今回は播但連絡道路、夜久野を経由し、由良川沿いを下って舞鶴へ。
海上自衛隊の艦船が舳先を連ねる舞鶴港から一つ山を越えた小橋(おばせ)までは3時間足らずの道中でした。
ここの海は思い出の地なのです。
1995年10月「全日本大学釣り選手権大会・磯釣りの部」(当時はがまかつの主催)が開催され、北海道から沖縄までの選りすぐりの釣りバカたちの荒削りながらも熱い戦いの舞台となったのが、ここ小橋と、隣接する三浜の磯。
この時初めて本格的な磯に上がった私にビギナーズラックはありませんでしたが、東大代表・現在はバンクーバー、今後はアメリカに赴任するmotomatsu君と定員2名の小さな磯で竿を出したラウンドがあったり、この時意気投合し、以来変わらぬ付き合いが今も続く、大阪出身の琉球大学代表・その後高知を気に入って移住してしまったakio君との出会いなど、何物にも代えがたい宝物が私のクーラーに納まったのです。
午前五時、そんな磯に向かって武内渡船は静かに港を離れました。
小橋と渡船区の重なる三浜では前日、舞鶴市内に店を構える平和卓也名人の店の大会が有り、24人中チヌを釣ったのが14人、最長寸は51.5cm、またグレは40.3〜45cm3枚に38cmまでをキーパーバッカン一杯釣ってこられた方があったとか!
そんな好調なこのエリアですが、釣行当日は月曜日であった上、三浜の渡船がドック入りということもあり船上にはわずか3名。
ジャンケンで勝った順に希望の磯へということで、2位抜けの私は三浜小橋エリアで最も沖(6月ごろ解禁の冠島除く)に位置する名礁「三角」を選択。
狙いはグレです!
三角は名前の通り直角三角形の磯。船着きはその垂直の壁。段差、高っ!
忍者以外は磯に飛び移ることなんてできません。
磯の頂点に両手を掛けて、ファイトォ〜!いっぱ〜つ!と叫びながら腕力でよじ登ります(笑)
で、上がってみたら足場、狭っ!
三角形の頂点を少しだけ削ったかのように平らな部分がありますが、クーラーとバッカンとロッドケースを置いたら身動きする余地がありません。
前はツルツルの急斜面、後ろは垂直に切れ落ちた崖。
バッカンを落とさないように注意して撒き餌を作り、ロッドケースから竿を取り出してガイドに糸を通した直後、ロッドケースが滑り落ちそうになりました。
反射的に押さえてセーフ!
ですが、その時、竿に通していた道糸が足に引っかかり、何と穂先がポッキリと・・・。
大ショック!一投もしないうちに、もとい、伸ばしもしないうちに竿が折れるとは(号泣)
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背後の沖1番、2番と、沖蔓島(おきかずらじま)。 |
泣いても仕方ないので気を取り直して、とにかく慎重に予備竿セットして改めてスタートです。
いつもの四国と違って全く勝手の分からぬ若狭湾ですが、磯釣りスペシャル09年5月号の平和さんの記事で予習はしてきています。
記事によれば「この時期の若狭湾は水温が低いのでサラシを避け、潮の当たってくる側の磯際を狙うべし」。
第一投は冠島向きの磯際です。
コッパグレでも竿1本以上は浮かないというイメージの日本海(舞鶴も含まれる若狭湾はそうでもないようですが)のこと、とりあえずウキ下は4ヒロからスタートしたところ、何といきなりアタリではありませんか!
グレというわけにはいかなかったけど、上がってきた20cm近いメバルを見て思わずニヤリ。
次のアタリは1時間後。今度は野原向きの磯際でスルスルとウキが消しこみました。
激しく首を振りながらの抵抗はチヌ?でも妙に横走りするな・・・
竿を船着き側に回してしまえば障害物は無いので、存分に楽しみながら浮かせてみるとストライプも鮮やかな32cmのサンバソウ。
これもまた旨さが嬉しい魚ですなあ♪
その後はフグとウミタナゴとオセンが一つずつ掛かった他は反応なし。
10時を回った頃からエサを取られる回数が徐々に多くなり、昼を過ぎた頃に待ちに待った明確なアタリ。
「きたっ!」今度の引きは明らかにグレです。
またゆっくり磯を半周させ、船着きでタモ入れ。とりあずの目標サイズ、30cmの口太ゲット!
平和さんの「勝負の時間帯は日中」との解説の通り、いよいよエンジンが掛かってきたようです。
それにしてもさっきからエサがよく無くなります。
そういえば「理想的なアタリは望み薄なので、こちらから掛け合せろ」と書いてあったなあ。
もしや、風波でウキがシモっていると思ってたやつ、あれアタリだったのか?
グレが居るという確信が持てたら強いですね。
それからは怪しいウキの動きはとことんアワセ!
ウキが波の下を潜り抜け、また一つ潜り抜け、また一つ・・・あっ、少し時間が長い! ビシッ!!
おっ、ウキがほんの少しだけ押さえられた! バシッ!
さすがに空振りも多いですが、こちらからドンドン掛け合わせていく釣り。
ほんの僅かな変化を見抜いて薙ぎ払った竿にビシッと重みの乗る瞬間、快感だぁ〜〜!
魚の姿は全く見えず、棚も3.5〜4ヒロと深いですがこれはまるでチヌの落とし込み釣り、いや、中泊の大三角や沖の島の東の鼻の尾長釣りじゃないか〜。
来月に中泊遠征を控えて、これは恰好のトレーニングです。
やや早くなった潮に乗せ、冠島向きの磯際を舐めるように流していくと27cmと32cmですが、尾長も出ました。
流れていくウキのスピードが一瞬鈍った所をアワセると口太。
グン!と竿に重みが乗りますが、魚はそのまま動かずついてきます。
1〜2mも引きずった所で釣られたことにフッと気付くのか、突然大慌てで暴れ始めます。
何というグレ釣り・・・。
刻一刻と迫る迎えの時間の中で、時計を気にしながら「いけっ、いけっ!」「あぁ〜〜」「よしっ!」「何でやっ!!」と狭い磯で一
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「沖グリ」の磯群と、磯蔓島。
関東で言う「○○根」、紀伊半島・四国で言う「○○ハエ」、
九州で言う「○○瀬」は若狭湾〜山陰では主に「○○グリ」となります。
14年前、motomastuさんと一緒に竿を出した磯、どれだったっけ・・・ |
人、声を上げながら熱くなっていました。
翌日の仕事のことを考えて迎えをお願いしていた2時半、後ろ髪を引かれながら名礁・三角から、はるか下の渡船のホースヘッドにダイブ。
迎えの時間、もう少し遅く言っておけばよかったなあ(笑)
本日のキープは五枚。
最大は32cmと残念・・・。というのも、向かいの磯では45cmが上がってたそうですから。
しかし今回は平和さんの記事に助けられてばっかり・・・ってことで、帰りにお店に寄って、本人に直接お礼を言ってきましたよ(笑)
この釣行に味を占め、従弟を誘って6日後の4月19日に再び小橋へ出かけてきたのですが、小規模ながらも大会と重なってしまったため13日に乗った三角を含む沖蔓島の周辺、いわゆる「沖グリ」周辺で空いていたのは定員1名の「4番」の一箇所のみ。
ここを小橋初挑戦の従弟に譲って私は磯蔓島周りの「ゲンズイ」という所へ上がりました。
沖グリとは少ししか離れてないのですが、グレにはまだまだ早すぎるということですので、仕方無しにチヌ狙い。
しかしこれが20cmオーバーのフグ以外は全然釣れないんですね。針とハリスばかりがドンドン無くなります。
朝の4時から夕方5時まで13時間やって、めぼしい釣果はミニガシラ1匹だけ。
チヌが寄ってきた気配すら全く無く、グレはやっぱり居ませんでした。
沖グリはグレもチヌもアジも、ほぼ全員ボーズ無しだったというのに・・・(涙)
● 舞鶴小橋 maizuru-obase |
利用渡船 |
武内渡船 |
出港地 |
京都府舞鶴市・小橋港 |
時間(当日) |
4:00〜17:00
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料金 |
3500円
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駐車場 |
無料 |
弁当 |
無し |
宿/仮眠所 |
無し |
システム |
他船と競争?? |
磯替わり |
送迎便に便乗 |
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*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
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