風雲児  烈風伝
        ・方針転換 台風に先んじてグレ狙い

2014年 10月11日  香川県小豆島(岡山県牛窓出航)
・風雲児まじっく発動
 しめしめ、これで四国の秋磯が満喫できるぞ!磯が無理でも夜の河川内でルアーを投げて遊べるぞ!
 仕事で動けないと思っていた連休が復活して活性が急上昇した時化男がよからぬことを考えていたためか、とんでもない大物が日本に回遊してきました。台風19号「ヴォンフォン」です。
 最盛期には900ヘクトパスカルまで発達したこの大型台風が北上して列島を縦断。しかも足が遅くて到達が遅れ、連休の後ろに引っ付けていた代休までも吹き飛ばされてしまいました。

 まあ、遅くなるということはその分残された時間が長くなるということ。外海はさすがに無理ですが、瀬戸内なら何とかなりそうですから、連休の初日に行ってしまいましょう。

・牛窓から小豆島へ
 土曜日早朝、岡山県牛窓。渡船乗り場の岸壁は結構賑わっていました。
 みんな台風を見据えた同じ思惑で・・・というよりも、小規模なチヌ釣り大会が2組重なったためですが。

 この時期にマダイを狙って釣るのは難しいということですので、今回は初めからグレ狙いです。船長によるとサイズは小ぶりながら数は出ているとのこと。
 ただし小豆島ならどこででも狙えるグレも牛窓では助五郎など釣れる磯が限られている上、今後吹きはじめる風の向きを考えると釣りにならないかもしれないとのことですので、釣れるグレの味には目をつぶって小豆島行きの便への乗船を決め、5時50分ごろに桟橋を離れました。

 沖之島の青灯。時期が時期なら本流マダイも楽しそう。
 船は漁協裏の埋め立て地でお客さんを拾い、一文字と唐琴の瀬戸のテトラに寄り、前島の東側を回って黄島の大角経由で小豆島北西部を目指しました。そしてダンプと中のソワイに数人を降ろした後、沖之島と小豆島本島を隔てる
小江(おえ)の瀬戸(小江水道)の波止や岸壁のあちこちにチヌ釣り師を配置。私もその小江の瀬戸の南西の出口にあたる沖之島の「青灯」の先端に上陸しました。

 残りのお客さんを降ろしに行ったまこと渡船は、しばらくすると戻ってきて、対岸の波止に停泊し上陸、ダンゴ釣りのお客さんの釣りを見ながら時間を潰すようですね。

・キープサイズが・・・
 私の居る青灯の先端と、船長たちの居る波止とは僅か70m弱しか離れていません。その間を南西に駆け抜けていく本流がかすめていきます。
 やるべきことは一目瞭然。足元の石畳の際と、そこから伸びる潮下側の緩流域に撒き餌を入れて餌取りを集め、本流の壁に仕掛けを入れて馴染ませればOK!仕掛けも塩分濃度に合わせてOか00のウキを選択し、短ハリスのスルスルで水面直下まで浮いてくるグレを狙うだけ・・・のはずでしたが、そう上手くはいきませんでした。
 海面を漂うアマモの切れ端が邪魔をして綺麗に流せないというのもありますが、魚の動きが鈍くて沈黙の時間が続きました。潮の色は濁った瀬戸内グリーンで、水中の様子を目視することもできません。

 青灯先端からの小江集落。70mほどの水道を本流が駆け抜けます。
 最初のグレは8時過ぎにヒットした23cm。
 ようやく撒き餌が効いてきたのか、それからはパラパラとヒットするようになりましたが、なかなかサイズアップができません。
 今回は家族から「プレゼントしたい人がいるのでなるべく持って帰ってくるように」と言われていますので、キープサイズはとりあえず左手を目いっぱいに広げたサイズ(約23cm)に設定していました。
 でも、これをなかなかクリアできないんですよねえ。10時ごろのキープ数は4枚。それもボーダーラインを越えるか越えないか微妙なサイズですし。
 ボーダーライン、下げようかな・・・。

・転流
 そのうちに潮が緩み、今度は左(北東)に向けて走りはじめました。満潮の潮止まりに数時間先んじてやってくる転流の時間です。
 この転流の僅かな時間に、これまでとは全く違うパワフルな魚がヒット!やり取りを楽しんでいると、40cmくらいのチヌが浮上しました。この時期のチヌの引きは楽しいなあ〜!と気を良くしていると、突然竿が跳ね上がってサヨウナラ。グレ用の小鈎のハリ外れです。

 転流後は状況が幾分好転し、潮の壁に限らず本流の中でも結構アタリが出て、キープサイズを少し追加。ただ、そのことと先ほどのチヌが迷いを生んで、仕掛けはG2の段シズやら棒ウキやらを二転三転。
 で、深く入れてもフグの確率だけが上がることが分かって、結局は元の00スルスル釣りに落ち着きましたが、しばらくするとアタリが遠のいてしまいました。

 小江の瀬戸北東側。点在する小さな波止に渡船のお客さんが点在。
 昼前になると、向かいの小江集落から太鼓の音が響き始めました。
 どうやら今日はこの集落の秋祭り。やがて神輿が登場し、威勢のいい激しい掛け声が小江の瀬戸に轟きます。
 私はその賑わいをBGMにして仕掛けを組み替えていました。

 ウキは00のまま、ハリスは1.5号矢引きのまま、ハリは速攻グレ6号のまま、ガン玉はハリ上10cmのG7一つのまま。変えたのはハリス直結部のフカセウキゴムを外し、潮受けゴムMサイズに換えただけ。
 でも、これが釣果を大きく変えました。

 足元から潮の壁までの範囲に小さなダイチョウ(ヒイラギ)、クサフグ、ミニコッパを集め、本流の向こう側の潮の壁に撒き餌とサシエを同時撃ち。
 すると、ウキが少し流れたところでスルスルと沈んでいって、グレがヒット。バラしたチヌには及びませんが、これまでのグレとは引きの強さが違います。私は心でガッツポーズをしながら全速力でリールのハンドルを回しました。
 足元の石畳の穴へと一目散に向かってくるグレとのスピード勝負を制し、コンクリートの台座に抜き上げることができたのは、本日最長寸の29cmの口太グレ。

 帰りの渡船から見た青灯。石畳の先端から釣っていました。
 水道のシモリには、鯛の上に乗った「魚藍観音(ぎょらんかんのん)」が鎮座。
 小豆島というと32〜33cmくらいまでのグレの数釣り場というイメージがあったので、もう少し大きかったら・・・なんてことを思ってしまいましたが、実はそれは兵庫県の渡船のメインフィールドである小豆島東部〜南部の話だったようです。
 このエリアに精通した「ツリキチオーさん」によると沖之島など北西エリアのレギュラーサイズは25cmほど、上手くやれば28cmくらいのが混じるかもといった状況。30cmなんて見たことも聞いたこともないので、29cmというのはこの釣り場でのMAXサイズといってもいいのではないか?ということで、実は凄いのを釣っていたということに気付いたのは、この1枚を釣り上げてから3日後のことでした。

 この後、特にデカいのは27cmくらいが1枚と、足元の穴に潜られてハリスが飛んだ1枚だけでしたが、24cmまでのサイズが連発するようになり12時40分までに15枚のキープに成功しました。一時期ボーダーを落としていたので中には19cmなんてのも混じってはいましたが。

 この日は牛窓も小豆島も惨憺たる釣果で、43cmのチヌが1枚出た他には小さなチヌがポツリポツリという状況でした。その中にあって結構面白く、素晴らしい釣りができていたわけなんですが・・・。
 でも次に小豆島北西部に来るのなら、その時はチヌ・マダイ狙いにしておこう(笑)

 ● 小 豆 島 shodoshima
利用渡船 まこと渡船 出港地 岡山県瀬戸内市・牛窓港
時間(当日) 6:00〜13:00
料金 4000円
(牛窓諸島は3000円)
駐車場 無料 弁当 無し
宿/仮眠所 無し システム
磯替わり 有ったり無かったり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)
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