラシ。その間のドン深の磯際から30cm程度から60cmに迫るような大小さまざまなキツが次々と現れ、撒き餌を追って乱舞しています。その他にはニシキベラ、アカササノハベラ、クサフグ、キタマクラなど。昨日のようにチョウチョウウオの群れはいないようです。肝心のグレも・・・見当たりませんね。矢引きくらいの深さまで食いあがってくる魚の尾鰭後縁は一様に黒。

 でももしかするとキツを釣っているうちにグレが混じってくるかもしれないと思い、とりあえずキツを相手にしながらヒントを探します。

 キツの動きにタイミングを合わせて上記の仕掛けを送り込んでいくだけではベラやフグ以外のヒットはありません。
 そこで、ガン玉を2号まで上げて00ウキを沈め、道糸操作でサスペンドさせてうねりとサラシの影響を防いで釣ってみると、7時17分に50cm手前のキツがヒットし、難なくリリース。その後、沖目に投入し、深めでサスペンドするように操作していると、23cm程度ながら本日初めてのグレが上がってきました。

・こんなのが!?
 そうか、そこにいたのか。
 この一枚で少し分かったような気がして、ウキをG2にチェンジ。ウキに釣り合うはずのガン玉2号だけでは馴染まなかったので3号を一つ追加して、2ヒロ半の位置にウキ止めを付けてみました。

 とりあえずサラシは無視して、左にゆっくり流れる潮狙い。
 正面に横長の撒き餌を打ってから、その潮下に仕掛けを入れ、ゆるくブレーキをかけながら流していきます。50mほど潮下には潮目のようなものがあるので、その辺りで合えばいいなという目論見です。

 8時25分、40mほど潮下で波の下をくぐっていたウキがスルスルと消えていきました。
 アワセを入れるとかなりの重量感!とはいえ引き自体はそれほど強くないので一気に引き寄せてきます。足元付近で見せた抵抗も長続きせずに、すんなりと海面を割った魚は口太グレです。しかもデカいぞ!!
 うねりで上下する海面に手こずりながらタモに収め、メジャーを当ててみたら42cm!
 この時期には嬉しい42cm。・・・というより、九州の離島
でしかよぉ釣らんかった夢サイズ(汗)
 こんな早期にも関わらずこのサイズです。冬場と違って体の厚みが全然足りませんし、引きも弱いものでしたけど、それでも最高に嬉しい一枚!最盛期のように脂がのっているわけではないですが、サッパリとした刺身もまたなかなかのものだったし♪

 その後も一枚目と同じポイント、サラシと潮目の間でシモリもないはずのスポットで26cm、28cmの口太グレがヒット。ちょっと早い弁当を受け取った9時半前には、強烈に粘りまくってなかなか浮いてこないが妙にフワフワした引きで、45cmの特大アイゴをゲット。
 その5分後にも、竿先にグイン!と重みが乗って、30cmの口太グレを追加。
 深く入りすぎた時は名鹿名物の40cm前後のサンノジや、特大のアカササノハベラなども混じってきますが、前日とは対照的なキープサイズの本命連発にウハウハです♪

 小さなサラシを狙うのではなく、それを壁に使った攻めがよかったのかもしれませんね。
 撒き餌をサラシの潮上に打ってキツ類を集め、それがサラシの下をくぐり抜ける前に潮下に仕掛けを投入し、ポイント付近に少量を遠投しておいた撒き餌を追わせて流し込む戦術が。

・次から次へと
 潮止まりとなった10時半ごろに弁当を食べて、ついでに撒き餌を追加。
 ところが集魚剤の追加によって撒き餌の沈降スピードが変わったことと、かなり深いタナで食っていたサンノジの泳層が大きく変わったこと、それに潮のプラスマイナスが逆転して、2号+3号のガン玉でゆっくり沈んでいたG2のウキが2号一つでも沈んでいくようになったことに惑わされ、迷走状態に陥ってしまいました。

 それでも12時前には、00号のウキ、潮受けウキゴム、ハリス2号1ヒロ半、7号の口ナマリ、速攻グレX7号によるスルスル釣りという一つの答えにたどり着きました。
 そして35〜40cmのキツ、サンノジがいくつかヒットしたのに続いて、愛竿X4が大きく絞り込まれました。

 物凄いパワーです!それでも竿の余力もまだまだ充分な感じ。そして魚の突進を受け止めると同時にこちらからも積極的に魚を動かしていく、この竿での最も効果的なやり取りができたことで、余裕をもってネットインすることができました!
 55cm!これが尾長グレだったら・・・。
 次の一投で45cm。
 乳酸がたまりまくりです。
 尾長グレの55cm!・・・じゃないよなあ、何度見直しても。正体はノトイスズミの55cmです。もっと寒い時期なら確実に持って帰っていましたが、さすがにこの時期のものを試す勇気はちょっと・・・。

 リリースして次の一投。左沖のお決まりのポイントでジワジワと沈んでいたウキがスピードアップし、またしても強烈な引き。パワー自体は先ほどより少し落ちますが、磯際に張り付こうとして粘るファイトは歯ごたえ充分。でも時折伝わる叩くような感触がねえ・・・。
 で、上がってきたのは予想通りの名鹿名物。45cmのサンノジです。

 これもリリースして次の一投。
 今度は割と近い位置で瞬間的に消し込み、もう堪えてほしいと思うような引きが・・・。しばらくファイトしていると水面下に見えたのは黄色と青のストライプ。今度はキバンドウかよぉ〜。
 結局この魚には磯の角のオーバーハングへの逃走を許し、高切れしてサヨウナラ。強力な3連発でさすがに疲労が蓄積し、魚をコントロールできなかったようです。

 力持ちの外道の連発にこれで本当にいいのかという疑問が生じますが、13時14分にいつものポイントで久々の本命、33cmの口太グレがヒットしてホッと胸を撫で下ろしました。

・大満足!
 安堵も束の間、それまで左に流れ続けていた潮が逆転してしまいました。
 これはこれで大きなサラシが狙えるいい潮なのかもしれませんが、キツとキバンドウの乱舞と連発で対処不能のラインブレイクも2度。本命を追加できずに14時25分、納竿です。

 時期が時期だけに35cmどころか30cmが1枚でも出ればミッションコンプリートと思っていたところに、42cmを頭に5枚という釣果ですから、大満足で帰路に着いたのはいうまでもありません。(しばらく筋肉痛に苦しんだけど・・・)
 それに竜巻に巻き込まれずに生還できたという、何物にも代えがたい釣果もありましたし。

 そういえばこの日、喜び勇んで港を後にしたのは私だけではありません。磯のずっと沖で竿を出し、メジカの大漁に恵まれた勝丸渡船の船長と、そのメジカをたっぷりと分けてもらった高知市の二人組も、「一刻も早く帰って食べなければ!」と大急ぎで帰っていったのです。
 相性のいいカメ。本命釣り座は高い岩の前方。
 2日半の釣果。帰りに寄り道してルアーで
ウロハゼやエバを釣ったけど、これがあるので
さすがにリリース。
 メジカの新子、いよいよ食べてみたいぞ!今度は調理道具と醤油を持ってきて、どこかで捌いてみなきゃならんぞ!。
 でも楽しみは来年以降に持ち越しです。短いメジカのシーズン中の再遠征はどう考えても不可能ですからねえ(涙)

 ● 名 鹿 nashishi
利用渡船 勝丸渡船 出港地 高知県四万十市・名鹿漁港
時間(当日) 5:50〜14:40回収
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 無し システム 磯予約可
磯替わり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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