目覚めた瞬間、それは
     チヌ天国、御荘の底力を知らされた瞬間!

2004年9月9日 愛媛県御荘湾
今年の台風連発には参った。
特に間を空けずに西日本を直撃した巨大台風16号と18号ではわが町も高潮で大きな被害を被ってしまった。
釣行日はその18号直撃の直後。
当初の計画では毎年追いかけても軽くあしらわれ続けている憧れのアカメを求めて、土佐湾、とくに四万十川周辺を目指すつもりだったが、増水と伊豆諸島に迫っている19号からのうねりでまともな釣りはできないだろうと思って断念。といって宇和海も18号の余波のうねりがまだまだ残っている。
こんな状況で出られるところ・・・そうだ、御荘だ!

御荘にもアカメが居るらしいとの話を聞いて早めに現地入りし、早速ルアータックルをセット。真っ暗闇の中でキャストを開始するが当然アタリはなく(夜が明けてビックリ。とても釣りのできるポイントじゃなかった・・・)車に戻ってうつらうつら。
出船時間の6時前になって地元の釣り人が登場。今日はこの方と2人だけの様子。
しかしっ!肝心の船長が来ない!
そのうち地元の釣り人の携帯に「ごめん、10分くらい遅れる」との電話が。
「いつものことじゃ」「・・・・・。」

そんなこんなで予定より遅れて漕ぎ出した渡船は台風で流された大量のゴミに行く手を阻まれながら御荘湾の出口、小貝バエ灯台に到着。ここに地元の方を降ろし、僕はもう少し外側、御荘のくせに??50〜60cmのグレがいつも見えているという恐るべき磯・大岩に上げてもらった。

道具を配置し、かねて用意の撒き餌に水を加えつつ足元を覗き込むと、居ました!
巨グレではなかったけど、40cmほどのチヌが2匹悠然と。さすが御荘じゃ。
準備万端、改めて磯から身を乗り出すと、撒き餌の一杯も入れてないのにエサトリが走り出てきた。ネンブツダイにスズメダイ、ハコフグといったところか。
とりあえず足元に撒き餌を入れ、沖に仕掛けを入れる正攻法でやってみること数投で小気味よいアタリ。
突っ込みを楽しみながら引き抜いた口太は25cmほど。
暫く釣れ続き、アタリが遠のけばウキを替えたりオモリを換えたり、あるいはウキを沈めてみたり、状況というよりはそのときの気分に合わせて釣り方を変えて25cm前後の口太を次々磯に跳ね上げた。ええ感じやぁ〜
小型ながらも嬉しいシマアジが混じり、忘れた頃に口太の30cm超が3枚ほど出た。

突如キビナゴの群れが右往左往し、足元のエサトリがざわつき始めた。
その刹那、青い砲弾が足元で反転した。
ヒラマサかメジロか!80cmはあるぞ!!
慌てて船着きに駆け下り、ロッドケースの中からメタルジグを取り出した時には元の穏かな海。
予想もしなかった青物の来襲は後にも先にもその1回だけ。無念!

そうこうするうちに弁当船が近づいてきた。
今日は1日この磯でやるつもりだったので、弁当を受け取り、「今日は4時までにしてね〜」とのお言葉を頂いた。
船長の話によると下げ潮が本命らしいので弁当を平らげ、船付きの平らな所でゴロリ。
寝ては釣り、釣っては寝てでゆっくり時間を潰していく。
そうでもしないとこの蒸し暑さの中では水が、尽きる。
もっと撤収は早かったはずじゃ・・・。

しかし、下げ潮が流れても巨グレが乱舞するどころかドンドン食いが悪くなり、釣れるサイズもグーンと小さくなってしまったので早々と道具を片付け、バッカンを洗い、本格的にお昼寝モード。
暫くして寝返りを打ったときに海の中に目をやると、嘘ぉ〜〜〜!
磯の裏側の浅い浅いゴロタ石の隙間からチヌが顔を出しているじゃないかぁ!
その数、無数。しかもサイズは小さいものでも45cm、一番の大物はなんと60cmは超えているはず!
飛び起きたところで既に餌は海の底。どうすることもできませんわ。
御荘の底力を実感しながらようやく現れた迎えの渡船に乗り移り、港からは56号線を一路北へ。明日はどんなドラマが待っているのやら。
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