・地獄へのプレリュード
皆様、明けましておめでとうございます。よい正月を過ごすことができましたか?
こちらは大晦日から2日まで、高知県鵜来島にてたくぼんさん、みちひでさんと一緒に壮絶な釣りを繰り広げてまいりました。
12月30日の昼前、JR相生駅の裏にてたくぼんさんと合流、我が愛車に荷物を積み替えて出発。
直前に手に入れたスタッドレスタイヤを装備してフラフラとローリングを繰り返すスーパー軽四・ワゴンRでえっちらおっちら宿毛を目指します。
道中、みちひでさんを始め、ネット仲間が集まっているという宇和島のはまざき渡船に寄り道したら突然ジャンケン大会が始まりました。
僕もたくぼんさんも強制参加。しかもたくぼんさんが最後まで負け残って何が何やら分からないままにその場に居た十数人にジュースを奢らされてしまいました。ありゃま・・・。
宿毛到着は7時ごろ。前夜祭兼忘年会をやろうという事で3人揃って宿毛のマグロ屋に向かいましたがすでに満員でアウト。
それなら片島の焼肉屋でも・・・「満員です」。寿司は・・・?「満員です」。こっちの焼肉屋・・・「満員です」。
腹を減らして散々彷徨った挙句、とある焼肉屋にようやく入ることができました。「ここの肉は新鮮なのでサッと炙るだけでいける!」と言ってオヤジが持ってきたのはタレがまだらにかかった緑色に変色したような肉。当然不味い。タレまで不味い。
ガックリ脱力で今回お世話になる柴田渡船の仮眠所に戻るとたくぼんさんが激しい嘔吐下痢。ほんま素晴らしく新鮮な肉ですわ(怒)
僕も疲れているのになぜか寝付けないまま出船時間の5時半が来ました。
・第一日、姫島・1番の地
船は航路に停泊している光り輝く巨大なビルのような船(何かの調査船でしょうね。宿毛湾沖だけに戦艦大和の公試を連想してしまいました)の脇をすり抜けて鵜来島港へ。ここで泊り客を拾って合計9名でこの日の磯割り、姫島に到着しました。
たくぼん&みちひでコンビは千畳へ。僕は最後に1番の地へ渡礁。西風が強烈で本島向きは無理ですし沖の島向きに釣り座を構えて釣り開始!
が、全然ダメです。アタリが出てもダツばかりでした。
沖の島の渡船で目の前の1番に渡ってきた人はドンドン竿を曲げているのに、こちらは偶然のように釣れた30cm1枚とリリースした20cmが一枚(涙)
辛抱してやっていると昼ごろになって潮が流れ始め、撒き餌を追うグレの姿が見え始めました。そこそこ大きいのも混じっているようですがどうしてもサシエを拾ってくれません。
イライラしつつ頭を抱えていると電話が鳴りました。釣りキチ2さんからです。
状況を説明すると、そんな時はオキアミをチョン掛けにしたり真っ直ぐにしたりと針への刺し方を変えてやってみなさいとアドバイスをもらい、そんな、まさかと思いながらチョン掛けで流すといきなりウキがス〜〜!
ビックリしながら合わせを入れましたがハリス噛み切られ。ん?尾長?こんな方法もあるもんなんですね〜。
しかしアタリはそれ一回。グレの姿も短時間で全く見えなくなり初日は不完全燃焼で終了でした。千畳のお二人は11枚。むむむ・・・
宿に戻ると楽しみはやっぱり晩御飯ですわ〜。やはり今年も豪華正月料理でしたよ。持参のお茶漬けや缶詰などの旨さがしみじみと感じられました(爆)
どうにか腹を膨らませて部屋のテレビを調整してみんなで大晦日の格闘技を観ていましたがお二人ともすぐに眠りに落ちてしまいました。
しかし眠ってからもお二人は絶好調。みちひでさんは寝言で何か怒っているし、たくぼんさんは突然「クリスマスツリー!くそ〜っ!」と叫びだすし・・・。いったいどんな夢を見てますねん!(笑)
・第二日、港の2番
元旦はカメ廻り。さすがにお客さんも増えてきました。
この日は三人揃ってたくぼんさんの得意な磯、港の2番に渡礁しました。波はないものの風は結構強く吹いています。
この磯には3年前に醤油屋さん・TAROさんと一緒に上がったことがあるんですが、確かその時はひたすら船着きを攻めて撃沈、最後に醤油屋さんがシモリだらけの浅いところで何匹か釣っただけだったような・・・。たくぼんさんに聞いてもやはり沖の島向きの足元か、港のタカバエ向きでしか釣れないという話です。
最初は向かい風に耐えながらスロープで釣っていましたが、早い当て潮で張り出した棚に一瞬で乗り上げてしまいどうにもなりません。
沖の島向きに陣取ったたくぼんさんは開始早々竿を曲げ、それから連発連発です。昨夜に引き続き絶好調のようです。
全く釣れないはずの船着き方向に移動したみちひでさんも、沖にあるシモリを狙って見事に結果を出しておられます。
たくぼんさんが最初に釣っていたポイントに入れてもらった僕の方は大苦戦で頭を抱えております。みちひでさんからアドバイスを頂いてどうにか1尾浮かせたのは開始からどれくらい経ってからだったでしょう。
港の2番なんて潮なんかほとんど動かないはずなのに、時間が経つにつれ上りの潮が早くなっていきました。その中でもお二人は順調に竿を曲げ、弁当を持ってきてくれた渡船の船長もマイクで高笑いでした。 結局この日は30〜45cm手前までの口太をたくぼんさんが10枚、みちひでさんが7枚。わたしゃ3枚・・・。
あまりにもズボラな釣りをしていたのが原因の模様。いろいろと勉強になった一日でした。
明日はグンカン。太仕掛けに物を言わせてデカバンを仕留めて最後に笑ってやろうと心に決め、たくぼんさんとみちひでさんのイビキに加え、隣の部屋でぐっすり眠っている人の上げる大きな叫び声が響く中、僕も布団に潜り込んだのでした。
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港の2番から港の1番・高バエ方向 |
十八番の磯で絶好調のたくぼんさん!もう、誰にも止められません。 |
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クリスマスツリーに恨みを持つ、
血溜まりの中のたくぼんさん。 |
みちひでさんももちろん絶好調! |
よく考えたら、お二人のベストには
魔王ワッペンが付いてなかった!! |
・第三日、グンカン高場
目覚めると風の音がしていません。これはもしかしていい釣りができるかも!といそいそと身支度を整えて船に乗り込んだのですが、港を出ると海の様子は一変しました。強烈な北よりの風、木の葉のように揺れる船。
それでもグンカンはやれるそうです。泊り客優先というこの島のルールを活かして僕達三人は70オーバーの尾長に日本で一番近い磯、グンカン高場に上陸です。何もかも飛ばされそうな風が吹き抜けていきますが、この磯を初めて踏んだ僕は嬉しさでいっぱい。
「定員・乗れるだけ」という噂の低場には何人乗ってくるのかなと見ているとなんと一人だけ。まあこの風では敬遠したくなるのも無理はないかも・・・。
明るくなるのを待ってスタート。竿は3号、リールは5000番、道糸もハリスも6号です。
そんな仕掛けでも問題なく食ってくれそうな風上側の巨大なサラシの中に仕掛けを止めて狙っていくことにしましたが、向かい風で撒き餌なんてとてもできません。波打ち際に落として高波にさらっていってもらうのがやっとです。そしてカモメが群れている辺りを釣っていました。
しばらくするとたくぼんさんが35cmぐらいの口太をヒット。続いてカモメもヒット。
風下、水島向きで釣っていたみちひでさんは2mくらいのサメに追われながらもイサギをゲット。次いでヒラマサもヒットしましたがこれは沖の根に擦れてしまってラインプレイク。低場の人にも大きなバラシがありました。
僕の方は木っ端のキツが一枚・・・。
僕の方の巨大なサラシの中では居たとしても見えるはずもありませんでしたが、水島向きではグンカン名物60オーバーの尾長の乱舞が見られたようです。
僕も見に行ったのですが残念ながら発見できず。偏光グラスもすでに真っ白でしたし・・・。
そう。強烈な風と波はさらに勢いを増し、風上のヒラバエを飲み込み、余勢を駆ってグンカンにまで押し寄せてきました。
何発も何発も頭から大しぶきを被り、体ごと持っていかれそうな烈風に耐えておりました。これぞ僕の知るいつもの鵜来島の姿ですわぁ。
といってもこれはさすがに行き過ぎです。これまでの疲れもあったし、体がかすかに不協和音を発しています。
これ以上無理に留まったら本格的に体への影響が出てしまって、他の方々に多大な迷惑をかけてしまいそうな雰囲気ですので、弁当船が来たら一人、鵜来の港に連れて帰ってもらおうと道具を片付けました。
しかし弁当船の頃には体調がどうのと言う以前の問題になっていました。
さらに波風は猛烈に。低場は何度も波に洗われて釣り人も心細くチャランボに捕まっています。
待ちに待った弁当船は「やれんかえ〜?」と言っていましたがとてもそんな状況ではありません。全員命からがらの脱出でした。
あと少し船が遅かったら4人のうち何人かは本当に流されていたかもしれません。水島1番に上がっていた「先生」も船に飛び乗ってきました。
そこから鵜来港までも修羅場でした。まるで洗車場の車です。こんなの食事の塩分制限なんてぶち壊しですがな!(幸い病気が悪化することは避けられたようですが)
港に帰っても風はかなり吹いていました。弁当を食べていると巡航船の欠航の放送が流れてきました。
地獄のグンカンで燃え尽きた三人。波止に寝転がったり、渡船の船長たちと雑談をしたり、暇つぶしに少しだけ竿を出してみたりという風に時間を潰し、再び荒れ狂う海を渡って宿毛へなんとか帰還・・・。
昨年末から乗りに乗っている風雲児まじっく、今回も見事に炸裂でした。
たくぼんさん、みちひでさん、今度会ったときに海に突き落とさないでくださいね(笑)
そして、これに懲りずにまた誘ってくださいね^^
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これでもこの頃はまだ穏やかでしたが、ヒラバエも低場も程なく沈没・・・。 |
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水島向き。1番も弁当船で撤収でした。 |
次回はせめて昼まではやりたいな・・・ |
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10時には三人とも燃え尽きていました。 |
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