・またまた橘浦へ
夏季休暇をどうやって消化するか悩んでいる時にタマメさんから釣行のお誘いがあり、坂出から車に便乗させてもらって高知県橘浦へ、かかり釣りに行ってきました。
私はいつも通りにマダイメインの五目釣り、タマメさんはアジの泳がせ釣りで青物との真っ向勝負・・・の予定でしたが、9月初めの台風以来肝心のアジが全く釣れておらず、高知や愛媛の各釣具屋はもちろんのこと、船長の手でも入手は困難という直前情報にタマメさんはガックリ。
ところが、救いの神が港にいました。
準備をしていると、気さくに声をかけてきてくれた常連さんが、私たちのアジを買ってきてあげようか?と言ってくれたのです。なんでも、隣の安満地の漁師が船長に活きアジを売ってくれることになり、今から一緒に買いに行くとのこと。本当に嬉しい心遣いに深く感謝しながら、私たちはアジ10匹の購入をお願いしました。
それからしばらく、強烈な海の蚊・トウゴウヤブカの猛攻に悲鳴を上げながら待っていると、6時前に船長と常連さんが帰ってきたので2船横つなぎの状態で出船です。
今回のポイントとなった湾口附近に着くと、常連さんの船を小割り(養殖イケス)のロープに係留。そのすぐ近くに私たちの船も係留して、船長は港へ帰っていきました。
私は予定通り、いつものHX剣崎30号にラークカゴとテンビン、4号ハリス2ヒロのテンビンズボ釣りで海中の様子を探ります。タマメさんはもちろん活きアジを付けた1本針捨てオモリ仕掛けで青物狙いです。
竿先ばかりを見つめる沈黙の時間が1時間ほど続いた後、「掛けた」というタマメさんの声に振り向くと、隣の船の常連さんが大きく竿を曲げていました。そして海面に水しぶきが舞い上がり、ハマチ(メジロ)がタモの中に収められていきました。
そんなのを見てテンションの上がらない釣り師がいるでしょうか?特に泳がせ釣りをやっているタマメさんは、竿先を凝視する目にも気合がこもっています。
7時18分、私たちの船でも竿が曲がりましたが、タマメさんの竿ではなく私のオキアミに35cm程のマダイが食いついたのです。
その後、常連さんに再びハマチがヒット。
しかしながらハマチは声が届く距離にある私たちの船にまで回遊してくる気配は無く、タマメさんの活きアジは海底附近をのんびりと泳いでいるだけ。
私の方も本命からのアタリが途絶えています。そればかりではなく、激しさを増したエサ取りの攻撃が青物やマダイの姿が近くにないということを伝えてくるばかりです。
8時半ごろ、私は流れを変えるべく、コルトスナイパー1000Mに、柏島の海底から釣り上げ、警察から帰ってきたリール・06ツインパワーMg4000(オーバーホールや修理等々で意外と物入りでした。)、PE2号、1号オモリ、サルカン、ハリス4号矢引き、速攻グレX8号を接続した仕掛けにキビナゴを刺して、40m下の海底までゆっくりゆっくり落としてみることにしました。
随分と長い時間をかけて海底に到達したキビナゴを、竿の長さ分持ち上げては落とし、持ち上げては落とししていると、ロッドが突然大きく曲がりこんでいきました。
右に左に走り回る魚をいなし、周囲に張り巡らされたロープにかからないようコントロールし、竿を海中に突っ込んで船底をかわして無事に浮かせた魚は43cmのヒラソウダ。四国ではスマと呼ばれて珍重されている、新鮮ならば生食が可能な方のソウダガツオです(標準和名スマはモンズマやオボソと呼ばれている)。今回は日程の都合上、美味しい刺身と最高の味噌汁が楽しめそうなので、すぐにエラと内臓を除去してクーラーの中へ!
その直後、船をかけている小割りで餌やりが始まりました。持ち主が船に積んだクレーンで網を持ち上げ、そこからペレットを投入するのですが、網が持ち上がった時に私たちが船を係留しているロープも引っ張られ、フックが外れてしまったのです。
船には動力が付いていますが、私は船舶免許を敢えて更新せずに失効させていますので動かすことができずに困っていたところ、隣の常連さんが船長に電話をかけてくれ、船長のおやじさんを呼んでくださいました。この常連さんには今回お世話になりっぱなしで、心から感謝感謝です。
・移動後は入れ食いに
元いた場所のすぐ近くの小割りに係留しなおしてもらい、釣りを再開。
私は先ほどのヒラソウダをもう一度釣りたいと思い、キビナゴの落とし込みをしたかったけど、開始直後は潮が速く、魚じゃなく小割りが入れ食いになりそうだったので断念、オキアミと赤アミを詰めたテンビンズボの仕掛けにキビナゴを刺して投入するという手段を取りました。
海底40mにカゴを落とし、撒き餌を振り出したうえでハリス分+50cm上でアタリを待っていると、HX剣崎の穂先がガツンガツンと震え、ジワジワと曲がりこんでいきました。ラーク竿受けからロッドを外し、アワセを入れて巻きはじめると、魚のパワーが強烈でリールが空回りするではありませんか。その状態で10秒ほど格闘していると、ズルッという感じで魚が動いて巻けるようになり、あとはあまり抵抗を見せず、魚の感触はあるものの基本的に重たいだけで上層へ。首を傾げながらリールを巻き続けているとアカエイが浮上してきました。美味しい魚ではありますが、尾鰭の毒棘が危険で船上に上げられません。仕方なしに船べりでハリスをカットしてサヨウナラ。
それから20分ほどした9時38分、キビナゴ餌にまたアタリがありました。大きくはありませんがマダイともエイとも違う引き。何が上がってくるのかワクワクしながらリールのハンドルを回していると、鮮やかな横縞の魚が上がってきました!26cmですが紛れもないマハタです!私は思わず「やった!」と叫んでいました。この魚の刺身は最高なんですよね〜。
9時44分には34cmのマダイもキビナゴにヒット。10時1分にも同じようなサイズのマダイを追加。
テンビンズボ釣りでもキビナゴは凄い!当初は目を丸くするのみだったタマメさんも、竿をもう一本セッティングして、キビナゴを付けて投入し始めました。
すると、ここから二人交互に竿が曲がり始めました。
ジワッと竿がゆっくり曲がっていって、少しの間、底砂に潜ろうとグイグイ押さえつけるような引き。それでいて底を切れば重いだけの引き。そうです、二人とも腕が痛くなるほどのアカエイの入れ食いになってしまったのです。底を切って釣ったところで、アカエイが追いかけてくるのにはどうにもなりません。キビナゴを使わなければいいのですが、他の餌ではエサ取りくらいで、他の魚もほとんど掛ってこないし・・・。(特にペレットでは何も当たりませんでした。)
二人とも疲れ果て、休憩時間ばかりが増えていきました。タマメさんなんて甲板に寝っ転がり、高いびきをかきだす始末。
午後1時前、合計3本の青物を上げられた常連さんが、帰港途中に私たちの前を通りかかったので、私たちは船長に2時で上がると伝えてもらうようお願いしました。
ラスト一時間と決まったので、タマメさんも釣りを再開。すると、タマメさんのジギングロッド、開始以来沈黙を続けてきた活きアジの泳がせ釣りに初めてのアタリが!
横から見ているとかなりでかい魚がヒットしているようですが、タマメさんの表情にはガッカリ感が漂っています。それもそのはず、長い時間をかけてようやく浮上した魚はやはり、この日一番のアカエイの大物でしたから。
一方、私の方は1時13分に5枚目のマダイをオキアミでゲット。タマメさんとの違いは撒き餌の有り無しくらいだと思うんですけどねえ・・・。
その直後、私の竿に激震が走りました。剣崎30号がリールシート直前までひん曲がっています。これまでの魚とは桁違い、いや、この竿でこれまでに掛けた全ての魚とはまるで違う魚がヒットし、40mの海底付近を右に左に暴走しているのです。
「折れる!折れる!」私はそう叫びながら何とか竿にしがみついているだけでした。否応なしにPE4号を引き出されていくデジタナ小船のドラグが竿を辛うじて守っています。
船の周りには右も左も前も後もロープだらけ。こんな状態で勝負になるはずもなく、数分後には竿が跳ね上がってしまいました。しかも、回収中にロープに掛かって糸を切るのが大ごとでした。って、バラシの原因はハリ外れだったのか!?
何にせよ、30号の竿と4号のハリスで対処できるはずもない、とんでもない魚でした。船長は大月町西海岸一帯で年に何本も仕留められているマグロではないか?と言ってましたが、どうなんでしょう?
この一方的なやり取りを見ていたタマメさんは、すぐに携帯を手に取って船長に電話していました。迎えを2時でお願いしていたが、3時まで待ってほしいと。
されどその後は私にマダイが一枚ヒットしただけで、あとはひたすらアカエイばかりで終了。私の釣果は33〜38cmのマダイ6枚、マハタ、ヒラソウダと大量のアカエイでした。一方のタマメさんは大量のアカエイのみというまさかの大不振でしたが、第2ラウンドできっと持ち直すはずです。
・第2ラウンドは波止で夜釣り
橘浦での船釣りの後は、車の中で仮眠を取り、タマメさん達が20日ほど前にシブダイを爆釣したという波止へ移動。イワシのミンチと昼の残りのオキアミをマシンガンキャストして、大ぶりなキビナゴを刺した夜のフカセ釣りでシブダイを仕留めようという算段でした。
しかしこの日は潮色が悪く、エサ取りのアタリすらほとんどありません。そうなってくると仮眠をしたとはいえ強烈な眠気の攻撃にさらされるのは道理で、私の眼には電気ウキの灯りがいくつにも見えるようになってしまいました。
釣れないからこそ心置きなく眠れます。私は波止の上で大の字になって目を閉じました。そしてしばらくウトウトとしていましたが、本格的な眠りに入ることはできませんでした。手足に走るザワザワとした感触とチクッとした痛みですぐに起こされてしまうのです。この夜は普段釣り餌としてしか見ていない生き物・フナムシにたっぷり齧られました。私が反対に餌にされてしまったのです。
それでも多少は体力が回復しましたので釣り座に戻りますが、相変わらずエサ取りがポツリポツリの状況でした。効果絶大なキビナゴも、魚がいなければ力の発揮のしようがありませんわな。
かくして、夜明けまでやる予定が11時過ぎには断念。途中、あちらこちらのパーキングに車を停めて熟睡しながら翌日の昼前に坂出到着。タマメさん行きつけの店の美味しいうどんを味わってから、自分の車に乗り換えて兵庫へ帰還しました。
今回はタマメさんに便乗する形でなければ実現しなかった釣りだというのに、タマメさんはいい所無し。物凄く申し訳ないような気持ちですが、次回はきっと私の方が一方的にやられっぱなしの一日になるような予感がします。
もっとも、二人そろっていい釣りになれば最高なんですが。
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私の夜釣りは、ナミマツカサ2匹と
ゴマヒレキントキ1匹で終了。
どちらもデカかったけど・・・。 |
利用業者 |
橘屋 |
時間(目安) |
5:00〜16:00(5月〜9月)
6:00〜16:00(10月〜4月)
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料金 |
1隻(4人まで)12000円 |
駐車場 |
無料 |
宿/仮眠所 |
無し |
*データは釣行日のものです。 間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、 必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
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