真夏の風物詩!? 今年も対決!
         室戸ブチブチ釣行記 3

2005年8月7〜8日 高知県室戸岬漁港

夏真っ盛り。この季節が巡ってくると、やはりあそこへ行くしかありますまい。
今年も室戸岬漁港へダンゴを投げに行ってまいりました。


遠征といえば毎回邪魔をするのが台風。今回も南海上から強力なやつが圧力をかけてきたので一旦は延期。
しかし予想外に動きが遅く、当日も再度延期の危機にさらされたものの、台風は結局大陸に針路を向け、うねりは残っても波止の内向きということもあって決行!
今年の異常な暑さの炎天下ではこの体が持たないので7日の朝はゆっくりとこちらを出発し、夕マズメにかけることにしました。


順調に橋を渡りトンネルを抜け、どこまでも青く煌く土佐の海を眺めながら東へ。
室戸市に入り少し走ったところ、ネット仲間の皆さんが教えてくれた「キラメッセ」の鯨料理で腹ごしらえをしてから怪物たちとの戦いに臨もうとしてのですが、日曜日ということもあってかえらい行列ができています。
とりあえず最後尾に並びはしたものの、席に着くのに20分、注文した料理が出てくるまでに30分ととんでもなく時間を費やしてしまいました。鯨のタタキ定食は美味しかったんですけどね・・・。


で、予定よりかなり遅れて室戸岬漁港へ到着。急いで荷物を下ろし、僕はいつもの白灯先端よりの小突堤へ。同行してきた親戚は点在する空海ゆかりの史跡や寺院探訪へ。
重たい荷物をキャリーに載せてコロコロコロコロ転がしながらポイントに着くと、懐かしい笑顔がありました。

10年前の全日本大学釣り選手権、京都大会で琉球大代表として知り合ったakio君。もともとは大阪人ですが沖縄が好きで留学。更にもっと大好きな高知県を就職先を選び、物部村に単身移住した釣り人です。
忙しい仕事の合間を縫ってわざわざここまで駆けつけてくれていたのですが、長く待たせてしまって申し訳ありません。


挨拶や近況報告をしながら道具を準備。今回も4号遠投の磯竿に5000番のリール、道糸は30ポンド(7〜8号)で挑戦です。
おっと、近くに同じ紀州釣りをしている人がいるようです。akio君の話によると岡山からの釣り人で午前中に5号の竿を魚にへし折られているとか・・・。今年のやつらはさらに強力なんだろうか・・・。

道具に続いて波止ダンゴ、おからダンゴ、チヌパワーなどをブレンドしてダンゴの準備をしていると、大きなクーラーを抱えた人が笑顔でこちらに向かってきてくれました。
今回初対面のてぼ@高知さんです。

まさかお会いできるとは思っていなかっただけに本当に嬉しかったです。


ルアーがメインのakio君は今回もジグを投げておりました。手のひらより少し大きいくらいのカンパチの子の群れが入ってきており、ルアーを集団で猛追。瞬く間にヒョイヒョイと数尾釣り上げて見せてくれました。

こちらも準備完了。生ミックやオキアミをダンゴに包んでポンポンと投入を繰り返します。
が、アタリが・・・。
いつウキや竿が物凄いスピードで引き込まれてもいいように万全の態勢で備えていますが一向にアタリが・・・
三人が三人ともバケモノたちとの壮絶な戦いを楽しみにこの地に来ていただけにこれは大誤算でした。
こういうときは物凄く寂しい釣りになるところですが、今回はさにあらず。
あんな話こんな話で盛り上がったり、差し入れのよく冷えて美味しいスイカをみんなで齧ったりと(てぼ@高知さん、ありがとうございました)本当に楽しかったです。


結局夕闇が辺りを包み込むまで投げ続けたけれど、釣れた魚はニセカンランハギとキタマクラだけ。あとは合わせると同時にすっぽ抜けたアタリが一回のみ。

そのニセカンランハギもズバっと鮮やかに消しこんだくせにスレ掛りという有様・・・。
なぜか掬っても掬っても網から泳ぎだしていく魚を見つめて首を傾げているakio君。なんと網がいつの間にか破れて大きな穴が開いてたんです。気付かなかった・・・(汗)

去年までとは比べ物にならない貧果。魚の入っていない魔王ステッカーつきのクーラーを転がして、明日の巻き返しへの応援をいただきながら、てぼ@高知さん、akio君とお別れして、山の上の宿へと入りました。

今年の室戸は暑かった!
釣果は寒かったけど・・・。
初日唯一の釣果、ニセカンランハギ
スレですが・・・。


二日目は6時開始。暑くなる昼前までの釣りということにしていましたが、着いた時点ですでに猛暑。昨日と違って風が無いのが辛いところでした。
ポイントにはすでに人が入っています。近づいてみると高知の方が紀州釣りをされていました。

正直、室戸でここまで紀州釣りが定着しているとは驚きましたよ。圧倒的なアタリの多さ、しかもその暴力的なアタリと壮絶なファイト。
魚の圧倒的有利な状況からファイトを開始しなくてはならない致命的な欠点はあるものの、ここでの紀州釣りの魅力は凄いですからねぇ。


道具をセットしている間にその釣り人がサンノジをヒットさせました。昨日と違って今日は有望かも!
ワクワクしながら小突堤の先端に釣り座を構えて投げ始めるもやっぱりアタリが無く、昨日と同じ外向き(港の出口向き)に移動。

1時間ほどするとアタリが出ました。竿のパワーに物を言わせてグッとためていると難なく魚が浮いてきました。
ゆらゆらと上がってくる黄色の魚体。40cmほどのヒブダイでした。

これから連発!と期待しましたがやはり大きなアタリは少なく、オキアミなら盗られるけどイカやムキエビにはほとんど触ってこないというような状況が続きます。
隣の人も同じように沈黙が続きます。

ただ、昨日よりはかなり状況はいいようです。かなり時間は開きましたが、一旦浮上してきたウキが電光のごとく消えていきました。
両手で竿を支えながら素早く立ち上がって迎え撃ちます。
しかし、4号の竿に両手でしがみついて水平を維持すること数秒。それが限界でした。
あとはどうすることもできずにあっさりとハリスが両断。

昼が近づくにつれてそんなアタリの間隔が狭まってきました。しかしどうすることもできません。
一度だけ最初の突っ込みを凌ぎきって、竿を立てることに成功したものの、攻撃に移ろうとした瞬間にもう一発走られてアウトというのもありましたが・・・。
隣の釣り人も同様です。

やはりこの釣りのベストタイムは真昼間のようですね。それでも普段とは比べ物にならないくらいアタリは少なくて、結局大きなアタリは6回で終了でした。そのうち取れたのが1度きりというのが情けない・・・。8号にハリスを上げてもヒット率が減るだけで結果は変わりませんでした。


もう少し続けたらよかったのかもしれませんが、折からの猛暑が限界を告げていました。去年までとは違って心臓に重大な病を抱える身ですから決して無理はできません。
残念ですが正午を待たずに終了です。


今年もバケモノたちの正体を暴くことはできませんでしたが、いつものブチキラレを味わえただけでもホッとしました。
いや、この太仕掛けでダンゴを投げられただけでも大いに満足でした。
昨秋、拡張型心筋症の病名を宣告されたときにはまさかこの地に帰ってきて再び怪魚たちと相対することができるなんて思いもしなかったから。
また来年も真っ向勝負を挑みに来ることを誓って室戸の青い海をあとにしました。

剛竿を引き絞られる高知の釣り人。
このときの獲物はニセカンランハギでした。
済みません。今年はこれしか
捕れませんでした。
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