風雲児  烈風伝
・巨グレ連発の中泊にて!
        魔王の祭典 第4回サタンフェスタ!
2008年 5月10〜11日  愛媛県 中泊
「魔王会」をご存知だろうか?
幾度となく撃沈(ボウズ)を繰り返して、撃沈大魔王のレッテルを貼られた情けない釣り師の集い。
数年前には全国のネットの釣り師を撃沈と強制入会の恐怖で震撼させたこの恐ろしい団体は、暫く目立った活動を停止していました。
しかしながら魔王会は解体されたわけではありません。地に潜り、息を潜めながらその牙と爪と角を砥ぎ、魔力を溢れんばかりにまで蓄えていたのである!!
その魔王会が世の中を再び撃沈の恐怖に陥れんがため(ほんまかいっ?)今、動き始める!!!

というわけで、魔王会の恐ろしくも楽しい大会・サタンフェスタが激流走る巨グレの名所、中泊で3年ぶりに開催されるのです。
私は当初どうにも行けそうになかったのですが直前になって都合がつき、お隣岡山県は美作の寝太郎さんの車に便乗させていただいて参戦することと相成りました。
急な参加表明にも拘らず、幹事のグレ太郎さんはその兆候を先んじて感じ取っておられました。
それまで穏やかだった当日の天気予報が急に雨予報に変貌し、南の海には台風が発生して本土を狙い始めたことによって。

我々播磨美作コンビは折角なので前日の夕釣りをやってから、日曜日のサタンフェスタ本番に参加です。
ですから集合は10日土曜日の朝5時前に兵庫県の西端で。備前インターから瀬戸大橋、松山道を経て8時過ぎには大洲の「釣り人館ますだ」へ到着。談笑しながら仲間を待ち、9時を過ぎた頃に再出発!

家を出る前からしっかりと降り続いている雨の中、3台の車に分乗して中泊を目指す6人は、グレ太郎さん、グレ次郎さん、ヤッシーさん、そして「悪天の総帥が動くのだから三ノ瀬なんてどうせ無いし」と沖の島釣行の予定を急遽変更した醤油屋さん。それに寝太郎さんと私。
さらに悪天組合の宿命のライバル、晴れ魔王こと「磯際の魔術師さん」とそのご友人「波の上の魔術師さん」も港で合流です。
午後1時半、ながはま渡船の2つのエンジンが唸りを上げました。
港をスルスルと滑り出た船は鹿島に差し掛かると一気に加速、他船に先んじて大尾長の待つ名礁に付けるため、全船爆走!
といってもこの日の夕釣りに出船したのは僅か3隻。流星号の愛称を持つ、この渡船でさえ我々魔王8名の他には2名のお客さんしか乗船していないため、それでもいつもよりかはゆっくりと。

夕釣りではこの日まで4日連続で60cmオーバーの尾長グレが上がっている中泊。
それぞれが釣れた釣り場はバラバラだということで、一廉の磯ならばどこででも可能性があるでしょう。
期待に胸が膨らむ中、船は小地島の前でスローダウン。目の前は・・・ あの恐ろしい実績と知名度を誇る名礁・大三角だ!!
その「大三角」に私とグレ太郎さん、寝太郎さんが渡礁。隣の「大三角の奥」に磯際さんと波の上さん。ヤッシーさん、グレ次郎さんと醤油屋さんは横島の「コケの東」、朝釣りで大三角に上がられていたという2名は確か「インキョ」と、いずれもこの中泊でも屈指の名礁に釣り座を構えたのですから、これは誰か一人でもやらないわけにはいかんでしょう!!

    船着きで雨に耐えるグレ太郎さん
グレ太郎さんは船着きで釣られるということですので、私と寝太郎さんはテレビや雑誌で有名なあの出っ張りで並んで釣ることに!私は左側、小三角方向に陣を敷きました。
大粒の雨は相変わらず降り続いています。降水確率80%でも晴れを呼ぶ男、磯際の魔術師さんの力も今日は船上でほんの一瞬だけ止み間を作っただけで封じられてしまいました。
その雨の冷たいことは5月なのにまるで冬のよう。
さらに私と寝太郎さんの釣り座では小三角方向からの風が絶えず吹き付けて、舞い上げられた雨粒が顔と首周りを下から打ちつけます。これじゃフードもほとんど役に立たず、この日は最後まで寒さに震えながらの厳し釣りになってしまいました。

外ガイドのツインパワー2号に3000LB、道糸3号ハリス3号速攻グレX7号、G2負荷のウキを固定にしてG3とG4のガン球を打ち、ウキ下2ヒロ半。
とりあえずはこれで様子を見て・・・と思ったけど風で横滑りする表層に邪魔されて全く使い物になりませんので思い切ってBのガン玉を追加、それでも仕掛けは馴染まず、ウキも沈んでいかず。
結局ウキを3Bに替えて、やっと戦えるようになりました。

沖ではほとんど餌は触られませんが、足元では全く残りません。ウキ下を上げたり下げたり探ってみますが、針に掛かったのは小ぶりの丸ハゲが一つだけ。寝太郎さんのほうも全く音沙汰無し。
朝釣りで上がっていた2人もイサギ1尾しか釣れなかったそうですし、「まあ4時まではこんなもんでしょ」と雨と寒さに震えながら二人、耐え忍ぶしかありませんでした。

    雨と寒風に耐える寝太郎さん
どれくらいの時間が経ったことでしょう、ぼーっと見つめていた沈みゆく撒き餌の下、大きな影がゆらり!
改めて足元に撒き餌を打って目を凝らします。
絶え間ない風波と雨粒だらけのレンズでははっきりとは見えはしませんが、それでもサイトマスターは撒き餌を追うデカバンの群れを網膜に伝えてくれています。
「おる!居る!尾長っ!!」
叫ぶや否や、仕掛けを切って竿を仕舞い、背後のロッドケースに駆け寄って別の竿を引っ張り出しました。
時計を見ると4時を少し回ったところ。磯に上がる前から仕掛けを換えようと考えていた時間です。

BBX(金色)3号。道糸4号。ハリス4号。ウキは相変わらず3B。
7年前の由良でたった一度だけしか見たことのない尾長の乱舞。その興奮と寒さでかじかむ指先でガン玉を何個も何個も磯にばら撒きながらも仕掛けを組み上げ、釣り座へ。
棚は浅い!ウキ下を一ヒロちょっとに詰め、息を殺してその時を待ちます。待ちます。ひたすら待ちます・・・。

ビュン!!
竿一本先を漂っていたウキが、残像を残して消えました。
息を飲み込むのと、竿を起こすのが同時でした。ベールを返し、両手で竿にしがみついてヤツの走りを受け止める・・・考える前に体はすでにその体勢を取っています。
しかし、あまりのウキ入れのスピードに泡を食ったためかベールは充分には返らず、カラカラ、カラカラと異音を立てて道糸が弾き出される!しまった!!

幸いにして大事には至らず、どうにか体勢を立て直して戦闘続行。
魚は出っ張りの先端へ、反転してワンドへと磯際へ磯際へとフルパワーで突っ込みます。満月にしなる竿。
こちらも腕力を振り絞り、全身を使って真っ向勝負。
このタックルが負けるわけがない!迷いなく3度4度の突進を力でねじ伏せると流石の魚も浮上を始め、水底からゆっくりと茶色の魚体が見え始めました。
サイズはもしかすると50cmあるか?あまりにも遠い記憶の中に居た魚、尾長グレ!
ヤツは姿がはっきり確認できる深さでヒラを打って横に進み、首を一振り。 ・・・嘘ぉ??
突然海底を指し示していた穂先が天を指しました。やられた!
4号ハリスが不思議なほど突然、あっけなく尾長の歯によって断ち切られた瞬間でした。
アワセで遅れを取ったもんなあ(涙)

仕掛け交換。次こそは!と何の躊躇もなくハリスを5号に張り替え、尾長針8号を結び、先手を取れるようにと神経を張り詰めて竿を構えてます。(南予地域に大雨警報が出される程の雨と寒さで神経はすぐにズタズタでしたけど)
暫くすると隣の寝太郎さんに動きが!
アテンダー2.25号が大きく絞り込まれています。
私が仕掛けを回収しタモを取りに走ると、寝太郎さんは竿のパワーと技に物を言わせて尾長を磯際の水面へ!
これも50cm前後の茶グレ!
タモを構える私。水面が波で上下します。迷いが頭を掠めます。
意を決して網を使った瞬間、打ち寄せる波がその周囲を襲いました。ああっ・・・
寝太郎さんとの呼吸が乱され、タモは引き波に撓るだけ、竿は風に撓るだけ。
3号のハリスは無残にも空中を漂っています。折角の尾長だったのに。あと半歩だったのに。
自分の魚ならいいけど、仲間の貴重な魚を・・・。寝太郎さんにはお詫びのしようもありません。

それから、あと一時間あればと歯噛みしながら納竿した6時ギリギリまで、雨風の他に竿を曲げるものはありませんでした。
船着きに戻ってグレ太郎さんと戦績報告。
嘘のように穏やかな風の中、グレ太郎さんはやはり取り込み寸前でハリス切れ。無風状態の大三角の奥の、波の上の魔術師さんもぶち切られ。磯際さんは唯一の尾長を仕留めておられましたが、一発どうしても止めることができないやつがヒットして、否応無しにぶち切られたそうです。
さらにコケ東の醤油屋さんも、ドラグが滑りっぱなしの尾長が掛かり、どうすることもできずラインブレイク。
8人で7発掛けて一つしか捕れずですよ。ハリスも3〜4号。もちろん1号とか1.5号とか馬鹿げたハリスなんて誰一人使っていないのに。
夕釣り恐るべしですね。そしてこんなに捕れない魔王、恐るべし・・・(笑)





   風雲児まじっく犠牲者No2 グレ太郎さん
風雲児まじっく犠牲者No1 寝太郎さん
翌11日朝はいよいよサタンフェスタ本番。
昨日8人だった魔王は夜のうちに16人に増えています。懐かしい顔初めての顔。昨夜の宴会では私は真っ先に眠ってしまったので改めてご挨拶。
午前5時前、その魔王たちがゾロゾロゾロと渡船に乗り込みいざ出発!昨日の雨はすっかり上がっています。
心配された台風のうねりも今のところは大丈夫そう。今回は以前の御五神クルージングの時のメンバーが何人も含まれていたのであんな事態にならないか醤油屋さんと二人で心配してたんですけどね(笑)
コケの東から、くじの順番に従って渡礁開始です。

私のくじは10番。横島の南東に位置するツルクビ(鶴の首)にka-minさんと二人で上礁。
昨日の雨はすっかり上がりましたが、この磯は北からの風が結構強く吹き付けています。
私は「沖の島・鵜来の穏やかな時だ」と気楽なものですが、ka-minさんは船に居る時から嫌だ、嫌だと(笑)

私は磯の先端で、ka-minさんは少しでも風が弱いと見たのかホオタブロ側の釣り座で竿を出すことにしました。
船長によると口太はほとんど喰っていないと言うことですので、たまに来ては切られるという尾長の方に照準を合わせて2号の竿を選択。道糸3号、ハリスは2.5号でいくかな。

撒き餌を何発か打ってみるとエサトリが思いの外に活発です。しかも難敵、磯の一発屋・コガネスズメダイが一面に。これは終わったかも?

     風雲児まじっく犠牲者No3 ka-minさん
風で表層が滑って今日もG2なんかは全く馴染みません。3Bを過負荷にしても相当に怪しいもの。
まあ予想通り、馴染む馴染まない以前に餌が無いんですけどね。
いい潮が南へ流れ始めるまで釣れたのはハリセンボン1匹。
その潮もこの仕掛けじゃ充分に攻められないので、思い切って1号ウキを投入。
ウキ下も竿一本半まで落として、マダイでも来たらいいななんて。

その仕掛け変更の効果は割とすぐに顕れました
潮を掴んで流れていたウキが消えたと思った瞬間、道糸がスプールを押さえていた指を弾きます。
確実にベールを返すと問答無用に竿が引き絞られます。珍しく使っているドラグ付きスプールからジリジリ、ジリジリと糸が引き出されていきます。魚は一直線に突進!腰を落として耐える!! ・・・ポン!
あかんかったか〜。また今日もやられてしまった。デカかったのに!!
ガックリしながら仕掛けを回収すると、傷つきはしているもののハリスは無事。その先にはなんと針が付いているではありませんか。
相変わらずの針外れ病です。本当に腹が立って腹が立って。

風がドンドンと強くなってきました。もはや投げたいポイントには風が息継ぎをする瞬間を待たないと投入できません。手返しが極端に落ちます。
ミスキャスト、ウキが流れの脇に落ちました。
構わず仕掛けを入れていくと、アタリだっ!
あんまり大きくない魚のようですが、ラッキー!と思ったのも束の間、僅か数秒後、いつもの感触が竿に伝わってきました。
そう。針が外れた時の感触です。

その後、大苦戦。
私の釣り座から潮に乗せて流していっても、どうしても潮筋から離れ、ウキが止まってしまいます。アタリも全く出ません。
また折角綺麗に仕掛けが入っていく隣の釣り座のka-minさんの邪魔になるばかりで、これじゃ共倒れ。ここは一つ、グレ・マダイはka-minさんにお任せして、私は朝、ka-minさんが竿を出されていたホオタブロ寄りの平らな所に移動、仕掛けを変更しました。
時化で磯の周りあちこちが白いとなるとコイツの出番!マリアオフィス、ザ・ファーストXJ。12cmフローティング、パールの地に銀のホログラム。最近は出番が無いけど、昔好きだったミノーです。
四国へ通い出した当初は必ずルアーを持って上がっていたけれど、あまりの風の強さに投げたルアーがUターンして足元や、酷い時は後ろに落ちるのに嫌気が差して、いつしかロッドケースに忍ばすことさえも止めてしまってましたが、ここ中泊はとにかくヒラスズキの濃い所ですので久々に一本だけ持参していたのです。

今回は暴風を背に受けているのでビックリするほどルアーが飛びます。
飛びすぎて向かいのホオタブロの付け根の磯の上に乗ってしまって、もう少しで陸上根掛かりするところでした。
点在するシモリの上を通して、あるいは磯際のサラシを順々に通してとコースを変えながら足元のサラシまで引いてきて、最後は竿先を海中に突っ込んで、素早く八の字を何度も書いて泳がせます。
すると何度目かで、8の字の頂点でバン!次の頂点でバン!と二度続けて50〜60cmヒラスズキが足元から飛び掛ってきました。が、残念無念フックには掛からず。
その後、時間を置いて何度も狙ってみましたが、根掛りでただ一つのルアーを失うまで、二度とその姿を現すことはありませんでした。
こうして2号の磯竿でルアーを引いてみて改めて強く感じたこと、それはやっぱりこういう磯竿でやるべきじゃないということですね。物凄く竿に負担が掛かってしまうし、下手をすると巻き過ぎて折ります。
でも振り出しの専用ロッドを買ってきて常にロッドケースの中に入れておくのも辛いんですよねえ・・・

ルアーで当たらなくなったなら次はこれだ!と、またも仕掛け変更。今度は2号丸玉オモリを通したズボ釣りです。
先ほどのヒラスズキの残像がちらついているので仕掛けを激しく上下させて誘ってみるのですが反応なし。
ゆっくり誘うとエサトリの猛攻の中で何とかホウライヒメジが一つヒット。

それにしても今日のこのズボ釣り、普段じゃ想像できないほど大変でした。
後ろからの暴風に仕掛けが空中を泳いで磯際に仕掛けがなかなか入れられません。餌の交換もまた大変ですが、これはいつものことなので慣れてるし。
ただ、その餌が入ったバッカンが風で押されてズルズル、ズルズルと平らな磯の上を滑ります。撒き餌の残量はまだまだ充分だし、杓立ての水も満タンですが関係なしです。
大体、風の椅子にもたれかかって釣りができますし、先ほどのヒメジをクーラーに入れに行くために風上目指して歩いてもなかなか前に進めない、時折否応無く体が止められるという状態ですもん。
そういえば朝一番に釣って、先端のタイドプールで泳がせていたハリセンボンが高波で打ち上げられ、そのまま風で飛ばされていたっけ(汗)

ka-minさんと二人で辛い、帰りたいと言い合ってみても、迎えの時間まではまだ結構あります。普段ならあまりにも時間が短いとボヤく中泊なのに。
仕方が無いのでホオタブロ側に戻って再びフカセ。
水面はまた登場したコガネスズメの色に染まり、沖で深釣りしても何も針に掛かりません。
そして、12時半、納竿。やっぱりこの時期の朝釣りは釣れないなあ・・・(釣れててもよぉ釣らんくせに)

 晴れ魔王・磯際さん(左)とGUREsummitメンバー 醤油屋さん
ツルクビを後にし、グレ太郎さんや寝太郎さん、ちくちゃん達が釣りをしていた源氏の周辺に行ってみてビックリ。
何?この風の穏やかさ!?先ほどまでの強風を話しても、信じられないと皆さん耳を疑うんですよ。
その磯の並びの中心にはあの方が居ました。晴れ魔王・磯際の魔術師さん。
結局二日間風の中で釣りをした悪天の総帥と、無風の中で釣りをした晴れ魔王。至近距離に居ても二人の間には峻厳たる風の壁が形成されるようですな(笑)


港に帰って検量・・・ですが、魚、いません。
唯一ちくちゃんが42〜3cmのマダイを一尾釣られているだけ。
2日間述べ24人で釣りをしてマダイ1匹グレ1匹。さすが魔王会です!!
そしてまたの再会とリベンジを誓い合って解散。
さてサタンフェスタ、次回はどこで開催されるのかな〜?
ま、どこでやっても結局釣果は変わらないでしょうけどね〜(爆)

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