・絶不調だからこそチャンスかも!?
5月最後の週末は播州に初夏を告げる「相生ペーロン祭」。ここ数年花火大会(総数約5000発)には行かなくても競漕チームのテントで応援するのが恒例になっていましたが、気軽に四国に行けなくなった今年は遠征のチャンスを逃すことはできませんでした。
ところが情報を集めてみると今期はどうにも悪そうな感じですねえ。宿毛湾を中心にイサギもダメなようですし。
といっても「絶賛爆釣中=撃沈」「絶不調or情報なし=そこそこ」という私にとってはまんざら悪い状況ではありませんから、高速の工事通行止めも、真夏日近い気温の予報もものともせず、最初から決め打ちの松尾へと出発です。
・今回も貸切・・・だが
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唯一のイサギと、
これでもまだ少し
だけ流れていた時
の沖ウス高場。 |
そんな状況が影響したのか、5月25日金曜日は「正丸」私1人、「まつき渡船」欠航と、またしても完全貸し切りになりました。磯の方も「沖ウスでのんびりやってみたら?潮は無いけど。」と、今回もまた沖ウスで、当然ながら高場の方に渡礁しました。1人だったら高場から移動無しで低場も攻撃可能ですからね。
晴天のはずが曇天、うねりは少し。そんなことよりとにかく見事に潮が無い。ここには何度も来たけど、この状況は初めてですわ〜。
それでも開始当初は上り潮らしきものがゆっくりゆっくり流れていたので、高場奥側の流しやすい所に入って、足元のシラコダイの群れを避けながら0ウキ、次いでG2で流れの中を直撃。すると6時15分に今回の本命といってもいい33cmのイサギがヒットしました。
ところが後が続きません。潮は止まっている時間の方が長く、周囲はシラコダイとオヤビッチャばかりが幅を利かせています。他には海亀がうじゃうじゃ群れているのと、ハナアイゴ、ハリセンボン、ヒブダイ少々がマキエを拾うだけです。少し潮が動いた瞬間は35cmくらいのイスズミとノトイスズミが当たっては来るんですけどね。
9時14分には船着き横のサラシと奥側の流れとの間のヨレで30cmの尾長グレがヒットしたけど、何を思ったかこれをリリースしてしまってずっと後悔することになりました。何せグレはコッパもほとんど当たりません。潮も完全に止まり、重たい仕掛けで深く釣っても、昔懐かしい2段ウキで超浅ダナを釣ってもダメ。低場の方に目を向けても流れに加えてサラシもありませんから、高場よりも何もできない状態でした。
・これではどうにも
昼ごろ、下り潮なのか、汐崎方向から船着きをめがけて当たり気味に右へ行く緩い潮になりました。この潮に船着きから0号ウキ&ジンタン5号の仕掛けを投入し、右手のサラシとの合流点を浅く釣っていくと12時37分に久々のグレ、31cmの尾長が掛ってくれたのでキープ。
その潮はそのうち潮目と化したので集中的に狙ってみたけどキツと30cmを越えない尾長グレだけでした。
終盤戦は竜宮神社から水道を横切ってくるような潮になり、マキエに浮かび上がってくるテングハギらしきニザダイ系の巨大な魚を狙ったりしてましたが食ってこないまま15時20分に納竿。
沖ウス貸し切りもやはり潮が無いとどうにもなりませんねえ。明日も同じ渡船屋ですが、この状況が続いていたら目も当てられませんな。果たしてどうしたもんでしょ・・・。
そういえば沖ウスの対岸にある竜宮神社は豊漁祈願の神様だそうですから拝んでおきますかな。観光パンフレットには「かつては陸で待つ女たちが社殿の前で着物の裾をまくりあげ、さらに大漁がかなった際には奉納として大胆に露出しました。」と書かれているので、それが伝統的な祈願方法なんでしょうけど私がやったとしたらただの変質者だし、バチしか当たりそうにないから手を合わせるだけにしておこう。第一、ここの神様は男の物なら見飽きてますからねえ。周辺の磯に上がったほぼ全ての男は釣れようが釣れまいが日に何度かは引っ張り出しているからなあ・・・。
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豊漁祈願の神・竜宮神社と汐崎のカゴ釣り師。 |
・二日目は雨で開幕
夜通し走って1時間しか寝ていないにも関わらず、弁当と吸水・排水作業の時間以外は全く休憩無しで最終までやりきったせいなのか、翌日に何の期待も持てなかったせいなのか、「ペンションつりの里」では9時間半もグッスリ眠り続けてしまいました。そのおかげで二日目は体が軽い軽い。いやあ、釣りだけでなく兵庫までの帰り道も体力の最盛期並みに楽々でしたわ〜。
で、2日目の正丸には5人が乗り込んで5時15分ごろに出港。今日はまつきも出るようです。
それにしても当初は晴れの予報だったのに雲が厚く垂れ込め、磯に向かっているうちにポツリポツリ、磯に上がるや水汲みよりも何よりも真っ先にカッパを着る作業をしなければなりませんでした。
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ホンカゲ高場からの低場。えらい風でした。 |
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灯台下の沖を行く自衛隊の艦船。いつもありがとう! |
・ホンカゲ高場
本日の舞台はホンカゲ高場です。低場には何度も上がっているけど高場は初めて。頂上を除いてここまで平らな所が無く、バッカンが滑り落ちないところすら少ない場所だとは思ってませんでしたね。
しかも雨。スパイク部分だけが突出して替え時に差し掛かったカットラバーピンフェルトソールではかなり恐ろしいし、一度尻もちをついてヒヤッとしましたわ。磯の形状の問題で引き抜きもラインを手繰っての引き上げもしづらく、斜面の下まで気軽に行くこともできないので、タモを出すには少し小さいかなというサイズのグレやキツを釣った時に少々面倒な磯ですな。そのうち危険極まりないことになりそうなオス型アンカーボルトが点在しているのも心配ですし。
死活を握る上り潮は・・・ごく緩やかだけど流れています。しかしその潮は流れ藻の帯になっていてラインを取られて流せないし、流せたとしても潮下の灯台下には徒歩釣行のルアーマンが陣取ってミノーか何かを投げ続けているので、流し込める限界点は結構近くです。
仕掛けは00ウキ、ハリス2号2ヒロのスルスル釣り。足元にシラコダイなどを集めて沖に投入。藻が少ない瞬間と、泡ができている瞬間がマッチした時には竿先にアタリがあり、6時28分には30cm、7時45分には31cmの尾長がヒットしました。
・突然の大風
2枚目の尾長を釣った頃、磯の上は凄いことになっていました。
雨はそれほど強くはありません。しかし突如として南西風が吹き始め、それがあっという間に爆風となって荒れ狂い始めたのです。磯に打ち込んでいた竿立ても竿ごと覆ってガシャンと大きな音を立てました。風向きと磯の亀裂の向きを考えたら倒されるはず無いと思ってたのに・・・。ただ斜面の下方向に倒れて滑っていかなかったのは幸いでしたし、ゼロサムX4もどうにか無事なようです。(この竿、どういう仕組みか拭いても拭いても水分が取れず、今どきの竿では見ることも無くなったブリスター現象に元竿以外すべて覆い尽くされている大問題の竿なので、傷があっても分からないだろうけど。)
そういえば今日の天気予報は確か北東の風、晴れ、波高1.5mだったはず。実際は南西の風、雨、飛沫舞う海。すごいぞ!天気予報、1つも合ってない!まあ風のわりにはそれほど波が出ないことを考えると他は北系の風なのかもしれませんけどね。ただこの風は長くは続くまいと確信していたので特に心配もせず続行です。風のおかげで流れ藻が押し流されてすっかりきれいになりましたしね。
・実は釣りやすい状況
風対策としてウキを適合オモリ3B+G2のものに換え、シモリ玉を入れた誘導仕掛けでやってみましたが全然ダメ。潮と風の向きがほぼ反対なので00に戻し、7号のジンタンを2ヒロのハリスの上から20cmに打ったらあと一歩といった感じだったので、オモリをハリ上30cmに移動させてみるとその一投で穂先が持っていかれました。デジカメの表示で8時45分、上がってきたのは36cm、納得サイズの口太グレでした。
相変わらずキープサイズが食うのは潮目というか泡が並んでいる時だけのようで、それ以外は足元のエサトリエリアの外では餌が残ることも結構ありました。ただ流しているうちに状況が変わることもあり、9時過ぎには50mほど流し込んだところでラインがバリバリと出ていきました。
これはデカいぞ!しかも竿を叩かないストレートな引き!その強烈な初撃を凌いで凌いで凌ぎ切った!まではよかったけど、磯際への突入を図る魚とのスピード勝負に巻き負けてしまって敢え無くハリス切れ。獲れていればずっと記憶に残る一枚だったはずなのに、悔しすぎる!!
ただ尾長は10時ちょうどに獲れました。低場側のサラシの切れ目から伸びる潮目の中を、釣り座左手のワンド入口のサラシとのぶつかりまで流したところで00ウキが引き込まれ、1つの目標だった35cmが上がってきました。この魚もかなりの引きを見せたけど、やはりバラした魚とは桁違いだったので嬉しさの中にも悔しさが蘇ってきます。
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口太、尾長混じりで連発!区切りのサイズも! |
・名礁の実力
舞い上がった飛沫が斜面の下部に降り注ぎ、フードを脱げない程度の雨も降り続いています。しかし風の方は、弁当船が低場と高場の間に底物師(低場の上物師2人の連れの方)を運んできた頃にはかなり治まっていました。
でも釣れない時間が続いたので、しばらくしてから弁当タイム。
食べ終えて釣り場に戻り、マキエを入れてみると状況が変わっていました。それまでのエサトリとコッパグレだけではなく、キープするには十分すぎるサイズのグレも水面近くまで出てくるようになっているではないですか!
潮の性質も変っていたのでウキを0号に換え、手前のオヤビッチャ、沖のウスバハギの妨害を躱しながら試行錯誤して、11時7分には完全フカセで32cmの口太を、11時25分にはハリ上矢引きにG5のハリスウキを取り付けて同寸の口太を追加しました。
ところがまたしても潮が変化して浮かせる力を持つようになったので、ウキを0から00に戻し、以降は状況に合わせてジンタン7号の付け外しを頻繁に行うことで数を伸ばしていきました。11時42分には37cmの口太、12時12分には30cmの尾長、12時47分には32cmの口太をクーラーへ。
その後にもウキが見えないところで道糸が走り、穂先が入っていったのでアワセを入れると桁違いの力で反撃されました。これは午前中に逃した大物と同質、同等の引きだ!今度こそ獲ってやる!距離を詰めることを意識しながら強気にいこうと気合を入れて突進を凌いでいると、ポンッ!と穂先が天を仰いでしまいました。回収してみるとチモトを噛み切られています。
そしてこの噛み切られが影響して早合わせ気味になったせいか、食いが微妙に悪くなったせいか、それからアワセミスやハリ外れが続発してしまいました。
13時半過ぎ、隣の底物の方が片付け終えた右側のサラシから正面まで流れたウキがスルスルと入っていきました。
よっしゃ、今度は完璧に掛かったぞ!竿を前に突き出して磯際を数度躱し、磯の半ばの取り込みポイントでネットイン。その口太グレを磯の上部の窪みまで持って上がり、クーラーの蓋に押し当てると本日最長寸の39cm。やったぜ!大台には1cm及ばなかったけど、35cmまでのいわゆる足摺サイズがメインのこのエリアでは価値ある一枚です。しかしこの魚、〆る直前に大暴れして窪みから飛び出し、そのまま急な滑り台を滑り落ちて大海原へポチャン。私は届かない手を伸ばして呆然とするしかありませんでした。
・一人残留状況急変
14時前に渡船がやってきて、低場の上物師2人と、隣の底物師が撤収していきました。
底物師の方は小ぶりながら前半戦の沖のフタツバエで2枚、この磯で1枚の本命を仕留めたけど腰痛でギブアップだそうです。腰痛はともかく、フカセ釣りをしている私と同じ磯に上がった底物師は(小さいけど)必ず釣れるというジンクスは今回も継続のようですな。
みんな帰るのだから私の方もここで引き上げてもよかった・・・とは全く考えられませんでした。アタリが続いているうえ、噛み切られとセルフリリースの悔しさは私に最終16時までの釣りを選択させてしまいました。
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3人が去ると同時にこんなことに・・・。雨男の集団だったのか? |
それがなんということでしょう。3人と渡船が磯を離れた途端に状況が一変してしまったのです。
それまで降り続いていた雨が上がり、あれよあれよという間に周囲は晴天に覆われました。サラシを生み出していたうねりも突然無くなり、辺りは池のようになりました。そしていい感じで南流していた潮が停止し、やがてゆっくりゆっくり逆方向に流れ出してしまったのです。
う〜ん、やはり全然釣れなくなってしまいましたね。これはさっき帰るか、せめて15時までにしとけばよかったという状況ですが、これまでのようには気軽に来れなくなった四国なので、最後まで徹底的に釣りに打ち込むことにします。
すると1時間ほどで潮の向きが戻りました。深いところはともかく、表面上は・・・。
それでも左と右では大違い。31cmの尾長グレ、久しぶりに食べたいと思ったウスバハギを1枚ずつキープし、その他コッパグレを数枚リリースして納竿時間を迎えました。
こうしてとことんやり切った二日間が終了。初日は厳しかったし、二日目も残念なことは多々あったけど、美味しい尾長に足摺サイズを超える口太も多数釣れたし、やはりいい情報の無い場所には強いですなあ。
できれば梅雨明けまでにもう一度釣行したいけど、次回もあまり釣れていないことを期待する方がいいのだろうか。何か悪いような気がしないでもないですが・・・。
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波も潮も無くなってしまったホンカゲ高場と灯台下 |
2日間の釣果。(初日は上2枚だけ)
39は落としたので30〜37cmまで。 |
● 松尾 matsuo |
利用渡船 |
正丸 |
出港地 |
高知県土佐清水市・松尾漁港 |
時間(当日) |
5:15〜15:50
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料金 |
3500円
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駐車場 |
無料 |
弁当 |
500円 |
宿/仮眠所 |
近隣に民宿あり |
システム |
一部の磯は磯割り制 |
磯替わり |
可能 |
特記事項 |
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*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
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