風雲児  烈風伝
      ・令和元年納竿釣行 食い渋りの海へ

2019年 12月28〜29日 高知県 灘
・病み上がりの納竿釣行
 平成31年、そして令和元年。皇位御継承のめでたい一年、釣果の方はいかがだったでしょうか?
 私の方は夏ごろに思い立った奄美大島遠征が実現し、多くの時間を土砂降りの雨に奪われながらも想定以上の魚種に出会うことができたり、チヌの固め釣りができたりということもありました。一方でグレ釣りの釣果は6月の名鹿以外は酷いもので、40cmオーバーは11年ぶりに完全ゼロ。それどころか30cmの壁をも越えられない日がほとんどで、唯一大釣りできた名鹿にはそれ時以外結界が張られたかのように近寄れないという年でした。

 このままでは年を越せない。そう思って年末の休みを一日前倒しして名鹿&井ノ岬釣行を計画したのですが、なんとその週の初めにとんでもない腹下し+発熱でKO。熱は一日で下がったものの腹下しはなかなか回復せず、釣行日程が延期になって納竿釣行の集中日にぶつかってしまいました。こうなると釣れている名鹿は当然満船。船長が延期を薦めるほど釣れていないという井ノ岬の方はOKでしたが、二日目は波の向きが怪しいので伊田に人が集中するという予想で、「乗せる磯が無いかもしれん。まあ来てみいや。」と言われてしまった・・・。まあ出られんかったら浦ノ内湾まで走ってチヌでも狙うつもりで気楽に行こう。ポイントも釣り方もわからんけど。

 鵜のハエのメイン釣り座。干潮時に磯先端の低い所から撮影。
・初日は鵜のハエ
 穏やかな灘の港にホテルスペーシアを開店したのが28日夜中1時前。カイロ、フリース、目出し帽、寝袋、その上からジャンパーの掛布団というフル装備で5時間ばかり仮眠を取り、7時過ぎに渡船に乗り込みました。その乗客はわずか3人。この日は伊田もセイダバエのみだったそうですから、どんだけ釣れてないのかという話ですよね。

 2人組が一のハエに上がり、私は今年まだ誰も上がっていないという鵜のハエに渡礁。今年すでに実績の出ているフカバエでもよかったんですけど、今回もまたこれまで上がったことのないことを重視して磯を選択してしまいました。
 港とフカバエの中間にある鵜のハエはシモリ風の磯ばかりのこの周辺にしては高さがあり、大きくえぐれた形状で背後の国道からもよく目立つ磯です。近づくとその名の通りウが止まっていて磯の上はそのフンで白くなっていました。

 先端の低い部分は時折波をかぶっているのでメインの釣り座でスタート。この磯、足場は良さそうな感じだったけど、実際にはそうでもなくて狭苦しい感じですね。
 灘の磯ですから周辺は浅くて元から底が見えていますけどそれにしても今日はえらい透明度です。そして魚の姿は全く見えません。まあそりゃ今シーズン初使用の磯ですから、魚が出てくるまでには時間がかかって当然です。焦らずじっくりやるとしましょう。
 とりあえず1.35号相当の竿を伸ばして0号のウキを通し、まずはウキ下2ヒロで開始。マキエが効いてきたら徐々に浅くしていきましょうかね。

 正面は昇ってくる太陽でウキが見えないので、磯の左側のシモリ際や潮のヨレを中心に狙っていると8時過ぎにアカササノハベラがヒット。しかしそれ以外はアタリどころかサシエを触ることも無く、まだ魚影も見えませんでした。

 待望のグレの登場は8時47分でした。グレと言っても25cmあるかどうか、リリース即断のコッパ尾長グレではありますがそれでもホッと胸を撫で下ろすことができました。
 グレが動き出した。さあこれからだ!と思いきやそう甘くはありませんでした。
 潮はフラフラと落ち着かずに頻繁に方向を変え、速い当て潮となって釣りにならない時間もある中、ウキ止めを上げたり下げたり、ハリスウキを取り付けたり外したりしながら足元から沖まで幅広く探っていくと徐々に反応が出るようになりましたが、とにかく食いが渋すぎる。
 ボイルは一切食いません。生オキアミは時折食いますがアタリを出さずに中身だけを吸い取るだけ。そこでウキ止めを5cm単位で調整し、オモリを動かしたり、敢えて浮力を残す設定にしたりして、ウキの僅かなもたれを感知できるようにして掛け合わせていくと23cmくらいのコッパ尾長グレが掛かるようになり、正午までに5〜6枚をハリ掛かりさせることができました。

 奇跡のキープサイズ34cmの口太
 正午前、このエリアに時合いを知らせるボラの小群の回遊があり、潮が一瞬右手前の浅い角度で流れました。G2のウキにガン玉3号の仕掛けはいくつかのシモリを線でつなぐように流れ、その隙間で少しだけ沈んだように見えました。誘いを兼ねた聞き合わせをしてみると想定していたコッパとは違う引き。その引きに驚かされながらも反撃して、シモリを躱し、磯際を躱して浮かせたのは34cmの口太グレでした。やったぞ!!その魚をタモに収めた私は思わずガッツポーズをしてしまいました。12時10分に至っての最初で最後のキープフィッシュ、そしてこの日の灘・伊田においての唯一の30cmオーバーのグレが釣れたのですから。

 その後も潮はフラフラ、食いも渋く、オキアミの中身を吸うコッパグレを何枚か釣って15時半の船で港に戻りました。

 この日は中村まで走って一泊。翌日の釣りは問題なくできそうですが、釣果が全く期待できそうにないせいかその夜は8時間以上は眠ることができました。しかし釣行前の体調不良でよほど体力を落としてしまったのか思ったほど回復しておらず、翌日は疲労感と欠伸を噛み殺しながらの釣りになってしまいましたが。
 鵜のハエの後方から。潮が低い時は荷物を置く
スペースには困りません。
 満潮時の周辺の様子。中バエとミツバエ。

・二日目はオオバエ
 12月29日はさすがの灘もお客さんが多く、指定された8時ごろに港に着くとすでに多くの人が磯に渡っていました。私は一番最後に潮待ちした上で出発するはずでしたが、ちょっとしたアクシデントがあってのんびりモードから一転、大慌てで船に飛び乗ることになりました。

 この日上げてもらえた磯は港のすぐ横のオオバエ。2年連続でこの磯での納竿となります。
 駆け上がってくる波に注意して東のマルバエ向きの磯際にマキエを入れ、昨日と同じくG2のウキにガン玉3号の沈ませ過ぎない仕掛けを作って投入。磯の角の小さなサラシから数m先のシモリのエッジに差し掛かったところでいきなりウキに反応があり、今日は何と1投目から魚を手にすることができました。
 タカノハダイ20cm強。1投目からジエンドフィッシュとは、先が思いやられますな・・・。なんて思ったけど、実際には結構魚は釣れました。20匹くらいは釣れたでしょうか、大小さまざまなアカササノハベラが。
 ベラが来るということはウキ下が深すぎるのかもしれない。そう思って1ヒロとか矢引きとかでもやってみたけど反応はありませんでした。正午までやって釣れたグレは2枚だけ。それも23cmくらいの尾長を食わせるのがやっとでした。前日と同じくあまりにもシビアで、いつものように若々しい勢いでウキを消し込んでいくようなことはありませんでしたし。

 午前中はそんな感じでしたけど昨日釣れたのは昼ちょっと過ぎ。さすがにマキエも効いてくるころです。この磯はテトラからも近いし、そろそろ新展開があるか!?と無理やり期待して釣っていると、東のマルバエとオオバエの間を通って沖に延びる溝の所でジワジワとウキが沈んでいきました。しっかり待ってから合わせると一瞬のやり取りでハリスが噛み切られてしまいました。
 それから15分ほど後の12時37分にもアタリがあって、今度はきっちりやり取りできて無事キャッチ。期待通り30cmを超えましたけど残念ながら魚種はサンノジ。ハリはしっかり飲まれていて、ハリスを掴んでいたらプチっと切れてしまいました。さっきのもこれだったんだろうなあ。

 さらに1時過ぎにはブダイが食い付き、相変わらずのアカササノハベラに1匹だけオハグロベラも混じってきました。
 納竿直前の14時37分にはイシダイ(ただし20cm)も食ってきて、本命のグレこそ釣れなかったものの、前日と違って少しだけバラエティー豊かな釣果で今年の釣りを終えることができました。港に持って上がったクーラーは空ですけど、そもそもやれるかどうか分からなかった二日目も最後まで竿を出し続けることができて本当に良かったです。

 とまあ、今回もこんな釣りになってしまいましたが、来年こそは復活のきっかけを掴みたいものですな。
 皆さんも安全で納得のいく釣りができますように。
 オオバエと東のマルバエ(実際には北隣)  こちらは南隣の西のマルバエと灘漁港横のテトラ

 ● 灘 nada
利用渡船 掛川渡船 出港地 高知県黒潮町・灘漁港
時間(当日) 7:00〜15:30
8:00〜15:00
料金 3500円
駐車場 無料 弁当 無し
宿/仮眠所 無し システム 磯の予約可
磯替わり 基本的に無し 特記事項 伊田エリアと同一業者
詳細 高知県黒潮町 井ノ岬周辺(灘・伊田)の磯
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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