・魚神会の大会に便乗
今年のゴールデンウィークは仕事以外はひたすら休養。釣りに行ったのは最終日の6日だけでした。
その6日の釣り場は岡山県牛窓からの小豆島。1月の伊田釣行でご一緒したツリキチオーさんのご厚意で、牛窓のまこと渡船の2隻を借り切って開催される「魚神会」のチヌ釣り大会に便乗させていただけることになり、大会とは無関係の一般客扱いで磯マダイに挑戦できるのです
乗船者多数なのでファミマ裏の岸壁に集合。くじの番号の大きいものから順に荷物を積み込んでいきます。大会組が全員降りた後にマダイの可能性のある磯に降ろしてもらうことになっている私の荷物は当然ながら一番奥。
私が乗ったまこと渡船(小さい方)は午前5時に出航。本来の乗り場で3名の便乗者を拾って黄島のワレに降ろした後、スピードを上げて小豆島北西部に向かいました。
・まさかの超1級磯
渡船は20分ほどで最初の島・千振島に到着。
まあ島の周囲に点在する一級磯なんて、暗いうちに出航する他の業者が確保して・・・いない!?
他の業者は大部か金ヶ崎方面に行ったのか、千振周辺の磯はガラ空きです。しかも最後のはずの私の名前が呼ばれているではありませんか!それも「ダンプ」の前で!!
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荷台を上げたダンプカーのように見える「ダンプ」。※前回の画像。 |
昨年いい思いをしたこのダンプは、チヌもいけるけどマダイがメインの超1級磯。まさかこんな磯が空いていて、この時期に独占することができるなんて!船長も「どこに降ろすかはみんなを降ろした後にゆっくり考えようと思っていたけど、考える必要もなかった。」とのことです。
私は大急ぎで道具を掘り返して渡礁。嬉しさと名礁ゆえのプレッシャーが込み上げる中、大急ぎで撒き餌の水分を調整し、それをダンプカーの形をした磯の運転席にあたる場所から打ち込みながら道具をセットします。
70cmクラスもよく出る場所なのでロッドは1.85号相当のゼロサムX4タイプV、道糸もハリスも2.5号、ハリはお気に入りの閂マダイ7号。ウキはとりあえずG2で様子を見るとしましょうか。
・本命潮!
干潮で止まっていた潮が動き出したのは開始40〜50分後。左から右へ、磯と平行に流れるようになった潮が徐々にスピードを上げていきます。
そして7時ごろには右前へ右前へと角度を変え始めました。さあここからが磯の本命の潮。撒き餌を固め打ちしてドンドン流し込んでいきましょう!
しかし、流しているうちに仕掛けが合っていないような気がしてきたので、ウキをG5、ジンタン5号の2段打ちに変更。ウキ止め無しではしっくりこないので2投目からはハリス直結部の半ピロ上、2ヒロ半の位置にウキ止めをセットして投入。道糸に若干の余裕を持たせながら送り出していきました。
すると50mほど沖で竿先にコツコツというアタリ!少し送り込むとグイーン!と乗ってきたのでアワセを入れてファイト開始。おっ、この首の振り方は本命だ!!
竿の特性もあって沖でのやり取りは余裕。あんまり大きくはないのかなと思って寄せてくると、竿2本ほど前のシモリの付近で激しい反撃を仕掛けられました。とはいえグレやイスズミのようなパワーはありませんから、竿尻を腰に当てて短時間で制圧。浮かび上がってきたところをタモに収めてフィニッシュです。
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チダイみたいになってしまったマダイ、46cm。 |
瀬戸内の天然マダイ、いやあ、美しいですなあ。メジャーを当ててみると46cm。自己記録タイではありませんか。
嬉しいけどさっさと処理して釣り座に戻りましょう。名礁で迎えた最高の時間。ほら、さらに素晴らしい、いかにも食ってきそうな潮が流れ出したではありませんか。ここは手を緩めずに記録更新といきましょう!
・宿題
しかし期待とは裏腹に本命魚を追加できずに潮が緩み、あっという間に反転。前方数か所からやってくる当て潮が低場の角で収束して死角となる荷台に流れ込んで千振本島の方に抜けていく速い潮に変わってしまいました。
運転席の上からその潮を狙っていると、流れが収束する角で沈み込んでいったウキが潮とは違う力で消えていくのが見えました。
すかさずアワセるとそれはチヌらしき感触を残して手近な壁のガラ藻の中へ一直線!しかしながら運転席から荷台の乗った低場を隔ててのやり取りですので現状では止めることすら不可能です。
私はラインを緩めて低場に移り、再びラインを巻き取って反撃を試みますが時すでに遅し。最早二進も三進もいかない状態でした。
このしばらく後にまこと渡船がやってきて「下げ潮だし、磯替わりしますか?」と声をかけてくれたけど、ここの下げ潮の攻略は前回からの宿題でもあったので続行を宣言。
でもやっぱり分からない。ダンプの下げ潮の攻め方、特に裏側のシモリに囲まれた浅いエリアに3方向から流れ込んで、いずれも海面スレスレのシモリを越えて2方向へ流れ去っていく本流の攻略法が。
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この磯の名物?メナダ。 |
ここで釣れたのはでっかいメナダ1枚のみでした。
分からないと言えばここの潮。本流がほんの一瞬のうちに正反対の方向に流れ出し、波を蹴立てながらビックリするほどの速さで流れた時もありました。一見、運転席から右斜め前に流れる本命潮が復活したように見えますが、そのあまりの速さと、磯のすぐ近くに群がって潮筋の中を忙しく行き来する無数のプレジャーボートのスクリューに阻まれて攻めきれないまま10分足らずで再び反転、本来の下げの本流に戻ってしまいました。
それからは荷台の裏側に腰を据えて、千振本島向きに走っていく本流を攻めていました。
ただここも、油断すればすぐにシモリの上に流れて引っかかってしまうし、上手く流しても沖で待ち構える水面直下のシモリ群を越えていくことになり、魚は掛けたものの、それらのシモリに阻まれて仕掛けのロストと引き換えに魚が掛かったという感触だけを味わう釣りに終始。
やはり分かりませんでした。状況を打開できないまま14時で終了。人と荷物が満載の渡船に乗り込んで牛窓へと退却です。
・ことごとくアウト
この日はムラも多かったけど、年無しのチヌも数多く上がっていました。ただマダイに関しては黄島のワレが一番でした。まあ小豆島に渡った魚神会の方は当然チヌだけを狙っていたというのもあるのですが、牛窓諸島もいいですね〜。
で、4日後の日曜日に再挑戦・・・と思ったらその日はG杯で全船貸切。ベストな潮回りだった次のチャンスは季節外れの台風でアウト。仕事のピークとも重なって、2週間後の5月20日まで動けませんでした。
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道具満載のまこと渡船。
船長、魚神会の皆様、ありがとうございました。 |
運転席からの荷台と千振本島。一のソワイ、中のソワイも見えます。 |
・ようやく再挑戦!
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大部大島の東の先端で釣る私。今日もマダイ狙い。 |
5月20日はツリキチオーさんとの釣行になりました。
本日のまこと渡船の行先は小豆島北面中央部にある大部(おおべ)周辺。前日にテレビのロケが2件あり、どちらもチヌの大釣りで大成功だったとのことですから、皆さんワクワクしておられます。
まずは弁天島本島に2人、大部大島の中に1人降り、マダイ場希望の私とツリキチオーさんは大部大島の東に渡礁。雑誌「レジャーフィッシング」編集部の方は大部小島に向かいました。
・大部大島の東
大部大島の東は「いかにも」というような本流が走るけど、落差の大きなかけ上がりなので足元から仕掛けを入れていくのは困難なので、船長のアドバイスに従ってウキ下竿3本の仕掛けを沖に投入。
しかし序盤の潮はほとんど動いておらず、前々夜の大雨のせいか辺り一面ゴミまみれ。思うように流していけないし、回収時には松の枯れ枝とラインが複雑に絡み合って上がってきたり、ウキ止めとウキとハリが3つのアマモの玉になって上がってきたりと全く釣りになりません。ごく稀に魚が掛ってもハリを飲み込んだホシササノハベラといった状況です。
苦戦しているうちに潮が効きはじめたので、150mの道糸が無くなるまで流し込んでいきますが反応なし。9時過ぎにはその潮も無くなって諦めムードになっておりました。
・時合到来
干潮潮止まりが近づいた10時過ぎには左から右へゆっくりと流れる潮に変わっていました。撒き餌にはメナダの群れ。
撒き餌を固め打ちしてしばらく流していると潮に引かれてジワジワ沈みつつあった2Bのウキがスピードを上げて消えていきました。ウキが見えなくなってから一呼吸おいてアワセを入れると曲がり込んだ竿がゆっくりと重々しく叩かれています。とはいえその竿はマダイのビッグワンを想定したいつもの1.85号相当ですから、鈍重な魚を容易く引き寄せてきます。
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乗っ込み最終盤、45cmのチヌが釣れました。 |
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続いてツリキチオーさんもチヌをゲット! |
その魚はやがて日本晴れを写し込んだ水中で、紫がかった銀色の光をギラリ!と放ちました。マダイではありませんが立派なチヌではありませんか!最後に釣り座のすぐ左のシモリに突入するのをねじ伏せてタモに収めた裏本命は45cm。撃沈の危機を切り抜けてホッと一息です。
このチヌは西京味噌にでも漬けてみようかと思いながら血抜きをしていると、左側の釣り座のツリキチオーさんのイングラムNAGISAが弧を描いているではありませんか!私の足元に居るのより少しばかり小ぶりですが見事にチヌをゲット。私のと違って仕掛けが馴染む前に食ってきたそうです。
チャンス到来!宙でも底でも食ってくるということは相当湧いてきているのかも!と手返しにも気合が入る二人でしたが、時合はこの一瞬だけだったのか後が続きませんでした。
・真の本命
実はこの日のツリキチオーさんにはもう一つの本命魚がいたのです。
その魚は私達の地元ではメバルに次ぐスーパースターであり、チヌなど到底足元にも及ばないほどの絶大な人気を誇る魚。それが回遊してきたことを告げると、ツリキチオーさんは喜び勇んで私の右に移動してきて、極めて浅いウキ下で狙い始めました。
その魚の名はサヨリ。それも30cmを超えるサイズですから刺身でよし、天ぷらでよしだし、塩焼きでもムニエルでも最高でしょうなあ。
ただ、この日は見えているサヨリでさえも厳しかったようで、近距離にまで寄ってこなかったせいもあって8本止まり。悔しがったツリキチオーさんは牛窓港の近くの波止で第2ラウンドを戦うことになります。
・皮肉なことに
私の方は相変わらずのマダイ狙い・・・と言いたいところですが、そんなのが狙えるような潮ではありませんので、チヌに照準を合わせて釣っておりました。
当て潮で根掛かり連発なのでウキ下を詰め、仕掛けを軽くしてマキエワークでメナダを躱しながら釣っていきますが、サシエが残らないことが多くなってきました。
掛ってくる魚はでっかいヒガンフグやらホシササノハベラやらキュウセンやら。ハリの消耗が激しいですなあ。
残り時間は実質5分となった時に、磯際近くを漂っていた私のウキがスパッと消し込んでいきました。
上がってきた魚は桜色。皮肉なことにチヌではなくマダイが釣れてしまったのです。19cmですが標準和名はマダイ^^
・タイムアップ
本日はチヌ1枚、マダイ?1枚でゲームセット。他のお客さんもチヌの顔を見ることはできたようですが、期待した爆釣には程遠い状況でした。
今日釣れるはずだったチヌは、名手の南さんや久保野さん、石村さんや釣りガールみさきさん(世間には釣りガールというのがいるらしいけど、この人の芸名でしか見たことが無いぞ・・・)、さらには常連のM社長によって昨日のうちに釣られてしまっていたということですな。
さて、次に手がすくのは梅雨時、もしかすると真夏かな。
ここ小豆島の灼熱のマダイか四国のグレか・・・。どちらにしろ体力次第だなあ。
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最後の最後に釣れたマダイ。
水汲みバケツは広いな、大きいな〜♪ |
● 小 豆 島 shodoshima |
利用渡船 |
まこと渡船 |
出港地 |
岡山県瀬戸内市・牛窓港 |
時間(当日) |
5:00〜13:00
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料金 |
4000円
(牛窓諸島は3000円)
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駐車場 |
無料 |
弁当 |
無し |
宿/仮眠所 |
無し |
システム |
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磯替わり |
有ったり無かったり |
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*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
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