風雲児  烈風伝
       ・これで秋磯本番?? 天邪鬼は不発を招く?

2017年11月5〜6日 高知県下川口、小才角
・小才角にはフラれるも
 「日曜日はもう空いている磯がありません。」
 そりゃ代休取って行くことを決めたのが3日前だったので仕方ないけど、フラれ続けて丸2年、小才角は今回もダメでした。まあ現時点では初日がダメという話で、2日目の月曜日は充分空いてますということです。ただし南東の風の予報なのでどうなるかは知れたものじゃありません。

 とりあえず初日の釣り場を予約済みの宿の周辺で探していると、どうも下川口が面白そう。数は出ていない・・・というより元々数が出る所ではないけど、40cmクラスの口太グレがここ数日連発しているではありませんか。松っちゃん船長に電話してみると「明日はお客さんおらんよ。」とのことですし、そりゃ行きますよね!

 土曜日、仮設遊具などを設置して自由な遊びを子どもたちに提供している揖保川河川敷での力仕事や、学生ボランティアたちの研修の手伝いなどを終わらせてからろくに休みもせずに瀬戸大橋を越え、下川口港にやってきました。
 バッカンやクーラーを車外に追い出してシートを倒し、寝袋の中でウトウトしていたら車が風で揺れる揺れる。でもこれはここの釣り場では吹かなきゃ困る北寄りの風なので、特に気にせず目を閉じました。

・下川口のオオバエに挑戦
 3時間ほどしてから外に出ると風はすっかり止んでいました。しかし寒い!昼間は暑くなる予想なので余計な服を着込むわけにはいかないけど、せめてカイロでも貼らんとどうにもなりません。出港しようとしていた船釣りの人たちに「寒いですね」と声を掛けたら「こればぁで寒い言うてどうする!磯釣りはこれからやろ!」と叱られてしまいましたが^^
 そうこうしているうちに松っちゃん船長がスクーターで登場し、6時過ぎに出港しました。

 オオバエからの日の出。


 オオバエの
ポイント図。

(まつした渡船
公式ホーム
ページより)
 それにしても3連休の好天に本当に貸し切りとは・・・。船長もビックリの状況ですが、こうなってくると上がる磯を決めるのに一苦労です。
 最近釣れているのは港近くのカゴバエやコカゴ、ラクダにシマノハエなど。沖の方の磯はうねりでほとんど使えておらず、上がれた時も30cmくらいのグレがパラパラ程度とのことですが、折角のチャンスですから一番沖にあるオオバエで冒険させてもらいました。

 渡礁時は潮が高く、少しうねりもあって、船着き周辺など港側の低いところの多くが洗われています。「道具は高い所に上げてよ!何かあったり東風が吹き出して釣り難くなったりしたらすぐ電話して!」と念押しして去っていく「まつした渡船」のずっと右の海面から、太陽がゆっくりと顔を覗かせました。

・魚は見えても
 ワンドはサラシがきつすぎて釣りにならないし、そもそも波で入れないので最初は北(右図下端)の船着きからの竿出しとなりました。
 今回はまずマキエから。今年の下川口はエサトリが少なく、なんにも見えないことも多いということなのでのんびり構えていたらいきなり30〜40cmくらいの魚影が見えるではありませんか!小さなサラシもあり、海面は激しく振り回されているので魚種は分からないけどすぐにロッドを引っ張り出し、00のウキをそっと送り込んでみました。
 すると1投目からサラシの先でコッパ尾長がヒット。さらに2投目をサラシの外の磯際に入れ込んでみるとウキがズバッ!と突き刺さり、あれよあれよという間にハリス切れ。

 しばらくやっていると近距離はキバンドウとキツの群れ、沖はコッパグレという配置が明らかになってきました。しかし2投目のバラシ以来仕掛けを換えても攻め方を変えてもサシエへの反応はほとんどありません。ミニコッパグレがいくつか食ってきただけで25cmを超えるようなグレは姿も見せず、足元にいくらでも見えているキバンドウとキツはサシエに興味を示すこともありません。潮が引いて解禁されたワンドの大サラシの切れ目に狙いを変えてもキタマクラか何かに2度チモトを噛み切られていた以外には何の反応もありません。

・本流駆ける!
 9時ごろになると地寄り水道に一筋の潮目ができました。それは下川口港の方に向かってガンガン流れていく本流の存在を示すものでした。
 遠投すれば船着きからでもダイレクトに攻められる本流。こんなものを逃す手はありませんから、帯状のマキエをまとわせたウキと道糸をドンドン流し込んでいきました。ところが道糸がリールから一気に弾け飛ぶことも、ロッドが豪快に捻じ曲げられることもありませんでした。

 おかしい、潮の中には魚は居ないのか・・・。
 仕方がないので船着きからの本流狙いを中断し、ワンドの出口のサラシの切れ目狙いに戻っても、マキエだけを追いかける40cmくらいのキツの群れが駆け回るだけ。まあグレとは違って、ある程度のサイズを超えたキツの群れは、いくら見えていてもサシエを食うことなんてめったにないからなあ。寒のノトイスズミでもなきゃ食ってきても嬉しくはないけど・・・。
 しかし次の瞬間、ウキがとてつもない勢いでサラシの中に消えていきました。竿は一気に根元からひん曲がり、ドラグは悲鳴を上げながら道糸を吐き出し続けています。底へ底へと突っ走っていく魚もドラグも止まらない!
 こんなファイトが長続きするはずもなく、道糸は間もなく叩き切られてしまいました。磯際をウロウロしていた特大のナガブダイが食ったのか、それともハマフエフキでも食い付いたのか。いずれにせよ1.85号の竿で取れるような魚ではありませんでした。運悪く巨大化したサラシに押し流されていくウキもウキ取りネットで回収できるようなものではありませんでした。

・浮きグレ発見
 仕掛けを失ったのを機に一休み。少し前に届いた弁当を取ってきて食べながら海を観察していました。すると水道の潮目の中をゆっくりと移動している青白い魚の群れを発見。おお、あれは浮きグレだ。密度はそれほど高くないけど間違いなく浮きグレだ。




 潮目の中を漂う浮きグレと、ようやく
手にした39cm。
 浮きグレだけにサイズはいいけど
痩せていて、味も素っ気もありません
でした。大量に釣れたりしなくてよかった
かも。
 浮きグレにはこれまで何度も遭遇したけど釣れたのは一度きり。日振島の早磯1番の潮流を埋め尽くして漂っていた20cm前後のグレの大群が食って食って食いまくった時以来15年間、1枚もハリに掛けたことはありません。
 それでも今はこれを狙う以外にやることもないので、0号のウキの下にストッパーを入れ、その下に小さなアタリウキを付けて、半ピロのハリスと4号くらいのオキアミカラーのハリ、そしてマキエから取ったオキアミ生を小さくちぎったものを潮目の下流に入れて、水面を漂っている小群の中にそっと送り込んでいきました。

 興奮を押さえつつアタリウキを目で追いますが、ウキにもグレにも反応は出てくれませんでした。次から次へと漂ってくる小群のすべてで。

 やはり浮きグレは食わないのか・・・。他のポイントで何らかの魚が釣れているのなら浮きグレ狙いなんてすぐに諦めてしまっていたでしょう。しかし今回はそうではなかったからこそ、11時40分過ぎの奇跡、アタリウキが一瞬横に動いたのを目にすることができたのです。
 半信半疑でアワセを入れると竿にしっかりした重みが乗ってきました。半分くらいまで引き寄せるまで全然引かなかったので不安だったけど水面でのたうっているのは口太グレ。ハリは唇ではなく鰓蓋を貫いていたので食わせたとも言い切れないけど、とにかくホッとしましたよ。痩せてはいるけど帰港後の検寸で39cmありましたし。

 これは上手いことやればこのサイズのグレの大量ゲットのチャンス!息巻く私でしたが現実はそう甘くなく、それからはいくらサシエを群れの中に入れても何の反応もなく、グレは減り、本流は緩み、やがて完全に停止してしまいました。
 そしてといよいよ何も釣れなくなってしまいました。サシエはこれまで以上に触られなくなり、今回もまた秋の磯とは思えない状況になりました。何をやってもダメ、いや、何をやればいいのかすら分からなくなっています。

・待て、あわてるな、これは松っちゃんの罠だ!
 日曜日の下川口の撤収時間は15時で、それ以外の曜日は14時半となっています。
 カモメなどの海鳥はそのエリアの撤収時間を熟知しており、その時間が近づくと磯の外れや近隣の磯に当然のようにスタンバイしていますが、ここ下川口では魚も撤収時間を覚えているようで、お客さんが道具を片付け始める14時ごろからなぜか食いはじめます。松っちゃん船長曰く、「10人お客さんがいたら、だいたい7人はそう言う」とのことで、もちろん私も経験済みです。
 それまでの春の海のような状況が嘘のように変化したのは、この日も時計が14時を指す寸前のこと。それはワンドの出口のポイントのサラシの切れ目に沈めていった00ウキを回収する時に始まりました。

 サラシの底で食い付いていた魚は最初、イサギのように見えました。しかし水面に近づいてくると銀色の光を放ちはじめ、そのまま水面を突き破ってジャンプ!おっ、ヒラスズキだ!本スズキに当てはめるならハネサイズじゃないか。でもこの魚は微妙に離れたところに置いていたタモに手を伸ばして探っている間にハリ外れ。
 美味しいお土産を逃して結構落ち込みましたがもしかするとまだ食うかもしれないと気を取り直して、サラシの収縮期に合わせて再投入。
 すると仕掛けが馴染み切るよりも早くウキが引き込まれていき、またも元気な魚が食い付きました。チヌ?いや、39cmのヘダイです。今度はしっかりタモを掴んでフィニッシュ。

 その後もアタリは続き、深いところでは30cmくらいのハマフエフキ、磯際では同サイズのブダイ(赤)、そのうちコッパグレやコッパギツも次々と掛るようになってこれまでの7時間半を取り戻すような勢いで釣りました。しかしいくら日曜日だといっても残り時間が少なすぎ、落ち着いてグレのサイズアップを狙うだけの余裕はありませんでした。
 そして14時40分ごろタイムアップ。ああ、また来させるための下川口の罠にまたしても掛ってしまったか・・・(爆)
干潮時の大バエのほんの一部。ほんま撃沈スレスレでした。
 ● 下 川 口 shimokawaguchi
利用渡船 まつした渡船 出港地 高知県土佐清水市・下川口漁港
時間(当日) 6:10〜15:00
(日曜は15:00まで。
それ以外は14:30まで。)
料金 2500円
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 無し システム 磯予約制
磯替わり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

・小才角 一がハエ
 下川口での釣りの後は問題の川に寄り道。そこでユゴイの不在と早瀬の中に定位するクサフグの厄介さを確認してからいつもの幡多郷に入って眠りこけました。
 一夜明けて向かったのは小才角!心配された南東風も吹かなかったのでやっとのことで出港できたのです。港には次から次へと車が押し寄せてきたので乗れる磯があるのかと心配したけど、今日はほとんどが一人一台で来られていたようで、船に乗ったのは11人とやや拍子抜け。セリツケ1人、カワグチ2人、ツナカケ2人、カゴバエ1人、ウスバエ2人で、私が上がることになった一がハエは4人でゆったりと釣れることになりました。

 私が選んだのはいつもの北端東向き。この人数の時に敢えて入る必要はないかとも思うけど、不人気ポイントであるだけに攻略法さえ確立しておけば混んでいる時でも悠々と渡礁できますからね・・・というより、もう意地ですわ。

・一投目から
 ただでさえ非常に足場の悪い一がハエですが、潮が高くて海面がざわついており、波が駆け上がってくる所も多いとなれば僅かな平坦地に道具を密集させて窮屈に釣るしかありません。
 とりあえずBの仕掛けを作ってサラシの中へ。すると一投目でサンノジがヒットしたのでタモの柄を掴んだら網の方が動かない。あろうことか枠はクーラーとロッドケースと岩に挟まり、網は打ち込み式の竿立てに絡まっているではありませんか。
 仕方ないので悪い足場を慎重に移動し、片手でゴソゴソやって外そうとしていると4つ折り枠の先端のジョイントがポッキリと折れてしまいました。まあそれでもタモを取ることはできたので、サスマタのような形になったタモ枠で苦労してサンノジを掬い、無事放流。結構経年劣化してたから仕方ないとはいえ、一投目からこの事態ですから大ショック。何とも不吉なスタートです。

 このままでは大きいのを掛けても取り込めないので、二つに分離したタモ枠をポケットの肥しの4号ハリスでぐるぐる巻きにして応急処置し、ついでに少し重すぎると感じた仕掛けをG2のものに作り替えてから釣りを再開しました。
 サラシの中には青い大きな魚がウヨウヨひしめいています。でもその魚の尾鰭後縁は全て黒で、尾鰭が白く見える魚は一つも混じっていません。
大グレではなくて大キツの群れなのだから、神経をすり減らすような釣りでもしない限りはこれらの魚がサシエに食いつくことはありえません。その周囲を彩るシラコダイとオヤビッチャは群れもサイズも小さく、ハリに掛かるようなものではありません。
 つまり一投目以降弁当船まで、北端東向きのワンドのポイントではエサトリの1匹すら掛らない状況が続いていたのです。コンヤとの水道を流れる上り潮がスピードを上げ、鏡を作り出しながら激走していた時間帯に、サヨリサイズのダツがたった1匹だけ食い付いたという例外を除けば。

・さすがに諦めたぞ
 このような酷い状態の水道とは違い、一がハエの絶対的本命ポイント船着きでは次から次へと竿が曲がっていますし、大きな物のバラシも続いています。柏原渡船が運んできてくれた弁当を取りに行ったついでに状況を聞いてみると掛っているのはキツとムロアジがメインで、グレの姿は全然見えない。3日ほど前にこのポイントに来たときには尾長グレがいくらでも釣れたのに・・・とのこと。
 このギャンブル渡船区でそんな日に当たれるなんて羨ましい。でも今は魚がコンスタントに釣れていることの方が羨ましいぞ!水道のポイントにはムロアジなんて居ないのに。

 弁当を食べ終わった私は潜在能力をずっと信じ続けてきた水道東向きのポイントをようやく見放し、その少し南側の低いところに移動して西向きに竿を出しました。
 沖はツナカケとの間を抜けて水道に向かう右流れ、手前は左へと反流する引かれ潮。本流自体がスピードダウンしていることもあって、どちらも緩やかに流れています。

 一投目はG2仕掛けを右の小サラシから入れて引かれ潮狙い。しばらく流していくといきなりウキが引き込まれてサンノジが上がってきました。やった、本日3匹目の魚だ!(涙)

 サンノジのヒットでまた仕掛けを軽くしたのが一番の元凶でしょうけど、しばらくアタリは出ませんでした。それが変化したのは私のポイントと船着きの中間にあるタイドプール沖で潮が左右に分かれだし、船着きの方とポイントの競合が解消されて遠慮の必要が無くなった時でした。

・舐めきっていたことを反省
 00のウキにオモリ無し、潮受けウキゴムという仕掛けで沖を狙うと待望のムロアジの一種で体に水色の縦帯が走るクサヤモロがヒット!この魚、持って帰って食べたらビックリしました。刺身ではねっとりした舌触りに程よい脂、そして涼やかな香りと酸味を伴う旨みが印象的で、塩で下味付けてフライにするとその旨みさらに増幅されるので、ソースだ柑橘だといった余計なものの入り込む余地は無い・・・と思わせておいて、かけたらかけたでその味さえもしっかり受け止めてしまう懐の深さには脱帽するしかありませんでした。季節と場所に加えて釣ってから処理して食べるまでの時間が、熟成されていく旨みと足早に落ちていく鮮度が最良の位置でクロスする瞬間とガッチリ噛み合ったということなんでしょうね。これまでにも何度も食べたし、昨夜の宿でも食べたけど、クサヤモロがこんなに旨みの濃い魚になるとは今回の釣果を食べるまで気づきませんでした。

 このポイントでは25〜30cmのクサヤモロを6匹手にすることができました。もちろんアジ科ですから口切れのバラシもありましたし、水面直下まで飛び出してきたアカジョウ(スジアラ)の襲撃でむしり取られたりして取り込みに至らなかったのもありました。
 取り込みに至らなかったといえば潮が反転して下り潮に変わった時、沖で発生したボイルの中に投入したオキアミが着水した瞬間に食い付いた魚です。反射的にベールを倒したらもうドラグが止まらない。竿を回して方向を変えようとするのを気にも留めず走る走る。そしてそのまま潮受けゴムから上がぶっ飛びました。
 ここ数日一がハエ周辺ではスマが仕留められていました。スマといっても高知の地方名の方のスマ(ヒラソウダ)ではなく、標準和名の方のスマ!マスゴミによって全身トロのクロマグロの代用魚という屈辱的なレッテルを貼られているけど、スマはスマとしてその味を満喫しなければもったいなさすぎる名魚です。それが私の仕掛けに初めて食い付いていたのかもしれないと思うと自分自身に腹が立ちます。あそこはベールオープンで走らせなきゃアカンやろ。それにあんなにも無策に強引にやってりゃ獲れるわけないがな!

 一がハエの船着きから北端の水道を望む。移動が大変。
・本命ポイントで悪あがき
 13時半ごろになると周り全員が片付け始め、14時の船で見える範囲の全てが帰っていきました。もしかすると来れないうちに撤収時間が宇和海に近い早さに変わっているのかとドキドキしたけど、どうやら15時まではさせてもらえるようなのでもちろん居残り。どこもかしこも釣れていないということなのだから残っても帰っても大差ないような気もしたけど、このままでは納得がいきませんでしたから。

 一がハエどころか東磯に一人という状況。折角だから残された30分はあのポイントに移動してみましょうか。一生立つことはないだろうと思っていた一がハエの絶対的本命ポイント・船着きへ!

 ポイントに入るとため息が出ました。なんという釣りやすさなんだろう。特に魚とウキの視認性は抜群で、これならウキに出るアタリなんて待つこともなくウキゴムのかすかな動きだけでビシバシとアワセが入れられます。多くの日々に40cm近い尾長だけでなく大ギツまでもが次々と仕留められていたのにもこれで納得。フォースヘッドに陣取って他人を押しのけてでも確保しようとする人を多く見てきた理由も分かりました。今後もそこまでする気は無いにしろ、あんな見た目A級、実態E級の釣り座にこだわり続けてきたのが本当に馬鹿らしくなってしまいます。

 しばらく釣っているとマキエの中に巨大な魚が突っ込んできて、目の前の水面直下でサシエに喰らいつきました。ヒラマサだ!80cmくらいあるぞ!その瞬間から見え透いた結末に向かってただ疾走、ハリスをぶち切りすぐ逃走。まあグレタックルで釣るような魚ではありませんね。先ほどの問答無用で切られたあの魚も実はスマじゃなくてヒラマサだったのかもしれません。

 時計を見るともう14時半を過ぎています。アディショナルタイム、いや本来予定していた釣りの時間も間もなく終了。これを流し終わったらこぼれたマキエを洗って道具を片付けよう。そう思いながら投じたウキが当て潮に乗って磯際に寄せられ、そのまま左へ流れていこうとしています。そのウキの下にハッキリと見えるフカセウキゴムの黄色がスッと動いたのはその瞬間でした。
 最後の最後に小さいキツが食ったと思いきや、海面に姿を現した魚は青ではなくて黒。なんと28cmの口太グレではありませんか!今日の東磯にまさか居るとは・・・。あまりにも驚きすぎたせいか、魚をクーラーまで持って行こうとした私は、悪い上に濡れたら滑る足場を踏み外して膝を思い切り打ってしまいました。

 こういうわけで秋磯のいい時期のはずなのに、グレのキープサイズは昨日1匹、今日1匹で終わってしまいました。特に今日はラスト一投までコッパも無しでしたし・・・。
 なんか急激にグレの釣り方を忘れてしまって、何をすればいいのかさえ分からなくなっていることが多くなっています。これまでそれ程使わなかった00のスルスル釣りを多用し始めてから一気に崩れてしまったような・・・。それとトラブルなどは無かったけど、渡礁時に自分の荷物だけに捉われて周りの人のことが見えていないなど今回は私自身何かものすごく変でしたし。

 想定していたラインナップとは違うけど、とにかく
釣れてよかった。クサヤモロは予想外の美味、
下の2尾は予想を超える味の無さで、刺身は味を補う
形でリメイクして食べました。
 今年の最終戦があるのなら、しっかり疲れを取り、硬くなった頭をほぐしてから挑まないと、完全ボウズの鉄槌が振り下ろされてしまいそうです。
 

 ● 小 才 角 kosaitsuno
利用渡船 柏原渡船 出港地 高知県大月町・小才角新港
時間(当日) 6:20〜15:00
料金 3000円
(H29.12月から3500円)
駐車場 無料 弁当 500円
宿/仮眠所 無し システム 磯予約制
磯替わり あり
*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません)

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