風雲児  烈風伝
  ・北西風荒れ狂う年末釣行は、泣きの3日釣りに突入。

2017年12月26〜28日 高知県松尾、古満目、灘
・今年は四国で納竿
 ここ数年、年末の恒例行事となっていた南九州の硫黄島や竹島などへの遠征は懐と気持ちの都合で中止になりましたが、せっかく早めの冬休みを取っているのだから本格的に人が増える前、12月26日、27日の四国に行って納竿することにしました。

 とりあえず小才角に電話をしてみると、「27日はいっぱいやねえ。26日なら西磯のフタゴとスベリが空いてますね。西磯はずっと食い続いてますよ。フタゴとスベリならスベリの方が北西に強いよ。」ということでしたので26日はスベリを予約し、27日は古満目(こまめ)の渡船を予約。宿はいつもの幡多郷を押さえときました。
 ところが前日の仕事が終わってから確認の電話を入れると、「明日も明後日も無理ですね。北西風が強すぎます。」という悲しいお知らせ。まあ覚悟はしてたんで、第2候補・松尾の「正丸」に電話をしてから出発です。
 
 7時45分の沖ウス。この時はまだ耐えられるレベルでした。





口太グレ
32cm
 撤収時の沖ウス。
・松尾で平和に釣りたかったけど
 26日6時半、松尾漁港を出発した正丸には5人の上物師と1人の底物師が乗っていました。もう一隻のまつき渡船は満員で、港には一番船に乗り切れなかった多くの人が残っています。

 ほぼ無風だった松尾漁港を出るとそこそこの風と波が待ち構えていました。「こりゃ灯台付近は酷い状況だろうから、こんな日は北西風が当たらない奥まった平和な磯が一番だな。」なんてことを思っていた私に船長が用意してくれていた磯は、沖ウスこと名礁「沖の臼碆」!しかも低場!ええぇ、大丈夫なのか??

 その磯は速い上り潮の中にありました。そして吹きさらしの北西風の中にありました。
 まずは岡山の底物師と常連の上物師が高場に渡礁し、続いて私ともう一人の常連上物師の方が低場に渡礁。特に話し合うわけでもなく流れで常連さんが灯台寄りの場所、私が高場寄りの場所に入ってスタート。高場の角には上物師が入っているので3人が並んで釣る状態です。

・流さず止めてみる
 潮が速く荒れ模様なのでBのウキにジンタン2号を2段に打った仕掛けをセットし、低場中央部の磯際から弧を描いて伸びている潮目を内側から攻めてみるとサシエがほとんど残りません。荒れた海面の下をうろつくシラコダイとハリセンボンが加工オキアミを吸い取っているらしく、グレにまでサシエが届いていないようです。ここはボイルを使いたいところですけど、潮だまりに漬けた48切り真空パックを開封するにはもうしばらく時間が必要でした。

 7時46分、ようやく使えるようになったボイルを速攻グレX7号に刺して投入。ウキが潮目で馴染んだら流すのを止めて張り張りにしてアタリを待っていると、穂先がグン!と持っていかれ、程なく32cmの口太グレが上がってきました。

 よし、これでパターンを発見したぞ。そう意気込んで止め釣りに専念すると次々とロッドが曲がってくれました。ただし上がってくるのはコッパギツやらサンノジばかりで、肝心のグレは全然食ってきてくれません。

 さらにこの頃から風が強さを増し、釣りに支障をきたすようになってきました。高場側に入っている私はまだましで、ちょっとでも気を抜くとベールを閉じたリールから追い風に押された道糸が滑り出て風になびき、バックラッシュを引き起こし続けるという程度でしたが、背後の壁を利用できない位置に陣取る常連さんは常に飛沫を浴び続け、まともな釣りなど続行不可。釣果も出ていなかったこともあって9時の弁当船での磯替わりを選択されました。

・地獄絵図
 磯に残った私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら釣りを続行しますがやっぱりグレは釣れません。そして風もさらに強くなって一時も休まずに暴力的に吹きまくり、私のポイントでも竿を持っているのがやっとの状況になってしまいました。潮位も上がったし、こんな海況でも磯の近くを全速力でぶっ飛ばす漁船たちの引き波も加わって、前からも後ろからも波が駆け上がってくるようになってきました。あっ、道具を置いている一段高い所も洗われる範囲が大きくなってきたぞ・・・。

 これではどうしようもないので釣りを中断し、バッカンと竿を避難させ、道具をもう少し上まで引き上げて様子を見ることにしました。せっかくなんでこの機会に弁当も食べとこうかな。
 そうやっている間にも風はもっと強くなりました。ああ、弁当のおかずが次々と風で飛ばされていく・・・。打ち込み式の竿立てに預けた竿が物凄い力で煽られて竿尻がへし折られそうだ・・・。うわぁ!竿立てが倒された!!何とか竿に飛び付いたけど、その瞬間に弁当のおかずがほとんど無くなってしもたぁ。

 背後から駆け上がってくる波はさらに到達範囲を伸ばし、さらに高まる道具流失のリスク。時刻は10時。満潮はまだ1時間半も先です。
 これは無理だ。そう判断した私は1竿を片付け、磯の壁をよじ登ってすべての道具を高場に上げました。その高場では底物師の方もすでに荷物を片付けておられました。
 もう今日は諦めた。撤収時間の15時まで高場からのグレ釣りを見たり寝たりして過ごそう。そう思っていると10分も経たないうちに正丸がやって来たので底物師の方と一緒に乗り込みました。
 沖ウス高場に一人残ることになった常連の上物師の方はいい釣りをされてたんですけどねえ。最初はキツばかりだったけどある時間帯からグレが連発。口太のみならず40cmオーバーの尾長グレまで釣っておられ、結局クーラー一杯釣ることになったのですが、この日の私は何の迷いもなく撤退しました。(後で聞いたら常連さんのウキ下は1ヒロ、1枚だけだった私は2ヒロ半。こりゃ全然ダメだわ。)
 撤退直前の沖ウス。底物も釣りどころではなかったようです。

 クロハエの南西端。前方にヒデリ(ナマス)と大平バエ。
・クロハエへ転進
 船には乗ったものの、釣り場が限定されるこの状況ともう一隻の渡船の客数では果たして磯など残っているのだろうか?そう思っていたら船はフタツバエの東側にある大きな独立磯「クロハエ」に着岸しました。

 「お邪魔します。」
 「は〜い、ようこそ!」
 クロハエの南東部ではかなりの高齢をものともせず、相当な頻度でこの渡船を利用しているという穏やかな感じのおじいさんが1人で竿を出しておられたので、挨拶や情報交換をしてから磯を見て回り、地寄りにあって風の当たりにくい南西端に入ることにしました。

 足元にはサラシがあり、潮はその右側にある細長い線状のシモリに流れていきます。そのサラシが収束に向かうタイミングを見計らってマキエを打ち込み、G2の仕掛けを投入すると、当たってきたのはギンユゴイとアカササノハベラ。朝から1枚しか釣れていないというおじいさんの話のとおりグレは厳しいようですね。一応大きなアタリは2回ありましたが、どちらもアワセを入れる前にすでにハリスが飛んでいるという訳のわからなさにどうすることもできませんでした。

 そうこうしているうちにこの南西端ポイントにも強風が回り込みはじめ、釣りが大変になってきました。ウキを3Bに換えても馴染みません。そこで0号のウキにジンタン2号相当のオモリを打って沈め釣りを試みると、正午過ぎに銀色の細長い魚が上がってきました。
 30cmくらいのダツ・・・じゃなくてサヨリだ。しかも標準和名サヨリの倍ほども体高が高く、背鰭と尾鰭上葉は黄色。そして一列に並んだ黒色の斑紋。これは先日、下川口の釣果写真に写っていた南方系のサヨリ「ホシザヨリ」ではありませんか!沖縄では全長60cmを超え、太さもサヨリというイメージからはかけ離れたものが釣れるようなので、今回釣れたのはかなりの小型。とはいえ一度釣ってみたかった魚だ!これはぜひ刺身で食べてみたいな。今夜の宿で造ってもらおうかな。
 初めて釣ったホシザヨリ

 その後、舞い込みの風で釣りにくい南西端では何の釣果も出ず、残り時間も考慮して北東向きの船着きに移動することにしました。おじいさんもこの時にはすでに南東端を諦め、フタツバエ向きに釣り座を移動されていました。
 クロハエ南東部とフタツバエ。
 船着きは穏やかながら小さなサラシもあり、潮も適度に動く寒の口太がいかにも釣れてきそうなポイント。でも結局グレはダメでした。でもその代りにホシザヨリを3匹追加して14時30分ごろに納竿し、先に片付けられていたおじいさんとの会話を楽しみながら船を待ちました。

・ホシザヨリの味は?
 いやあ、大風で疲れた1日でした。結局この日いい釣りをされていたのは沖ウス高場の上物師のみ。同じ沖ウスにいた私は結局1枚だけでしたが、釣果よりも道具を飛ばされたり流されたりしなかったことが嬉しかったです。道具さえあれば明日も釣れますからね。それに加えて体力があれば。
 ということで今は体力を回復させるのが急務。1日目は凍ったエサ入れ、2日目は初日の魚入れ、帰路は汚れたバッカン入れと何かと便利なバラ氷入り72Lイグローからオキアミを取り出してバッカンに移し、50kmほど離れた大月町の「幡多郷」を目指しました。

 そうそう、宿ではマスターにホシザヨリをプレゼントして一部を刺身と寿司で食べさせてもらいましたよ。ネットでは普通のサヨリよりも劣っているという評価でしたが、このサイズだからなのか決してそんなことはありません。サヨリに比べると香りが弱いのでその点は残念だけど、身にはほんのりと脂が乗って甘みがあるし、何よりこの食べごたえはサヨリでは味わえない贅沢です。日々様々な魚を捌いてきたマスターも脂の乗ったサヨリというのにびっくりしつつも高く評価してました。
 でもまあ30cmなのに糸造りじゃなくて普通の平造りにできてしまうサヨリというのは、本土の人間にとってはやはり楽しい違和感がありますねえ^^
 ● 松尾 matsuo
利用渡船 正丸 出港地 高知県土佐清水市・松尾漁港
時間(当日) 6:30〜15:00
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 近隣に民宿あり システム 一部の磯は磯割り制
磯替わり 可能 特記事項
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

・古満目の湾内、風強し
 朝焼けと追い風と波しぶきの中を出港。
 大月町の北西風は土佐清水のそれよりもはるかに強く、幡多郷は一晩中、地響きのような音を立てて吹き付ける強風に揺れ続けており、朝になっても全く治まっていませんでした。古満目の磯に渡す安岡渡船が係留された浦尻の岸壁に着いても強風は変らず、しかも寒い!
 グレ釣りにとっては北西風に強いことが最大の売りである古満目とはいえ、この風は本当に大丈夫なのか?と不安になりながらマキエを作り、他のお客さんと話をしていると船長がやってきて、8人の釣り人を収容した渡船は予定通り6時半に出港。まだ暗い強風の入江から朝焼けが浮かぶ水平線に向かって歩を進めていきました。波しぶきをザバザバと浴びながら。

・今日の磯はフタゴ
 古満目の磯はAコース、Bコース、Cコースの3つに分かれています。そのうちAコースとBコースは2つの渡船が毎日交代で渡礁させており、Cコースはフリーになっています。(料金が500円増しになるのに一番釣れないんだとか)
 この日の安岡渡船の磯割りは期待度No.1と評判のBコース!私が上がった磯はフタゴでした。

 さすがは古満目の磯!南以外の風波に強いフタゴ!湾内であれだけ吹き荒れていた風は防がれ、スロープ状の先端部にある船着きは無風の時間すらありました。といってもそこ以外は大風ですし、船着きにも時折強風が舞い込んではくるのですが・・・。

 釣り座はもちろん船着きに構えました。というより船着きでしかやれませんでした。
 その船着きの足元はドン深になっているようですが、真正面からの日の出によって全く見えず、水深やシモリの有無などは見当もつきません。
 とりあえず浅いところにチョウチョウウオやコッパグレがいるようなので、0ウキとジンタン5号仕掛けをセットして左から右へ流れる早い潮の中を沈め釣りしていくと、磯際で25cmの尾長グレ、少し沖で26.5cmの尾長グレがヒットしてきました。さすがにこのサイズはリリースしてサイズアップを狙っていきますが、それ以降はグレのアタリも他魚のアタリも無く、魚影も見えなくなったので2Bの棒ウキに換えて深釣りをしてみたらサシエを触られるけど掛らないし、何度か掛ったと思ってもハリが外れてしまいました。

 見えるでしょうか?吹き荒れる舞い込みの風が。
・気分転換するはずが
 冒頭の2枚のコッパグレを釣って以降、10時前に弁当船がやってくるまで魚は1匹も釣れていません。ああ、どうしたらいいんだ・・・。まあここは弁当でも食べて気分転換したうえで考えるしかないか。

 しかしながら今日も落ち着いて弁当を食べることはできませんでした。というのはスタート時には時折舞込むだけだった爆風が断続的に荒れ狂うようになっていたからです。押しつぶされた波は海面を駆け抜け、空中を走り抜ける白いつむじ風はヒラバエや中バエを何度も飲み込んでいます。釣りをするにも腕力頼りで竿にしがみついていなきゃいけないし、不用意に不安定な体勢を取ったら簡単によろめかされてしまうほどの状況です。

 それでも昨日のように弁当のおかずが飛んでしまうほどではありませんでしたが、今日もやはり食べている途中に竿が竿立てごと倒れていきました。警戒して竿立ての側で食べていたので事なきを得、その後は竿を抱えながら食べましたけど、こういう日に弁当を食べる場合は竿は畳んでロッドケースの中にでもしまっておかなきゃなりませんね。もっともそのロッドケースも置き場所が悪ければ簡単に空を飛んでしまいますけどね。

・釣り場は荒天、釣果はやや好転
 何だかんだと言いながら気分一新して再開すると、10時36分に約3時間ぶりに魚が釣れました。磯際で当たってきたその魚は40cmオーバー。グレにしてはやたらとおちょぼ口で鱗も見当たらず、尾柄部には3対の大きな棘と、1対の小さ目の棘が付いていましたが(汗)

 このサンノジが状況の好転を告げていたのか、その後の釣りはアタリが多い状態で推移しました。といってもそのアタリのほとんどは3〜4ヒロのウキ下を取った棒ウキのトップが僅かに動くだけのもので、微調整を繰り返しても一向に掛らないし、掛ったとしてもやはり一瞬で外れますし、中にはハリスを噛み切られたものもありました。その正体が肝もほとんど無いようなカワハギと、手のひらサイズのイシガキダイだったことはもうしばらく後にならないと分かりませんでした。。
 中にはスパッと豪快に消し込むアタリもありましたけど、上がってきたのはサンノジと全然引かなかったブダイ(赤)が2匹、よく引いたキバンドウ1匹だけ。あと、強烈に暴れまくって2号ハリスをぶち切っていく魚のヒットが一度だけありました。

 舞い込みの風はますます強くなって息ができないほどになり、白いつむじ風は発生の頻度を増してフタゴや私を何度も巻き込まれるようになっていた13時半ごろの一瞬の凪、隣のフタゴのオチから伸びているハエ根のカケアガリに撒いた撒き餌に、グレのような体型をした良型の魚が見えました。
 私はすぐに棒ウキを外し、00のウキとジンタン5号を取り付けて投入すると一発でヒット!ナイスファイトの末に40cmくらいの魚が上がってきました。グレにしては目つきが悪く、色も何か白っぽいんですけどね(汗)
 う〜ん、やはりグレに見えたのはキツだったようですね。見えたのもこの一瞬だけだったので再び2Bの棒ウキの深釣りに戻しましたが、サンノジの小さいのが食っただけでタイムアップ。文章にしてみるととりあえずなんやかんや釣っていますけど、必死で風に耐えていたという記憶しかありませんがな。

 この日の古満目はほぼ壊滅、車のドアを開けたらそのままもぎ取られそうになるほどの風が残る港で取材のために待ち構えていた「月刊釣り画報」の記者も早々に帰ってしまう状況でした。
 この時点の私のクーラーの中身は、手のひらサイズのイシガキダイと、皮を剥いだらコンディション最悪の身が現われたカワハギ、それに昨日の口太グレが1枚ずつ。釣果より何よりこの2日間、まともに釣りをした気が全くしないというのが悲しすぎます。
 計画ではこのまま兵庫へ帰るつもりだったけど、こんなんじゃ悲しくて帰れないぞ。悔しくて新年を迎えられないぞ。
凪の瞬間のフタゴのオチ(左写真)。舞い込みの風が強すぎて、この磯から続くハエ根のカケアガリと船着きの足元でしか
釣ることができませんでした。右写真はヒラバエ、中バエ、三角、四角。

 ● 古満目 komame
利用渡船 安岡渡船 出港地 高知県大月町・浦尻の岸壁
時間(当日) 6:30〜14:40
料金 A.Bコース 3500円
Cコース  4000円
駐車場 無料 弁当 600円
宿/仮眠所 民宿を運営 システム 磯割り制(Aコース、Bコース)
 +フリー区(Cコース)
磯替わり 可能 特記事項
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

・泣きの3日目
 新年3日までは休みという幸運に泣きついて日程を延長することを決めた私でしたが、問題はこの大風でも釣りができる場所が年末の28日に空いているかということ。
 とりあえずホームグラウンド灘&伊田の掛川渡船に「明日はいっぱいかな?山バエとか沖元なんか行けんかな?」と電話してみると、「お客さんは多いけど一人やろ?わきグレがおるから港の前のハエに上がっておびき寄せて釣れや。」ということで泣きの3日目が実現することになりました。
 宿の方は立ち寄り湯&ホテル先代スペーシアでも別によかったけど、予想最低気温マイナス1度じゃ山用のシュラフを使っても車中泊はきつそうなので、中村の一泊3000円の所をどうにか確保しました。色々うるさくてなかなか眠れないけど、凍えるよりはまあいいや。
 
 明日こそは!と気合が入るけど、3日釣りというのは不安も大きいです。最近は3日連続で釣りをすること自体が少ないですし、3日とも15時までの磯釣りで、しかも毎日終了後に50km以上の移動を伴う単独行なんて体力の全盛期でもやったことないですからねえ。体、動くかな??

 ようやく見られた池のような海面。最近はイチノハエ以外の
釣果はもう一つだったようですが、これなら何とかなりそうだ!
 コカイ空撮。主に左側の磯との水道を狙ってました。
・3番船で出港
 28日朝6時半に灘港に行ってみると誰もいない・・・。でもトイレに行ったり準備をしたりしている間にドンドン車が増えていって、最終的にはかなりの数になりました。
 7時前に伊田に渡し終えた船長が帰ってきたので、小学生くらいの子ど2人を含む3世代の家族が1番船でイチノハエへ、2番船はフカバエやハチビョウへ、そして私と、クロの大バエに上がることになっている常連の3人組は7時半ごろの3番船でようやく出港できました。

 港を出るとそこには一昨日の松尾、昨日の古満目と一つながりの海だとは思えない、池のような海面が待ってくれていました。しかもこの日は若潮で満潮位153cm、潮の変動は83cmほど。この状況に昨日山バエかマルバエと言っていた船長が提示したのはマツエモンかコカイへの渡礁でした。ああ、今回もまた山バエには乗れないのか(苦笑)

 さて、どっちに行くか?
 灘に初めて来たときに上がったマツエモンも魅力的でしたが、私は潮位170cm以下の凪の日限定で、どんなに上がりたくても滅多に上がれないコカイに上がることにしました。

・幸先良し
 かつて消防裏とも呼ばれていたコカイはその旧称のとおり白浜地区の消防署旧庁舎の結構沖にあり、このエリアにしては水深があります。磯は一枚岩というよりも、縦横に走った溝によって仕切られた貝に覆われた岩が列をなしているかのような形状をしています。
 磯の南向きはハエ根が張り出してやり難そうですが、どう見ても磯全体がポイントなので目移りしてしまいます。とはいえもう8時前だし、ずっと悩んでいても仕方がないので常連さんが勧めてくれた地寄りのポイントにバッカンを置き、0号にジンタン5号、ハリス2ヒロのパイロット仕掛けをセットしました。

 マキエを入れてから磯際に仕掛けを入れると1投目からコッパ尾長が食ってきて、しばらくその食いが続きましたが、磯際ではサイズアップしないし、アカササノハベラが多すぎる。
 そこで沖に狙いを切り替えて地寄りに頭を出している磯との間に投入、灘港方向に結構速く流れる潮を釣っていると穂先がグゥ〜とゆっくり持っていかれて口太グレがヒット。8時39分には31cm、8時58分には29cm、3分後の9時1分には32cmが姿を見せました。
 いや〜、風波だけでなく釣況までこれまでの2日間とは天国と地獄です。さすがコカイ!これだったら今日は凄い釣果になるんじゃないか?40cmくらいのやつも連発したりして!?

 ところが0号の仕掛けではすぐにアタリが遠くなってしまいました。もしかしたらグレが上ずってきているんじゃないかとも考えて、00のスルスルでやってみてもかなり待たないと反応が出ない・・・。ということは逆かとウキをG2、ウキ下3ヒロというこのエリア基準での深釣りを試みるとアタリが復活し、口太グレや時には尾長グレもいいテンポで上がってくるようになりました。潮が緩んでいる時はコッパですが、スピードを上げると26〜27cmが掛かり、29cmの口太が3枚、同じく29cmの尾長も1枚上がってきました。でも今日のキープサイズは30cmでいいやと思っていたこの時の私は全部リリースしていました。

 う〜ん、想定サイズの35cmどころか30cmオーバーが全然出ないなあ。それでも一度はかなりの大物で、しかもグレらしき引きをしたものが掛かったんですが、久々?にやらかしてしまったベールの回転不足で後れを取り、シモリに突入されてハリスが飛んでしまうという失態をしてしまうし。
 ああ、せめて29cmの尾長はキープしておけばよかった。そう思ってももう遅く、11時を過ぎた頃にはアタリも無くなってしまいました。

 コカイの西向き。この日のメイン釣り座。
 コカイ東向き。一般的なポイントは左端かな。
 3日間の釣果。初日2日目は左上の3匹だけですが。
・3日分の興奮を今
 色々と仕掛けをいじったり、海中がどうなっているのか分からない中、南向きのハエ根を勘を頼りに狙ったりしましたが、13時過ぎに結局G2で地寄りの水道だなという結論に達して、3ヒロ半のウキ下を取って遠投したら30cmの口太が一発でヒット!ふう、久々にキープだ。

 残りの時間は基本これでいくと決めてウキ下を微調整しながらやっていくと、またなかなかのペースでグレがヒットするようになりました。そして14時30分には29cmの尾長が掛かって今度はキープ。34分にはお待ちかねの31cmの尾長、47分には32cmの口太をキープできました。
 さらに15時を過ぎるとさらにエキサイト。沖と手前で1度ずつ物凄いパワーの持ち主がウキを消し込んで、2号ハリスを問答無用にぶち切っていきました。
 キープできている魚のサイズはそれほど大きくないとはいえ、昨日、一昨日の不完全燃焼を一気に吹き飛ばすような熱い時間に大興奮です。

 この日の迎えの時間は17時頃、もしかすると16時頃ということで不明でしたが、夢中で釣っていた15時40分頃にふと南の方を見ると結構なスピードで走ってくる船が見えました。まさかあれ、迎えじゃないわなあ?と仕掛けを投入しなおしてからもう一度見ると、どう見ても掛川渡船の小舟じゃないか。あの船、空荷だとスピード出るんや・・・。
 って、そんな呑気なことを言ってる場合じゃないぞ。クロの大バエの3人組を回収しているうちに大急ぎで片付けて船に乗り込み、みんなでウダウダ言いながら港へと帰りました。なおクロの大バエの釣果は30cmくらいのものが3人で10枚程度だったそうです。とはいえ最長寸は37cmあったとのことですが。

 ということで3日に及んだ平成29年の納竿釣行もこれで終了です。
 3日釣りということで体力が持つかどうか心配だったけど、何の問題もなく熱中できてしまうものですなあ!なんて実感してたのは渡船の中にいた時まで。港に上がるやそれまでが嘘だったかのようにどっと疲れが出て、帰りがほんまに辛かったです。
 まあ最悪1月3日までに帰ればいいので気は楽でしたけどね。(あちこちで寝ながらその夜のうちに無事帰り着きましたけど。)

 ● 灘 nada
利用渡船 掛川渡船 出港地 高知県黒潮町・灘漁港
時間(当日) 7:30〜15:50
料金 3500円(一部4000円)
駐車場 無料 弁当 無し
宿/仮眠所 無し システム 磯の予約可
磯替わり 基本的に無し 特記事項 伊田エリアと同一業者
詳細 高知県黒潮町 井ノ岬周辺(灘・伊田)の磯
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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