手早い 速攻!魚捌術 魚のさばき方

・魚を手早くさばくために

〜道具の持ち替えの回数を減らす〜
 例えばグレを三枚におろし、刺身にするとすれば、作業工程はだいたい「ウロコを落とすはらわたを出す魚を洗う包丁・まな板を洗う三枚におろすまな板を洗う腹骨・皮などを取るまな板を拭く切り分けて盛り付ける」となります。
 これを使う道具に変換すると「ウロコ落とし出刃包丁素手(または、ささら等)まな板出刃包丁まな板柳刃包丁布巾柳刃包丁」 つまり、道具を9回も持ち替えることになります。
 この道具の持ち替えを魚一匹ごとにやっていたら、持ち替えの回数は膨大なものになり、終わるものも終わりません。
 魚は1匹ではなく、一区切りを一単位と考えて、持ち替えの回数を減らすことで効率一つアップ!

〜システムキッチンのはめ込み式まな板は外して使う〜
 はめ込んだまま使うと、まな板の手前の角が使えなくなり、包丁の動きが制限されてしまいます。
 これでは「おろし作業」もやり難いですし、包丁をまな板にピッタリと沿わせることがポイントである「皮引き」や、包丁の刃渡り全部を使って引き切る「刺身の切り分け」なんて、まともにできるはずありません。
 ですので、そういうまな板は、水洗いが終わって「おろし」に入る際に流しから取り外して、流しの横の平らな所へ置き、そこで作業することをお勧めします。

〜まな板の水気・血は小まめにふき取る〜
 ま、これも基本ですが、怠ると味が悪くなりますからね。手の届く所に布巾かキッチンペーパーを置いておきましょう。
 また、魚の水洗いの時に、終わった魚を斜めにしたまな板に並べて水を切っておくことも効率アップに繋がります。
 どうせどこかに置いとかなきゃいけないのなら、一石二鳥でいきましょう。

・水洗い(ウロコ・内臓を取り去り、汚れを洗い流す)

鱗(うろこ)を落とす
市販のウロコ落としや出刃包丁の刃を使って鱗を落とします。流しの中でやれば後が楽。      
(包丁でやる場合は危険なので、まな板の上でやりましょう。)
・鱗が乾いてしまったものは少しの間、水につけてふやかすと取り易くなります。
・カンパチなどの青物、石鯛・ヒラメ・カレイなど鱗が細かい魚は金ダワシを使って鱗を取ると楽ちん!
(皮の薄い魚は不可)ただし、どうしても金ダワシの破片が残ってしまうので、後でしっかり洗い流すこと。
・魚のサイズや種類にもよりますが、ウロコ落としを使う時は、ビニール袋(レジ袋)の中で作業すれば片付けが楽♪
区切りがついたら流しや、まな板、魚の上に溜まった鱗を片付け、まな板をセット。
魚の量によっては片付けずにそのまま次の段階へ。
内臓、エラを取り去る準備
流し(入れ物)から魚を1尾つかみ、まな板の上へ。
   黄色ピンクの順に切る。
    大きな魚は
も追加。
包丁の切っ先や手元を使って、鱗落としや金ダワシでは取り辛い場所、
背ビレ、尻ビレの際、胸鰭や腹ビレの周りの鱗をしっかり落とします。
必要であれば頬や頭の鱗も取ります。
・鱗落としは体の真ん中は少々適当でもいいので、
背中と腹の部分のウロコを
しっかりと落とすこと。いい加減だと食感を損ねますし、
この後の作業が非常にやりにくくなります。
魚の腹を手前、頭を右にしてエラを指または
包丁を使ってこじ開けます。
エラの付け根(アゴ)を切り離します。
エラの後ろ側(胴体とのつなぎ目)に包丁で切り込みを入れ、
エラの下側の部分は力を入れて切り離します。
・スズキや青物、大物の魚などの場合はこの時、エラと頭とのつなぎ目をえぐるように包丁を入れて切っておくと後で便利。
エラの下の切り口から包丁の刃を入れ、腹ビレの間を通って肛門まで切り開きます。
・腹ビレの間は硬いので細心の注意を払うこと。指を切らないように!
・一直線が無理そうだと判断したら腹ビレの外側を迂回。
・あまり深く包丁を入れて内臓を潰してしまわないように。
ここまで終わったら魚を流しに戻して次の魚へ。(ここではまだ内臓はとらない。)
区切りがついたらまな板を洗い流して次の段階へ。
・魚の頭部を利用しない場合は当然、最初からバッサリと頭を落とし、返す刀で腹を開けてください。
その場合も腹は開けるだけで内臓を取るのは後回しに。
内臓とエラを取り汚れを洗い流す
アゴ側からエラをつかみ、肛門方向に引き剥がすとエラと内臓が一気に外れます。 画像準備中
鱗と残った内臓を洗い流します。
親指の背を使って血合いも取ります。(「ささら」やシュロのタワシを使っても便利)
洗い終わった魚は、斜めにしたまな板か竹のザルの上に頭、または腹の切り口を下にして順番に
並べていきます。

次の魚を洗っているうちに少しでも水が切れますので。
一区切りついたら流しの中を洗い流し、その中へ魚を移しておきます。
まな板は布巾で水気をふき取っておきます。    

・3枚におろす (二枚おろしはいずれまた^^)

身のしっかりした魚の場合(チヌ・グレ・真鯛など)
まずは1枚目。
魚の腹を奥、頭を左にして置きます。
腹ビレの後ろから包丁を入れ、胸ビレの後ろを通って後頭部へと、骨に当たるまで切れ目を入れます。
・切り終わり、つまり背中の部分(後頭部)も骨に当たるまで切っておくこと。
魚を半周させます。つまり腹が手前、頭が右になるように。
尻ビレの付け根ギリギリに包丁で浅く切り込みを入れ、それを手がかりに次の一刀で背骨まで切り開きます。
・包丁を寝かせて骨に沿わせて切り開くのが最大のコツ!
包丁の切っ先付近を上手に使って肋骨と背骨のつなぎ目を切り離し、腹の身を軽く持ち上げながら背側の身を切り開き、
切り離します。
・包丁を入れる回数をできるだけ少なく!
・背骨と背ビレの骨との継ぎ目で包丁が下に入ってしまわないように注意。ヤバイなと思ったら魚を半周させ、
背ビレの付け根から包丁を入れてフィニッシュする。
魚を裏返して・・・
まずは頭を落とします。
魚は腹を手前にして置き、後頭部から腹ビレの後ろまで切れ目を入れます。   
そして背骨に包丁の付け根の刃を押し当て、
左の手のひらで切っ先をドン!と叩いて、てこの原理で切り離します。
・一度で切ろうとせず2〜3度に分ければよい。
・叩く時は親指の下、生命線の内側の部分を使う。変な所使うと怪我しますよ(汗)
・姿造りをする時はここで頭を切り離さずに切り込みだけに留めておきます。
姿造りの場合はあらかじめ腹を開けずに内臓とエラを取っておきます。
魚を半周させ、腹を奥側に。
背ビレの付け根ギリギリに包丁で浅く切り込みを入れ、
それを手がかりに次の一刀で背骨まで切り開きます。
魚を半周させ、腹を手前に。
尻ビレの付け根ギリギリに包丁で浅く切り込みを入れ、
それを手がかりに次の一刀で背骨まで切り開きます。
包丁を立てるようにして背骨を切り離し、尾ビレとの境も切り離します。
腹骨(肋骨)をすき取る
(刺身にする場合は、まな板をきっちり洗ってから柳刃包丁に持ち替えて
皮引きとセットでやる)
包丁の刃渡り全てを使う感覚で腹骨をすき取ります。
この時、最初に包丁を逆さに入れて、画像の赤丸の部分を切り離しておくと綺麗に   
すけます。

これで三枚おろし、完成です!
刺身にしたり、使い方に応じて切り分けてください。
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身の柔らかい魚の場合 (都合により画像はチヌを使っておりますが・・・)
まずは頭を落とします。
魚の腹を奥、頭を左にして置きます。
腹ビレの後ろから包丁を入れ、胸ビレの後ろを通って後頭部へと、
骨に当たるまで切れ目を入れます。
魚を裏返し、こちら側も後頭部から腹ビレの後ろまで切れ目を入れます。   
そして背骨に包丁の付け根の刃を押し当て、
左の手のひらで切っ先をドン!と叩いて、てこの原理で切り離します。
魚を半周させ、腹を奥側に。
背ビレの付け根ギリギリに包丁で浅く切り込みを入れ、
それを手がかりに次の一刀で背骨まで切り開きます。
魚を半周させ、腹を手前に。
尻ビレの付け根ギリギリに包丁で浅く切り込みを入れ、
それを手がかりに次の一刀で背骨まで切り開きます。
包丁を立てるようにして背骨を切り離し、尾ビレとの境も切り離します。
魚を裏返します。魚の腹を手前、頭を右。
尻ビレの付け根ギリギリに包丁で浅く切り込みを入れ、
それを手がかりに次の一刀で背骨まで切り開きます。
魚を半周させます。つまり腹が奥、頭が左になるように。
背ビレの付け根ギリギリに包丁で浅く切り込みを入れ、
それを手がかりに次の一刀で背骨まで切り開きます。

次に包丁を立てるようにして背骨を切り離し、
尾ビレとの境も切り離します。
包丁の刃渡り全てを使う感覚で腹骨をすき取ります。
これで三枚おろし、完成です!
刺身にしたり、使い方に応じて切り分けてください。

・アラを切り分ける

1、背骨を切り分ける
真っ直ぐ包丁を振り下ろし、出刃包丁の重さで叩き切ります。
この時必ず包丁の付け根の刃を当てる。(切っ先を当てると刃こぼれで泣きます)   
または、包丁の付け根の刃を押し当て、左の手のひらで切っ先をドン!と
叩いて切ります。
2、頭を割る

口を上にしてまな板に置き、
前歯の間に切っ先を突っ込みます。
(無理な魚もありますが)
刃の付け根を左の手のひらで何度も叩いて
徐々に切っていってください。
小さな魚以外は、中心線を両断するのではなく、
その少し脇を割っていくことになります。
その後、下あごを切り離し、
要らないヒレなどをカットすると完成です。

・刺身にする (また機会があれば書くかも!?)

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