風雲児  烈風伝
・ボロボロから始まる釣行記 〜松尾&伊田のイサギ・梅雨グレ〜

2015年 6月21〜22日 高知県 足摺岬(松尾)&伊田
・「いのみさき」のはずが「うのみさき」
 多忙シーズンの第2波が過ぎ去り、四国釣行が可能となった時、私の周辺では地味に見えて痛いというようなことが続発していました。
 車のトラブルによる痛い出費にはじまり、ファンの破損によるパソコンの入院、蓄積した疲れはなかなか抜けず、腕には謎の青じみと痛みが現れ、寝違えた肩が治らないといった具合。自宅出発後も「道中の岡山で渋滞に巻き込まれ、回避しようとして道に迷う」「高速に乗ったら途中でETCが壊れて読み込み不能になり、不慣れな係員にも当たって出口で30分以上足止め」「眠気覚ましにハードグミを食べたら眠気と一緒に銀歯が吹っ飛ぶ」等を追加しながら、どうにか無事に港へ到着です。

 観光名所でもある臼碆灯台と名礁「沖臼」
 ハナレ。南端で竿を出すリョータさんと、私の釣り座(船着き)。
 船着きから。沖臼は背景のホンカゲの向こう。
 カイダさんは見学中。
 リョータさんは電話中。
 今回は2日間ともホームグラウンドの「井ノ岬」でやるつもりでしたが、「初日は主要な磯は予約で埋まっているし、うねりの心配もあるから2日目だけにすれば?」という掛川船長の勧めに従って、「鵜の岬」「女城岬」「臼碆崎」などを擁する足摺「松尾」に転進。いつもお世話になっているリョータさんが率いる『釣巧会』(祝!ホームページリニューアル!)の大会に便乗させてもらえることになったのです。

・初日 松尾・ハナレ
 午前5時、まつき渡船は松尾漁港を出発。その直後から船長のボヤキ節です。
 一足先に出航したもう1隻の渡船が4〜5人乗っても広々と釣れそうな磯にお客さんを一人ずつ乗せていくという、名礁のぜいたく使いをやってますからねえ。「これじゃチーンやなしにゴーンやわ〜」という船長のよく分からない言い回しのボヤキにも納得です。

 まつき渡船はとりあえず本日の磯割り、西日本を代表する名礁の一つである「沖臼」に一般客4人、対岸の「ミバイ」に大会組2人を降ろし、臼碆崎の地磯「ハナレ」に接岸。私とリョータさんはその南側に降り、徒歩で簡単に移動可能な北側の釣り座にカイダさんが降りました。

 リョータさんは2週間前にこの磯に上がり、最大43cm、40cm台の尾長を複数仕留められているということですから期待が高まります。ただしウスバハギが多くて苦労した、そんな話をしていると一足先に釣りを始めたカイダさんから「あっという間に足元までウスバだらけです!」という悲しいニュースが・・・。

・ウスバウスバウスバ
 ウスバハギの数は2週間前よりはるかに多い、そんな状況ですので私は敢えてマキエを一切撒かずにゆっくりゆっくりセッティングを行い、ハリス2.5号2ヒロの完全フカセの仕掛けをそっと足元に。そこへこの日初めてのマキエをパラリと落として一呼吸。すると0号のウキがスルスルと沈んでいって一投目での本命魚、30cmの尾長グレゲットに成功しました。

 幸先の良いスタートと思われるものが実はそうでもなかったということは往々にして起こること。この日もやはり2匹目のドジョウはおらず、2投目からは百鬼夜行のエサトリパラダイスとなりました。
 オヤビッチャ、シラコダイ、ベラ各種。サンノジ、アイゴ、キタマクラ。視界を黄色に染めて通り過ぎたツノダシの群れ。お馴染み黄色のキバンドウ(ヒブダイ雌)。青とピンクのヒブダイ雄。頭と尾鰭は真っ赤っ赤、胴体は汚れたような灰色で、70cmにも及びそうな巨体はナガブダイ。それに見慣れぬ緑のブダイ類が巨体をマキエに突っ込んで餌を貪り食う様はまさに錦鯉の養殖場。そのすべてを押し包むように押し寄せてくるウスバハギ。これではどうにもなりません。

 両隣の二人が深めを釣っているので、私は浅ダナ狙いで情報収集。まあどちらにせよ結果は出ず、でっかいウスバばかりが連発して「もう勘弁して〜な〜」という悲鳴を上げるばかりです。
 一応グレはいるのですが、水面近くのコッパすらなかなかサシエを食わない状況です。ボイルなんて使おうものならコッパグレどころかサンノジ、アイゴ、ベラまでもがUターンし、キタマクラやオヤビッチャにつつかれて終わりですし、生なら投入直後にオヤビッチャの餌食。まあそれもウスバを躱せればの話なんですけどね。

・秘策?
 この日は暑かったのと、疲れが酷かったのと、何より釣れてなかったのでよく休憩を取りました。しかしその休憩が最大のチャンスを生み出すことになっていたのです。
 休憩明けのマキエの第一投、これにいち早く反応してその中心に姿を現すのが本命のグレ。
 チャンスは本当に一投だけです。その瞬間にサシエとマキエを合わせることができればグレを拾うことができました。右手で仕掛け、左手でマキエを同時に投入し、マキエの塊の中心にサシエを落とすことができるか?それに全てが掛かっていました。
 もっとも、それに成功したとしてもこの日のキープサイズである30cmを超えることはできませんでしたが。

・少しは改善?
 昼を過ぎると沖臼方向へ流れる上り潮が速くなってきました。そして潮下のリョータさんがグレを連発。30cmオーバーも2枚捕獲です。私も13時22分にウスバの沖に出た波紋を狙い打って32cmの尾長グレを確保。本日2枚目のキープとなるこの魚は丸々太って実に旨そう・・・。いや、本当に絶品でしたよ。

 その後潮は多少緩みましたが、ウスバの動きが少し鈍くなり、グレ、キツ、サンノジの動きが逆に活性化。私も何度かヒットに持ち込むことができましたが、ことごとくアワセと同時のラインブレイク。ヒットしている魚のせいではなく、投入後に襲ってくるウスバの噛み付き攻撃のせいだというのが泣けてきます。

・一足早く納竿
 松尾での釣りは午後4時まで可能ですが、この日は大会なので3時で納竿。まあそれ以前に餌切れ&体力切れで片付けてましたけどね。

 他の磯、特に南面の磯はよかったようですね。40cm近いグレも出ていましたし、イサギをかなり釣っている方もおられました。さらにはタマメやヒラマサをヒットさせた人、40cmオーバーのシブダイを持ち帰ってきた人、オキアミに食い付いたトビウオにシイラが食い付いてえらい目に遭った人など、みなさん梅雨の晴れ間の磯を満喫されていたようです。
 それに対し、私とリョータさんはグレ2枚ずつ、カイダさんはさっぱり。あとは誰もキープしなかったけどでっかいウスバハギが山ほどという釣果。釣れ盛っているイサギ?そんな魚、あの磯にはいないんじゃないの?
 リョータさんと同じ磯に上がったのは2回目。そういえば前回も釣れなかったなあ(苦笑)

 まあ明日に賭けるとしましょう。まずは黒潮町まで帰って宿で寝ることが先決です。
 でもその宿の名前が不吉なんだよなあ・・・。何せ「ホテル海坊主」ですからねえ。(なかなか良い宿でしたよ。)
 それにしても足の裏が痛い。休憩中に磯ブーツを脱いで歩いた時に痛めた足の裏が・・・。
 ● 足摺岬(松尾) ashizurimisaki (matsuo)
利用渡船 まつき渡船 出港地 高知県土佐清水市・松尾漁港
時間(当日) 5:00〜15:00
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 民宿提携 システム 一部の磯は磯割り制
磯替わり 可能 特記事項
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)


・二日目 伊田・セイダバエ
 二日目は予定通り伊田にやってきました。ここでは最近セイダバエでナイスサイズのイサギがよく食っており、昨日の昼釣りでは43cmを頭に11枚釣った人が最高。少し前には46cmも出たとのこと。また、昨夜の半夜釣りは潮が速くてイサギは全く出なかったけどタマメ祭りで、40cm手前のグレも出たとのこと。

 私は井ノ岬の大ブトか沖八辺りに渡してもらう予定でしたが、「お客さんが2人だけなので一緒に上がれば?」という船長の勧めで午前5時にセイダバエに渡礁。
 西向きはうねりで不可能。この磯の予約者である中村の2人組が東から南の底物場にかけての一帯を選択されたので、私は北向きの船着きに布陣です。

 本日のエサトリはチョウチョウウオ(本チョウ)、アイゴ、カワハギ、サンノジ少々。足元をコバルトブルーに染めるソラスズメダイの群れ。しばらくすると錦鯉のような巨大なキバンドウ3〜4匹も登場。グレもいっぱい見えてます♪

 雨の兆し?朝焼けに染まる伊田の海。
 当初の狙いはジャンボイサギだったので0ウキにジンタン7〜5号、ウキ下2ヒロ半からの沈め釣りで沖を重点的に攻めていましたが反応なし。重い仕掛けにしてもダメでした。カゴ釣りとフカセの併用で狙っている反対側の2人組もサッパリの様子。そのうちの1人がベーシックな2段ウキ仕掛けで50cmオーバーのチヌを仕留めた他は、ただただ静かな時間が流れていきました。

・グレ釣りにシフト
 開始1時間半、浅ダナに出てくるグレのサイズが大きくなってきたのでイサギ釣りはいったん中止。ウキ下矢引きスタートの00スルスル仕掛けでグレをロックオン!6時37分に初のキープサイズ32cmの口太グレをクーラーへ収めると、本日のボーダーライン27cmの尾長と31cmの口太も連続キープです。

 その後アタリが遠のいたのでハリスを1.7号にダウン。浅ダナ専門、キバンドウ無視なら2.5号はさすがに太すぎますからね。効果はたちまち顕れて28cmの尾長グレを追加!
 それから間をおかず、20mほど沖に投じたウキが一気に消し込みました。食い付いた魚はその勢いのまま右沖へ疾走、ロッドが根元からひん曲がります。底ではなく中層を爆走するこの魚は青物だ!
 一発目の疾走をどうにか凌ぐと次の瞬間左沖へ!これを腰ダメでねじ伏せると今度は急旋回して足元へと突入してきました。私も全力でリールを巻いて、手前の棚の前で追いついた!なおも突進する魚!これを躱すには磯際ギリギリまで走り出て竿を突き出して凌ぐしかない!しかし一発波に何度も埋められている磯際まで出て大丈夫か!?・・・この僅かな躊躇が勝敗を分けました。無念のハリス切れ。魚の正体を確認することも叶いませんでした。

 ハリスを下げるのをもう少し待っていれば・・・。後悔の中で2号ハリスを結んで再投入。すると再び青物がヒット。とは言え先ほどのものとは似ても似つかぬ25cmほどのカンパチの子でした。
 前にもあったなあ、このパターン・・・。

・小雨の中で
 小雨が降り出し、潮が下げに入った11時頃になると足元のグレのサイズがさらに少し大きくなってきたので、それまで試していたサラシ狙いから際狙いにシフト。相変わらずの巨バンドウの乱舞の隙間を縫ってサシエを送り込んでいきますが、グレの動きと潮と仕掛けがなかなか合いません。
 狙い的中!特に嬉しいこの一枚。
 一筋縄ではいかぬ中、度重なる試行の末に辿り着いたのは、00号のウキと、最近すっかり見かけなくなったプラス浮力・G5のナビ、それにジンタン7号の口ナマリという組み合わせでした。これによって口太グレ32cmをはじめ、すでにキープサイズでは無くなった27〜29cm辺りを連発させることができました。

 この仕掛けは沖でも効果的で、同サイズ多数に加えキープサイズ数枚を追加。沖攻めでは昨日同様に瀬戸内のグレ釣り師の必須テクニック・マキエと仕掛けの同時打ちが威力を発揮しました。ただヒットパターンは昨日とは異なり、マキエを際に数発、中距離に一発打ったあと再び際に1〜2発。こうして準備してから同時打ち!遠距離にマキエを縦撒きすると同時に、さらに沖側にサシエが落ちるという形がベストでした。
 11時51分、そのベストパターンでヒットした魚は、スピード、パワーともにそれまでのグレとは一線を画すものでした。慌てず騒がず受け止めて、棚を躱して浮かせたのは37.5cmという納得サイズの口太グレ。やったぜ!!

 ただ私はこのグレと引き換えに重要なものを失ってしまいました。それはウキの直下に取り付けていた旧グレックスのG5のナビ。唯一生き残っていたその浮力のナビが外れてどこかへ行ってしまったのです。
 沈下速度のわずかな違い、潮の掴み方のわずかな違いで大きく崩れてしまうことがあるのが浅釣りの怖いところ。私はなくしたナビの代わりにベストのポケットのあらゆるナビやストッパーを試し、ウキやオモリの組み合わせを変えてみますが、これまでのようにはマッチせず、思うように攻めきれないという事態に陥ってしまったのです。さらには横流れに変わった潮の変化にも苦慮。
 それでもマキエも残り時間も心もとなくなってきた頃になってようやく打開策らしきものが見つかり、30cmの尾長グレを追加できました。

・最後の最後に
 セイダバエの船着き。伊田漁港の目の前。
 中村からの二人組。イサギがいなけりゃどうにもなりませぬ。
 社交ダンスのインストラクターでもある掛川船長が愛媛の弟子の所に行かなければならないとのことで、本日の釣りは2時半まで。
 その時刻がいよいよ迫ってきて、やれるのはあと一投か二投か?という段になってウキが消え、この日最長寸のグレの引きを凌ぐほど激しく、心躍るような引きがきた!でもこのタックルなら余力は充分、こらえて浮かせて最高のフィニッシュだ!と思っていると、2号ハリスが中途半端なところから切れてしまいました。根ズレか・・・。何ということだ。デカかったのに・・・。仕掛けを作り直して同じところに投入するだけの時間は・・・もう無いか。
 残念ながらここでタイムアップ。あまりにも悔しい幕切れとなりました。

 初日と打って変わって、思い描いたとおりの釣りができた時間も多かったこの日にキープを選択したグレは9枚。我が家と日ごろお世話になっている方々合わせて3家族を笑顔にすることができました。
 ただし、昨日までよく釣れていたというイサギは今日もゼロ。早々にグレ釣りにシフトした私だけでなく、終始カゴ釣りで専門に狙っていた方も、二刀流のもう一方にも全く当たらなかったということは、やはりこの磯にも居なかったということなんでしょうねえ。

 往路ではどうなることかと思った今回の釣行も、終わってみればいつも通りの楽しい釣行になっていました。
 肩の痛み?腕の痛み?昨日痛めた足の裏?そんなのも夢中で釣りをしているうちに吹っ飛んでしまいましたよ。
 ミドル級尾長グレに逢えなかったのもいつも通りのことですしねえ。

 ● 伊田 ida
利用渡船 掛川渡船 出港地 高知県黒潮町・伊田漁港
時間(当日) 4:50〜14:30
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 無し
宿/仮眠所 無し システム 磯の予約可
磯替わり 基本的に無し 特記事項 灘エリアと同一業者
詳細 高知県黒潮町 井ノ岬周辺(灘・伊田)の磯
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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