・春のうららの幼稚園
今晩は遠征へ出発!しかも久々の釣り!という日は仕事をしていてもテンションが妙に高くなるもので、気合が勝負を左右する競りでは調子に乗って買いまくり、いつもどおりの14時間の勤務もあっという間。家に帰るや一風呂浴びて仮眠もほとんど取らぬまま大洲へ、そして目的の宿毛の港まで一気に高速をかっ飛ばした。
今回お世話になる岡崎渡船の船室に横たわっていると手足がきぃーんと痺れてくる。とにかく寒い。しかしこの寒さこそが青空へのパスポート。そう言い聞かせて眠りにつくといつの間にやら船は進み、目指す姫島はもう指呼の間にあった。
風雲児が行くところ風が起こり白泡が舞い散る・・・はずなのだが、今回は実に珍しい好天。天気予報でも1,5mという信じがたい波の予報が出ている。
しかし船室から一歩出るやザバーン!ありゃあ水浸し。どないなっとるんやこの船・・・
よく見ると北西は意外と強く、うねりも結構残っている。三ノ瀬には時折白波が駆け上っている。
船長の勧めで上がった磯は姫島の「幼稚園」。風もうねりもここには届かず、足場も良くて大変楽な釣りになりそうだ。
餌取りもハリセンボンやキタマクラ、たまにダツが襲ってくる程度。数投で小型ながら口太が磯上に踊った。
グレの数は多いようだ。足元のシモリでは撒き餌を拾う姿が確認できる。
でも思ったほどは釣れず、あの手この手を使って弁当船前後を中心に8枚、28〜40cmという典型的な沖の島サイズの口太が飽きない程度に竿を曲げてくれた。
ぽかぽか陽気に姫島からは鳴き盛るウグイスの歌声。 釣りから帰るとすぐに用意されていた旅館のお湯でホッと一息。 最高に贅沢な釣りができた初日だった。 後半になって強さをました風がムロバエ狙いの明日を心配にさせたのだが・・・
・凡将は名礁を知らず。
布団にもぐりこんだ次の瞬間、10時間経っていた。 風もなく温かく、曇ってはいるがこれ以上の好天はない!
昨日と違ってさすがにこの船でも波をかぶることもないようだ。 泊まり客は僕一人であったので、かねてよりの狙いどおりムロバエ2番に真っ先に上礁した。
撒き餌をパラパラ打ちながらまずはお約束の磯際狙い。
数投目でウキがスーっと吸いこまれ、大した抵抗もなくウミヒゴイがおはようさん。
それっきりアタリも餌落ちもなく、さっさと沖狙いに切り替えるがたまにあたってくるのはムロアジとかダツくらいのもの。
向かいのムロバエではボイルに混ぜ込んだ赤アミに付いてしまったのか磯全体で一本釣りよろしくムロアジが舞っている。
一方こちらはとにかく餌が取られない。
潮もほとんど動かないし、グレの気配なんか全く感じられない。
昨日がムロ廻りだった渡船で仕入れた「灯台下はともかく、ムロ周辺は一人1〜2匹でみんな磯替わりした」という情報は正しかったか。
せっかく遠くから労力と資金を使って来たのに、このままここで時間だけ過ごしてもなぁ。
以前、鵜来の白岩をスパッと見切っていい思いをしたこともあるし、よっしゃ弁当船で替わろう!!
弁当船を待ちかねてこの滅多に上がれない小さな磯を潔く後にしたのだが、「昨日は昼から爆釣している」なんて話、船に乗ってから聞かされても・・・
それに平日でもこんな凪の日にはお客さん多いんやね。
船が出るかどうかも怪しいような時にしか来たことのなかった僕には想像もつきませんわ。
で、替わったのは白岩岬の岬のハナの北側、傾斜した足場の小さい小さい磯。
釣り始めにはキタマクラが居たがすぐにそれもどこかへ行ってしまい、ものすごく孤独な釣りをすることになってしまった。
しかも当て潮。船長も1時間もしないうちに戻ってきて、替わるように言ってくれた。
お次の磯は「白岩」。といっても白岩の先端と白岩のハナレとの間の奥まった所。
足元を見るとアンカーボルトの穴だらけ。思い切りドン深ですわ。
とりあえず前方のシモリ辺りを流してみるが、ここでも餌が取られない。
またしょうもない釣りをすることになってしまったと嘆いていた矢先、ウキがスーッ!
おおっなかなか強烈な引き!これは初の50オーパーの口太か、それとも2年ぶりの尾長か!
数回の突込みをかわして水面で踊った魚体には美しいストライプ。42cmの石鯛だった。
グレとは異質のカッコよさに見惚れつつ釣りを再開したがその後はやはりほとんど餌を取られることもなく、赤ブダイ1枚のみ。
なんか不満たっぷりで納竿となった。
初日にグレも釣れたし、旨い石鯛も釣れたのになんでこんなに消化不良なんだろう。
鵜来・沖の島お約束の強烈なブチキラレが無かったからか、釣り上げた瞬間に首をひねるような変わった魚が全く見られなかったからか・・・
そうだ、いつもと違って風も波も全くない余りにも穏やかな釣りをしてしまったからか。
ちなみにムロバエ2番、やっぱり午後から10枚釣れていたらしい。はぁ・・・
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姫島の幼稚園。向こうは千畳です。 |
ムロバエ2番から三ノ瀬、鵜来島 |
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28〜40の口太&42のイシダイ。 |
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