・嫌われ続けていた牛窓へ
昨年秋以降、計画するたびに必ず天候、仕事、渡船のドック入り、他のお客さんの動向などに阻まれ続けてきた牛窓・まこと渡船への釣行が、素晴らしい潮回りのこの日にようやく実現しました。それも渡船のブログに「よく釣れていました。今釣らなきゃいつ釣るの!!」「赤の比率が上がってきました。」という言葉と画像が踊っている時期に。
ところが最近、全盛期の力を取り戻したかのような時化男・風雲児。その通る道は雨の中、港は雨上がりの風の中。道中の風速計で東よりの風8m、沖はうねりが酷いだろうということで、時期が時期なら船長は趣味のカレー屋巡りに出かけてしまっても不思議ではない状況でありました。
でも、そんな平日でもまずまずの人出で常連のM社長とも久々に再会できました。久々といえばまこと船長、昨年夏とは雰囲気が結構変わっていたのでしばらく気付かなかった・・・(汗)
さて、5時になったので出発です。この日は大会が入っていたので、先ほど自販機で5kg200円の氷を買ってきた漁協近くの岸壁に立ち寄って、大会組をピックアップしてから沖へ向かいました。
その大会組もM社長も小豆島を目指すとのことでしたが、マダイが目的である私は牛窓沖を選択。前島中央部の一本松に続いて船が着けられた「小崎」というポイントに渡礁することになりました。
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数年前に撮影していた小崎。この時は禿山だった
前島の山火事跡には緑が戻りつつあります。 |
・早潮の小崎
小崎は足場の悪い独立磯(ただし裏側は平ら)で、昨年上がったボート岩とは小さな岬を挟んで背中合わせです。
う石、小崎、ボート岩、西の石切り・・・。今、マダイの確率が一番高く、獲れないようなアタリもあるという一帯からこの小崎が選ばれたのは、ここがワンドの端に位置しているので強風が随分と軽減され、しかも追い風になって釣りやすいのが一番の理由でした。
獲れないアタリ、獲ってみせよう!と、私はいつもの通り1.85号相当の竿を選び、道糸2.5号、ハリス2号の道具立てで挑むことにしました。
潮は上げ潮。ワンドから出ていく引かれ潮が足元をかすめて沖の本流目掛けてガンガン走っていくワクワクせずにはいられない光景が目の前にありました。
その引かれ潮が岬を回っていった序盤はちょっとだけ、南に流れ始めてからは遥か沖まで流していきましたが釣れたのはガシラ2つにフグ1つ。マダイもチヌも音沙汰なし。渡船の中でM社長がくれた「早い潮の中ではまだ食わず、潮止まりで潮が淀んだような時に当たることが多いらしい。」というアドバイスを信じて風に佇むしかないのかな。
・潮緩む
開始1時間半ほどで潮が緩み、何十メートルか先を流れるウキ下3ヒロほどのBのウキに道糸を供給するための竿の往復運動もゆっくりになりつつありました。
その送り出されていく道糸が不意に張り詰めたのはまもなく8時になろうかという頃のこと。31cmの割りにはいい引きの、今年初めてのチヌが上がってきました。
釣れたチヌのハリを外している間にも潮はスピードを落としていきます。
すっかり流れなくなったウキが10mほど潮下でスルスルと沈んでいって、同寸31cmのチヌを追加したのは、最初のヒットから10分も経たない8時丁度のことでした。
止まっていた時間が動き出したのか!?
ところが2枚目のヒットの後は潮はかなり不安定になり、投入位置が少し変わるだけで右に流れるか左に流れるか変ってきたりするのでなかなか狙いを定められず、後が続きません。
不安定だった潮がワンドに入ってくる流れに定るまでに1時間ほどかかりました。そして時合到来!9時丁度に3ヒロ半取ってやや沖に投じていたウキが沈んで3枚目のチヌを手にすると、9時17分、9時41分、9時52分と慌ただしくヒットが続きました。サイズは似たり寄ったりですが、17分のやつは34cmとほんの少しだけ大物でした。
・本流とともに
西向きに替わった潮がスピードを上げてきました。
黄島向きの15m沖には湧昇流の鏡が広がり、ワンドの西側の「う石」の方へと続いています。その両脇にはヨレが続き、手前のヨレにウキを投じると、一旦引き込まれてからワンドの中に駆け込んできます。
10時40分、手前のヨレの更に手前、ほぼ磯際といってもいい場所で仕掛けをビタ止めして7枚目をヒットさせた後は風も緩んできたので本流狙いに専念。沖側のヨレにウキを入れ、道糸が鏡に取られないように竿を高く掲げて西へ西へとドンドン流し込んでいきました。
ブシュ!!
辺りに響いたその音は、本流の中から突如浮上した滑らかな大きな物が潮を勢いよく吹き上げる音でした。ありゃま・・・。朝一番の東向きの本流の中でも見かけていたスナメリが、西向きの本流の中をまたうろついているではありませんか。
秋の沼島で触れた海鳥ウミスズメに続き、スナメリなんていう希少動物(まあ西播磨〜備前では割とよく見かけるけど)を間近に見られる「磯釣り師ならではの贅沢」ではあるんですけどね、これでは魚は食いませんわな。
というわけでダメ元でやっていた本流釣り、思った通りダメでした。
・ラストチャンス
本流を攻めている間もずっと、ワンド側にもせっせと投入し続けていたマキエ。これが効果を発揮したのは残り時間が実質1時間ほどになった頃でした。
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小崎の沖向き。向かいは黄島。 |
ワンド側の15〜20m沖でウキが沈み、久々のチヌが上がってきたのは12時20分ごろ。その頃にはもうくっきりと視認できるような流れは無くなり、9時台と同様のワンドの中に入ってくる穏やかな潮だけが残っていました。
チャンス再び!さあ、来るぞ、来るぞ・・・来たっ!!
ウキが先ほどとほぼ同じところでスルスルと沈んでいきます。充分待ってからアワセを入れると、グリグリと頭を振る感触が伝わってきます。サイズはやはり30cmそこそこか・・・。と思っていたらなんとハリ外れ。
すぐに撒き餌を打って同じところを流していくと12時50分、13時、13時3分とヒットが続き、そのうち一枚は37cmとこの日の最長寸となりました。
この調子だといくらでも釣れてしまいそうですがそろそろタイムリミットです。13時15分、これがラストと決めた一投でチヌを仕留めて道具を片付け、バッカンをちょうど洗い終わった時にやって来た渡船に乗り込み、船首で心地よい風を浴びながら港に戻りました。
私の釣果は30〜37cmというこの時期の牛窓のレギュラーサイズのチヌを12枚で、おかず分だけ持ち帰り。
チヌは小豆島でもよかったようで一人10〜20枚は釣れていたそうですし、牛窓よりも随分と型がいいですね。寒霞渓(かんかけい)からの吹き下ろしの強風で釣りができる場所が限られていたといっても。
そういえば私の本命は赤いのでしたね。
まあ赤い魚は釣れたけど、マダイじゃなくてガシラですから話になりません。それも大きいけど腹ボテのもの、ウッカリカサゴならぬいわゆる“ガッカリカサゴ”ですからねえ。(腹がでかいだけで身は痩せているし、卵胎生だから子も食べられないし・・・)
結局この日のマダイは小さいのがチラホラ出た程度で、大きいのは誰も釣っていませんでした。マダイは神出鬼没だと船長は言うけれど、私が行ったのが原因なのかも(汗)。
その後マダイは連日のようにまこと渡船のHPを飾っています。今年は当たり年ではないかという話も聞こえてきます。
これは釣行記を書く気にもなれなかった一年最大の繁忙期と、疲れてダウンしていたゴールデンウイークが終わったらぜひともリベンジに行かなけば!とは思いますが、あ〜あ、釣行のチャンスはまた荒天の予報かあ・・・。
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今回の釣果。30〜37cm12枚。(1枚写真撮り忘れ)。縮尺はバラバラだし、レイアウトは雑だし・・・(汗) |
● 牛 窓 uhimado |
利用渡船 |
まこと渡船 |
出港地 |
岡山県瀬戸内市・牛窓港 |
時間(当日) |
5:00〜13:40
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料金 |
牛 窓:3000円
小豆島:4000円
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駐車場 |
無料 |
弁当 |
無し |
宿/仮眠所 |
無し |
システム |
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磯替わり |
有ったり無かったり |
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*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
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