・四国の代わりは秋の瀬戸内天然真鯛
このひと月、雨の降らなかった日はいったい何日あったんだろう?今年の9月はそれほどまでに雨だらけ。おまけに週末ごとにやってくる巨大台風。8月に続いて2か月連続でわが兵庫県に上陸するなんて。
こんな状況ですから相変わらず四国での磯釣りなんて、計画しても計画してもアウト!アウト!アウトォ!・・・チェンジ!!ってことでしばらくの間四国釣行は完全に諦めて、悪天候の合間を狙える近場、瀬戸内の磯にマダイを狙いに行くことにしました。
9月24日は当初の計画では牛窓に行く予定だったのですが、まこと船長に電話してみると「チヌは釣れているけど、潮が濁っているのでマダイは期待できない。」とのことだったので日を変えることにして、この日はさらに30分ほど南西に走った宇野の磯に行ってみることにしました。
それほど離れていないエリアなので状況はあまり変わらないだろうけど、空撮ガイドを見て無性に行ってみたくなっていたもので。
宇野エリアの磯は2度目です。初挑戦は今年4月17日、50cm級マダイ好調の情報があった家島の石切り跡の隣にある「地蔵」という場所に上がったのですが、緩い引かれ潮に運ばれる抜けアマモの帯に道糸を取られて本流を流せず、多くの場合本命となるその引かれ潮でもアタリは無く、たまたま居食いしてくれていた唯一のチヌ38cmとマタナゴにどうにか助けられたような一日でした。
ところが一番不満に感じたのは釣果ではなく、その時利用した渡船の船長の、出港時刻よりも相当遅くなってようやく現れ、そのくせやたらと回収だけは早いというやる気のなさだったという、何とも言えない釣行になりました。
そこで今回は渡船を後閑の三宅釣具渡船に替えて再挑戦。前回果たせなかった宇野攻略を目指します。
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4月17日に釣行した宇野沖の家島「地蔵」。対岸は直島と局島 |
この日は隣の実績場「石切り跡」も× |
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直島諸島の最北端、ハタゴ諸島の本流と日の出。 |
・本流走る、牛ヶ首島・白石
9月24日5時半、渡船は店舗の裏の港を出発。
連休最終日にもかかわらずお客さんは他に1人。宇野の沖に群集する直島諸島の最北端、ハタゴ諸島の大ハタゴにその方が降り、私はその対岸にある牛ヶ首島の白石という花崗岩の半円形の磯に降りました。
マキエに水を入れ、ポイントに打ち込みながら仕掛けを作ります。ところがその最中に太陽が昇ってきたもので、仕掛けはなかなか完成しませんでした。昇りゆく太陽と、すぐ前のハタゴ諸島と、波の無い海面を変幻自在に彩る速い潮流が織りなす風景に思わず息を呑んでしまったものだから。
さて、ようやくスタートです。
潮は北へ。大ハタゴとの水道側の強い本流と、牛ヶ首島との間の浅くて狭い水道からの潮流が北端の10〜20m沖でぶつかって、本土に向かって流れていきます。
そこでG2のウキを足元の巻き返しに落として主に弱い方の流れを経由して入れていき、2つの潮の合流点を中心に狙っていきました。本流には3Bのウキを入れ、ドンドンと流し込んでいきました。
しかしアタリがありません。餌を盗られるのは足元だけで、10時前までに豆アジと豆セイゴ、ヒガンフグと15cmのチヌがそれぞれ1匹ずつという惨状です。
でもまあ、宇野のチャンスタイムは潮止まりだというし・・・。ほら一瞬だけ反転した緩い潮で本命のマダイが食ってきた!サイズは20cmですけども。
しかし潮止まりのチャンスはこれで終了。というのも直後に北行きの潮に戻り、しかも雨後の川みたいな泥水が流れてきて何も当たらなくなってしまいましたから。
11時頃になると泥水が薄まり、さらに潮も反転しました。速い潮が南西に向かって流れ、牛ヶ首島の浜に激突しています。ハタゴ諸島側の水道では浜へとダイレクトに流れる潮の沖に、カーブを描いてその潮にぶつかってくる流れが生まれています。
そのカーブを描く潮に2Bの棒ウキを投入して流していくと11時19分に22cmのマダイ、何投か後に15cmのマダイが食ってきました。
この2枚のマダイが今回のクライマックス。あとはまた泥水がやってきて潮も北向きに戻り、何も食わぬまま12時50分になってしまいました。残り時間実質30分強。
・最終手段
困った。このままではおかずがありません。
そこで竿を片付けて最終手段。足元の潮の巻き返しに大群となって押し寄せているサヨリめがけてタモ網をバサリ。そうです、サヨリ掬いの時間です。
このサヨリ、そのまま掬っても獲れるのですが、網を沈めてマキエを打てば効果覿面。タモの裏側から網目を通り抜けて網の中にドンドン入ってきます。なので程よいところで素早く網を引くだけでいくらでも獲れます。
ただ何といっても網を苦も無く通り抜けるほどの鉛筆ザヨリですし、平らな所の無い半円形の磯ですから、どんなに網に入っても手元に1匹残ればいい方で、全てこぼれ落ちてしまうのも当たり前。それでもどうにか14匹確保して、13時50分の迎えの船に乗りました。
サヨリと、なぜかクーラーに入っていた20cmと22cmのマダイは丸ごと揚げ焼き(ムニエルとから揚げの中間?)に。このサイズのマダイはこの調理法が一番旨いかもしれません。骨ごと行けるサヨリの味は言わずもがな。
今回も宇野攻略の手掛かりは得られずじまいでした。とりあえず頭を冷やして、来シーズン以降にまた挑戦してみますかな。
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離礁時の白石と
この日最大のマダイ。 |
● 宇 野 沖 磯 uno-okiiso
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利用渡船 |
三宅釣具渡船 |
出港地 |
岡山県玉野市・後閑港 |
時間(当日) |
5:00〜13:50
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料金 |
2500円〜
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駐車場 |
無料 |
弁当 |
無し |
宿/仮眠所 |
無し |
システム |
― |
磯替わり |
? |
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*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
・2番船は小豆島へ
10月の連休も台風の通過待ちをしてからの釣行でした。
今回もまず牛窓のまこと渡船に電話してみると、予定していた日は日生(ひなせ)諸島に行くとの回答。日生港から出航していた哲也渡船の廃業に伴って今シーズンから渡し始めた日生諸島は、大型のチヌが望める魅力的なエリアである反面、私のターゲットのマダイは期待できないそうだしなあ・・・。
そこで第2候補の10月9日の予定も確認してみると、「一番船は日生ですが、7時半の2番船は小豆島に行く予定です。回収は15時。」とのことでしたので即決。平日なのに2番船まで出るとは意外ですが、私にとってはラッキーです!そして当日、これから磯釣りに行くとは思えない薄明の時間に家を出て、片道1時間弱の渡船基地まで走りました。
・下げ潮の千振島・白石
乗船した2番船では投げ釣りの6人組とご一緒しました。みなさんスーパーコウジを餌にマダイを狙うそうです。私も本命はマダイなので、釣り方は違っても狙いは同じ。お互いいい釣りを目指しましょうぞ!
出港から30分ほどで小豆島北西海域に到達。投げ釣り師たちを葛島のカリカリと地蔵の浜、沖之島のテトラに降ろし、船は千振島周辺へ。希望は一のソワイでしたが、この日は大潮で元々潮が高いうえ、最近はそれにも増して潮位が上がっており、船が通った時に危ないということでアウト。そこで今回もまた安全安心な白石(通称:ダンプ)に上がることになりました。
ただ今日の潮はほぼ下げ潮。未だに対応できていない下げのダンプかぁ・・・。船長にも言われたけど、上げが少しだけ残った序盤の釣りが鍵になるだろうなあ。
大量の鳥のフンと羽毛で塗装されて春と色が変わったダンプへの渡礁を完了したのは8時。まず釣り座となる“運転席”の足元にマキエを乱れ打ちしてから道具の準備です。
この釣行の前々日に、GUREsummitホームページの移転の連絡も兼ねて岡山のツリキチオーさんに連絡したところ、ちょうど小豆島大部エリアでのクラブの大会から帰って来られたところで、「マダイの最長寸は35cmだったけど、チャリコが多いので退屈はしないでしょう。チヌも小さいのが多く、40cmオーバーは大会全体で2〜3枚だった。」という情報をいただいていたけど、やはりダンプの実績を考えると1.85号相当の竿と2.5号ラインを選択せずにはいられませんでした。
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名礁ダンプと牛窓。
前回のダンプと違って
視界良好。 |
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なんといきなり40cm! |
・満ちが残っているうちに
開始の時点では薄く濁った潮がゆっくりと右へ流れていました。
G5のウキにジンタン5号を2つ打った2ヒロ強の仕掛けを正面に投入すると、オモリが入り切るやいきなり沈んでいきます。
3投ほどしたところで凡ミスに気付いてG2のウキを通し直し、同様に流していくと、それから5投もしないうちにおそらくシモリがあると思われる場所の辺りでウキがゆっくり沈んでいきました。小チヌだと思ってアワセると、予想外の手ごたえでゴンゴン頭を振ってくるではありませんか。しばらくして浮上してきたのは赤じゃなくて黒。おおっ!いきなり40cmが出てしまうとは!
8時40分に20cmの小チヌが食った時はまだ右流れでしたが、9時には緩やかな左流れに変わっていて、作戦も正面足元の小ワンドに仕掛けがあるうちに馴染ませて、ダンプの“荷台”を乗せている岩の少し張り出したハエ根の先で食わせるというものになっていました。それで釣れてきたのは20〜25cmの小チヌが2枚でしたが。
9時半を過ぎると、緩やかだった潮が見る間にスピードアップして激流になったかと思うと、それまでの10時の方角から時計回りに回転を始め、やがて私の好きな潮が流れはじめました。
潮の行先は1時の方角。足元にはヨレ。この潮には胸の高鳴りを押さえきれません。竿下の緩やかな所から本流に入れ込んでドンドン送り込んでいって、やがてバリバリッ!と道糸がぶっ飛んでいくあの感覚が忘れられなくて。(実はあまりよくない潮らしいのですが。)
ただ今回はずらっと並んだ潮の渦巻きが強烈過ぎて、ウキがその周りを大きく回転しながら酷い軌道で進んでいってしまいます。
10時10分ごろに待望のアタリが得られたのは鏡の本流とは反対側の脇。ウキを一気に引き込んだ勢いそのままに激しく荒ぶる魚の動きはチヌでもマダイでもなさそうです。正体が判明したのは次の瞬間。一気に浮上して水面で頭を激しく振って大暴れするそれは標準和名スズキ。しばらくやり取りして無事にタモに収まった、55cmのセイゴでした。
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想像を絶する味だった本スズキのセイゴ。 |
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とりあえず本命も。 |
このサイズの本スズキを釣ったのはいったい何年ぶりだろう?(あれっ?シーバスクラブに所属してなかったか?)クーラーに納めて持ち帰ったこのセイゴは腹に脂を巻き、焼けばじゅうじゅうと滴るほど。しかも嫌な臭みも全く無く、その日のうちにモチモチの刺身にしても旨み充分で大満足。持ち味が違うとはいえ下手なヒラスズキより遥かに旨いぞ、このセイゴ♪
・課題の転流
セイゴのヒットの後、数投するうちに潮は右真横まで回り、さらに当て潮の激流になってしまいました。これでは運転席前面での釣りは不可能。とはいえ荷台を乗せている岩は潮に洗われているので、運転席の裏側、千振本島側の岩に移動しました。
実は他の岩の上に乗っかっているだけの運転席。その下をくぐりぬけてくる激流と、荷台の後ろを通ってくる激流、左側の岩の間を抜けてくる激流が複雑にぶつかり合い、鏡を構成するダンプの裏側。本流の中には海面スレスレのシモリが潜んでいるので、流して掛けてもアタリ1回ごとにウキ1個を請求されるので、すぐ脇に同じようなシモリがあるこの鏡を攻めるしかありません。厄介至極。でもこれがダンプの最高の潮らしいのですが・・・。
とりあえず運転席の下の激流と、荷台側の巻き返しにマキエを入れて、鏡の脇をウキ下1ヒロ半の2Bの仕掛けで攻めてみると、10分もしないうちに20cmちょいのチヌがヒット!リリースサイズといってもやはり下げのダンプで初めて釣れたというのは喜ばしいものです。
しかもそのすぐ後にも巻き返しでコッパチヌを追加し、11時には27cmながら本命のマダイまで釣れてしまったので、嬉しくて嬉しくてつい足元への注意が散漫になり、岩の間に打ち込んでいた竿立てに足を引っかけて激流の中に蹴り込んでしまいましたが。
徐々に潮位が下がってきたので11時半前、荷台側に釣り座を移動。仕掛けを運転席下からの潮からヨレに送り込んでいくと、早々に潜らされたウキにつながる竿先がスッと曲がり込んでいきました。
また来たぞ!コッパチヌ!と気軽に竿を立てると重い!強い!ひとしきり暴れて、姿を見せてからもまた抵抗。本日最長寸、42cmのチヌです。
・攻略できたのか?
これでようやく下げのダンプを攻略だ!そう思っているとみるみる潮の色が変わってしまいました。前回の宇野でも泣かされた豪雨の名残、泥水の塊です。
ここからは稀にサシエが盗られるくらいで掛ってくる魚は無し。
それでも諦めずにやり切ろうとしましたが、潮と鏡の変化が激しくて一貫した攻めができないことに苦しみ、ブッコミ仕掛けのように沈んだかと思うと突然ポッカリと浮いて、また突然沈んで・・・と不安定に上下運動するウキに翻弄され、強烈な渦巻きのおかげでヨレヨレになってしまった替えたばかりの道糸によるトラブルの連発にいらつき、鏡の横の悪意に満ちた位置に潜むシモリを憎悪する。そんな時間が続きました。
そして14時25分納竿、14時50分離礁。マダイはダメだったけど50cmクラスのチヌを仕留めておられた投げ釣りの方々と、一便で牛窓沖の黄島に渡り、でっかいマダイを2度バラしたというフカセ釣りの3人組を回収して帰港しました。
チャリコの食いに困るはずだったマダイは27cmが1枚でしたが、この時期にチヌの40cmオーバーを2枚というのは予想外の釣果!本格的な磯シーズンに向けて、いい弾みになるかもしれません。
さあ、次回は四国の磯に行けるかな?それともまた瀬戸内で納得のいく釣りを目指すことになるのかな?
その行く末は天気のみぞ知るかな。
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運転席裏の岩と、荷台側の岩。 |
またしても泥水到来。(この時はまだマシだったけど・・・) |
今回の釣果。 |
● 小 豆 島 shodoshima |
利用渡船 |
まこと渡船 |
出港地 |
岡山県瀬戸内市・牛窓港 |
時間(当日) |
7:30〜14:50
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料金 |
牛 窓:3000円
小豆島:4000円
日生諸島:4000円
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駐車場 |
無料 |
弁当 |
無し |
宿/仮眠所 |
無し |
システム |
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磯替わり |
有ったり無かったり |
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*データは釣行日のものです。間違いや営業内容の変更があるかもしれませんので、
必ず渡船店にご確認ください。(内容については一切責任を負いません) |
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