風雲児  烈風伝
   ・春の椿事?ベタ凪の高知の海は涙味。

2007年 4月10〜12日  高知県沖の島  小才角
・4月10日(1) 三ノ瀬のノコギリ
静かに打ち返す波の音。汗ばむほどの陽気。どこかから聞こえるトンビの声。時折巻き起こる賑やかな声達を見上げれば、雲が岩山を撫でるように飛び交うアマツバメの集団。
この日の沖の島は暴力に満ちた風の塊と、遮る物全てに執拗に白い牙を突き立てて行く大波が火花を散らすいつもの沖の島の姿からはとても想像することもできないような穏やかさでした。

ここは三ノ瀬のノコギリ。
正面には青空の下、緑が明るい岩肌に映える三ノ瀬島の断崖。首を少し回せば鋭く尖ったトンギリ。そして大物の夢に賭ける人々を乗せた三ノ瀬2番が鎮座しています。

巨グレたちの泳ぐ海、三ノ瀬の磯たち。一番左がトンギリ。
人が上がっているのが沖の島を代表する磯・三ノ瀬2番の裏
地元瀬戸内が4ヵ月半に渡るシーズンオフのこともあってしばらく竿を握ることもなく過ごしていましたが、仕事が一息つき、遠征費用もどうにか確保できたので天候を見計らって動いた今回の遠征。
本当は二並→三ノ瀬で釣行する予定だったのですがその廻りの渡船は泊まりの組数が多くて予約できず、この日は金子渡船のムロ廻り。

沸きグレの爆釣に沸くムロバエ群礁にほとんどの客を、次いで大ナダレに二名の客を降ろすと渡船には私を含めて二人だけ。
そんな私たちに船長が告げたのは「三ノ瀬が空いているから行きますか?」 まさかこんなことが起こるとは。

その三ノ瀬周辺、スクモもノコギリも、ここに上がろうと思って準備をしてきたトンギリも空いています。
しかし他船の磯割りへの割り込みということもあり「一人ずつ分かれて上げる訳にはいかないから弁当船まではここでやって」と言う事でもう一方と乗り合わせでノコギリに上がりました。

このノコギリは名前の通りギザギザの険しい磯で船着きから釣り座への移動がなかなか大変です。
釣り座は磯の両端2箇所にあり、その間は岩の壁で隔てられてます。沖の島では滅多に無いことですがこの日のように見ず知らずの釣り人同士でも全く干渉せずに自分自分の釣りができるので気が楽です。

三ノ瀬向きの釣り座でまずは2ヒロからスタートですが、前夜の予想外の冷え込みでバッカンの中は融けやすいようにと細かく刻んである赤アミの中で未だ融けていないボイル。困った・・・。今まで融けてようが融けてなかろうが現場で海水を入れるだけで使用可能のボイル単品ばかりだったからなあ・・・。
ミギマキとりあえずボイルの塊を水汲みバケツで融かして単品で撒きながら釣っていると3投目でウキに反応!
でも大した抵抗もせずにぬぼーっと黄色と黒の縞々が浮いてきます。ありゃ、いきなりえらいもん釣ってしまいましたわ(涙)

「双耳峰」ノコギリ。三ノ瀬島側のピークから
沖の島側の釣り座を望む。
それからはやはりと言うべきか、随分と長い間沈黙が続きました。
撒き餌も使えるようになったのでチャランボにバッカンを掛けて三ノ瀬島向きの頂上の、わずかに平らなスペースに立って点在するシモリを狙って釣っていましたが、8時頃だったでしょうかライントラブルが発生。バックラッシュです。北西向き竿二本ほどの位置の仕掛けもこれじゃ巻きも流しもできません。

全力で復旧活動に当たって回復!しかし何ででしょうね、こういう時ってやたらに魚掛かりませんか?この時も直ったばかりのラインが一気に伸びていきました。当然そのままやり取りに突入です。
スピード感のある力強い引き。ですがそんな特大ではないですし、2号のロッド、2.5号のハリスで受け止め動きを封じ、反撃に転じようとした瞬間ロッドが跳ね上がってしまいました。ま、水中で一瞬見えた魚体はやたらに青く輝いていたのできっとキツだったんでしょうけどね。

アマツバメ飛び交う三ノ瀬島。ゴロタ浜で
釣り場は多分ありません。
けど、答えはここにあるって事です。その北西向きをエサトリを気にせず重点的に狙うとスーッとウキが消え、ようやく口太33.5cmが我が手の中へ!ホッと一息。

そのうちほとんど動いていなかった潮がトンギリの右側方向に流れ始め、30cmクラスの口太が撒き餌を拾う姿がチラチラと見えるようになりました。しかしどうにもサシエの流れるタイミングが合わずに食ってきてくれません。そしていつしかその姿も消えてしまいました。

・4月10日(2) 白岩岬のコメツブ
結局ノコギリでは口太1枚のみ。沖の島向きの方も2〜3枚で腹時計が弁当の時間を告げる頃には気配すらも感じなくなってしまってました。
こうなれば磯替わり!いざトンギリへ!と思っていたら弁当船はそのトンギリにお客さんを降ろした後にノコギリへ(ガクッ)
渡船は一瞬三ノ瀬のスクモに向かおうとしましたが、船長がこれからの下げ潮のことを思い出して取り舵いっぱい!

コメツブ。写真では狭さがなかなか伝わりませんね。
対岸は白岩岬のハナ。
船長がここは面白いよ〜!と言って着けてくれたのは白岩岬のハナの北に浮かぶ横幅3mほど、縦は1mちょっとしかないその名も「コメツブ」という独立磯でした。ここには以前にも上がったことがあります。今度こそは釣るぞ!
磯付け直後に船長が「ハリス何号や〜!?」とマイクで聞いてきたので2.5号を手で示すと、「それでええ!」とにっこり。
ちなみに後で聞いた話だとこの船長さんは例の釣り団体が大嫌いなんだそうな(笑)

狭い上に前下がりの斜面なので道具(と言っても私の場合クーラーとロッドケースだけですが)はチャラン棒へ掛けるしかありませんが、こういう場所で楽するためにも沖の島ではクーラーに取り付ける紐は欠かせません。それにチャラン棒へ取り付けたり磯に打ち込むような竿受けも実に重宝しますね。

油断するとズルズルっと滑り落ちてしまうバッカンに気をつけながら撒き餌を打ってみるとトンゴロとキビナゴの群れが海を染めました。そしてウスバの群れも押し寄せてきました。

磯の横幅に合わせた長方形の棚が前方の海中に伸びています。その切れ目を狙ってG2のウキを投入。
大概はウスバとその下のオヤビッチャにアタリも無いままサシエを掠め取られてしまうのですが、タイミングが合ったその時、唸りを立てるように朱の一点が壁際に吸い込まれていきました。
どうにか竿を立てるも、為す術なく魚は去っていきました。が、回収すると針はしっかり付いてます(涙)

撒き続け、釣り続けるうちに海の中はえらいことになってきました。撒き餌に群がり乱舞するのは50や60cmは優にある魚ばかり。
多数派はウスバハギ、それにキツが次ぎ、アオブダイ、エメラルドグリーンのヒブダイの雄、赤ブダイ、掛けたらその時点で「ごめんなさいぃっ」となるようなサンノジ達の大宴会です。キビナゴを狙って鋭く突っ込んでくる数匹のアオヤガラもこれまで見たことのないようなサイズ。

キツ(イスズミ)アタリも出るには出るのですが捕れません。
と言ってもハリス切れはニザダイの系統なのか何なのか、見えていたけど正体の分からなかった魚に壁に突っ込まれた一回のみ。
その代わりオーナーの針はポロポロと魚の感触を消し去り、がまかつの針は何度も針先が曲がって帰ってきました。
取り込めたものといえばウスバにキツ、それにクマノミやらシテンヤッコやら・・・。肝心のグレがおりませんっ!

諦めかけた時、潮の流れが母島方向へと変わり、ようやく撒き餌を追うなかなかのグレの姿が!
でも遅すぎました。見え始めたのが迎えの渡船の5分前だなんて(TT)

・それでも嵐はやって来る!!
今回の泊まりは私の他に2組5人でした。船着場にバッカンとクーラーを置いてみんなで急な階段を登って宿へ。
「この島は(今のところ)猪に港で魚を食われる心配はないからいいですね」とか、みんなで話をしながらカッパを干したりしてたら、「自分って、釣りに行くたびに大時化になるという子やろ?」と私の正体を見抜いた方がおられました。
このサイトを覗いて釣行記を読んでくださっており、今回の出撃も知っていたそうなんです。
こういうことがあると嬉しいものですよね〜。これまで釣行記やサイトを続けてきてよかったなあと実感した瞬間でした。

窮屈な磯で疲れた体を風呂でほぐし、部屋でウトウトしていると食事の準備ができたとの声。
空腹を抱えて扉を開けるとテーブルを埋め尽くす料理。この日は金目鯛やアワビの刺身、タタキ、揚げ出し豆腐、ムツのアラ炊き、煮貝、ヌタ、炊き合わせ、素麺、揚げたての天ぷら(さつま揚げ)、トンゴロのから揚げetc・・・
噂には聞いていましたが、ここまで豪勢だとは想像もできませんでしたよ。満腹じゃ〜、というか食い過ぎですわ〜〜^^これで正月のディナーに冷えた冷凍サンマの塩焼きが出てくる宿と同じ料金だとは!(爆)

6時半には限界を迎えてすでに眠りに落ちていました。(前夜の片島の港では近くに停まった車のテレビかDVDの騒音が凄くてほとんど寝てなかったですし)  ・・・そして深夜。
ずずぅぅぅぅん!バリバリバリ!!何か物凄い轟音と地響きに叩き起こされました。な、何だ!?
状況が掴めずキョロキョロしていると次の瞬間、窓の外が真っ白。バリバリバリ!ドカ〜〜ン!!
そうです。近距離に雷が落ちているのです。何発も何発も。そして雨の音。昼間の穏やかな天気がここまで豹変していたなんて・・・。
雷は随分続いてようやく離れて行ったので再び眠りの中へ。しかし2時間ほど後にはまたも閃光と爆音。
しかも今度はガガガガガ!!と凄まじい雨が建物を叩きのめしています。突風も唸りを上げています。
雨脚は割と早くシトシトに変わりましたが、皆が朝食をとり着替えて宿を出るまで降り続きました。
この日は各地ともいい天気だったそうなのに、風雲児周辺だけ!?

・4月11日 ノコ廻り チョボ
宿毛から14人の当日組を乗せて渡船がやってきた時にはすっかり雨も止んで曇り空でした。今日も風は穏やか。南岸は少しだけ海面がざわついて実にいい感じです。

この日上がったチョボ(左側の磯)
ここの所どうも遠のいていたこの磯廻りでのアタリが復活しているのを期待しつつ、泊まりの6人はノコバエ・ノコ3番・チョボにそれぞれ上礁!
私が上がったチョボは前日のコメツブと正反対の後ろ下がりの磯。ま、面は平らですし極端に狭いこともないし上がった時の感覚は楽だったんですがこの磯はじわじわと足に来ますなあ(笑)

今日はコンディションバッチリのボイルと赤アミの撒き餌を入れてみるとタカベの群れ。
この磯、私は何となく過去の名礁と言うようなイメージを持ってしまっていたのですがタックルはやはり3号竿に5号通しを選択しました。
確かにアタリは極端に減るでしょうが間違って掛かった獲物は捕ります!!(過去の鵜来や室戸を振り返るとこれでも不安ですけど)掛かればね・・・。鵜来のヒラマサ以来もう3年半掛かってませんが(汗)

磯の両側のサラシが交差する正面に仕掛けを入れるとたちまちサラシが落ち着きます。
サラシを直接狙い打つと、たちまちサラシが巨大化して洗濯機になります。
迷いが多く、どうも一貫した攻めになりません。いつの間にかタカベの群れも姿を消し、キビナゴだらけになって時間だけがただ過ぎていきました。

燃えたのは潮目が近づいてきた時。ダイレクトに仕掛けを投入して、潮の導くままに沈み込ませていくと、スプールに添えた指を駆け抜ける待望の激信!
すぐさまベールを返し竿を立ててしがみつきます。魚は何度も底への突進を企てますが糸は1mmも出さずに隙を見てゴリ巻き!これには獲物も早々に観念して水面を割りました。サンノジ(ニザダイ)
これがグレだったら・・・(涙)

この潮目やサンノジと一緒にやって来たものがあります。
それは黒雲、そして雨。雨脚はごく弱いものの、またしても轟き始めた雷鳴。
そんな時、大小島の方向の空が眩い光に包まれました。
天と海面とをしっかりと結びつけるような太い光の柱。3秒後に押し寄せる轟音。距離にして約1km。
後ろには断崖が迫っているので雷はそちらに落ちるでしょうが、その電流はこちらにまで飛び火しそうです。とにかく磯の上と山の尾根での雷ほど怖いものはありません。
幸い雷雲は南に流れていき、雨も弁当を食べ終わって暫くすると完全に上がり、何事も無かったかのような快晴に覆われてしまいました。

しっかしとにかく何も釣れません。先ほどのサンノジ以外、エサトリも針にすら掛かっていません。
さすがに心が揺らぎました。ここは諦めてイサギでも食ってくる確率を上げてみるかと3号竿を片付け、竿2号、道糸3号、ハリス2.5号をセット。
ウキもG5に替えたり、4Bに替えたりヒントを求めて足掻いているとエサトリのタカベが戻ってきました。潮も左のサラシに向かって滑り込むようになっています。

一度目の撒き餌を先行させ、次の少な目の撒き餌と合わせるように流し込んでいくとウキが加速して滑り込むアタリ。
竿を立て魚の感触を確かめると沖の島サイズ(30〜40cm)の口太かはたまたイサギか!?ですが無情の針外れ。またかいっ!
同様にして二度目のアタリ。これも見事に竿を引っ手繰っていったのに、そのまま魚は掛かりもせずにさようなら。
本当にどうしてここまで外れるんでしょう。もう掛けても掛けても取れる気が全くしなくなってきました。

チョボのしんどい斜面とノコバエ。その向こうには大小島。
その沖に雷が落ちた時はどうしようかと・・・。
この頃になるとたまにですがタカベやキビナゴの下に何かでかい魚の存在を感じていました。ちょうどサラシが強かったので魚種までは確認できなかったのですが、思えばここで竿を持ち替えておくべきでした。

サラシの際でウキがぶっ飛ぶように突っ込みました。と同時に竿を、指先を駆け抜ける衝撃!
ベールを返し、リールシートを引きつけて体勢を整える僅かな動作の最中、魚の動きは止まっていました。
そしてリールのハンドルに指が掛かった瞬間、パワー全開で竿を引き絞っていきます。
「させるかっ!」そう思うが早いか、同時だったか、一瞬にして3号の道糸が飛びました。
道糸に傷でも入っていたとしか思えません。そんな切れ方。全ては自らのせいです。最初で最後のチャンスだったのに。

バラシの直後に潮が大小島方向に反転しました。するとこれまで何度沖の島・鵜来島を訪れても一度も目にする機会のなかった尾長の姿が見え始めました。
一度に見える数は2〜3匹ですし、サイズもビックリするほどは大きくありません。動きを見るとまさに神出鬼没。キビナゴの群がる撒き餌には反応せず、随分遅れてこぼれ落ちていくオキアミを場所を変えつつ拾っているようです。

さてこれにどうやってサシエを届けるかと首をひねっていた時、目の前を閃光が走りました。
またしても雷!?否、撒き餌に群がっているキビナゴの大群が一気に激しく動いたのです。
風のごとく身を翻して踊りかかる茶色っぽい魚!目にした瞬間「掛けても無理!」と、考える前に体が悟った2匹のカンパチ。そしてシマアジでしょうかトレバリーでしょうか、青く煌く体高の高い魚。

思わず立ちすくんだ饗宴は一瞬にして終わり、再び見えた尾長の姿に現実に引き戻されました。
潮はグングン速度を上げ、長い潮目が寄り添っています。しかし尾長どころか結局エサトリすらも針に掛からないままタイムアップ。

迎えの船では一同消沈です。この日のノコ廻りは上物も底物も揃って全滅と言う悲しい事態が発生してしまっていたのです。

・4月12日 大月町小才角 コンヤ
この日の定食。天然ブリ・ゴマサバの刺身、スマの
焼切り、ウツボのたたき、ウツボの塩焼き、ウツボの
あらとメンドリの鍋、ブリと筍の炊き合わせ。
一泊食事込み4000円!
口太1枚、ウスバとりあえず1枚が入ったクーラーを抱えて渡船を降り、車を大月町に向けました。
明日はカルロス・ガ〜ンさんが押さえてくれた小才角の一ヶハエ。ここの所好調で、本日も爆釣ということで全てを賭けます!
その明日のため、今回も大月町の宿、幡多郷を訪れて名物のウツボ料理の夕食に舌鼓を打ち、ゆっくり睡眠をとりました。
見かけによらず美味しくゼラチン質が堪らないウツボ。ここのご主人はウツボの話をすると止まりませんよ〜^^

さて一夜明けて小才角新港。人出も多く港は熱気に包まれています。
ここは磯予約制で、1グループ1磯が基本なんですが磯自体が大きく人気も実績も高い一ヶハエは別。
しかし磯付け前に船長に一声掛けられました。
「今日は一ヶハエには9人行くけど、コンヤが空いてるから行ってもいいですよ!」
ということで急遽一ヶハエの北に隣接する「コンヤ」に転進です。

ここはまさに三角形の磯。
磯自体はそんなに小さくないので道具を置くのにも困るというようなことはありませんが釣り座となる足場は狭く相当悪いです。
しかし叶崎方向の先端には低い平らな所があるので、そこまで壁伝いに這っていって釣り開始!

強烈な上り潮が一ヶハエとの水道、カゴバエとの水道を音を立てて沖のシモリを目指して複雑に絡み合いながら駆け抜けていきます。
私の特に苦手な本流釣り。3Bのウキにしっかりオモリを打って、あっという間に150mドンドン流し込んでいきますが全然反応がありません。
カゴバエの人が竿を曲げたけどサンノジ。一ヶハエのデベソの人が竿を曲げたけどダツ。先端の人が竿を曲げたけど根がかり。
おっと、私にも何か掛かってる・・・ってこっちも根がかりかいっ!
潮が引いて来ると根がかり連発。エサトリすらもまるで掛からず話になりません。

そんな中、一ヶハエとの水道の瀬頭の渦の中に仕掛けを入れてようやくヒット!
しかも3日間で初めてにして唯一の尾長グレ!これっ!(爆)→

打つ手も見つからないままに船がやってきてしまいました。
弁当船では普通「どうですか?釣れてますか?」って聞かれますよね。
この日は違いました。磯に着けるなり「釣れんでしょ!」って。
「どこもあかんねえ。こんな潮が流れたらお手上げです!」
どうやら爆釣をもたらした昨日までとの潮とは全く姿を変えてしまっている様子。これが上り潮・下り潮の釣り場の怖いところですね。

磯の頂上で弁当をゆっくり平らげ、他にやることも無いので釣り座に戻って再開。
流して根がかりもアホらしいので狙いを近距離に絞って潮の境やシモリをじっくり狙ってみることにしました。
すると期待もしてなかったアタリ!
嬉しいことにこの力、かなりいいサイズ!三度にわたる突進を竿の弾力で凌ぐと魚はゆっくりと浮上を始めました。よし!一気に反撃!
だが闘気は次の瞬間には心からの叫びに変わっていました。「また外れたっ!!!」
その後は再びエサトリすら掛かりませんでした。今日も撃沈。小才角という渡船区全てを巻き込んで。

足場の悪い磯ばかりに立ち続け、豆ができ、疲れきった両足。後部座席で氷が空しく音を立てるクーラー。
我が家までの400キロ近い道のりがいつもにも増していかに遠く遠く遠かったかは皆さんもお分かりのことでしょう。
叶崎から昇る朝日が照らすカゴバエと今回乗ったコンヤ(右) 珍しく本当に穏やかな日々だったんですけど・・・
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