・連休は土佐清水市「布」と四万十市「名鹿」へ!
前回釣行のリベンジマッチの機会は10日後の3連休にやってきました。ちょっと間が詰まりすぎでしんどいけど、3月は瀬戸内で釣るチャンスすら怪しいほど予定がぎっしりですから、秋冬シーズンの最終戦は今のうちに行っておかなきゃ!
天気予報をチェックすると「土曜日は雨+南風、日曜は北西の大風、月曜は北西風時々西風で午後に南西風も」ということなので、名鹿(なしし)の丸西渡船に電話してみると「月曜ならOK!」との返事。やった!ようやく行けるぞ!結界があるかの如くふられ続けてきただけに余計楽しみです。ただ日曜日は大入りで磯が無いので灘に行こうと思ったけど、電話した時点では厳しいかもとのこと。それなら無理はせずに磯に少しでも高さがある所に行きたいけど、土曜日は地元で体力を使うのであまり遠くまでは走れない。できれば宿のある中村の近くで。ということで名鹿の南隣の磯に渡している土佐清水市の「布」というエリアを選択し、イカダと磯に渡す渡船を運営している高知県漁協布支所に連絡してみました。
電話に出た漁協職員の女性に渡船のシステムや乗船場所、空いている磯を聞いて、磯が高く真西や南西の風になっても躱せそうなオオグロという所を予約しました。状況を尋ねてみると「受付と船頭は別なので分からない。」「もし出船できないようならこちらから電話します。」とのことでした。
名鹿も楽しみですけど、前から気になっていた初めての釣り場というのもワクワクします。ネットではほとんど情報がありませんでしたが、フカセジャパン(フィッシングプレス)編集部発行の「2003年度版 四国南部の磯 四国高知西部・徳島県南の磯釣りポイント集」やらグーグル、ヤフーの航空写真やらでシミュレーションしながら時を待ちました。
そしていよいよ連休突入。土曜日は兵庫県立西播磨文化会館で昼前から遊び場の設営をして、16時まで こんな感じで(Facebook) 子どもたちと遊び(instagram)、片付けと真剣な反省会をしてから19時頃帰宅。急いで荷物を積み込んで約360kmの道を走り抜き、布漁港の駐車スペースで目を閉じました。ところが疲れ切っているはずなのに一睡もできませんでした。よっぽど楽しみだったのでしょうね。
・ベタ凪の布漁港にて
土曜日の昼過ぎまでは兵庫県でも雨だったけど、最新の天気予報のとおり雨は早くに上がり、夕方には北西の風が吹き荒れて瀬戸大橋ではハンドルを押さえつけながらの走行になりました。よし、これだけ吹いたらベタ凪だ!と確信したとおり、すっかり夜が明けた布の海は穏やかそのものでした。しかし港には誰も来ません。お客さんも船長も渡船も漁協の関係者も。予約の時に一反バエと中バエは先客ありと言っていたから私一人では無いはずだし、出船できないという電話も無かったのになあ。
出船は6時半から7時くらいと言われていましたが、結局7時になっても誰も現れず、運よく聞き出していた船長の携帯に電話をしてみました。すると「昨日の大風に備えて船を下ノ加江に持って行っているので今日は出せない。」「受付は電話しなくてもどうせかかってくるだろうと言っていた。」「他のお客さんの連れだと思っていたからそっちからも連絡がいくと思っていた。」という返事が。
・無理を聞いていただきました
このまま落ち込んでいても仕方がない。どこかに行かなきゃ。今回もまた頼りは宿毛湾かとも思ったけど、なんせ眠ってませんからあまり移動はしたくありません。丸西渡船は大入りだとは言っていたけどどうにかならないだろうか?とダメ元で、「河口近くのチヌを釣るような磯でいいから、弁当船で渡してもらえませんか?」とお願いしてみました。無理なお願いではありましたが、ベタ凪かつ大潮で12時半ごろ干潮という絶好の条件もあって快くOKしてくださいました。
私はすぐに伊豆田トンネルと四万十川を越えて竹島川、四万十川合流点の下田漁協前まで移動。少しの間車内で横になってからマキエに水を入れて混ぜたり、サシエのスタンバイなどをしていると、9時前、磯渡しの後に3人組を乗せて沖でジギングをしていた渡船が弁当を受け取りに行くために戻ってきました。私は荷物を積み込み、ジギングの人たちと話をしながら船長の帰りを待って、仕入れてきた弁当の仕分けが済んだらいよいよ出港。すると私も完全に戦闘モードになって、それまでの眠気も疲れも完全に吹き飛んでしまいました。
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丸西渡船と下田漁協前の
岸壁。この日のジギング
前半戦はダメだったとのこと。 |
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ウマノクラ先端側の釣り座。正面に棚が伸びています。 |
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こちらは地寄り。序盤は時々飛沫がバッカンを襲って
ましたが、潮が引いたので風が強まっても安心。 |
・まさかまさかの幻の磯
状況が状況ですので普段使っていないような磯で充分だったのですが、今日はどこにでも上がれるで!と、クマサクに上がることを勧められました。クマサクは名鹿港のすぐ南にあり、潮の高い時には渡礁困難な磯。昔上がって面白い場所であることを確認済みですから断る理由などあるはずも無し。しかし磯に近づいたところで事態は急転しました。
「この様子ならウマノクラも大丈夫そうやけど、どうする?」
何!ウマノクラですと!釣巧会リョータさんの昔のブログに「最終兵器の「ウマノクラ」。ハナレよりも上がれない磯。港を出てすぐにも関らず、45cmくらいまでのグレなら良く出るようです。ただ本当に小さい磯なので滅多に上がれないようです。また磯がダラダラと海底に伸びているようで、かけても獲れない事も多いようです。挑戦してみては!?」と紹介されているあの磯ですよね?こんなの行かざればその咎を受くってやつでしょ?人間万事塞翁が馬!禍福は糾える縄のごとし!
・厳しい状況
9時半過ぎ、東側(沖側)の足場にバッカンをセットしてスタート。まずは前方に張り出した棚の左側、北向きの竿下にウキ0号ガン玉5号のスルスル仕掛けを投入して探ってみました。北向きなので正面やや左から風が吹いてきますが、この時はそれほど強くなかったので問題なし。
三投目、かなり深い所でサシエが取られました。そこでウキ止めを取り付け、3ヒロから沈む設定にして探ってみますが、その後反応が無いし当て潮が正面の棚を乗り越えていくようになって非常に釣りにくいので作戦変更、回れ右して南向きを釣ってみることにしました。
底が見えている場所も多けど時折サラシが発生する南向き。Bのウキで釣ってみると近距離では結構サシエが取られました。犯人は足元の浅場では水面近くにまで浮上してきているキタマクラでしょうねえ。そこで少し沖を重点的に攻めてみるとまずアカササノハベラが釣れ、続いて20cmちょいのホウライヒメジが上がってきました。この魚、昔はよく掛かっていたのにここ数年不思議と見かけることも少なくなったような。ただの偶然でしょうけどね。
その後正午を過ぎるまで何も釣れませんでした。マキエを観察してもキタマクラとキビナゴしか見えないし、快晴で15度を超えていると思うけど風が強くなって寒いし心が折れそう。もし普通の磯に渡っていたらおそらく寝てしまっていたことでしょう。しかしここは幻の磯ウマノクラ。今更ですけどハリスを落とし、ハリも多少小さくして、加工オキアミとマキエから拾った生オキアミを落とし込んでいきました。するとG2に換えていたウキが棚の落ち込みで久しぶりに沈みました。上がってきたのはアカササノハベラでしたが、その数投後、12時18分に掛った魚は引きが違いました。竿を叩いていたのでコッパサンノジかコッパギツだろうと気楽にあしらっていると、浮上してきたのは口太グレ!サイズは26cmなので普段ならリリースですが、今回はこれを逃せばクーラーに入る魚が無いと判断してキープしておきました。
・異常事態?
今回初のグレに気力を回復させた私はしばらく同じポイントを攻めていましたが、南側の潮が沖向きに変わり、北から沖向きの棚を乗り越えてくる潮と合流して南東に流れていくようになったので、その合流点をダイレクトに狙っていく作戦に切り替えました。しかし掛かってくるのはアカササノハベラばかり。最後に練り餌「食い渋りイエロー」で怪しげなアタリがあったもののハリ掛かりせずに終了。14時20分ごろにナナマのお客さんを回収する船が見えたので大急ぎで片付けました。(船は磯の前を通り過ぎて沖から回収していったので時間の余裕はあったけど。)
元々あまりよくない時期だとは言えこの日の名鹿は全体的に釣れていませんでした。唯一の例外はナナマで、チヌ、ヘダイ、そしてグレも数枚しっかり釣っておられました。
私のクーラーには結局唯一のグレとなった26cmの口太だけ。あとはリリースしたホウライヒメジ、ミニイシガキダイ、スレ掛かりのキビナゴが1匹ずつ。それにアカササノハベラが10数匹という結果に終わってしまいました。まあこの磯でよぉ釣らんのやから、どの磯に行ってもあかんかったんやろね。
それにしても驚くべきはこの名鹿でサンノジが一枚も釣れなかったことでしょう。こんなこと多分初めてだったはず。いや、釣りたかったわけじゃないですけどね。
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ウマノクラの全景。 |
当初上がるつもりだったクマサク(左)。
奥の大きな磯はハゲバエ。 |
・二日目の朝は大慌て
中村駅近くの民宿で眠りをむさぼり、翌朝6時前に宿を出発。宿から乗船場までは15分かからないし、エサも夕方に混ぜ終わっているのでゆっくりしていたのですが、外に出てビックリ!車がガチガチに凍っとるがな!早朝は異様に寒い地元・西播磨でもこの冬は数回しか経験していない事態に焦りまくりでした。でも冬季は解氷スプレーを積んでいるので大丈夫と思いきや、窓の曇りがなかなか取れず、低速運転の車にも阻まれてギリギリの到着になってしまいました。すでにスタンバイ済みの皆さん、済みませんでした。
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干潮時のナガハエ。先端部の棚は最初水中にありました。 |
ついに登場!
名鹿名物口細グレ
(サンノジ) |
船は私が乗り込んだ直後の6時半に岸壁を離れました。声をかけてくださったごりまき倶楽部の方と話しているうちにこの日最初の磯ハゲバエに到着。ここに初心者の方とその師匠が上がり、私は次のナガハエに上がりました。
・船長推薦のナガハエ
昨日を含めて最近あまり釣れていないものの、40オーバーの実績も数釣りの実績も充分で、明日は多分いいんじゃないか?と、前日に船長から勧められていたナガハエは、ハゲバエとフタツバエの中間の地寄りにある、東西50mほどの長大な磯です。
この磯もウマノクラと同じく沖(東)向き正面に棚が長く伸びているので左(北東)でやるか右(南東)でやるか選ばなくてはいけません。棚の先にあるシモリ磯を直撃する手もあるけど、真正面に太陽があって海中の様子が全く見えないため、太陽が昇ってしまうまで温存しておくのがよさそうです。
で、最初の一手は穏やかな左側を選択。渡礁の時に見えた急な落ち込みに狙いを定めて0号+ガン玉5号のスルスル仕掛けを投入してみると、1投目から竿先にアタリが出てアカササノハベラが上がってきました。それからしばらくやってみてもアカササノハベラばかりなので右側のポイントに狙いを変更しました。
・連発!
磯の右側は起伏が多く、少し沖には水面に顔を出したシモリもあります。そして正面水中の棚を越えてくる波で複数のサラシができています。
まずは2つのサラシの隙間に仕掛けを入れて、磯際とシモリの間をG2のウキと3号、7号のガン玉、ウキ下2ヒロ強の仕掛けで攻めてみると、7時44分にウキがスパッと消し込んで今回初となる名鹿名物サンノジが釣れました。続いて23cmですが尾長グレも登場。さらにコッパサンノジを挟んで8時7分にもラインが走り、竿を叩かない魚がヒットしました。浮かせてみると丸々肥えた口太グレ34cmではありませんか!しかもハリを外すときに精子の放出を確認。これは明晩の白子の蒸し物が楽しみだぞ!!
低水温期にはサラシがマイナスに働くのではないかと心配していたのですが、やはり溶存酸素量は多い方がいいのかもしれませんね。このポイントではとにかくアタリが多く、よく竿が曲がりました。8時10分から8時49分までの39分間のタイムラプス(1秒間隔の静止画連続撮影)がこちら。
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